沸騰消毒のメリット
煮沸消毒のメリットは、何といっても、手軽で簡単にできる所ですね。
特に薬品を使わないで出来る、経済的な所は、最大のメリットと言えるでしょう。
水の沸点は100℃ですから、100℃に耐えられるものであれば、どんな容器でも出来ます。
食中毒菌のほとんどは、100℃で死滅しますから、食中毒予防のために、キッチン用品にはぜひとも活用したいですね。
また、しっかり沸騰したお湯を使うため、お湯から引き揚げた後、布巾などで拭かなくても余熱で、勝手に水分が飛んでくれるのもメリットです。
消毒後にまた、雑菌をつけてしまうこともありませんね。
煮沸消毒するべきもの
必ず煮沸消毒で消毒するべき!とされているものがありす。
- 哺乳瓶
- 食品を保存する瓶
- スニーカー
- ピアス
洗剤や薬品を使わない消毒法ですからね。
具体的に見ていきましょう。
①:哺乳瓶
哺乳瓶は赤ちゃんが口にくわえて使うものです。
赤ちゃんは、そもそも免疫力が弱いものですが、生後6ヶ月を過ぎると、お母さんからもらった免疫力が減っていきます。
特に、ミルクや母乳は糖分があるため、雑菌が繁殖しやすいのです。
哺乳瓶は毎回煮沸消毒して、いつも清潔なものを使いましょう。
②:食品を保存する瓶
食品を保存する瓶も煮沸消毒が推奨される理由は、哺乳瓶とほぼ同じですね。
雑菌だらけの瓶に食品を入れたら、食品がたちまちダメになります。
食べるのは赤ちゃんとは限りませんが、同じく、口に入れて食べるものを入れるのですから、薬品、洗剤を極力使わずに消毒する必要がありますね。
③:スニーカー
これはちょっと意外!と思われるでしょう。
スニーカーなど、靴のお手入れをしていても、どうしても臭いが取れないってことがありますよね。
そんな時には、煮沸消毒すると解決するのです。
なぜならば、臭いの元凶は雑菌、煮沸消毒する事によって、この雑菌を退治できるからです。
④:ピアス
ピアスをしている人なら、もう、常識みたいなものですね。
ピアスは直接体に触れるもの、それも、耳たぶなどに開けた穴に差し込んで使うものです。
特に、買ってきたばかりのピアスは、装着する前に必ず煮沸消毒しましょう。
雑菌がついていると、ピアスで皮膚を傷つけてしまった時、感染症にかかりかねませんよね。
煮沸消毒の基本的な方法
それでは、基本的な煮沸消毒のやり方を説明しましょう。
先ずは、必要な道具から。
- 充分な大きさのある鍋
- トングや菜箸
- 綿100%のタオルや布巾
必要なものも少ないんですね。
続いて、煮沸消毒の手順です。
- 鍋の底にタオルや布巾を敷く
- 鍋に水と煮沸消毒するものを入れ、火にかける
- 取り出して、しっかり乾かす
それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。
①:鍋の底にタオルや布巾を敷く
まず、鍋の底にタオルや布巾を敷きましょう。
お湯が沸騰すると、上がって来る空気の力で、中のものが揺れますね。
あらかじめタオルや布巾を敷いておくことで、煮沸消毒中にガラス瓶が割れたりすることを防げるのです。
②:鍋に水と煮沸消毒するものを入れ、火にかける
敷いたタオルの上から、煮沸消毒するものを入れ、たっぷり水を入れます。
瓶のふた、パッキンなど、付属品も一緒に入れましょう。
大事なのは、常温の水の状態で入れる事。
特にガラス製ものだと、熱湯に直接入れたら割れてしまいますよ。
容器の中まで、水がしっかり入っているのを確認できたら、火にかけましょう。
しっかり沸騰させるのが大切です。
5分ほど、沸騰させたままにしておきます。
③:取り出して、しっかり乾かす
終わったら、火傷しないように菜箸やトングを使って、煮沸消毒したものを鍋から取り出します。
取り出したら、キッチンペーパーや清潔なタオルなどの上に置き、余熱でしっかり水気を飛ばしましょう。
沸騰消毒の方法【哺乳瓶】
哺乳瓶を煮沸消毒する時の、ポイントを見てみましょう。
ポイント
哺乳瓶を煮沸消毒する時は、事前に手で、きれいに洗うことが何より大切です。
哺乳瓶の底、乳首の所、隅々まで洗って、ミルクの残りカスをしっかり落としておきましょう。
哺乳瓶を洗うスポンジはもちろん、煮沸消毒の後、鍋から取り出す際に使うトングや菜箸なども、赤ちゃん専用のものを決めて使いましょう。
また、製品によっては100℃以上の熱に耐えられないものがあります。
この場合は煮沸消毒できませんから、表示をきちんと確認するのも大切ですよ。
消毒時間
素材が違いますから、哺乳瓶本体と、乳首やキャップなど部品で、消毒時間が異なります。
本体は10分、部品は3分と覚えておきましょう。
一緒に鍋に入れて煮沸消毒する場合、沸騰してから3分経ったら部品を取り出しましょう。
その後は本体だけで、沸騰してから10分になるまで続けると良いですよ。
タイマーを使うと失敗しませんね。
沸騰消毒の方法【保存瓶】
保存瓶を煮沸する時の、ポイントを見てみましょう。
ポイント
保存瓶も、煮沸消毒する前に、きれいに手で洗っておきましょう。
瓶の本体だけでなく、フタなどの部品もです。
瓶の本体もフタなどの部品も、一緒に煮沸消毒します。
一緒に入れるのですが、瓶はガラス製であることが多いですから、必ず、水が常温の時から入れるようにしましょう。
また、水に入れる際は、瓶の中にしっかり水が入るようにしましょう。
瓶が水の上に浮いてしまったりして、瓶の中がしっかり消毒できなくなりますから、煮沸消毒の意味がなくなりますね。
哺乳瓶と同じく、100℃の温度に耐えられない保存瓶もありますから、表示をしっかり確認して下さい。
消毒時間
保存瓶の場合、消毒時間は、お湯が沸騰してから5分です。
しかし、哺乳瓶の場合と同じく、ゴムなど、熱に弱い部品があれば、それは3分程度で取り出しましょう。
沸騰消毒の方法【プラスチック容器】
100℃以上の熱に耐えられるものであれば、プラスチック容器も煮沸消毒できます。
ポイント
プラスチック容器を煮沸消毒する場合は、かなり注意が必要です。
そもそも、プラスチックは熱に弱いものだからです。
特に、ポリカーボネイト樹脂と表示があるものは、絶対に煮沸消毒してはいけません。
煮沸によって、有害な環境ホルモンが溶け出す恐れがあるのです。
また、煮沸している最中に、容器が鍋の壁にくっつかないように気を付けましょう。
鍋は金属ですから、熱湯よりはるかに高い温度になりますね、そこに、くっついてしまうと、確実に容器が変形してしまうのです。
消毒時間
プラスチック容器の消毒時間は、保存瓶と同じく沸騰してから5分です。
しかし、できるだけ短めが良いでしょう。
煮沸消毒中は放ったらかしにせず、時々様子を見ましょうね。
沸騰消毒の方法【ピアス】
煮沸消毒必須のピアスですが、おさえておくべきポイントがあります。
ポイント
ピアスで心配される雑菌は、大抵、100℃で死滅するものです。
ですから、煮沸消毒は非常に有効なのですが、素材によって、できるもの、できないものがあります。
樹脂製の透明ピアス、ポリカーボネイト樹脂が使われているものは、絶対に煮沸してはいけません。
ピアスそのものが溶けてしまったり、環境ホルモンが出て来るからです。
ピアスの針の部分が金属でも、飾りの部分が、布やプラスチックなど、金属や貴金属でないものがありますが、これも当然、煮沸消毒できません。
煮沸消毒できるのは、全体が金属や貴金属で出来ているピアスのみ、と覚えておきましょう。
あと、煮沸消毒後はタオルなどで拭かず、必ず自然乾燥させてく下さいね。
消毒時間
ピアスの場合は、お湯が沸騰してから10分煮沸しましょう。
哺乳瓶と同じですね。
身体に付けるものであり、傷つける恐れもありますから、念入りにしましょう。
煮沸消毒する時の注意ポイント
煮沸消毒全体の注意点を紹介しましょう。
- 火傷に注意
- 煮沸消毒の効果は永遠ではない
①:火傷に注意
何といっても、熱湯を使う作業ですから、火傷しないように注意しましょう。
作業する人だけでなく、周りにいる人にも、です。
もし、お家に小さいお子さんがいる場合は、作業中にお子さんが近づかないように気を付けましょう。
熱くなった鍋に触れたり、何かの拍子に鍋が倒れて熱湯を浴びたりして、大火傷になりかねません。
ベビーサークルを使ったり、言葉が分かるお子さんなら、近づかないようにきちんと伝えるなどしましょう。
②:煮沸消毒の効果は永遠ではない
煮沸消毒は手軽で有効な消毒方法ですが、その効果は永遠ではありません。
長時間置いていたり、手で触ったりしているうちに、容易に雑菌が付くのです。
1度煮沸消毒しているから大丈夫、と言う考えは、今すぐ捨てて下さい。
容器や瓶を使う前には必ず、煮沸消毒と、しっかり頭に入れておきましょう。
おすすめの消毒本
最後に、家庭でできる消毒に関する本を紹介しましょう。
家庭の中で消毒が必要なものは、キッチン用品に限りませんね。
この本は、心配するべき雑菌、家の中の場所別に、身近なものを使った殺菌消毒方法を紹介しています。
可愛らしい挿絵がたくさん入っていますから、読みやすいですよ。
滅菌し過ぎない、ほどほどの清潔を
煮沸消毒は家庭だけでなく、医療現場でも行われているぐらいに効果が認められている消毒方法です。
しかし、煮沸消毒を始め、どんな消毒方法をもってしても、完全に無菌状態にすることは出来ません。
また、雑菌の中には、人間の健康を真っ持ってくれているものもありますから、無菌の状態というのも、かえって健康を害する事になります。
殺菌除菌にこだわり過ぎて、躍起になってしまうのも、精神的に良くないですね。
ほどほどに雑菌と付き合いながら、清潔な暮らしを心掛けたいですね。