新しい年号は「令和」に決まりましたね。
「令和」へ切り替わる歴史的なタイミングですから「平成」がいつまでなのかを含め、元号についての基礎知識をおさらいしましょう。
平成の元号はなぜ変わる?
日本では、皇位継承が行われた場合に新たな元号に切り替わります。
元号法という法律で定められていることなのです。
従来は天皇陛下が亡くなられてから新しい元号が発表されてきました。
昭和天皇が亡くなられた際には、その8時間後に新しい元号「平成」が発表されましたね。
今回のように天皇陛下が生前に退位し皇太子殿下が皇位を継承なさる例は初めてですが、元号が変わるという点では同じ。
皇位継承が行われるため、「平成」から「令和」へと新たな元号に切り替わります。
免許証や契約書などはいつまで平成が使える?
元号が変わるタイミングは、2019年(平成31年)5月1日の午前0:00です。
運転免許証が「平成」で交付されるのはいつまでで、「令和」で交付されるのはいつからでしょうか。
10連休中に運転免許証が更新できるのは、4月28日と5月5日だけ。
それぞれ「平成」の最終交付日と「令和」の最初の交付日になります。
その他の契約書の場合はどうなるのでしょう。
内閣府からは「平成31年4月30日までに作成される公文書は、何年後であっても平成で表記することになる」見解が示されているようです。
契約書に期日を平成で統一するのか、令和にするのかは特に法律上の規定がなく、目的に合わせて選べばよいようです。
ただ、元号の最初の年である今年は「元年」がいいのか「1年」と書くべきなのか迷いませんか?
これは「元年」にするのがおすすめです。
昭和から平成に代わったときも、公文書に関する通達では「元年」に統一されたからです。
令和になると祝日はどう変わる?
元号が令和になるため、2019年は2018年までの祝日が一部変更になっています。
- 5月1日(新天皇の即位の日)は祝日に
- 12月23日(2018年までの天皇誕生日)は平日に
それぞれ変更になりました。
祝日法では『その前日及び翌日が国民の祝日である日は休日とする』
との規定があり、祝日に挟まれた平日は休日になります。
だから2019年のゴールデンウイークは10連休なんですね。
ただし5月1日が祝日になるのは2019年だけ。
来年以降のゴールデンウイークは昨年まで同様数日間の連休になります。
2020年の2月23日から新しい天皇誕生日を祝うことになりそうです。
「平成」の由来は?
新元号の発表の際、当時の官房長官小渕恵三氏が述べた「平成」の名前の由来は次の通りです。
- 『史記』五帝本紀の「内平外成(内平かに外成る)」
- 『書経』大禹謨の「地平天成(地平かに天成る)」
から採られた言葉で「内外、 天地とも平和が達成される」という意味なのだそうです。
陽明学者の安岡正篤氏がが考案したものとされています。
平成とは、「日本という国はもちろん、海外も平和な時代に成(な)るように」という希望がこめられた元号なんですね。
元号はなぜできた?どうやって決めている?
日本で最初に使われた元号は「大化(たいか)」です。
何だか聞き覚えがある言葉ですね。
中国では皇帝の支配は時間にまで及ぶと考えられていました。
ですから皇帝が代わった時や皇帝の権勢を示したい時に元号を変えていたのです。
遣唐使はその考え方も含め中国から暦を持ち帰りました。
645年の政治改革をきっかけに中国の方式を真似て日本でも元号を使うようになりました。
今回新しい元号を決定する際には何度か有識者会議が開かれ、最終的には閣議を経て決まりました。
『元号法』と呼ばれる法律で「元号は、政令によって定める」と規定されています。
政令を定めるのは内閣なので、閣議決定で元号が決まるんですね。
『年号の歴史』(1996年雄山館発行)によれば、元号の選定条件は次の6つです。
- 国民の理想としてふさわしいような、よい意味を持つものであること。
- 漢字2文字であること。
- 書きやすいこと。
- 読みやすいこと。
- これまでに元号または送り仮名として用いられたものでないこと。
- 俗用されているものでないこと。
これらの条件に合う候補の中から選ばれたのが「令和」だったというわけです。
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いよいよ改元(元号が変わること)の瞬間が近づいてきました。
祝日の変更や書類の日付など、生活への影響はありますが特に混乱はなさそうですね。
一生の間にそう何回も立ち会える瞬間ではないですし、日本独自の歴史イベントでもある改元。
目的や意味をきちんと理解して、しっかり見ておきたいものです。