ここ数年で注目を集めているのが「引きこもり主婦」の存在です。
これまで知られてこなかった、家を出ることのない主婦たちについて詳しくお伝えします。
引きこもり主婦って何?急増している理由は?
「引きこもり主婦」とは、いわゆる”世の中”との接触を断っている主婦を指す言葉です。
こうした「ひきこもり主婦」の存在は、最近まで知られていませんでした。
2010年の内閣府調査の「ひきこもり者約70万人、予備軍をふくめると225万人」という数字の中に「ひきこもり主婦」は含まれていませんでした。
当時の調査では「自宅で家事・育児をすると回答した者を除く」とされ、一般的に”主婦が引きこもりになる”という発想がなかったようです。
引きこもり主婦になりやすいタイプ
引きこもり主婦になりやすいタイプには、どんな特徴があるのでしょうか。
鍵を握るのは人とのコミュニケーションのようです。
- 友人が少ない
- テレビやネットが好き
- めんどうなことが嫌い
- 人づきあいが苦手
- 責任感が強い
- 容姿にコンプレックスがある
- お金がないことを気にしている
- 家族の生活リズムが不規則
- 引っ越し続きで環境になじめない
- 仕事を辞めた
タイプ①: 友人が少ない
友人が少ないと、まず人と話す機会が減ります。
人とコミュニケーションをとる機会が減れば、ランチやショッピングに出かける機会も少なくなるでしょう。
一人でも気兼ねなく出かける主婦は多いですが、「予定がないと出かけない」「一人で外出はイヤ」という人の場合、引きこもりがちになるようです。
タイプ②: テレビやネットが好き
テレビやネットが大好きな人な、わざわざ外出しなくても自宅で存分に普段の生活を楽しめます。
映画を観に行く必要もなければ買い物もネットでOKなので、人と話す機会が極端に減ってもおかしくありません、
ネットの世界にのめりこみ、日常生活に支障をきたすケースは主婦でなくても数多く見られます。うちの奥さん、インターネットのやりすぎかも?と思ったら注意が必要ですね。
タイプ③: めんどうなことが嫌い
女性が外出するとなると、部屋着から外出用の服に着替え、メイクをして髪をセットしてバッグと靴を選んで…とやることがいっぱい。
実はこれを面倒に感じている人は多いはずです。
仕事をしていれば毎日の日課になっていることでも、専業主婦で時々しか必要ないとなると一気にめんどうになるもの。
家にいる方がラクだから出かけたくない、と思ってしまうとどんどん引きこもりたくなるのではないでしょうか。
タイプ④:人づきあいが苦手
主婦同士のお付き合いを苦手だ、めんどうだと感じている人も多いはずです。
毎日のように顔を合わせていれば何の問題もなく交わせるあいさつも、たまにしか会わない相手だとちょっと身構えてしまいます。
さらに子供がいてママ友同士のお付き合いともなると、かなりハードルが高くなります。
どうやってママ友を避けるかを考える毎日がいやになって引きこもる、という例もあるようです。
そもそも人がたくさんいる場所が苦手で、人混みに近づくだけで気分が悪くなるという人もいます。
人に気をつかう人間関係がある場所には、苦手意識ができやすいですよね。
タイプ⑤: 責任感が強い
「引きこもり主婦」には、まじめで責任感が強いタイプが多いと言われています。
そういう人は、夫や子供のために”これはやらなくちゃ!”と、主婦の役割をまじめにこなそうとして自分のことが後回しになりがち。
自分が出かけたい時でも家族の都合を優先することになったり、結局は自分が行きたい場所に出かけるタイミングを逃し続ける結果に。
それが続くといつのまにか「引きこもり主婦」になっているという訳です。
タイプ⑥: 容姿にコンプレックスがある
女性にとって、容姿のコンプレックスは非常にデリケートな問題です。
他人から見ればどうということのないことでも、本人にとっては大問題。
主婦になり出産した後太ってしまったり、育児のストレスからハゲてしまったりなど外見が大きく変化した人の場合、「引きこもり主婦」になりやすいと言われています。
自分の容姿に自信が持てなくなって人と会うことが怖くなってしまうのです。
買い物にさえ行けなくなり、ついには引きこもってしまう例も多いのです。
タイプ⑦: お金がないことを気にしている
本当は友達とランチや買い物に行きたいのに経済的に苦しくて我慢している主婦の数も、実は多いのではないかと思います。**
誰かと出かければ当然一緒に美味しいものを食べたいですし、同じことをして楽しみたいですよね。
しかしお金がないと楽しめないことがあるのも事実。
自分には経済的に余裕がない、と話せる友人ばかりならいいのですが、そこは色々事情もありますよね。
誘いを断ってばかりいるうちにお友達との付き合いもなくなり引きこもってしまうのって、ありえる話です。
タイプ⑧: 家族の生活リズムが不規則
主婦は既婚者ですから、少なくとも夫は家にいるはずです。
しかし夫がシフト勤務などで不規則な生活をしていると、夫と1週間会話しない、などということも充分ありえます。
本来なら一番身近にいて話を聞いてほしいのに、コミュニケーションをとることもできない状態は寂しいですよね。
自分のためだけに料理を作るのが面倒になったり、旦那が帰ってくるまでダラダラするなど生活リズムが崩れてしまうパターンも。
そうなると友達や近所の人と生活リズムが合わなくなり、さらに引きこもってしまいがちになるようです。
タイプ⑨: 引っ越し続きで環境になじめない
夫の転勤の都合で、短い期間にあちこちを転々とする生活は辛いもの。
特に子供がいる場合、色々な手続きをしたり子供がその土地になじめるよう気を配るなど、主婦にとってストレスの多い状況が続きます。
やっと慣れたなと思う頃にはまた転勤になり、すべてまた一からやり直さなくてはなりません。
特に子供が小さいと働きに出るきっかけを逃してしまい、ますます家にこもりがちになっていまうのです。
タイプ⑩: 仕事を辞めた
結婚を機に退職し家庭に入ったのがきっかけで引きこもるケースも意外と多いようです。
仕事をしていればいやでも社会とのつながりがありますが、専業主婦は独りぼっちで家にいるもの。
一度主婦になってしまうと仕事にもブランクができてしまい、再び働きに出るのが怖くなってしまう人もいます。
引きこもり主婦の自己診断をしてみよう
ここまで読んできて、もしかして私、引きこもり主婦かも…と心配になった人はいませんか?
気になる方は、このリストでチェックしてみましょう。
<ひきこもり主婦チェックリスト>
□家族以外の人と、長期間、話す機会を持てていない
□悩みを共有できる相手がひとりもいない
□内科的病気があるわけではないのに、夫がいないときは何もする気が起きない、だるい、疲れる、気分がふさぐ
□人の気持ちに敏感になりすぎ、気疲れしてしまう
□人との競争が嫌いで、競争から自分でおりてしまう
□お人好しで、会話でも人に譲りがち
□断るのが苦手で、他者の期待に応えようと頑張ってしまう出典:ママテナ
チェックがたくさんつく人は、実は優しく感受性が豊かな人です。
人の気持ちに敏感で気を遣いすぎるので、気疲れして外に出るのがおっくうになってしまうんですね。
ちょっと肩の力を抜いて、自分が本当はどうしたいのか考えてみませんか。
自分の想いときちんと向き合うことから始めてみましょう。
引きこもり主婦の子供への影響
主婦がひきこもり状態になると、まずは「家事拒否」の状態になります。
育児中の主婦の場合は「育児拒否」になる場合も多いです。
「家事拒否」では、洗濯や掃除、食事の支度などが嫌になってしまいます。
子供がいても洗濯や食事の世話をしなくなると、これはもう育児放棄といっていいでしょう。
外出恐怖といって、買い物も配偶者が一緒でないと難しい場合が多いです。
「いい親でいなければ」とがんばろうとするものの、実際は自分のしんどさで手いっぱい。
「子どもが自分に反抗しているのではないか」などと被害妄想のような状態になり、子どもを「かわいい」と思えなくなってしまいます。
子供への虐待にエスカレートすることもあるので、早めのケアが重要です。
引きこもり主婦への社会復帰支援
引きこもり主婦への社会復帰支援にはどのようなものがあるのでしょうか。
- デイケア に通うなど定期的に出かけられる居場所をつくる
- 当事者がある自助グループに参加する
- 就労支援をうける
などが考えられます。
お住まいの場所より公的な支援の状況は様々だと思いますが、まずは自治体の保健師さんなどに相談するのがおすすめです。
家族にできるサポートととしては
- 家族以外の人との関わりをもたせる
- 外出のきっかけを作る
など、まずは玄関で靴を履く、郵便ポストまで行くなどハードルの低いところから焦らずステップを踏むことを考えましょう。
少しでも外出につながる行動ができたら、しっかり受け止めて褒めてあげることが大切です。
引きこもり主婦向きの仕事
外に出られないし出たくない、でも仕事がしたい。
とにかくどうにかして稼ぎたい!
引きこもりでOKな仕事とは、どんな仕事でしょうか。
人とのかかわりに疲れて引きこもっているのですから、できるだけ人と直接関わらずに済む仕事がいいですよね。
例えば
- アンケートサイトでポイントを稼いで現金化
- データ入力
- 転売・せどり
- 商品モニター
など、人と関わることがなく、人の感情の影響を受けにくい仕事がおすすめ。
ネット環境があればできるので、最初は家で作業して、外出できるようになったらカフェなど家以外の場所でも仕事ができるのではないでしょうか。
引きこもり主婦から脱出する方法
引きこもり主婦になってしまった原因には、人とのコミュニケーションの不器用さがあるのは事実。
そこを克服しないと、社会に出て第三者とうまく関わっていくことができません。
まずは二者関係(1対1の人間関係)をうまく作れるようになりましょう。
- 一番身近な二者関係を改善する
- 家族以外の二者関係を改善する
- 小さいコミュニティのお仕事を探す
①: 一番身近な二者関係を改善する
一番身近な二者関係とは、母子関係、父子関係や親子関係です。
その次の段階として、第三者である父親や兄弟(姉妹)を含めた家族の関係が挙げられます。
まずは自分にとって一番身近な人間関係を改善してから、徐々にステップアップしていきましょう。
②: 家族以外の二者関係を改善する
次にチャレンジするべきなのが家族以外の二者関係を改善すること。
友人や近所のひと、顔なじみの店員さんなどでもいいでしょう。
家族以外の他人との1対1の関係を作る練習が必要です。
その関係のなかで、まずは会釈をすることなどからスタートして、自分の要望をきちんと伝え、相手の話もきちんと聞けるようになるといいですね。
③: 小さいコミュニティのお仕事を探す
家族や身近な他人との二者関係をきちんと作れるようになったら、いよいよ地域に出てみる時期です。
喫茶店、パン屋さん、クリーニング屋さんなどで店員としてお客さんとの間に二者関係を作ることにチャレンジ。
いつも混雑しているお店ではなく、ゆったりと接客できるお店がいいですね。
自分以外の店員さんがいて、困ったときには助けてもらえる環境であることも大事なポイントです。
引きこもり主婦が不幸とは限らない?
「引きこもり主婦」と一言で言っても、”外出したくても出られない人”と”自ら進んで引きこっている人”とでは全然違いますよね。
他人から「変わり者」呼ばわりされてもいいと割り切ってしまえば、無理に人付き合いをする必要はありません。
旦那様が養ってくれるので自分で生活費を稼がなくても生活できますしね。
仕事をせずに一日中ゴロゴロしてテレビを観ていても、それが最高の生き方よ!と思うならOK。
誰からも後ろ指さされることじゃありません。
突然旦那様から離婚を切り出されたり、子供に見放されたりするかもしれませんが、それは自業自得。
すべて自分で潔く引き受ける覚悟をもって満喫すればいいのです。
引きこもり主婦の人気ブログ
引きこもり主婦の生活って実際にはどんな感じなんでしょうか。
こちらのブログでは、その実態を垣間見ることができます。
ブログ主さんは、海外で生活している主婦の方。
外国人のご主人とその義父母との生活ぶりを拝見できるのが面白いです。
国は変わっても、義父母との関係って、大変です。
働く女性がほとんどの国で専業主婦として暮らす主さんのコメントに、引きこもり主婦さんはすごく共感できると思います。
おすすめのヒーリングミュージック
”デトックス"は、本来「解毒」「浄化」という意味で、からだの中にたまった毒素を排出する健康法の一つ。
毎日の生活の中で上手にストレス解消ができないと感じている方には、自律神経を整え、精神的な負担を軽くしてくれる音楽がおすすめです。
このCDは、からだの中の水分がさらさらと流れるようなイメージの音や水の音、せせらぎ等の爽やかなサウンドで構成されています。
目を閉じて音楽に身を委ねていると、心が解放され毛穴という毛穴から緊張やストレスが排出されていくように感じるはず。
メディテーションや毎日のストレス解消に最適な一枚です。
期間限定の引きこもり主婦もいいかも
「自分はダメ主婦なんじゃないか」「もっといい母親になれるはず」とついつい自分に厳しくマジメに考える人が引きこもり主婦になってしまうようですね。
世の中の普通よりもダメでいいじゃないですか。
まず自分が自分であることを認めて、自分なりに主婦をがんばってることを認めましょう。
それで家族が幸せなら、生きていくことに何の問題もありません。
それでも引きこもらない主婦でいたければ「引きこもり主婦」を期間限定で楽しむのも一興かと思います。
脱出してみると、それもまた楽しいですよ♪