恥骨痛とは
骨盤の中にある骨の1つ。
股のうえあたりにある骨のことを恥骨と呼びます。
おへそから下に向かっていくと、硬くなっている部分になります。
骨だけではなく、筋肉も集中している場所。
そこに痛みが出ることが恥骨痛。
ズキズキしたり、チクチクしたり、きしんでいるように感じるもの。
痛みの感じ方や程度は人によって違います。
骨盤は体を動かすうえで、とても重要な役割をしているもの。
そのため、恥骨に痛みがあると、骨盤全体に影響が出てしまいます。
そうなると生活にもおおきな支障をきたしてしまう原因に。
ひどい場合は、歩くのが難しくなってしまうことも。
痛みを感じたら、早めに対処しておくことが大切です。
恥骨痛を和らげる方法5選
痛みが出てしまった場合、どのように対処しておけばよいのでしょうか。
- 正しい姿勢をとる
- 骨盤ベルトを使用する
- ストレッチを行う
- ツボ押し
- 受診する
恥骨痛を和らげる方法①:正しい姿勢をとる
姿勢が悪いと骨盤が寝た状態になってしまいます。
骨盤の正しい角度は10℃です。
骨盤が寝すぎたり、立ちすぎたりすると色んな影響が出てしまいます。
筋肉のバランスも悪くなることから、恥骨以外も痛めてしまうかもしれません。
猫背になってしまうと、恥骨付近にお腹の肉が乗ることで圧迫されます。
そのため、恥骨痛を感じやすくなっていることも。
普段から正しい姿勢を取るように意識しておくことが大切。
姿勢が良くなると体の調子も良くなります。
恥骨痛を和らげる方法②:骨盤ベルトを使用する
骨盤が広がって恥骨痛を感じている場合には効果的。
骨盤を正しく支えてもらうことで恥骨痛を和らげることができます。
しかし、何が原因で恥骨痛を引き起こしているのかわからない場合は要注意。
痛みが悪化してしまう可能性があります。
骨盤ベルトの使い方が間違っている場合も悪化してしまうかもしれません。
使い方には気をつけましょう。
恥骨痛を和らげる方法③:ストレッチを行う
骨が折れていたり、炎症ではないことが明らかな場合はストレッチをしても良いでしょう。
痛みを取ろうとして、頑張ってしまってはいけません。
かえって痛みがひどくなってしまう可能性があります。
無理のない範囲で行うことが大切です。
恥骨痛を和らげる方法④:ツボ押し
薬指からのばしていき、手首にあたる手前位の場所に骨盤に効くツボがあります。
痛みや固さを感じる部分を探してみましょう。
ツボを押すことでも恥骨痛を和らげることができます。
もしはっきり場所がわからなくても、周辺をほぐすだけでも大丈夫です。
左右どちらにも同じところにツボがあります。
軽い力で両方押してみましょう。
その他にも内臓に効くツボを押すことで恥骨痛が和らぐこともあります。
できそうなところからやってみましょう。
恥骨痛を和らげる方法⑤:受診する
和らげる方法やストレッチを行っても改善しない場合は、受診した方が良いでしょう。
自分でストレッチを行う場合、やり方が間違っていると効いていないこともあります。
整骨院であれば、ほぐしたい筋肉をしっかりほぐしてもらうことも可能。
痛みを感じている所がはっきりわかるようになります。
宿題としてどのストレッチをすれば良いのか教えてくれることも。
そうすれば、自分でも効果的にほぐすことができるようになります。
しっかり行っておけば、その後の恥骨痛になることはないでしょう。
また、通院回数も減らすことができるでしょう。
恥骨痛を和らげるストレッチ方法5選
恥骨痛を和らげる効果的なストレッチを見ていきましょう。
- 股関節周り①
- 股関節周り②
- あしり
- 柔らかいボールで
- ストッキングで
ストレッチ方法①:股関節周り①
左足のひざを曲げて、右足は床につけて前に体重をかけます。
反対も同様に、いた気持ちいいところまで伸ばしましょう。
股関節周りを伸ばすことで、腸腰筋にも効くストレッチ。
腰痛改善にもおすすめです。
太ももや股関節周りの固さが和らぐことで恥骨痛も良くなるでしょう。
ストレッチ方法②:股関節周り②
太ももの付け根をのばすのに効果的なストレッチです。
恥骨に近い筋肉をほぐすことで痛みの軽減をきたいするこができます。
まず足の裏同士をくっつけて、背筋を伸ばして座ります。
そこから息をはきながら、体を前に倒していきましょう。
15秒位キープできれば大丈夫です。
痛みがひどい場合は無理しないようにしましょう。
力んでしまうとストレッチの効果は薄れてしまいます。
リラックスして行うことを心がけてください。
ストレッチ方法③:おしり
おしりのストレッチは、寝転んでも座った状態でも行うことができます。
寝転んで行う場合は、まずひざを立てて仰向けになりましょう。
右足首を左ひざにのせて、左足をあげていきましょう。
いた気持ちい所で5秒はキープしてください。
座って行う場合も足首をひざに乗せるのは同じ。
乗せた方の足を下に押してあげるだけでお尻を伸ばすことができます。
尾てい骨の痛みから、恥骨にまで痛みが広がってくる場合もあります。
これは座っている時間が長いことも関係しています。
おしりをのばして、痛みを和らげましょう。
ストレッチ方法④:柔らかいボールで
仰向けに寝て、ひざを立てます。
ひざの間にボールを挟んで準備完了。
お腹よりも下に力をこめる感じでひざは内側にしていきます。
10秒力を入れておきましょう。
これを2セット行うだけの簡単にできるストレッチです。
ボールがない場合は、風船を使用しても良いでしょう。
腰やおしりに痛みを感じる場合は、下にタオルを敷いておくと良いですよ。
ストレッチ方法⑤:ストッキングで
ストッキングは輪っかにしておきます。
それをまず座った状態でひざにくるようにはめていきましょう。
仰向けになり、手は広げてリラックスします。
痛みがひどくならないところまでひざを広げていきましょう。
深呼吸を3回した後、まだひざを広げることができたら広げていきます。
その後、もう1度深呼吸をします。
そのまま次は左にゆっくりひざを倒していきましょう。
10秒間キープして、右も同じように行います。
恥骨痛の症状5選
恥骨痛の症状にはどんなものがあるのでしょうか。
痛みの種類と場所を見ていきましょう。
- 足の付け根に違和感
- お腹に痛み
- 鼠径部に痛み
- 歩けない
- 押したり、力を入れると痛い
症状①:足の付け根に違和感
骨盤が広がってくることで、足の付け根に違和感を覚えます。
体を動かすことが難しくなっていしまう場合も。
起き上がる、立ち上がる動作に激痛がはしることが多いようです。
また、寝返りでも痛みがあり、向きを変えることが大変になります。
症状②:お腹に痛み
まずお腹に痛みを感じることも多くあります。
妊娠中だと不安になってしまいますね。
だんだんとはっきり恥骨の痛みに移っていきます。
恥骨を押すと激しい痛みへと変化していることも。
内臓疾患の場合は、広い範囲で痛みを感じることがあります。
症状③:鼠径部に痛み
スポーツなどで痛みが慢性化している場合、常に鼠径部に痛みを感じることがあります。
鼠径部、足、腹部と広い範囲で痛みを感じやすい。
股関節を動かしにくくなることで、筋力が落ちてしまいます。
症状④:歩けない
痛みがひどくなってしまうと、歩くことも難しくなってしまいます。
違和感があったら、すぐに対処しておきましょう。
症状⑤:押したり、力を入れると痛い
始めはお腹の痛みだと思っていても、恥骨痛である場合が多くあります。
恥骨を押しただけでも痛みが出るようになり、力を入れることができません。
力を入れることで痛みを感じるので、負荷がかかる動作がしづらくなってしまいます。
恥骨痛の原因6選
恥骨痛の主な原因は何なのでしょうか。
- スポーツ
- 骨折
- クセ
- 妊娠
- 炎症
- 腰痛
原因①:スポーツ
スポーツをすると筋肉に負荷がかかります。
普段取らないような姿勢になってしまうこともあるもの。
いきなり大きな負担がかかることで、筋肉を痛めやすくもなります。
プロやそれに近いものでなければ、ほどほどで十分。
限界を超えてまでやる必要があるものではありません。
日常的に行っている場合でも注意が必要です。
負担が大きくなることで痛みを感じる場合があります。
軽く楽しむ程度なら良いのですが、無理は禁物です。
原因②:骨折
事故や転んだ衝撃で骨に影響が出てしまうのは想像がしやすいでしょう。
それ以外にも骨折の原因は様々。
スポーツをしていて、気づかないうちに骨折している場合もあるでしょう。
これは衝撃だけではなく、疲労からくるものも。
骨自体が弱くなってしまっていると、ちょっとしたことで骨折してしまいます。
ひねったり、転んだりしただけで力の伝わりが強くなるもの。
骨粗しょう症にならないように日頃から栄養はしっかり摂っておきましょう。
恥骨が折れてしまうと、立ち上がりや歩くことが困難になってしまいますよ。
原因③:クセ
骨盤がゆがんでしまいやすい姿勢をとるクセも良くありません。
骨盤のゆがみは恥骨痛を引き起こしてしまう原因の1つ。
座っている時に、足を組んでいませんか。
足を組むと骨盤がゆがみやすくなります。
また、片側に重心がかかってしまう姿勢は良くありません。
立っている時や、カバンの持ち方にも注意しておきましょう。
うつぶせに寝る習慣がある人も要注意。
恥骨が圧迫されることで痛みを感じやすくなってしまいます。
原因④:妊娠
妊娠すると、子宮の中で赤ちゃんが成長していきます。
それを支えてくれる役割をしているのが骨盤です。
成長していくにつれて、恥骨あたりが圧迫されるようになります。
赤ちゃんが大きく、骨盤が小さい人ほど圧迫により恥骨痛を感じやすい。
また、もともと骨盤のゆがみが大きいほど、痛みを感じやすくなってしまいます。
立ち上がったり、歩くことに影響が出てしまっては大変です。
妊娠前に骨盤を正しい位置にしておいた方が良いでしょう。
また、産後に矯正しておくことも必要ですよ。
原因⑤:炎症
恥骨にある軟骨に炎症を起こしてしまうと、恥骨痛を感じることがあります。
過度にスポーツをすると痛めやすくなる所。
先に説明したクセによっても痛めてしまう場合があります。
それ以外にも普段の姿勢が悪いことも原因の1つ。
姿勢が悪いと骨盤がゆがみやすくなってしまいます。
骨盤をゆがませないためには、筋肉のバランスも大切。
姿勢は正しく、同じ姿勢を長時間とらないようにした方が良いです。
そして、適度に運動することを心がけましょう。
原因⑥:腰痛
腰痛があると恥骨と筋肉に隙間ができやすくなってしまうことも。
そのため、恥骨痛を感じやすくなります。
特に妊娠前に腰痛を持っていた人は要注意。
妊娠して恥骨が圧迫されることで、恥骨と筋肉のバランスが崩れやすくなります。
骨盤自体が緩むようになっています。
それが恥骨痛につながる原因に。
また、妊娠中は体に様々な影響が出るもの。
事前に防ぐことができるものは防いでおきたいものですね。
恥骨痛の予防法5選
恥骨痛になってしまわないよう予防しておくことも大切。
簡単にできる方法を紹介します。
- クセを治す
- 座り方に気をつける
- 筋肉を鍛える
- ストレッチを行う
- 産後の生活に気をつける
予防法①:クセを治す
骨盤をゆがませてしまわないことが1番の予防法になります。
クセは無意識に出てしまう行動。
毎日していることで、体はゆがみを生じてしまいます。
ゆがみを生む行動をしないよう気をつけましょう。
始めはつらいかもしれません。
しかし、意識していくうちに自然と体が覚えてくるはずですよ。
いつも同じ方でカバンを持たないように意識するだけでも違うでしょう。
少しずつ変えていくだけでも恥骨痛の予防にはなりますよ。
予防法②:座り方に気をつける
クセと同様、座り方にも注意が必要。
仕事で座りっぱなしという人も多いでしょう。
座っている時間が長くなると筋肉が固まりやすくなってしまいます。
そのため、骨盤周りの筋肉がちょっとしたことで痛み恥骨痛につながってしまう可能性も。
1時間に1回は立つように意識しましょう。
血流を良くしておくことも大切です。
また、足を組んだりしないように気をつけておきましょう。
骨盤がゆがみやすくなってしまいます。
予防法③:筋肉を鍛える
骨盤周りの筋肉を鍛えておくことも大切。
簡単にできる方法としては、スクワットがおすすめです。
足腰も強くなり、筋力低下を抑えることにも効果的。
歳をとっても、自分の足で歩ける体づくりに役立ちます。
スクワットはきちんとできていないとひざを痛める可能性があります。
無理な姿勢をとってしまわないようにしてください。
始めは壁に背中をつけたり、イスを支えにして行いましょう。
慣れてきたら支えがなくても大丈夫になるはずです。
予防法④:ストレッチを行う
ストレッチは恥骨痛が出てから和らげるものだけではありません。
予防として行っておくことが効果的。
筋肉が固まってしまうと、その分色々な所を痛めやすくなってしまいます。
1日5分でも継続して行っておくと良いでしょう。
体のゆがみを治すには筋肉のバランスを整えることが大切。
固くなっている所を無理のない範囲で伸ばしてあげましょう。
骨盤周りを整えるには前屈もおすすめ。
両足でやるより、片足ずつが効果的です。
予防法⑤:産後の生活に気をつける
産後1週間は恥骨痛になってしまうリスクが高くなります。
この期間は特に体を休めた方が良いと考えられています。
出産は病気ではありませんが、大きな負担がかかるもの。
産後は歩くだけでも負担がかかりやすい状態です。
また、授乳によって睡眠時間も削られてしまうもの。
できる限り安静を保つようにしておきましょう。
座って行えるお世話は座って行うように。
後から恥骨痛になって苦しむことになっては、お世話も大変です。
恥骨痛で受診する診療科3選
恥骨痛を感じた場合、状況に応じて受診する場所が変わります。
どこへ行けばよいのでしょうか。
- 整形外科・整骨院
- 泌尿器科
- 産婦人科
診療科①:整形外科・整骨院
骨自体に影響が出ていることが明らかである場合、整形外科を受診しましょう。
骨折などに対応してくれます。
スポーツなどで恥骨痛を感じている場合は整骨院でも問題ありません。
自分では炎症を起こしているのが骨なのか筋肉なのかわからないことも多いでしょう。
骨折などの可能性があれば整形外科の受診を薦めてくれるはずです。
また、筋肉の炎症である場合、再度痛めてしまわないよう治療をしてもらうことができます。
筋肉が固まりすぎてしまうと悪化の原因になってしまいます。
自分でストレッチをするよりも効果的にほぐしてもらうこともできます。
診療科②:泌尿器科
骨の痛み以外に何か症状がある場合は、内臓の病気の可能性もあります。
例えば、血尿や吐き気、下痢などがある場合は要注意。
骨ではなく、病気によって恥骨痛と感じているのかもしれません。
痛みを感じるようになったころには病気がかなり進行していることも。
いくら健康に気を使っていても、病気になることはあります。
遺伝的になりやすいものもあるでしょう。
後回しにしてしまうとさらに大変になってしまいます。
早期に発見するためにも定期的に健康診断を受けておきましょう。
診療科③:産婦人科
妊娠している場合は、赤ちゃんへの影響が心配になりますよね。
まず産婦人科を受診しておけば安心でしょう。
妊娠中の経過を考えながら相談することができます。
必要に応じて他の科を受診するよう指示が出るでしょう。
もともとの性格もありますが、妊婦さんは不安になりやすい時期もあります。
赤ちゃんが成長してきても、つわりの程度によっても動くのがつらいもの。
また、妊娠中は薬の使用には注意が必要です。
産婦人科で出されるものなら安心して使用することができます。
恥骨痛の体験談3選
体験談①:腰痛持ちの妊婦さん
妊娠前は整体に通っていましたが、妊娠すると通えず。
妊婦用のベルトやストレッチで早い段階から対処。
しかし、8ヶ月ごろになると腰痛が悪化。
さらに恥骨痛に悩まされることに。
寝返りをうつたびに痛んでなかなか寝れず。
歩きだけでも痛みがあるのに、生産期になると足がむくみ、その痛みまで発症。
泣きながら散歩をしていたそうです。
出産後は恥骨痛は嘘のようになくなったんだとか。
体験談②:出産後に恥骨骨折
無事に出産したと思ったら、恥骨骨折。
まともに歩くことができず、後ろ歩きで過ごすことに。
あまり力をかけることもできず、我が子の世話に一苦労。
しかし、人間やればなんとかなるもんですね。
産後に骨折なんて大変。
しかし痛みがあっても、赤ちゃんに癒されますね。
体験談③:つわりがないと思ったら…
妊娠初期はつわりもなく、経過も順調。
ところが後期になると突然の恥骨痛。
全身が痛くて動くのが大変に。
赤ちゃんの成長によって、痛みを感じるようになってしまいました。
おすすめの骨盤ベルト
ダイエットのための骨盤矯正。
産前産後のケアにも長く使える骨盤ベルト。
他の物に比べると細く、つけやすくフィットしやすい。
マジックテープでサイズの調節も簡単です。
しっかりしているので何度も付け直す必要がありません。
通気性も良く、摩擦に強くて長持ちします。
恥骨痛は予防が大事
恥骨痛になってしまわないように、普段からケアをしておきましょう。
姿勢を意識して、軽いストレッチをすることで、リラックスにもなります。
女性なら誰でも妊娠することで恥骨痛になる可能性があるもの。
ちょっとした知識を持っているだけで、その後の改善具合にも大きな差が出ます。
ここで紹介した方法を頭の片隅に入れておきましょう。