干し柿とは
ところで、干し柿とはどんなものなのでしょうか?
干し柿は柿の実を乾燥させたもので、ドライフルーツの一種にあたる食べ物です。
「ころ柿(ころがき)」や「白柿(しろがき)」などと呼ばれることもあるようですね。
中国や朝鮮半島など、アジアの広い地域で古くから製造されており、日本にも弥生時代には作り方が伝わっていたと考えられています。
干し柿の材料になるのは、そのままでは食べられない渋柿です。
干すことで渋みが抜け、甘味が強くなるんですね。
その甘味は、なんど砂糖の1.5倍にも上るとのことです。
干し柿を作るときの疑問解決
干し柿の作り方は後で詳しく説明するとして、ここでは干し柿を作る際のさまざまな疑問について見ていくことにしましょう。
干し柿を作るのに最適な時期は
干し柿の作り方の重要なポイントとして、「いつ作るか」ということがあります。
干し柿を作る時期には、最も適した季節があるんですね。
それは「秋」です。
なぜなら、秋は空気が適度に乾燥しており、気温も低いからです。
干し柿はしっかり水分を抜かなくてはなりませんから、乾燥しやすい状況が必須ですし、腐らないよう気温も低いことが求められます。
ただ雪が降るようになると逆効果ですから、一番良いのは(地域によって異なりますが)11月中旬ごろから冬にかけての時期でしょう。
干し柿は室内でもできる?
干し柿の作り方で気になるのが、「室内でも作れるの?」ということでしょう。
軒下に吊るしてあるイメージが強い干し柿ですが、果たして室内で同じようにつくることはできるのでしょうか。
結論から言えば、大丈夫。
室内でも、ちゃんと干し柿は作れます。
干し柿作りで大切なのは、風通しの良さと湿度の低さです。
このポイントさえ押さえていれば、室内でもおいしい干し柿が作れますよ。
扇風機や除湿器などを活用すると便利です。
干し柿は枝なしでもできる?
干し柿の作り方として、枝にビニールひもを結んで干すというやり方が一般的です。
しかし、この枝がない場合や、取れてしまったときはどうすればよいのでしょうか。
こうした時は、ひもを結んだ割りばしを柿の実(ヘタの下あたり)に挿して貫通させ、果肉ごとひもで結んでしまえばOKです。
割りばしに結んだひもは、はしの細い方へずらせば簡単に外せますよ。
干し柿を作るとき焼酎を使うのは
ところで、干し柿の作り方として焼酎を使う方法があることをご存知でしょうか。
実はこれは、柿の実を消毒するためなんですね。
方法は、柿が浸せるくらいの器に焼酎を入れて、へたの所を持って果実部分をこの中にくぐらせます。
こうすることで、柿をアルコール消毒することができますよ。
順番としては、柿の実を沸騰したお湯で消毒した後になります。
消毒の後は、柿の実を触らないようにしましょう。
干し柿がカビないようにするには?カビたらどうする?
干し柿の作り方では、カビが生えてしまったときの対処法も知りたいところです。
このような場合には、少量のカビであればアルコールで拭き取ることができます。
アルコールは、焼酎(ホワイトリカー)でかまいません。
35度の焼酎をペーパータオルに含ませ、カビをていねいにふき取っていきます。
もしくは、ウォッカやウイスキーなどの度数の高いお酒を霧吹きにして吹き付け、柿を消毒してから再度干すなどの方法も有効です。
干し柿についている白い粉は?
干し柿の作り方とは別に、干し柿についている白い粉も気になるところですね。
これは一体何の粉なのでしょうか。
干し柿の表面に浮き出た粉は、実は柿の糖分が結晶化したものです。
渋柿の糖分は、前述のようにとても高いのですが、天日で干していく過程でそれが表に浮き出てくるのですね。
これは柿霜(しそう)と呼ばれ、生薬としても使われます。
ですから食べても問題ありませんし、むしろ粉があるのは出来のいい証拠なのです。
干し柿の保存の仕方
干し柿の作り方を見る前に、保存方法についても知っておいた方が良いでしょう。
干し柿は、良く干されたものなら常温で保存することができます。
キッチンペーパーなどの紙類に包んで、風通しの良い場所に置いておけばOKです。
ただこの場合、美味しく食べられるのは3日程度が限度。
また中がまだ柔らかい場合、常温保存は不向きです。
1個ずつラップで包み、密封できる箱に入れて冷蔵庫で保存すれば、1ヵ月程度は持ちます。
臭いがつくのが嫌な場合は、冷凍保存すると3ヵ月程度は持つでしょう。
きれいな干し柿を作る方法
それではここからは、いよいよ干し柿の作り方について見ていきましょう。
くわしくは上の動画に出ていますが、ここではその作り方を順を追って説明していきます。
干し柿を作るときの材料
具体的な作り方の前に、まずは材料(30個分)を見ていきましょう。
以下のようなものを用意してください。
- 渋柿 30個(約9kg)
- ひも 10m
きれいな干し柿の作り方①:皮をむく
干し柿の作り方、手順の1つ目は柿の皮むきです。
まずは柿を良く洗い、水気を切っておきましょう。
最初に包丁でへたの周囲の皮をむきます。
後で必要なので、へた自体は残しておいてください。
続いて頭頂から下へ向けて皮をむいていきます。
ピーラーを使ってもOKですよ。
この作業を全ての柿に行います。
きれいな干し柿の作り方②:ひもを用意する
きれいな干し柿の作り方、続いては柿を吊るすひもを作っていきましょう。
用意したビニールひもをハサミで70cmずつの長さに切り、全部で15本分準備してください。
きれいな干し柿の作り方③:柿をひもで縛る
きれいな干し柿の作り方、続いては、柿をひもで縛っていきます。
柿は2個で1組になるように縛ってください。
柿の枝の軸に、ビニールひもの両端を巻き付けて結んでいきましょう。
結び方は、ひもがほどけない程度でOKです。
準備した柿を全て同じ作業で結んでいきます。
きれいな干し柿の作り方④:熱湯消毒する
きれいな干し柿の作り方、4つ目の工程は、消毒です。
大きめの鍋に水を入れて煮沸し、そこへ2個1組に結んだ柿の実を浸しましょう。
ひもの真ん中を掴んで2つ同時にお湯に浸け、5~10秒ほど消毒します。
こうすることにより、虫よけとカビ防止の効果が得られますよ。
この時ヘタまでお湯に浸し、引き上げたあとは柿に触らないようすることが大事です。
触ってしまうと、カビが生える原因になるので注意しましょう。
きれいな干し柿の作り方⑤:柿を干す
干し柿の作り方、5番目はいよいよ柿を干していきます。
軒下などの日当たりが良く、風通しも良い場所に柿を吊るしていきましょう。
雨が当たるとカビが生えるので、要注意です。
この時、柿同士がくっつかないよう上下にずらして吊るすのがポイントですよ。
雨の時に取り込みやすいよう、ハンガーに吊るすのもありです。
最後に焼酎で霧吹きすると、前述のように消毒になります。
きれいな干し柿の作り方⑥:柿を揉む
干し柿の作り方として、柿の実を揉んでおくことも大事です。
途中で何度が揉むことで、渋みが早く抜けて甘味を出すことができます。
揉むのは干してから1週間ほど後で、外皮が硬くなってから。
それから数日おきに揉んでいき、硬さがなくなればOKです。
揉む時は手袋をしておいてくださいね。
きれいな干し柿の作り方⑦:完成
きれいな干し柿の作り方、最後は完成までです。
干してから約3週間、20日ほどで中身がやわらかく、食べごろになりますよ。
切ってみて中がとろとろになっていれば、おいしい干し柿の完成です!
干し柿を室内で作るコツ
前にも触れたように、干し柿は室内でも作れます。
ここでは室内での干し柿の作り方として、守るべきポイントについてみていきましょう。
干し柿を室内で作るときのポイント①:カビないように管理
干し柿の室内での作り方のポイントとしては、カビないように管理することが大事です。
屋外よりも風通しが悪くなり、湿度も上がりますから、この点はしっかり気を付けておく必要があります。
カビを防ぐには、先にも述べたように除湿器や扇風機を使うのが効果的。
干し柿に向けて微風で扇風機を回すと、乾燥も早まりカビ防止に役立ちます。
干し柿を室内で作るときのポイント②:あまり人がいない部屋に干す
室内での干し柿の作り方のポイント、2点目は干す場所についてです。
いつも人がいる部屋では、どうしても一定の湿度が必要になります。
ですので、干し柿を干すのはなるべく普段あまり使わない部屋にした方が良いでしょう。
なおかつ日当たりの良い場所ならベストです。
干し柿を吊るさないで簡単に作る方法
干し柿と言えば前述のような吊るす作り方が一般的ですが、吊るさずに作る方法もあります。
ここではそうした作り方について見ていきましょう。
干し柿を冷蔵庫で作る
吊るさない干し柿の作り方、1つ目は「冷蔵庫で作る」という方法です。
冷蔵庫の中は5~10℃くらいなので、干し柿を作るにはちょうど良い環境になっています。
消毒した干し柿にキッチンペーパーをかぶせ、柿同士が触れ合わないように冷蔵庫に入れます。
そのまま3~4週間寝かせればOK。
雨も気にする必要がありませんから、カンタンに干し柿が作れますよ。
ただ、匂いが移る可能性があるので、その点は要注意です。
干し柿を干し網において作る
吊るさない干し柿の作り方、2つ目は干し網を使う方法です。
具体的な作り方は、以下の通りです。
渋柿の皮をむいて1/4にカットし、焼酎などで消毒します。
それを干し網の中に置いて、天日で干しましょう。
晴れの日が続けば、5日ほどでおいしい干し柿の完成です。
干し柿をお取り寄せ
作り方に続いては、お取り寄せできる干し柿のおすすめ商品をご紹介しておきましょう。
干し柿おすすめ①:長野県 市田柿
まずは長野県の市田柿による干し柿です。
こちらは松坂牛なども登録されているGIブランド認定の商品になります。
やわらかくとろけるような食感と甘味が特徴の干し柿。
一度食べたら病みつきになる味です。
干し柿おすすめ②:もりもとや 干し柿
おすすめの干し柿、2つ目はもりもとやの干し柿です。
こちらはもっちりした食感と、上品な甘さが特徴の干し柿となっています。
表面には甘味の証拠である白い粉がたっぷり。
食物繊維やポリフェノールもたっぷりで、健康食品としてもおすすめですよ。
作り方を覚えて自宅でおいしい干し柿を
以上、干し柿の作り方についていろいろ解説してきました。
このように、お店で買わなくても自宅で干し柿を簡単に作ることができます。
湿度や風通しにさえ気をつければ、室内でも作ることができるんです。
ご紹介した作り方を参考に、自宅でおいしい干し柿作りにチャレンジしてみてください!