洗濯糊の基本
そもそも、洗濯糊ってどんなものなのでしょうか?
- 洗濯糊の原料
- 洗濯糊の種類
- 洗濯糊の使い道
1つずつ、見ていきましょう。
①:洗濯糊の原料
洗濯糊の原料は、天然糊と化学糊で違います。
天然糊の原料は、コーンスターチやタピオカから取られたでんぷんです。
余計な添加物もなく、とても安全、見た目も触った感じも、工作用の糊と同じですね。
化学糊の原料は、半合成糊と合成糊で、また分かれます。
半合成糊は、でんぷんにカルボキシメチルセルロース(CMC)などを混ぜられていますが、合成糊はポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、耐熱性ポリマーなどが主成分、つまり、全てが化学物質で出来たものなのです。
ポリビニルアルコール(PVA)は、事務用の糊によく使われていますね。
②:洗濯糊の種類
洗濯糊は、天然糊、半合成糊、合成糊と3種類あることが分かりました。
また、形状も色々で、スプレータイプ、ボトルタイプ、袋入りタイプと3種類あります。
スプレータイプは手軽ですから、アイロンがけする服の襟や袖口に、シュッと吹きかけたりして、愛用している人も多いですね。
③:洗濯糊の使い道
洗濯糊の使い道は、洗濯物に付けるだけに限りません。
- 工作用の糊として使う
- 障子の貼り替えの時に使う
- スーパーボールを作る
- スライムを作る
- スノードーム、ハーバリウムを作る
- 弾むシャボン玉を作る
洗濯糊は工作の材料にもなるんですね。
スライムは、子ども時代に実際に作った経験がある人、あるいは、今、子どもが作っていると言う人、多いですね。
洗濯糊は粘り気がありますから、ラメなどの軽いものならゆっくりと振るように降りていくので、スノードームやハーバリウムによく使われているのです。
弾むシャボン玉は、従来のシャボン玉液に、グリセリン、合成糊の洗濯糊を混ぜると出来ますよ。
洗濯のりの使い方【洗濯機編】
洗濯機で洗濯糊を使う方法を紹介しましょう。
- 「すすぎ」が終わる所まで普通に洗濯する
- 洗濯糊を投入する
- 洗濯機自体を洗う
天然糊の洗濯糊は洗濯機で使えません。
また、洗濯機の種類によっても使えないことがありますから、事前に確認して下さいね。
①:「すすぎ」が終わる所まで普通に洗濯する
まずは、深く考えず、普段通り洗濯機を回しましょう。
「すすぎ」が終わったら、一旦、洗濯機を止めて下さい。
洗濯糊は完全にすすいでしまっては意味がありません。
適度な量を洗い残してこそ効果を発揮するのです。
ちょうど、柔軟仕上げ剤と同じ考え方ですね。
②:洗濯糊を投入する
洗濯機が「すすぎ」まで終わって一旦止めたら、いよいよ洗濯糊を投入します。
この時、気を付けてほしいのは、洗濯糊は、洗濯槽に直接入れる事です。
洗濯機についている、柔軟仕上げ剤用の投入口などに入れてしまうと、洗濯糊が出て来れないばかりか、投入口が詰まったりしかねません。
洗濯糊を入れる時は、必ず適量を計って、出来れば、洗面器などで少し水を入れて溶いてから入れた方が良いですよ。
③:洗濯機自体を洗う
洗濯糊を使って洗濯が終わったら、洗濯物に変な「しわ」などがつかないよう、速やかに洗濯物を干しましょう。
干し終わった後は、洗濯機自体をきれいに洗ってください。
洗濯機の中にも、結構洗濯糊が残ります。
洗濯糊にはカビや虫の栄養になる糖分が含まれていますから、放っておいたら不衛生になり、次の洗濯物を洗う時に影響します。
洗濯機を洗うのに、特別なクリーナーは必要ありませんよ。
普通に水だけを入れ、そのまま洗濯のスイッチを押せばよいのです。
洗濯のりの使い方【洗面台編】
手洗いする時に、洗濯糊を使う人は結構多いですね。
- すすぐ所まで洗濯物を洗う
- 新しい水を溜めて、洗濯糊を入れる
- 脱水して干す
ある意味、洗濯機で使うより楽ですよね。
①:すすぐ所まで洗濯物を洗う
洗濯機の場合と同じように、すすぐ所まで洗濯物を手洗いします。
衣類についている表示に従って、水の温度、洗剤の量、洗い方を守ってやりましょう。
②:新しい水を溜めて、洗濯糊を入れる
すすぎまで終わったら、いよいよ洗濯糊で糊付けです。
手洗いに使っている洗面器、洗い桶の中の汚れた水を全て捨てて、新しい水に入れかえます。
洗濯糊を適量入れ、良く混ぜて溶かしましょう。
そこに再び、洗濯物を入れて、両手で押して沈める、沈めたら自然に浮き上がらせる、と言う作業を3分ほど繰り返します。
終わったら、糊の入った水を捨てて新しい水に変え、軽くすすぎましょう。
③:脱水して干す
糊のすすぎまで終わったら、洗濯物を脱水しましょう。
衣類によっては洗濯機の脱水機能を使う方法もありますが、出来ない場合は、手で優しく軽く脱水し、余計な水分はタオルで包んで叩くなどして取ります。
雑菌が湧きやすくなりますから、脱水は衣類を傷めない程度にしっかりしておいてください。
後は、速やかに形を整えて、干しましょう。
後片付けは、使ったものを片付けて、洗面器や洗い桶は水道で簡単に洗えますから、楽ですね。
洗濯機で洗えるものでも、糊付けだけは手洗いでして、最後の脱水をまた洗濯機でする、と言う方法もありますよ。
洗濯のりの使い方【洗濯スプレー編】
スプレータイプの洗濯糊を、上手に使う方法を紹介しましょう。
- 糊付けしたい衣類を屋外に吊るす
- 糊付けしたい部分にスプレーする
- アイロンがけする
スプレータイプは、部分的に糊付けしたい場合に向いています。
衣類やアイロンが焦げる原因になったりしますから、正しい使い方をマスターしましょうね。
①:糊付けしたい衣類を屋外に吊るす
スプレータイプのものを使う場合は、衣類全体に使う場合も、一部に使う場合も、屋外でハンガーなどに吊るした状態でやりましょう。
洗濯物を干した時に、スプレーも一緒にしておくのです。
よく、アイロン台でスプレーする人がいますが、これではアイロン台や床を汚してしまいますよね。
また、洗濯糊は一度乾かした方が、アイロンがけしやすいと言う特性があるのですよ。
②:糊付けしたい部分にスプレーする
スプレーする時は、スプレーしたい部分から20cm程度離してしましょう。
至近距離で吹き付ける人がいますが、これでは糊付けし過ぎになってしまい、あとで、アイロンがけした時に焦げる原因になります。
衣類から20cmほど離れたところから、2、3回、これが正しいスプレー糊の基本的な使い方です。
また、固く糊付けしたい時は、回数を多く吹き付ける、柔らかく糊付けしたい場合は、回数を少なく吹き付けると良いですよ。
手軽に調整できるのも良いですね。
③:アイロンがけする
いよいよアイロンがけです。
スプレーした糊が乾いているか確認しましょう。
糊が乾いていないと、焦げ付きの原因になりますよ。
アイロンはスチームを使わないで、温度は低温に設定しましょう。
基本的に、糊付けした衣類は汚れにくく、また、洗濯した時に汚れが落ちやすいと言うメリットがあります。
袖や襟など、汚れやすい場所には毎回使いたいですね。
洗濯のりと柔軟剤の併用
洗濯糊は固くするもの、柔軟剤は柔らかくするもの、相反するように感じますが、洗濯糊と柔軟剤を併用すると、さらに良い効果が得られるのです。
やり方は、ここまで紹介した洗濯糊を使う方法と全く同じで、洗濯機であっても手洗いであっても、すすぎまで洗濯を終わらして、その後、洗濯糊と柔軟剤を一緒に入れるのです。
- パリッとした風合い
- 衣類のしなやかさ
- 汚れの付きにくさ、落ちやすさ
まさに、良い所どりですね。
古くなって、くたびれてきた衣類には、是非この方法で、ハリとしなやかさを取り戻してあげましょう。
おすすめのアイロン
おススメのアイロンを紹介しましょう。
電化製品はコードレスが何かと使いやすいですよね。
こちらのアイロンは、コードレス仕様、もちろん、スチームも使えます。
この頃、旅行用や、ハンガーにかけたままアイロンで切ると銘打っているものなど、軽くて小さい物も出ていますが、一家に1つは、しっかりしたアイロンを常備しておきたいですよね。
洗濯糊で、衣類にも安全を
単に清潔にするだけでなく、次に着る時も着心地良くしたい、洗濯にはそんな思いも込められています。
洗濯糊も、古くから使われてきた理由がよくわかりますね。
洗剤や柔軟剤など、洗濯に使用するものが、環境汚染の元凶になることはすでに知られていますが、近年は、洗剤による皮膚炎や、柔軟剤の匂いによる香害も社会問題になっています。
少し手間はいりますが、できるだけ天然糊の洗濯糊を使って、家族の健康を守りたいですね。