収入印紙は何種類ある?どこで買える?
高額の商品を購入した領収書などに貼る収入印紙、どのように使うかご存知ですか。
知っているようで知らない収入印紙についてこの記事で詳しく説明していきます。
収入印紙は31種類ある
日本国で使用している収入印紙は、1、2、5円等端数の金額支払いに使える印紙や、20、30、40、50、60、80、100、120円等よく使用する200円の印紙より小さい額の印紙、また、300、400、500、600、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、8,000、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、100,000円等の高額の印紙とあり、合計で31種類あります。
切手と同じように実際に支払いをする金額にあわせて収入印紙の種類を組み合わせて使用します。
また、収入印紙の柄や色はそれぞれの金額によって異なり、大きさも異なっています。
使用頻度や流通量が高い収入印紙や高額な収入印紙は紙幣と同じように不正を防ぐため、不定期にデザインの変更があります。
デザインの変更があっても紙幣と同じで昔のデザインを使っている印紙を使用することは可能です。
収入印紙が買える場所
収入印紙を購入できる場所は、以下のような場所になります。
- 郵便局
- 法務局
- コンビニ
- 収入印紙売りさばき所
- 金券ショップ
- 区役所・市役所
- インターネットオークション
項目ごとに詳細を紹介します。
収入印紙を購入できる場所①:郵便局
郵便局ではすべての種類の収入印紙を購入可能です。
ただし、簡易郵便局や小さな島にある郵便局等では使用頻度が低い収入印紙の在庫がない場合もあるのでご注意ください。
郵便局は窓口が開いている時間に限りがあるので、時間には余裕をもって購入しに行くか、ゆうゆう窓口がある店舗を利用しての購入をおすすめします。
また、郵便局では、使用予定だったが契約がキャンセルになった等の理由で使用をしなくなった収入印紙の交換を行っています。
ただし、交換できるのは別の額の収入印紙のみで、著しく汚れたり破損していない収入印紙です。
収入印紙1枚につき5円の手数料を支払うことになるので、その金額も踏まえて別の収入印紙の枚数を計算し、窓口に相談します。
この手続きはゆうゆう窓口では対応していないので通常の窓口での取引依頼が必要です。
収入印紙を購入できる場所②:法務局
登記簿謄本などに収入印紙を貼る必要があるので、法務局内で収入印紙を購入可能です。
また、場所によっては近隣にある売店でも収入印紙を購入できるところもあるようなので、混雑を避けたい場合はこちらでの購入もおすすめです。
収入印紙を購入できる場所③:コンビニ(ローソン、セブンイレブン、ファミリーマート)
ローソンやセブンイレブン、ファミリーマート等のコンビニでは一般的によく使用される200円の収入印紙を購入可能です。
その他の金額についてはほぼ取り扱っている店舗はないようですが店舗によっては取り寄せをしてもらえる店舗もあるそうです。
収入印紙を購入できる場所④:収入印紙売りさばき所
収入印紙は収入印紙売りさばき所で購入できます。
収入印紙売りさばき所とは、日本郵便会社が非課税で収入印紙の販売を委託している場所になります。
その場所は地域のタバコ屋さんや行政書士事務所など業務形態は様々。
また、ほとんどの地域で交通安全協会が売りさばき所を担っています。
収入印紙を購入できる場所⑤:金券ショップ
収入印紙は金券ショップで購入できる場合があります。
ただし、金券ショップは収入印紙を仕入れることができないので、不要になった顧客から買い取ることでしか在庫を確保することができません。
収入印紙は必要となった時に必要な額面の収入印紙を購入する場合がほとんどのため、あまり種類多く在庫がないのです。
ただし、契約書を多数締結するために在庫として持っていたなど、様々な場合で出品されている場合もあるので、もし少しでも安く購入したい場合は金券ショップを探してみるのも1つの手ではあります。
収入印紙を購入できる場所⑥:区役所・市役所
一部の役所では住民票などの発行手数料を印紙での納付で受け付けていることがあり、その場合、区役所でも収入印紙を購入することができます。
役所で発行されている証明書は、300円や400円なので、同等金額の収入印紙が種類としては購入できる場合が多いようです。
収入印紙を購入できる場所⑦:インターネットオークション
インターネットオークションも金券ショップと同様に在庫は少ないですが出品がある場合があります。
時には半額以下等安い金額で出品される場合もあるのでお買い得である反面、品質に保証はありません。
例えば、その収入印紙は一度も使用されていないものなのか、またかけや破れ、汚れはどこにもないかなど、実際に使用できる状態のものなのか詳細に確認をし履歴を残した上での購入をおすすめします。
収入印紙はどんな時に使う?
収入印紙を使うのは用意した書類が課税対象になり、印紙税を支払う義務がある書類の場合に使用します。
その対象は国税庁により第1号~20号まで明確に定められており、具体的には以下のような書類が該当します。
- 不動産売買契約書
- 手形
- 定款
- 業務委託契約書
- 領収書
1つずつご説明します。
収入印紙を使うケース①:不動産売買契約書
不動産を売買する際に取り交わす不動産売買契約書は第1号文書として国税庁が定めているため、収入印紙を使用します。
使用する金額は売買しているマンションや家の金額によって異なります。
また、不動産売買契約書は通常2通作成して、売主と買主が保管しますが、収入印紙はその2通の契約書それぞれに印紙の貼付が必要です。
収入印紙は貼付し割り印を押した時点で納税義務を果たしたことになるので、このままどこかに正しく貼付されているか確認に出す必要はなく、そのまま売主と買主が書類を保管すれば問題ありません。
収入印紙を使うケース②:手形
為替手形や約束手形は第3号文書に該当するため、収入印紙を使用します。
ただし、記載された取引金額が10万円未満であれば、収入印紙の貼付は必要ありません。
収入印紙を使うケース③:定款
会社を設立するときに制作する原始定款は第6号文書に定められているため、収入印紙を使用します。
40,000円の印紙を貼ることが一律で定められています。
収入印紙を使うケース④: 業務委託契約書
会社間で継続した取引を行う場合にかわす業務委託契約書は第7号文書に定められているので、収入印紙を使用します。
4,000円の印紙を貼ることが一律で定められています。
収入印紙を使うケース⑤:領収書
お店で発行した5万円以上の領収書は第17号文書に定められているため、収入印紙を使用します。
200円の印紙を貼ることが一律で定められています。
ただし、100万円をこえる金額の売買になった場合は、その額に応じた内容の収入印紙を使用します。
収入印紙は取引金額いくらから必要?
収入印紙は取引内容によって、必要となる金額が異なります。
例えば、領収書の場合は5万円未満は非課税になり、5万円を超えると200円の収入印紙が必要ですし、約束手形の場合は10万円未満は非課税となり、10万円をこえると200円の収入印紙が必要です。
どのような書類に貼付する収入印紙なのか詳しく確認をしてから、正しい金額の収入印紙を貼付するようにしましょう。
収入印紙の貼り方・割り印の押し方・勘定科目
実際に収入印紙を使う際の貼り方や割り印の押し方、勘定科目はどのようになるでしょうか。
1つずつ項目ごとに説明します。
- 収入印紙の貼り方
- 割り印の押し方
- 勘定科目
ポイント①:収入印紙の貼り方
収入印紙は貼り方に決まりはありません。
多くは書類の上方など目立つ場所に貼付する枠が書類に用意されているのでそちらに貼るようにしましょう。
複数枚ある場合は、書類の文章にかからないように余白に貼る必要があります。
収入印紙の裏面には切手同様糊が付いているので水で濡らすことで貼付可能です。
剥がれや破れがあると無効になりますので、しっかりと剥がれないように貼り付けるのがポイントです。
ポイント②:割り印の押し方
収入印紙は資料と収入印紙をまたがるように割印を押す必要があります。
割印の押す位置に決まりはありませんが、収入印紙の右側や左側に押すのが一般的です。
この時鮮明に押印する必要があるのですが、かすれてしまうなどしてうまく押印できなかった時は、反対側など別の箇所に鮮明に押印をし直すようにしてください。
割り印の数に決まりはないのでたくさんの箇所押印しても問題ありませんが特に問題なければ1か所のみの押印にするようにしましょう。
また、この割り印は通常銀行印等に使用している実印で行いますが、手書きのサインでも問題ありません。
その時は苗字のみや通称など役所に届けている氏名以外でも有効となりますが、二重線やただの丸などは無効になりますのでご注意ください。
ポイント③:勘定科目
収入印紙は使用しているか使用していないかによって勘定科目が異なります。
収入印紙を書類に貼って使用した場合は、印紙税をを収めたと同等効果を持つので、勘定科目は租税公課で計上します。
一方で購入しているが在庫として保管し使用していない場合は貯蔵品として計上します。
収入印紙が必要な時に貼り忘れる・割り印を忘れるとどうなる?
収入印紙を貼り忘れて、税務調査などで実態が発覚してしまうと、罰金として貼るべき収入印紙の金額の2倍の金額を払う必要があります。
また、収入印紙の再利用を防止する割り印を忘れてしまうことも違法となるので、印紙代の金額を支払う必要があります。
収入印紙は買う場所によって消費税がかかることもある
収入印紙は、郵便局、収入印紙売りさばき所、コンビニでは非課税ですが、それ以外の場所で購入すると消費税がかかります。
例えば、金券ショップで収入印紙を購入するとその購入金額に合わせて消費税がかかります。
正規価格より安くで購入できる場合がある金券ショップですが、合計金額で考えても安いのか検討して購入するように気をつけましょう。
おすすめの会計知識本
会計処理を個人で行う時に迷うのが、仕分けたことのない項目の金額をどの勘定科目で処理をするのかということです。
この本では具体的な事例を元にわかりやすく勘定科目を紹介しているので、実際に迷っている項目での解説が掲載されているかもしれませんよ。
個人、法人両方に対応しているので、個人事業主の方も、企業会計担当の方にもおすすめです。
正しい内容で収入印紙を使い納税漏れを防ごう
会計担当でない限りあまり目にしたり使用したりする機会が少ない収入印紙。
急に使用する必要が出た時どのように使用したら良いか困りますよね。
また、どのような文章に使う必要があるのか理解しておけば、知らない間に納税漏れをしているようなミスを防ぐことができます。
納税漏れは違法になり、罰金もあります。
正しい使い方を把握し、納税義務を果たしましょう。