虚栄心の意味とは
本題に入る前に、ここで虚栄心の意味について触れておきたます。
虚栄心とは、自分を大きく見せようとする心のことを言います。
虚栄心が強い人は、わかりやすい言葉で表現するとすれば見栄っ張りな人のことをこのように言います。
皆さんも自身の周りにこうした虚栄心の強い人がいないかどうか考えてみてください。
ここでは、そんな虚栄心の強い方の特徴などを一挙にご紹介していきます。
虚栄心を持ってしまう原因
虚栄心を持ってしまう原因としては大きく3つの心理的現象が関係しています。
それに当てはまる人ほど虚栄心を抱きやすいので自分の周りの人、ご自身に当てはまる事がないかチェックしてみてください。
- 自分に自信がないから
- 嘘が習慣化しているから
- 自分の事が嫌いだから
まず一つ目は、自分に自信がないということです。
大きな要因の1つとして挙げられる要素がこちらになります。
虚栄心の強い人は自分に自信を持てないという心理を隠すために、周囲に対して何とかして自分を大きく見せることに全力を注ぎます。
それは自信のない自分に対してコンプレックスをもっており、自信を持って何事もできる人に対して羨望を抱いているためです。
これによって無意識のうちに人は虚栄心の塊になってしまうパターンがあります。
二つ目の原因は、嘘をつくことが習慣化しているということが挙げられます。
これは、本当の自分を隠すために必要なことだからです。
自分に対するコンプレックスが強い人ほど自分を隠すために嘘を吐こうという心理が自然と働きます。
これによってついつい虚栄心の強い人は嘘を当たり前のようについてしまう傾向があります。
三つ目の要因として挙げられるのが、自分の事が嫌いだからという点です。
これは、一つ目と通じる部分はありますが、そもそも虚栄心の強い人が自分へのコンプレックスを隠すために外部に対して大きく見せようとします。
これら三つの要因が重なって人は虚栄心を大きく持つようになります。
自分に当てはまるところがないか改めて考えてみましょう。
虚栄心が強い人の特徴8選
虚栄心が強い人の主な特徴としては以下の８つがあります。
- 等身大の自分を認識できない
- 常に危機感を抱いている
- 自己否定の要素を持っている
- 弱い自分が好き
- 危機意識が欠如している
- 他力本願
- 周りも自分と同じように嘘つきだと思っている
- 虚栄だと認識していても制御できない
虚栄心が強い人の特徴①：等身大の自分を認識できない
虚栄心が強い方は、自分の実力をわかっていないことがよくあります。
通常の人なら無理だと分かっても、虚栄心の強い人にはわからないことが多いのが現実です。
自分に実現能力がなくてもできると思って先走ってしまうのがよくあります。
さらにできなければ自分の責任だとなかなか認めることができません。
虚栄心が強い人の特徴②：常に危機感を抱いている
虚栄心の強い人は表向きの自分を大きく見せようと必死になり、ひたすらに周りの人々からの羨望の目を集めようとします。
そのため、周りの人からは自信家と思われがちですが、実は虚栄心が強い人ほど自信がもてない傾向が強く、それを自覚している人がほとんどです。
虚栄心が強い人の特徴③：自己否定の要素を持っている
虚栄心の強い人は自分が弱いことを誰よりも分かっており自覚しているので、自己否定感情が強い傾向にあります。
自分に否定的でそれを認めたくないが故に、大きく見せようとついつい見栄を張ってしまうのが虚栄心の強い人の特徴とも言えます。
なので実際は周りからしてみればとても大きな人物に見えても実際はそうでもないという場合が多々あります。
虚栄心の本性は、強い自己否定から来ることも大きな要因として挙げられるのです。
虚栄心が強い人の特徴④：弱い自分が好き
弱いという自覚が誰よりも強い反面、そんな弱い自分に酔いしれてしまうのも虚栄心の強い人の1つの特徴として挙げられます。
弱い自分にコンプレックスを抱きながらもそんな自分に同情心を抱いて愛着を持つ場合が多いです。
ただし、これは決していい意味ではなく、この弱い自分を愛するというのは虚像を騙る自分に対する愛着です。
偽物を演じる自分に対して酔いしれてしまう悪い癖があるので虚栄心の強い人は精神的に未熟なところがあると言えます。
虚栄心が強い人の特徴⑤：危機意識が欠如している
虚栄心の強い人はそうでない人に比べて危機意識が低い傾向があり、後先考えない行動が目立ちます。
自分の思い立った時に行動し、あまり将来的なリスクを想定することはありません。
なので思いたったらすぐに行動に移してしまい、よくそれで失敗してしまうこともあります。
虚栄心が強い人の特徴⑥：他力本願
虚栄心の強い人は自分の弱さに対して自覚がありながらも自分ではどうすることもできないという自覚があります。
そのため、どうしても無意識のうちに他人に頼ってしまうところがあります。
それと同時に、自分のミスを相手に押し付けてしまうなどの無責任な言動が出てしまうこともあります。
虚栄心の強い人はこうして自分の不運を愛するあまり、自分のせいで事が失敗することをひどく恐れてしまう心情が働いての結果です。
虚栄心が強い人の特徴⑦：周りも自分と同じように嘘つきだと思っている
周りの人も同じように嘘をついているのだから、自分も同じように嘘をついても何も問題ない、という思考感覚が虚栄心の強い人の心にはあります。
それは、自分自身が嘘をつくことが日常化していることからくるものです。
自身が無意識のうちに自己防衛の嘘をつくことが日常なのでそれを相手にも同じ価値観として見てしまう傾向があります。
だからこそ、こういった人は嘘をつくことが自主的にとどめることができません。
他の人も嘘をつく、嘘をつかない人はこの世にいない、という価値観が固定化されているのが特徴です。
虚栄心が強い人の特徴⑧：虚栄だと認識していても制御できない
虚栄心の強い人は、自分で虚栄心が強いことをよくわかっていることも多いのです。
自覚をしているからこその言動が出てくるわけですが、それをやめようと思ってやめられないのが大きな特徴でもあります。
タバコなどに匹敵するほどの依存性を持っているこの特徴ですが、これも本人にとっては割とコンプレックスになりやすい要素です。
やめなければいけないけれどもやめられない。
しかし逆にそんな弱い自分を恋しく思ってしまうのが虚栄心が強い人の大きな特徴です。
なのでどれほど頑張ってやめようと思ってもなかなかやめることはできません。
虚栄心が強い人の心理状態6選
虚栄心が強い人の心理とは一体どのようなものなのでしょうか。
ここでは、そんな虚栄心の強い人の心理状態がどのようなものかに焦点をあてて6つ、ご紹介していきます。
- 自分を良く見せたい
- 多くの人から認められたい
- スゴい人だと思われたい
- 他人対していい格好をしたい
- 自分という存在を大きく見せたい
- 他人の賞賛を浴びたり、羨望の眼差しで見られたい
虚栄心が強い人の心理①：自分を良く見せたい
まず働く心理は、自分をとにかく良く見せたいという心理です。
自分をよく見せるために嘘をつくことにも抵抗を感じることはありませんし、手段を選ばない部分が強くあります。
第一印象などもかなりこだわる人が多く、自分に対して良い印象を持ってもらうために何でもします。
虚栄心の強い人のほとんどは根本的にこうした心理が働いています。
なのでその点はこのような方とお付き合いする際には理解しておきましょう。
虚栄心が強い人の心理②：多くの人から認められたい
自分を良く見せたいという考えから、自分をよくさせるために手段を選ばないことが虚栄心の強い人の大きな特徴であることは説明しましたが、ここでご紹介するそれも同様です。
それが、多くの人に認めてほしいという、いわば承認欲求です。
少しでも多くの人に認められ、そして褒められたいという心が強く働くことでそれを実現するための言動を行います。
虚栄心が強い人の心理③：スゴい人だと思われたい
虚栄心の強い人はスゴい人だと思われたいという心理も得ています。
とにかく自分をスゴいと誰かから褒めてもらいたいという欲求が通常の人よりも強い傾向があります。
これも自分を自分でなかなか認めてあげることが出来ない性質上の問題からくるものです。
虚栄心が強い人の心理④：他人対していい格好をしたい
虚栄心の強い人は常に人よりもカッコ良い自分でありたいという欲求があります。
なのでかっこいい自分を演じるために全力で様々な手段をとってきます。
このような人は自分の方が優位であるということを他の人に認めさせたいという欲求の下で動くので嘘をつくということに抵抗を感じません。
虚栄心が強い人の心理⑤：自分という存在を大きく見せたい
虚栄心の強い人は自分の優位性を他人に認めさせたいという欲求が常に強く働いています。
このような方は自分を他人に対して大きく見せようとすることを考えています。
原因は自分が誰よりも認めることができず、自分の代わりに自分を受け入れてくれる人を求めての結果です。
彼らは他人に認めてもらって自分を大きく見せることができれば自分も人気者になれると思っていることが少なくありません。
寧ろ基本的にそのような思考に駆られている人がほとんどなのが虚栄心の強い人の大半です。
虚栄心が強い人の心理⑥：他人の賞賛を浴びたり、羨望の眼差しで見られたい
虚栄心の強い人が最も求める最高の形は、他人から賞賛され、羨望されることです。
自分を見て欲しい、自分に対して見て欲しいという欲求が満たされる形がこれなので、彼らはこの姿を求めて努力を惜しみません。
そのための嘘であればいくらでもつきますし、相手を蹴落とすこともあります。
一味違った価値観を持っていますので、このような人と相容れることはあまりないかもしれませんが、うまく付き合うことができればとてもよい関係を築けるようになるのも事実です。
虚栄心が強い人との上手な付き合い方5選
では、虚栄心の強い人とうまく付き合うことはできないかと言われれば実はそういうわけではありません。
寧ろうまく付き合うことができればとても強い関係性で結ばれることも実現できるので、ぜひうまく付き合うための方法についても参考にしてください。
- 劣等感を否定しない
- 承認欲求を満たす
- プライドを傷つけない
- 根は悪い人ではないと理解する
- 間違っても完全否定しない
虚栄心が強い人との付き合い方①：劣等感を否定しない
虚栄心の強い人とうまく付き合うためにまず意識しなければならないのはその人の劣等感を否定しないことです。
そもそも虚栄心の強い人は自分に対する劣等感が強く、それを隠すために相応の態度を取ってしまっているので、この行為を行ういことは相手のプライドを深く傷つけてしまいます。
そのため、うまく付き合っていくためにはまず相手のことを否定するような言葉を発しないことが重要です。
虚栄心が強い人との付き合い方②：承認欲求を満たす
虚栄心の強い人は承認に対する欲求がとても高く、それを拒絶され得るとかなり心に傷がついてしまいます。
なので注意しなければならないのは常に承認欲求が大きいことに気を使い、些細なことも褒めてあげるということが重要です。
褒められるということが逆に見栄っ張りな彼らの心を満たす要素になってくれます。
なのでこれができれば虚栄心の強い人たちともかなりよい関係性が築けるようになりますよ。
虚栄心が強い人との付き合い方③：プライドを傷つけない
彼らはとてもプライドが高く、少しの自己否定によってすぐに感情の均衡を崩してしまうのが難点です。
なので虚栄心の強い方と付き合っていくには、何よりもプライドを傷つけないということが重要になります。
そのための補足として他の要素が混在してくる形になるので、まずはこの要素に触れることがないように細心の注意を払うようにしましょう。
虚栄心が強い人との付き合い方④：根は悪い人ではないと理解する
そもそもプライドが高いだけであって決して根から人間として悪い人だという考え方を払拭することです。
彼らは好きでこれらのような言動を繰り返しているわけではありません。
あくまで自分たちの性質にコンプレックスを抱えている所以であるということを知らなければなりません。
そしてそれを考慮した上でしっかりと対応の仕方を考慮しましょう。
言動が好ましくないから嫌いになるのではなく、しっかり本人と向き合ってあげることが重要です。
虚栄心が強い人との付き合い方⑤：間違っても完全否定しない
虚栄心の強い人は自分の言動に対して人格などの否定をされることを最も恐れますし、嫌がります。
彼らはとにかく自分の存在を誰かに見て欲しいという一心で様々な言動を意図的に行ってきますのでそれをあえて否定してしまうのは虚栄心の強い人にとってはマイナス思考の起点にしかなりません。
なので例え間違っていても完全否定するのではなく、相手の行いを理解しつつ、間違いを指摘してあげるようにすると、うまく付き合っていくことができます。
自分の虚栄心を克服する方法5選
虚栄心の強い人は克服したいと思いながらもそれが実行できずにいる場合がほとんどです。
そこで、実際に実行に移していくためにはどうするべきなのか、その方法を5つご紹介します。
- 等身大の自分を受け入れる
- 相手のことを素直に受け入れる
- 自分のコンプレックスを洗い出して、洗い出して、少しずつ克服する
- 好きなことや得意なことを見つけて自分に自信をつける
- 他人と自分を使い分ける
これら5つのポイントについて具体的にご説明していきます。
虚栄心を克服する方法①：等身大の自分を受け入れる
まずは等身大の自分をしっかりと受け入れることが重要です。
これは、無理なこともできると錯覚してしまいがちな虚栄心の強い人々が失敗を良くしてしまう原因となってしまう1つの大きな要因です。
失敗をすること自体は悪いことではないにしろ、何度も何度も無理なことをやろうとして失敗していまうことは周りの人の迷惑になりかねません。
なのでまずは自分の実力や能力の限界を知ってそれに見合ったミッションを受けるようにしましょう。
できる範囲のことに絞ってできるようになれば何も生活上問題なく過ごしていけますのでこれはとても難しいことですが重要なことです。
虚栄心を克服する方法②：相手のことを素直に受け入れる
次に挙げられるのは相手のことを受け入れるということです。
虚栄心の強い人はなかなか相手のことを受け入れることができずに自分本位になってしまいがちなところがあります。
それは自分への執着が強いために生じるもので、これをまずは破っていく必要があります。
そのために、相手を受け入れる努力をすることをしましょう。
様々な価値観を受け入れることで、さらに視野が広く持てるようになり、心にも余裕が持てるようになるので結果的に虚栄心の克服にも繋がる可能性を秘めています。
虚栄心を克服する方法③：自分のコンプレックスを洗い出して、洗い出して、少しずつ克服する
そしてさらに大事なことは、自分自身のコンプレックスに向き合うことです。
根本的な虚栄心の原因はこのコンプレックスに起因するものなので、早めの処理が必要です。
それを洗い出して1つ1つ克服していきます。
そうすることで自分のコンプレックスを全て改めて認識することができ、克服するために何をどうすれば良いのか冷静に考えられるようになります。
虚栄心を克服する方法④：好きなことや得意なことを見つけて自分に自信をつける
そしてコンプレックスを克服していくことで自分への自信へと昇華させていきます。
これができるようになればそもそも相手に対して嫉妬することもありませんし、心にも余裕が生まれてきます。
なので自信を持つことはよく世間ではナルシストと呼ばれて割と軽蔑の対象にされることもありますが、実際はとても大事なことなのです。
それができないことが結果的に虚栄心を大きくしてしまい、後戻りできない状況を作り出してしまうからです。
なのでコンプレックスの克服とともに、自分への自信も少しずつ持てるように努力することが重要です。
虚栄心を克服する方法⑤：他人と自分を使い分ける
そして最後にあげるのは、自分と他人を明確に区別することです。
これが重要になってくるのは、結局虚栄心の強い人は自分への注目を浴びせたいがために他の人を自分の価値観の中へ押し込もうとするからです。
それによって相手側のストレスになってしまい、うまく人間関係が築いていけません。
そういった人は必ずどこかで失敗します。
なので油断することなく、自分と他人を分けて考えるようにしましょう。
自分の意見を言うばかりではなく、時には相手の言葉にも耳を傾けることが重要なのです。
虚栄心の類語2選
ここでは、虚栄心という言葉に類似する言葉を2つご紹介します。
虚栄心という言葉にいい印象はないかもしれませんが、実際はそうでもないのでぜひ類似語を確認してその意味するところを考えてみましょう。
虚栄心の類語①：自尊心
まず虚栄心の類義語として挙げられるのはこちらの自尊心という言葉です。
こちらの言葉は、言い換えればプライドを意味し、プライドが高い人を指して言うこともあるので類語として紹介させていただきました。
他にも様々な言い換え方ができますが、最も最適な言い換えはこちらの言葉になります。
虚栄心の類語②：自惚れ
そしてもう1つは自惚れという言葉で言い換えることができます。
この言葉は、言い換えればナルシストという言葉で置き換えることができます。
自分が常に最も上であるという自覚をもっており、それを周囲に自慢する心理のことを意味する言葉として使われます。
こちらの言葉も、虚栄心の言い換えとして適した言葉と言えますのでここでご紹介させていただきます。
見栄をはらずに楽に生きたい人におすすめの本
では、虚栄心の強い人が、見栄を張らずにもっと気楽に生活できる環境を自ら作っていくためにはどのようなことに注意すれば良いのでしょうか。
ここでそんな人のためにおすすめしたい本をご紹介していきますので興味のある方、虚栄心を克服したいという方はぜひチェックしてください。
ここでご紹介するのはPHP文庫から出版されているのがこちらです。
この本は虚栄心が強い人をはじめとして、あまり心に余裕が持てない人のために書かれたもので、禅の教えの視点から心を落ち着けるための方法を説いてくれる一冊になっています。
虚栄心の強い人の価値観を知って上手な付き合いを
今回は虚栄心の強い人の持つ特徴から克服の方法まで様々な視点から全方面に渡ってご説明をさせていただきました。
この記事を参考にして、もしも周りに、あるいはご自身が虚栄心にとらわれている心当たりがあるならば参考にしていただきたいものになりますのでぜひご一読ください。
