革靴がカビ臭いときは要注意!
白カビ等ぱっと見てカビが生えているとわかる見た目もそうですが、独特のあの嫌な臭いでカビの発生に気が付く方も少なくはないはず。
ですが、革靴が「カビ臭い」と感じるレベルで臭っている場合、もうすでに革の奥にまでカビがギッシリと生えてしまっている可能性が高いということを頭に入れておいてください。
目に見えていない部分にもたくさんカビが発生してしまっている…考えただけでも恐ろしいですよね。
捨てるにも捨てられない、そんな革靴のカビ対策について知っていきましょう。
カビ臭い原因は細菌
そもそもカビ自体は無臭だということをご存知でしたか?
とっても意外な事実ですがカビが大量発生することでニオイの素となる細菌が生まれ、それによりニオイが発生するというのがカビ臭さのメカニズム。
元凶となった靴だけでなく、周りのものにもカビが移ってしまっている可能性もある為、カビ臭さのひどい一足を取り出しただけにせずにその周りもしっかりと確認することをおすすめします。
なぜ革靴にカビが生えるのか
革靴は他製品と比べるとカビが生えやすい性質を持っていますが、そもそもカビはどうして生えるのでしょうか。
温度と湿度が高く栄養と酸素があればカビは発生する
カビは胞子として空中を漂っています。
その状態から、栄養と酸素がある場所を見つけて発芽し、栄養を吸収して生きています。
そのカビの元が胞子を作り出してどんどん増えていき、最終的にはカビ臭さの元である細菌を発生させてしまうのです。
つまり、生えやすい条件が揃うことでカビは発生してしまう、革靴はその条件を良く満たしているということになります。
ズバリ、カビの発生しやすい条件とは栄養(人の汗や皮脂、ほこりや汚れ)と酸素があること、そしてご存知の方も多くいる温度が20~30℃、湿度が60%以上になる環境です。
革靴はカビにとって最適な環境
カビの栄養源になってしまうものとして、革靴の場合は一番に人の皮脂が挙げられます。
足の裏はよく汗をかく場所でもあるのでこれは仕方ない現象といえますね。
次に環境ですが、下駄箱の中は通気性が良い場所とは言い難く、湿気がたまってしまいがちで日の光も当たることはありません。
じめじめ蒸し蒸しとした状態になりやすい場所であること、これこそが一番の原因になりうるのです。
革靴にカビが生えた時の注意点
実際革靴にカビが生えてしまった場合のクリーニングや対処で、ついついやってしまいがちなNG行動があります。
これを知っておくと、いざという時に失敗せずに済みますね。
しっかりとチェックしていきましょう。
- 湿った布で表面のカビをふき取る
- 表面のカビをパタパタと叩き落とす
- 熱いお湯で革靴を洗う
- 革靴をエタノールや漂白剤に浸け込む
- 革靴をアルカリ性洗剤で洗う
- カビの生えた革靴の入っていた靴箱をそのままにする
湿った布で表面のカビをふき取る
表面にびっしりと生えてしまったカビを目撃した時、とにかくきれいにしようと雑巾などを濡らした状態で拭いてしまいがちですが、それは大変なNG行動。
表面だけに生えているカビでなかった場合、湿ったところが大好物であるカビにわざわざ水分を与えてしまうことになります。
それによってカビの再発を手助けすることになりかねません。
革靴表面に生えているカビをふき取るときは、そのまま捨ててもよい不要な乾いた布でふき取りましょう。
表面のカビをパタパタと叩き落とす
革靴表面に生えたカビをふき取るときに勢いよく叩いて払ったり、ほこりが舞うようなやり方で行ってしまうと、カビの胞子が飛んでしまい周囲にカビの菌をばらまいてしまうことになります。
表面のカビをふき取るときは、やさしく拭うようにすると胞子が飛び散らないので、カビの二次災害を防ぐとともに呼吸で吸引してしまう可能性も低くなるでしょう。
ベストな対策としては、表面のカビを落とす作業はなるべく野外で行うこと、マスクと手袋の着用です。
しっかりと対策して、安全で清潔に作業したいものですね。
熱いお湯で革靴を洗う
革の奥深くまで浸透してしまったカビは、カビ臭さも強く落ちにくいもの。
そんな状態の革靴には水洗いが効果的ですが、その際の水温に注意が必要です。
菌を殺菌する意味で熱湯が良いと考えてしまうかもしれませんが、熱いお湯は革の素材を傷めてしまう為絶対にNG。
人の体温程度のぬるま湯か水が良いでしょう。
革靴をエタノールや漂白剤に漬け込む
これも、頑固な臭いを取ろうとしてやってしまいがちな間違いです。
物によってはこれでカビ臭さがスッキリとれた!という意見もありますが、革はとってもデリケートな素材ですよね。
漂白剤で色落ちしてしまったり、材質が変化してしまったりとリスクの高いクリーニング方法になります。
どうしてもトライしたい場合は、素材をしっかりと確認した上での自己責任で行ってください。
アルカリ性洗剤で洗う
カビの発生を確認してから、すぐにでもキレイにしたい!という思いからやってしまいがちなのが、手持ちの洗剤で洗ってしまうというものです。
ここで注意するポイントは革は基本的には酸性であるということ。
その為アルカリ性の洗剤とは相性が悪く、素材が傷んでしまう可能性があるのです。
急ぎの場合でも洗剤の性質を確認するのはもちろんのこと、なるべく革製品専用の洗剤を使うようにしましょう。
スエードにはスエード専用が良し。
カビの生えた革靴の入っていた靴箱をそのままにする
カビの生えた靴の周りには、カビの胞子や雑菌が密集しています。
元凶である革靴をキレイにしても、また同じ環境に戻してしまっては同じことの繰り返しになりかねません。
さらに周囲のものにもカビが移っている可能性が高いので、靴箱はそのままにせず、風通しを良くして中もしっかりと殺菌しておきましょう。
革靴のカビのおすすめのクリーニング法
一口に革靴のカビと言っても、カビ臭さの強い頑固なものはしっかりとしたクリーニングが必要です。
カビ臭さを根こそぎ落としたいなら、表面だけのカビに思えても「靴箱丸ごと掃除する!」くらいの気持ちで取り組んでいきましょう。
基本はカビ取りクリーナーを使うこと
まず最初にカビ取りクリーナーを乾いた布に付け、表面のカビを落としていきます。(中敷きも同様に)
その後直接靴にクリーナーをスプレーし、通気性の良い場所で3日ほど陰干ししましょう。
ここまでが基本的な革靴のクリーニング方法です。
カビ臭さのひどい頑固なカビ汚れは以下でご紹介していきますね。
革靴のカビ臭には専用アイテムを使った水洗いが効果的
革靴のカビ取りにはレザーシャンプーがおすすめです。
拭き取ったりするだけでは繊維の奥まで洗浄されない為、専用の洗剤で水洗いするのが最も効果的なのです。
しかし、革靴によっては水洗い厳禁のものもある為、水洗いに耐えられる素材なのかどうかをきちんと確認してから行ってくださいね。
そして洗剤についてのポイントですが、レザーシャンプーを選ぶときは酸性か中性を選ぶようにしてください。
前の項目でもご説明していますが、革製品は基本的に酸性のため、アルカリ性の洗剤は避けた方が無難です。
レザーシャンプーは液体と泡状の2種類が主流で、原液のまま使うタイプと薄めて使うタイプに分かれています。
洗剤の使用方法などをよく読んで、洗いたい革靴の素材に合った使い方をしてくださいね。
水洗いできないものは拭き洗いが効果的
水洗いよりも革靴へのダメージが少なく、クリーニング作業も丸洗いに比べると手軽なのでおすすめです。
まず、不要な布を濡らして全体を拭き、革靴全体を湿らせておきます。(拭き洗いの時は濡らした布でOK)
次に濡らして絞ったスポンジにクリーナーを付けて(泡立つものが良い)革靴全体の汚れを落とすように拭き洗いしていきます。
乾いた布で浮き出てきた汚れを拭き取ったら、革専用のコンディショナー塗りこみ、3日程陰干ししましょう。(完全に乾いていない状態でコンディショナーを重ね塗りしておくと良いです)
完全に乾いたら、最後に艶出し剤を塗っておしまいです。
艶出し剤は、クリーナーやコンディショナーと一緒に使うとより効果を発揮します。
革靴に生えるカビを予防する方法
効果的なクリーニング方法を知っていることはとても心強いものですが、カビが生えないに越したことはないですよね。
カビ対策をより万全にするためにも、以下の内容は要チェックですよ!
- 脱いだ革靴は乾燥させてから下駄箱に入れる
- 湿気が気になるときは靴の中に丸めた新聞紙を入れる
- 靴箱をパンパンにしない
- 靴箱には除湿剤を入れておく
- 革靴はなるべく奥にしまい込まないようにする
- 梅雨や雨続きの時は晴れの日に陰干しする
- 不織布保管袋を活用する
脱いだ靴は乾燥させてから靴箱に入れる
カビに最適な環境を作り出している革靴を、防カビ環境に切り替えるためにすることは、脱いだ革靴を乾燥させてから収納することです。
湿気が溜まった状態のまましまってしまうと雑菌の繁殖を促してしまうだけでなく、靴箱全体の湿度も上がってしまいます。
ある程度通気のよい場所に放置しておくだけでいいので、忙しいときでも導入しやすいお手軽な方法です。
湿気が気になるときは革靴の中に丸めた新聞紙を入れる
新聞紙は、湿気を吸って除湿剤のような働きをしてくれるという嬉しい性質があります。
そこを利用し、革靴の除湿も手助けしてもらいましょう。
やり方はとっても簡単。
丸めた新聞紙を革靴に詰めて保管するだけです。
家にあるものでさっとできる方法は導入しやすいですね。
靴箱をパンパンにしない
靴箱には、ある程度空間を持たせてすこしでも通気が良い状態にしておきたいものです。
まだスペースがあるからとぎゅうぎゅうに詰め込んむことは避け、余裕のある収納を心掛けるようにしましょう。
靴箱には除湿剤をいれておく
ドラックストアやネットでも、靴箱の除湿剤は簡単に手に入れることができます。
梅雨の時期などは特に出回っているので、手に入りやすいタイミングで買いだめしておくのもオススメです。
下記のおすすめのお手入れグッズでもご紹介していますのでチェックしてみてくださいね。
革靴はなるべく奥にしまい込まないようにする
基本的に、靴箱などの湿気が溜まりやすい場所では、手前よりも奥の方により湿気が溜まっています。
その点を踏まえて、湿気をためやすい革素材のものは取り出しやすい位置に収納しておきましょう。
それによってクリーニング等お手入れもしやすくなり一石二鳥です。
梅雨や雨続きの時は晴れの日に陰干する
梅雨や雨続きの期間は家中がじめっとした感じになりますよね。
靴箱の中も湿度が高い状態が保たれることになります。
梅雨は時期的に気温も低くない時期ですので、カビの最適環境が出来上がりやすくなってしまい、とっても危険。
そんな時期は、たまにある晴れの日のタイミングで革靴や靴箱を乾燥させましょう。
革靴の場合は数時間の陰干でOK。
靴箱は開け放っておくだけでも換気や乾燥に繋がります。
不織布保管袋を活用する
不織布保管袋は、ほこりや雑菌は防ぐのに通気はしてくれるというとっても優秀なアイテム。
滅多に出番のない靴などの収納には最適ではないでしょうか。
100均でも取り扱いがあるので、よりお安くゲットすることができます。
おすすめの革靴手入れグッズ
革靴クリーニングには、革専用のレーザーシャンプーが最適です。
安心の酸性~中性で革の素材にも優しく、コストパフォーマンスも良し。
革専用の石鹸というだけあって、とってもシンプルな成分でできています。
余分なものが入っていないのに、クリーニング力は強力。
こちらもリーズナブルなのが嬉しいですね。
天然の成分でできているというのがこちらのステインクレンジング。
洗浄力も問題なく、柑橘系の爽やかな香りがより清潔感を感じさせてくれます。
クリーニング後には栄養補給もお忘れなく。
疲れた印象の輝きを失った革素材も、伸びの良いクリームでピカピカに蘇ります。
まさに革の達人!
革製品の栄養補給にはサフィールのユニバーサルローションがピッタリ。
革靴だけでなく、バッグなど革製品にはオールマイティーなので様々な場面で活躍してくれます。
クリーニングでできてしまった小さな傷や、ちょっとした色落ちをキレイにカバーしてくれるのがこちらのアイテムです。
重ね塗りも、他の色と混ぜて使うこともできるので色々と応用が利いて便利。
補修力に長けていて、どこを直したのかわからなくなるほどのクオリティー。
部分補修のスペシャリストと言っても過言ではないですね。
革靴のカビを防ぐ前に、靴自体についているニオイ菌を撃退してくれるアイテム。
日々のお手入れにはおすすめですよ。こちらは無香料タイプです。
バイオの力で、カビの発生する元を押さえてくれるというもの。
靴箱の内側に忍ばせるだけで一定期間効果が持続するタイプで、除湿剤と一緒に使うのも効果的。
靴に直接入れるタイプの除湿剤です。
水分を吸うとゼリー状になるため、見た目で分かりやすく交換時期も明白に。
脱臭もしてくれるところがナイスな商品です。
ドライペットの靴箱用のタイプ。
こちらも脱臭機能付き、まとめ買いすれば靴箱全体除湿も完璧です。
靴やバッグなどの革製品におすすめなのが、不織布保管袋。
通気性もよく、クリーニング後の保管にも最適です。
高いコストパフォーマンスも嬉しいポイント。
革靴のカビ対策はちょっとしたひと手間から
カビの発生、クリーニング法についての知識がついたからこそ、今後はしっかりとした予防対策ができるもの。
日常生活の合間、ちょっとしたひと手間でできることばかりなので、ぜひ実践してカビ無しの快適革靴ライフを満喫してください。