洗濯槽のカビは見えない裏側に付いている
私たちの生活に欠かすことの出来ない洗濯機。
毎回洗剤を投入し衣類を洗浄しているので、一見洗濯槽は綺麗に見えているでしょう。
しかし、洗濯機に発生するカビは主に洗濯槽の裏側に生えていることが殆どなのです。
洗濯をした際の水分がそのまま付着している状態は、菌が繁殖しやすく洗濯槽にカビが生える原因でもあります。
普段の生活の中で洗濯槽の裏側を見る機会はなく、カビに気付かず衣類を洗っている方が多いのではないでしょうか。
特に小さな子供や高齢者がいる家庭は、カビが付いた状態のままだと健康に害を及ぼす可能性も考えられます。
またカビは洗濯洗剤では落ちにくく、特殊なクリーナーを用いらないと除去はなかなか難しいのです。
まずはカビの繁殖のメカニズムを見ていきましょう。
洗濯槽のカビの原因は「水分・気温・栄養」
洗濯槽にカビが発生するには幾つかの条件があります。
それは「水分・気温・栄養」の3つです。
洗濯後の槽に付着した水分は、カビにとってとても心地よい湿度を生み出します。
またカビはおよそ20度~30度の温度を好み、残った水分と気温により調度よい環境を保つのです。
そして更に洗剤や石鹸カスの残りがあると、カビの栄養となり繁殖しやすい条件が揃ってしまいます。
特に縦型洗濯機は槽が2重構造になっているものが多く、湿度がこもり洗剤カスなども溜まりやすいので注意が必要です。
カビを防ぐにはこの3つの条件を生み出さないことが大切であり、発生させない為の予防策も有効でしょう。
洗濯槽のカビは健康を害する?
カビと聞いて気になるのは、健康を害する可能性があるかどうかではないでしょうか。
実は目には見えていなくても、菌が洗濯物に付着している場合アレルギーや喘息を引き起こす可能性があると言われています。
カビが衣類やタオルに残ったまま使用すると、空気中に舞った菌を吸い込んだり肌に付着し健康に害を及ぼす可能性があるのです。
特に小さい子供や高齢者は過敏になりやすく、菌が付着した衣類などを使用すると症状が現れやすいと言われています。
また健康に害を及ぼすだけではなく悪臭の原因ともなるので、洗濯槽のカビ対策は必須ではないでしょうか。
洗濯槽のカビを自分で落とす方法
毎日使用する洗濯槽のカビを除去するには様々な方法があります。
可能であれば洗濯機を解体して槽を丸洗いしたいところですが、さすがにそれは難しいので専用のクリーナーを使用するのが一般的でしょう。
ホームセンターやドラッグストアなどでも専用のクリーナーは販売されており、その使用方法も非常に簡易的で扱いやすいのが特徴です。
また数種類あるクリーナーはその性質によって特徴も異なるので、自分に合ったクリーナーを選択することも出来ます。
洗濯槽のカビクリーナーの種類
洗濯槽のカビを除去するクリーナーには幾つか種類があります。
では、どの様な種類があるのでしょうか。
- 塩素系
- 酸素系
- 重曹
続いて、それぞれのクリーナーを詳しく見ていきましょう。
洗濯槽のカビクリーナー①:塩素系
洗濯槽のカビクリーナーには塩素系のものがあります。
塩素系クリーナーは次亜塩素酸ナトリウムを主成分とし、強い殺菌力でカビや悪臭対策に効果を発揮するタイプです。
このタイプで良く耳にするのがカビキラーであり、その強力さがお分かり頂けるのではないでしょうか。
こちらのクリーナーの殆どが縦型、ドラム式どちらの洗濯機にも対応しています。
洗濯槽のカビクリーナー②:酸素系
洗濯槽のカビクリーナーには酸素系のものがあります。
酸素系クリーナーは過炭酸ナトリウムが主成分であり、強力な発泡作用で菌や汚れを洗い流してくれます。
このクリーナーを使用すると汚れがプカプカと根こそぎ浮かんでくるので、綺麗になった実感も湧きやすいのではないでしょうか。
但し、精密な構造になっているドラム式の場合は浮いた汚れが排水溝に詰まる可能性があるので、クリーナーが対応しているか確認する必要があります。
洗濯槽のカビクリーナー③:重曹
洗濯槽のカビクリーナーには重曹があります。
重曹は炭酸水素ナトリウムを主成分としており、汚れの分解や悪臭対策に効果を発揮します。
ひとつあれば家中の掃除に使用できるとあって、わざわざ買い足す必要が無くコストが抑えられるのも魅力ですね。
また、石鹸と同じ主成分なので他のクリーナーよりも人体への影響が少なく、特に小さな子供がいる家庭では安心して使用出来るのではないでしょうか。
そしてこの他にもホタテの貝殻がクリーナー代わりになるとも言われており、槽専用のホタテクリーナーなども販売されています。
自分のライフスタイルに合ったクリーナーを選択し、洗濯槽を清潔に保ちたいですね。
洗濯槽のカビを除去する方法【塩素系クリーナー編】
洗濯槽を塩素系クリーナーで洗浄する際は、お使いのクリーナーの使用方法に従って行います。
洗濯機に槽洗浄コースがある場合はそちらを選択し、無い場合は通常の洗濯コースにて行います。
槽洗浄コースであれば浸け置きの時間などが自動的に設定されていますが、通常の洗濯コースは手動で浸け置きなどの工程を行う必要があります。
洗濯コースの場合はまず洗濯槽一杯に40度~50度の熱めのお湯をはり、そこにクリーナーを投入します。
クリーナー投入後、洗いのみを選択し2~3時間放置します。
後はすすぎや脱水など通常通り行えば除去は完了です。
もし汚れの浮きが激しい場合やまだ汚れの付着がありそうな際は、同じ工程を3~4回繰り返すとスッキリと除去されるでしょう。
洗濯槽のカビを除去する方法【酸素系クリーナー編】
洗濯槽を酸素系クリーナーで洗浄する際は、浸け置きを重点的に行いましょう。
汚れを浮かせて除去するタイプの酸素系クリーナーは、しっかりと浸け置きをすることで根こそぎカビを浮かせてくれます。
塩素系と同様に槽洗浄か通常の洗濯モードかを選択し、クリーナーの使用方法通りに行います。
通常の洗濯モードの場合は、槽にお湯をはりクリーナーを投入してから1度洗います。
そしてそのまま3時間以上浸け置きし汚れやカビをネットなどで取り除いた後、再度洗いを行います。
ここで汚れを取り除かないと、排水溝が詰まり洗濯機の故障の原因にもなりかねません。
後はすすぎや脱水を行い、汚れを取り除けば除去は完了です。
洗濯槽のカビを除去する方法【重曹編】
洗濯槽を重曹で洗浄する際は、重曹の量に気を付けましょう。
1回の槽洗浄に必要な重曹の量は、およそ200ccのカップ1杯分です。
あまりにも入れる量が少ない場合、汚れへの効果が薄くなる可能性がありますので注意する様にしましょう。
また、重曹を使用する際は浸け置きの時間を長めに設定する必要があり、槽洗浄よりも洗濯モードの仕様をお勧めします。
使い方は、槽一杯にお湯をはりそこに重曹を投入し、洗濯モードで洗うを1回行いそのまま5時間以上浸け置きします。
出来れば1晩浸け置きし、翌朝浮いている汚れをまずは手で除去します。
その後、再度洗うを1回行いすすぎと脱水を2~3回繰り返せば終了です。
更に洗浄力をアップさせたい時は、重曹1カップに対しクエン酸を1/3カップ入れるとより効果的に汚れを除去出来るでしょう。
洗濯槽にカビが付きづらくする方法
洗濯槽のカビは出来るだけ普段から生えない様に気を付けたいですよね。
では、どの様な対策を行えばカビを防ぐことが出来るのか、幾つかその方法を見ていきましょう。
洗濯槽にカビが付きづらくする方法①:洗剤は入れ過ぎない
洗濯槽のカビを防ぐには、洗剤を入れ過ぎないことが大切です。
洗剤を多く入れると、つい良く洗えた気分になりませんか?
実は洗剤を入れ過ぎた際の残りカスは水分を含んだ湿気の塊となり菌やカビが繁殖しやすくなります。
カビを発生させない様にするには、まずカビのエサを与えないことが重要です。
出来るだけ洗剤の量は入れ過ぎず、洗濯機に表示される規定量を守ることが大切でしょう。
洗濯槽にカビが付きづらくする方法②:洗濯物はすぐ干し、蓋を開けておく
洗濯槽のカビを防ぐには、洗濯物をすぐ干し蓋を開けておくことが重要です。
洗濯が終わった後、つい忘れて放置していると悪臭がついてしまったという経験がある方も多いでしょう。
例え衣類を洗剤で洗浄したとしても、湿気を含んだ状態で放置しているとそこで菌が繁殖し悪臭やカビの原因になるのです。
また、洗濯槽が空の状態で蓋を閉じてしまうのもカビ発生の原因となります。
洗濯後の槽内は水分が多く湿度も高い為、カビにとって好条件の空間になります。
そこを蓋で閉ざしてしまうと、湿度が逃げず槽内の気温は上昇し繁殖に適した環境になってしまうのです。
洗濯が終わった後は出来るだけ早めに衣類を干し、蓋は常に開けておく状態を保ちましょう。
洗濯槽にカビが付きづらくする方法③:粉末の酸素系漂白剤
洗濯槽のカビ防止には、粉末の酸素系漂白剤が役立ちます。
酸素系漂白剤とは過炭酸ナトリウムを主成分とした洗濯用漂白剤で、衣類をスッキリと洗い上げてくれるに効果的です。
使い方は洗剤と同量の酸素系漂白剤を入れ、通常通り洗濯するだけです。
普段から酸素系漂白剤を使用していれば、衣類だけではなく槽内も清潔に保つことが出来るので別に槽洗浄剤を購入する必要な無くなりますね。
また、カビ防止だけではなく消臭効果にも期待でき、更に手間もかからない非常に利便性の高い方法でしょう。
洗濯槽のカビクリーナーを使う頻度
洗濯槽のカビを防止するには、どの位の頻度でクリーナーを使用すればよいのでしょうか。
殺菌力が強力な塩素系クリーナーはあまり高頻度で使用し過ぎると槽内を痛める可能性がありますので、半年に1~2回の洗浄をお勧めします。
また酸素系の場合は、基本的に泡で洗浄するタイプなので槽内を痛める心配はない様です。
なので気になる方はこまめに洗浄しても問題なく、およそ1か月に1回の頻度で使用すると効果的でしょう。
重曹を使用する際も酸素系と同様に日常的に使用しても何ら問題はありません。
洗濯槽の洗浄をしばらくやっていないと言う方は、酸素系で洗浄した後更に塩素系で行うなど組み合わせての使用をお勧めします。
こまめに槽内を洗浄したいという方は酸素系や重曹、数カ月に1度で十分と言う方は塩素系という風に自分に合ったクリーナーでカビ対策を心掛けましょう。
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見ることが出来ない洗濯槽の汚れ、しかし普段カビだらけの洗濯機で洗っていると考えると気持ちの良いものではありませんよね。
洗濯槽の汚れは除去するだけではなく、カビを寄せ付けない対策も普段から行っていると更に安心でしょう。
しばらく槽内を洗浄していないという方やしたことが無いと言う方は、自分に合ったクリーナーで洗濯槽のスッキリを実現してみてはいかがでしょうか。