野菜ジュースの選び方
野菜ジュースを選ぶときに栄養素を必ずチェックする人は多いでしょう。
しかし、野菜ジュースには様々な種類があり、目的に合わせたものを選ぶことが大切です。野菜ジュースを買う際は以下のポイントを意識して選ぶと良いです。
- 飲みやすい味
- 原材料表示をチェック
- 容器
- 糖質・食塩相当量
野菜ソムリエのkurumiさんに野菜ジュースを選ぶときのポイントを解説してもらいました。
飲みやすい味
ダイエットにしろ、健康のためにしろ、野菜ジュースを飲む習慣を続けるためには味が重要です。
野菜ジュースには大きく分けて「野菜のみ」のタイプと「果汁入り」タイプの2種類があります。
野菜の成分をしっかり摂りたい人は野菜のみのタイプがおすすめです。トマトや人参などをベースに使ったもにの2パターンが主流です。
トマトベースのものは酸味が強いです。種類によっては青野菜が入っており、風味が効いているものもあります。人参ベースのものは甘めで比較的飲みやすいです。
果汁入りタイプは野菜のみにあった香りや味のクセがかなり抑えられるので、野菜嫌いの方やお子様でも飲みやすいです。しかし、果物を使うためカロリーや糖質が高めになるので注意が必要です。
また、いろいろ試すために最初は1本単位で買って、気に入った野菜ジュースを見つけてからお得な箱買いをすることをおすすめします。
原材料表示をチェック
野菜ジュースを選ぶ際は必ず原材料の表示を見て「添加物」と「使われている野菜」をチェックしてください。
野菜ジュースは飲みやすくするために塩分や糖分を含んだ添加物が多く使われていることがあります。添加物があるから体に悪影響というわけではないですが、健康やダイエットのために飲むなら無いものを選ぶのをおすすめします。
また、原材料は多く使われているものから順に書かれています。なので、原材料表示を見ることでトマトや人参、フルーツなどがどの割合で使われているのかおおよその見当がつきます。
容器
野菜ジュースを飲む目的によって選ぶべき容器が変わります。
野菜ジュースの容器は「紙パック」「ペットボトル」「缶タイプ」があります。
缶タイプは賞味期限が非常に長いので、毎日飲むわけではないが常備しておきたい人に向いています。
一方、毎日飲む習慣がある人は手軽で新鮮な紙パックタイプをおすすめします。
ペットボトルタイプは賞味期限に関しては紙パックより長く、缶タイプより短く、大容量なので消費量が多い家族用としておすすめです。
糖質・食塩相当量
野菜ジュースを糖質・食塩相当量ダイエット目的で飲む人も多いですが、実は野菜ジュースには糖質や食塩相当量などをチェックしないと逆効果になることあります。
野菜ジュースには砂糖が使われていないことがほとんどですが、使われている野菜によっては糖質が多くなることもあるので注意が必要です。特に、フルーツミックスタイプは飲みやすいように甘くしてあるので、糖質が高い傾向にあります。
また、メーカーによっても糖質や食塩相当量が大きく異なります。
メーカー | 商品名 | 糖質量 | 食塩相当量 |
---|---|---|---|
KAGOME | 野菜一日これ一本 | 12.7g | 0.1~0.3g |
伊藤園 | 1日分の野菜 | 14.1g | 0.04~0.57g |
伊藤園 | 1日分の野菜(栄養強化型) | 18.4g | 0.03~1.09g |
KAGOME | 野菜生活100 | 16.0g | 0.05~0.3g |
伊藤園 | ビタミン野菜 | 15.4g | 0~0.24g |
KAGOME | カゴメトマトジュース | 7.8g | 0~0.06g |
このようにばらつきがありますが、ダイエットで糖質量を制限したい人は糖質オフの野菜ジュースを買うのもおすすめです。
実際に編集部が飲みました!野菜ジュースおすすめランキング8選
今回は、コンビニやスーパーで売っている野菜ジュースを編集部が実際に購入して飲み比べました。
今回購入した野菜ジュース
- KAGOME 野菜生活100 オリジナル
- 伊藤園 1日分の野菜
- KAGOME 野菜1日これ一本
- KAGOME 濃くてしっかり野菜
- 伊藤園 1日分の野菜 栄養強化型
- 伊藤園 1日分のビタミン12種ビタミン野菜
- KAGOME カゴメトマトジュース
- 農協 39品目の野菜&フルーツ100%
また、ランキングは以下のポイントを考慮して作成しました。
- 飲みやすさ
- 栄養分
- 糖質と食塩相当量
- カロリー
第8位 KAGOME カゴメトマトジュース
今回の中で最もローカロリーなのがカゴメトマトジュースです。リコピンが多く含まれているのはもちろんですが、野菜ジュースには珍しいGABAも含まれています。機能性表示食品にもなっており、血圧を下げる効果が期待できます。
飲んだ感じは水っぽく、トマトの果汁を飲んでいる感じです。
項目 | 量 |
---|---|
飲みやすさ | 4点 |
カロリー | 40cal |
糖質 | 7.8g |
食塩相当量 | 0~0.06g |
食物繊維 | 1.4mg |
リコピン | 15.9~27.8 |
GABA | 24mg |
カリウム | 600mg |
第7位 伊藤園 1日分の野菜
管理栄養士推奨と推されている通り、栄養価が高めです。
飲むと少しとろみがある舌ざわりです。飲んだ後にトマトの後味が強く残り、癖があるので野菜ジュースのコクが苦手な人にはオススメできません。
項目 | 量 |
---|---|
飲みやすさ | 5点 |
カロリー | 71cal |
糖質 | 14.1g |
食塩相当量 | 0.04~0.57g |
食物繊維 | 0.9~3.1mg |
リコピン | 14mg |
βカロチン | 4720~12520ug |
カリウム | 655mg |
第6位 KAGOME 野菜1日これ一本
とろみが強いが、トマトの後味は弱めです。伊藤園の1日分の野菜よりは飲みやすいです。
濃厚な割にカロリーが低めなのでダイエットしてる人や、野菜シューズに飲み慣れていないけど味をしっかり味わってみたい人におすすめです。
項目 | 量 |
---|---|
飲みやすさ | 6点 |
カロリー | 63cal |
糖質 | 12.7g |
食塩相当量 | 0.1~0.3g |
食物繊維 | 1.0~2.8mg |
リコピン | 16mg |
βカロチン | 1200~6700ug |
カリウム | 750mg |
第5位 農協 39品目の野菜&フルーツ100%
野菜ジュースのくどさやクセが全くなくジュースのように飲めます。
飲んだ瞬間にりんごジュースのような甘さが広がるのが印象的です。
栄養分は他のものに比べてやや低めです。
項目 | 量 |
---|---|
飲みやすさ | 10点 |
カロリー | 62cal |
糖質 | 14.9g |
食塩相当量 | 0~0.21g |
食物繊維 | 0~0.3mg |
リコピン | - |
βカロチン | 1300~11000ug |
カリウム | 194~645mg |
第4位 KAGOME 野菜生活100 オリジナル
野菜をすりおろしたような粒感が印象的な野菜ジュースです。
野菜より果物の甘さが際立つフルーツジュースのように飲みやすい野菜ジュースです。
項目 | 量 |
---|---|
飲みやすさ | 9点 |
カロリー | 70cal |
糖質 | 16.0g |
食塩相当量 | 0.05~0.3g |
食物繊維 | 0.6~1.9mg |
リコピン | - |
βカロチン | 4000~11000ug |
カリウム | 400mg |
第3位 伊藤園 1日分のビタミン12種ビタミン野菜
野菜ジュースというよりはレモンや柑橘系のジュースに近く、さっぱりしてて飲みやすいです。
ビタミンや葉酸が通常の野菜ジュースよりもかなり多く含まれているので、健康志向の女性におすすめ。
項目 | 量 |
---|---|
飲みやすさ | 10点 |
カロリー | 79cal |
糖質 | 15.4g |
食塩相当量 | 0~0.24g |
食物繊維 | - |
リコピン | - |
βカロチン | - |
カリウム | 187~482mg |
第2位 KAGOME 濃くてしっかり野菜
野菜の使用量が450gと今回のランキングでは最も多い。
濃いと書いてあるが、飲みごたえはやや水っぽい。緑色野菜の味がやや強く、他の濃い野菜ジュースと異なり、トマトの味が弱い。
項目 | 量 |
---|---|
飲みやすさ | 7点 |
カロリー | 83cal |
糖質 | 15.9g |
食塩相当量 | 0.03~0.6g |
食物繊維 | 3.5~9.3mg |
リコピン | 22mg |
βカロチン | 2500~14000ug |
カリウム | 960mg |
第1位 伊藤園 1日分の野菜 栄養強化型
飲んだ瞬間に人参の甘みが広がり、トマトの後味はほぼないです。野菜ジュース独特の後味がなく、さっぱりしてて飲みやすいのが印象的です。
食物繊維が同じ伊藤園の1日分の野菜が最大3gに対して7g入っているなど、栄養素が豊富に含まれているので野菜ジュースで栄養を補いたい人にはおすすめです。
項目 | 量 |
---|---|
飲みやすさ | 8点 |
カロリー | 99cal |
糖質 | 18.4g |
食塩相当量 | 0.03~1.09g |
食物繊維 | 7~10mg |
リコピン | 3~10mg |
βカロチン | 4270~21459ug |
カリウム | 700~1200mg |
野菜ジュースの食塩添加と無添加の違い
野菜ジュースには添加物が入っていることがありますが、その中の一つが「食塩」です。
食塩を入れることで味のバランスが整う効果がありま須賀、摂りすぎると高血圧や生活習慣病のリスクが高くなりるので注意が必要です。
また、近年は健康志向が高まっており、食塩無添加の野菜ジュースが主流になりつつあります。
食塩添加と食塩無添加の野菜ジュースのメリットとデメリットをそれぞれまとめました。
タイプ | メリット | デメリット |
---|---|---|
食塩添加 | 飲みやすい味に整う | 塩分過剰になる可能性がある |
食塩添加 | 野菜そのものの味が楽しめる | 味にクセを感じることがある |
野菜ジュースにまだ慣れてないなかったり、味が苦手な人は食塩添加タイプを飲むことをおすすめします。
健康のために食塩無添加を飲む人でも、味が苦手な場合があるのでまずは1パック買って試してから大量購入をするようにしましょう。
野菜ジュースは健康に良いの?
野菜ジュースを飲む目的は様々ありますが、多くの人に共通しているイメージが「野菜ジュースは健康に良さそう」というものがあります。
そこで、sumica編集部が野菜ジュース好き100人に野菜ジュースを飲む理由についてアンケートをとりました!
野菜ジュースを飲む理由で最も多かったのは「手軽に栄養補給できるから」でした。野菜ジュースを飲むと簡単に栄養分が取れるというイメージはやはり強いようです。
ここからは野菜ジュースは本当に健康に良いのかを解説します。
野菜ジュースはあくまで栄養補助
野菜ジュースは通常の飲料に比べると栄養素が豊富ですが、それのみで栄養が十分に摂れるかというと難しいです。
厚生労働省が推奨している1日の野菜摂取量は350gほどですが、それを野菜ジュースのみでは補えません。
その理由は「野菜ジュースの製造方法」にあります。
野菜ジュースは製造する時に野菜を搾汁して加熱処理をします。この過程で熱に弱いビタミンCや食物繊維などが減少してしまうため、一部の栄養素の摂取効率が落ちます。
ただし、リコピンやβカロテンなどは野菜ジュースのような加工品で摂る方が吸収効率が上がると言われているので、一概に加熱処理で野菜ジュースを飲むこと自体の栄養摂取の効率が悪くなるとは言えません。
以上のことから、350g分の野菜を使った野菜ジュースでも推奨される1日分の野菜の栄養素を取り切れることはありません。補助食品として普段の食事と上手に組み合わせて使うことをおすすめします。
参考:厚生労働省21世紀における国民健康づくり運動<健康日本21>
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b1.html
参考:カゴメ株式会社「教えて!野菜ジュースのホント!」
https://www.kagome.co.jp/campaign/honto/nutrition/
足りない栄養素を野菜サプリで補給もおすすめ
野菜ジュース以外にも栄養補助食品の中には野菜サプリがあります。
野菜サプリは特定の野菜の栄養素に特化したものから、複数の野菜を配合したものなど様々な種類があります。
野菜ジュースと組み合わせる場合、野菜ジュースで幅広い栄養素を補給できているので特定の効果が期待できる単体配合100%のものを選ぶのもおすすめです。
ただし、野菜サプリもあくまで補助食品なので食事と組み合わせるということを忘れないようにしましょう!
野菜ジュースに期待できる3つの効果
野菜ジュースは手軽に不足しがちな栄養素が補えますが、実はそれ以外にも様々な効果があります。
ここからは栄養素ごとに期待できる効果や健康面のメリットなどをご紹介していきます。
野菜ジュースで補える豊富な栄養と効果
野菜ジュースには多くの栄養素が含まれています。
野菜ジュースで補える栄養素の効果をまとめました。
栄養素 | 含まれる野菜 | 効果 |
---|---|---|
ビタミンC | アセロラ、レモン | 抗酸化作用、免疫機能を高める |
ビタミンE | ナッツ類、緑色野菜 | 免疫機能を高める、血行促進 |
リコピン | トマト、スイカ | 抗酸化作用、美肌効果 |
βカロテン | にんじん、モロヘイヤ | アンチエイジン効果、がん予防 |
水溶性食物繊維 | 芋類、キャベツ | 血糖値の急激な上昇抑制、整腸効果 |
鉄分 | ほうれん草、インゲン豆 | 貧血予防、だるさ解消 |
マグネシウム | 落花生、ほうれん草 | 酵素の働きを助ける、神経を安定させる |
葉酸 | 枝豆、パセリ | 細胞の生産や再生を助ける、動脈硬化のリスク軽減 |
このように野菜ジュースで摂取できる栄養素には様々な体を健康にする働きがあります。
便秘改善
先ほども解説したように野菜ジュースには水溶性食物繊維が含まれています。
不溶性食物繊維は便の硬さが増しますが、水溶性食物繊維は便の硬さを柔らかくする働きがあります。
この水溶性食物繊維は水に溶けやすく、体内に吸収された際に体に害悪な物質を絡め取り排出してくれます。
ダイエット効果
野菜ジュースはダイエットにも効果的です。
先ほど説明したように水溶性食物繊維によって急な血糖値の上昇を抑えることができます。
食事の30分ほど前に飲むことにより、食事による血糖値の上昇をゆるかにすることができ、ダイエット効果が期待できます。
最近では朝食や夜ご飯を野菜ジュースに置き換えるダイエットも注目されています。
朝食に飲むことでランチのランチを食べた際の血糖値上昇を抑える効果も期待でき、よりダイエットに効果的です。
また、水溶性食物繊維の効果でお通じがよくなるので、こちらもダイエット効果が期待できます。
飲むタイミングは朝がおすすめ
野菜ジュースを飲むときは朝がおすすめです!
朝におすすめな理由は、野菜ジュースは固形物の食事に比べて消化が良いため、体に吸収されてエネルギーになるスピードが早いからです。
しかし、必ず野菜ジュースを飲む前に水か白湯を飲んでください。寝ている間に水分が失われているので、それを水か白湯で補うことで自律神経を刺激して負担が少なく体を起こすことができます。
体が起きた後に野菜ジュースを飲むことで代謝の効率が格段に上がります。
野菜ジュースを飲む際の注意点
野菜ジュースは上手に使えばメリットがたくさんある便利な飲み物ですが、効果を得るためには注意すべきこともあります。
ここからは野菜ジュースをより効果的に飲むために気をつけるべきポイントを解説します。
水分補給には不向き
野菜ジュースには人工甘味料や糖分が多く含まれていることがあります。
これらが入っていると、消化器官に負担がかかるのに加えて中毒性があるものなので、ついつい飲みすぎることがあります。また、砂糖なのでダイエット中の余分な摂取は避けたいところです。
なので、野菜ジュースを飲む習慣がある人は喉が渇いたときは、手元にある野菜ジュースを飲むのではなく極力水などを飲むようにしましょう。
また、購入する際に食品表示を必ず確認して砂糖が入ってないものを選ぶようにしましょう。
補えない栄養素もある
野菜ジュースには多くの栄養素が含まれていますが、その中でも摂れないとされているのが不溶性食物繊維です。野菜ジュースには食物繊維が含まれていますが、その多くが水溶性の食物繊維です。
水溶性食物繊維は水に溶けやすく、食事後の糖質の吸収を抑える働きがあります。
不溶性食物繊維は水に溶けにくく、お通じをよくする働きがあります。
栄養バランスとしては、不溶性食物繊維:水溶性食物繊維のバランスを2:1で摂取できると良いとされていますが、野菜ジュースのみではこのバランスを保つことはできません。
野菜ジュースは取りたい栄養に合わせて選ぶのがおすすめ
野菜ジュースの種類や選び方・おすすめの野菜ジュースについてご紹介しました。
各メーカーからたくさんのおすすめ商品が発売されていることがわかりました。
野菜が不得意な方やあまり食欲のない朝にも気軽に摂取できるのが嬉しいです。
不足しがちな栄養を補ってくれる野菜ジュース、自分に合った物を見つけてみてください。
野菜ソムリエと養生薬膳アドバイザーの資格も保有しており、野菜のスペシャリストとして野菜の良さを伝えるべく2008年から移動販売式の野菜のスープ屋さんを開業。また、地元葉山の棚田でお米つくりにも取り組んでいる。
H.P