夜泣きとは
夜泣きは赤ちゃんや幼児が、空腹やおむつの不快感、部屋が寒い・暑いなどのはっきりとした原因がないのに、夜中に起きて激しく泣くことです。
生後半年〜1歳半頃に多く見られます。
日中は機嫌良く元気に遊んでいたのに、夜中になって急に泣き出し、あやしたりしても治まらなくなってしまいます。
1歳半頃になると睡眠や生活のリズムも整ってきているはずなのに、どうして夜泣きするのでしょうか。
寝かしつけ、ようやくゆっくり寝られると思ったのに、その1〜2時間後には夜泣きで起きてしまうとなると、睡眠不足になってしまいます。
夜泣きの傾向は月齢ごとに変わってきますが、今回は1歳半の夜泣きについて紹介していきます。
1歳半の夜泣きの原因5選
では、どのような原因があるのでしょうか?
以下の1歳半の夜泣きの5つの原因を紹介します。
- 脳が未発達
- 遊びの刺激が強い
- 不規則な生活
- 環境の変化
- 夜驚症などの睡眠障害
原因①:睡眠と覚醒のメカニズムが未発達
睡眠は浅い睡眠(レム睡眠)と深い睡眠(ノンレム睡眠)の繰り返し。
浅い睡眠では脳が動いていますが、深い睡眠では脳も身体も休んでいます。
大人と比べて赤ちゃんの方が、浅い睡眠と深い睡眠の繰り返しが頻繁です。
そのため、浅い睡眠の際に起こる夜泣きに悩まされるのです。
また、赤ちゃんは睡眠と覚醒をうまく切り替えることができません。
眠くても眠れない、気持ちよくスッキリと目覚められなくて夜泣きすることもあります。
原因②:遊びの刺激が強い
1歳半ともなると、歩けるようになったりして日中の活動量も多くなり、脳も活性化していきます。
新しい経験は寝ている間に脳内で整理されるため、刺激が多すぎると処理しきれずに夜泣きに繋がります。
遊びや外出など、過度にスケジュールを詰め込んで連れ回してしまうと夜泣きを誘発しかねません。
原因③:不規則な生活
人間の体は生体リズムによって支えられています。
昼夜、サイクルの時間を刻んで体の多くの機能に活動や休息といったリズムを作っています。
これは生後3〜4ヶ月頃から身につきはじめます。
生体リズムが崩れてしまうとホルモンバランスや自律神経が乱れてしまうのは大人も赤ちゃんも一緒です。
例えば、起床時間、睡眠時間だけでなく、食事や入浴の時間も不規則になるとします。
そうなると、消化器官は自分の体内時計を活動時間と勘違いしてしまうのです。
他の臓器も同様で、脳の体内時計に従わなくなると脳が混乱し、正常に働くはずの生体リズムが乱れてしまいます。
その他、夜中まで明るく電気をつけていたり、テレビやゲーム、スマートフォンなども睡眠の質に影響が出てきてしまいます。
原因④:環境の変化
大人でも環境の変化があれば、少なからずストレスを感じるでしょう。
引越しや旅行、こども園などへの入園、弟や妹の誕生、親の職場復帰。
生後間もない頃にはなかった経験も、1歳半の頃になると起こり得ることがたくさんあります。
環境が変わることによる精神的や身体的影響は大きいと考えられます。
また、ハイハイができるようになる、歩けるようになるなどの本人の成長も夜泣きへの影響があると言えます。
原因⑤:夜驚症などの睡眠障害
夜泣き対策をしっかりと行っているのにもかかわらず、改善しない場合に疑われます。
夜泣きは比較的眠が浅い時(レム睡眠)に起きるので、部屋を明るくしたり、声かけをすることで目を覚まします。
それに比べ夜驚症は、深い眠り(ノンレム睡眠)の際に恐怖を感じたように泣き叫んだりするのに、本人は自覚がないというものです。
主な症状として、夜寝始めてから1〜3時間の間に多く起こり、突然パニックになったように家中を駆けまわる事が挙げられます。
また、意味不明な事を言うのも特徴です。
パニック状態は10分以内に治まる事が多いとされています。
その他、錯乱性覚醒障害(泣き叫んだり、暴力的になるが、その際の記憶はない)や睡眠時遊行症(部屋中を歩き回る)の可能性も。
夜驚症との違いとして、夜驚症は基本的に強い恐怖を示したり、多呼吸や発汗など自律神経の興奮が見られます。
1歳半の夜泣きの対処法5選
では、どう対処したら良いのでしょうか?
以下の1歳半の夜泣きの5つの対処法を紹介していきます。
- 授乳以外の寝かしつけ
- ヒーリングミュージックや歌を歌う
- 思い切って一度起こす
- 入眠儀式を作る
- 生活リズムを整える
対処法①:授乳以外の寝かしつけ
添い乳をして寝かしつけをしている場合、赤ちゃんはおっぱいが起きた時に口に入っていないとびっくりして泣いてしまいます。
寝る際には口に入っていて、それによって赤ちゃんは安心していたからです。
代わりの寝かしつけとして、お腹や背中を優しくトントンすることがオススメです。
また、ぴったりと赤ちゃんにくっつき、ママの寝息を聞かせてあげる事も有効と言われています。
対処法②:ヒーリングミュージックや歌を歌う
睡眠の邪魔にならないような小さめの音量でかけてみてはいかがでしょうか。
リラックスでき、夜泣きせずに安眠を導いてくれるのに加えて、ママ自身も落ち着くことができます。
ママがイライラしてしまっては、赤ちゃんの睡眠にも影響がでるので、親子でゆったりとした気持ちになれるといいですよね。
対処法③:思い切って一度起こす
浅い眠りで夜泣きをしている時は、半分は寝ているような状態です。
赤ちゃんを起こしきらないようにと、静かにそっとあやしがちですが、思い切って電気を明るくして起こしてしまいましょう。
ママも眠い中、もう一度寝かせるのかと思うと億劫ですが、だらだらとあやすよりも一度リセットする方が効果があります。
対処法④:入眠儀式を作る
絵本を読んだり、ベビーマッサージをするなど毎日同じことをしてみましょう。
繰り返すことで、赤ちゃんがそろそろ寝る時間ということを認識してくれるようになります。
また、乳児期を異なり、次第に言葉がわかるようになってくるため、寝るときのルールを作って伝えてみるのもオススメです。
その他、シールなどのご褒美で本人のモチベーションを上げることも一つの手と言えます。
対処法⑤:生活リズムを整える
先ほどの原因でも紹介しましたが、生活のリズムを規則正しくすることで、スムーズに寝付くようになります。
朝になれば、カーテンを開け太陽を浴びるところからスタートしましょう。
パパの帰宅時間が毎日違う、平日と休日の過ごし方に大きな差があると、バランスを崩してしまいます。
日頃から、起床時間や就寝時間などのリズムにばらつきが出ないよう過ごすのが理想的です。
日中の過ごし方は、興奮させすぎるのも良くないですが、ある程度の疲れがあると良く眠れます。
適度な体を動かした遊びをすることが理想です。
雨の日であっても、室内で軽く運動することがオススメです。
入浴も、温まった体が冷えて来る際に寝付きやすいので、毎日タイミングを合わせて、寝かせたい時間から逆算して入れると良いでしょう。
1歳半の夜泣きで暴れるときの対処法
1歳半の夜泣きに対する対処法を紹介しましたが、暴れているときはどのように対処すれば良いのでしょうか?
1歳半頃となれば、抱っこしようにも少し体力が必要です。
ましてや激しく暴れているとなると、扱いも大変になります。
暴れている際に有効なのが、先ほどの夜泣きの対処法でも挙げた、起こしてしまうことです。
半分寝て、半分起きているような状態を一度リセットしてしまいましょう。
別の部屋に移動させてみたり、電気を点け明かりを明るくするなどがオススメです。
また、何もしなくても目を開けるようならば、お茶やお水などの飲み物を飲ませてあげることで落ち着きます。
夜泣きが終わるまでの期間は個人差
はいはいや歩き出す時期、歯の生える時期などには個人差があります。
夜泣きがあるかどうか、いつからいつまであるのかも赤ちゃんそれぞれです。
夜泣きが長引くことよりも、ママが睡眠不足によって体調不良になることが問題ではないでしょうか。
ママが疲れてしまい、怒ったり、悲しい気持ちになることが赤ちゃんに伝わると、ますます泣き止まなくなります。
泣き止まないことにまたイライラしてしまうのです。
この悪循環を断ち切るには、パパに協力してもらう、飲み物を飲む、深呼吸をして落ち着くなど、気持ちをリセットしましょう。
何か心が安定する術を身につけておくと、夜泣きにも前向きに対応することができるでしょう。
おすすめのねんねトレーニングの本
おすすめの本が以下の3冊です。
- マンガでよくわかる 赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド 0歳からのネンネトレーニング
- ママと赤ちゃんのぐっすり本 「夜泣き・寝かしつけ・早朝起き」解決ガイド (講談社の実用BOOK)
- 0歳でも、1歳からでも大丈夫! 赤ちゃんが夜早く、長く眠る かんたん ねんねトレーニングBOOK
おすすめの本①:マンガでよくわかる 赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド 0歳からのネンネトレーニング
すでに3000人以上のママが実践。
多くの有名人が推薦しています。
20万部を超えるベストセラーで、月齢別の安眠スケジュールなどもあり、その時期ごとに見ることができ、わかりやすくなっています。
おすすめの本②:ママと赤ちゃんのぐっすり本 「夜泣き・寝かしつけ・早朝起き」解決ガイド (講談社の実用BOOK)
赤ちゃんは大人のように上手に眠ることができません。
だからこそ怒ってしまう睡眠トラブルの解決プログラムを、科学的なエビデンスに基づいて紹介しています。
いきなり始めるのではなく、まずは子供に必要な睡眠の土台をしっかりと作るところから。
おすすめの本③:0歳でも、1歳からでも大丈夫! 赤ちゃんが夜早く、長く眠る かんたん ねんねトレーニングBOOK
日本一簡単、最短2日で赤ちゃんの眠りが改善できます。
赤ちゃんをリラックスさせつつ、寝入る瞬間は自力で眠らせることで夜泣きをしなくなります。
1歳半の夜泣きは必ず終わりが来る
今回は1歳半の夜泣きの原因や対策、おすすめの本などを紹介しました。
1歳半頃になると、大人が話していることもわかるようになります。
また、歩けるようになることで、行動範囲も広がり、外部からの刺激も増えます。
夜泣きをなんとかしたいと考えている方は、先ほど挙げた原因となり得るものを改善できるよう、是非対策を試してみてくださいね。
悩むことも多いかもしれませんが、必ず終わりが来るので気長に構えましょう。