東寺について
東寺とは
東寺(とうじ)は別名「教王護国寺」と言い、真言宗の総本山で平安時代に建てられた創建1200年の国立の寺院です。
また弘法大師空海ゆかりの日本で初めての密教寺院でもあるため、現在も深い信仰を集め毎月21日には「弘法市」「弘法さん」と呼ばれる骨董市が開催されて京都市民に古くから親しまれています。
東寺といえば木造で出来た五重塔が有名ではありますが、他にも素晴らしい建造物がたくさんあり1994年に世界遺産に登録されています。
場所
京都市内にある東寺は比較的行きやすい場所に位置していて、新幹線の停車駅である京都駅から15分程度で歩いて行けます。
京都駅から京都市内の街並みを見ながら東寺まで歩いていくのも趣があるのでおすすめです。
京都駅から電車で行く場合は近鉄京都駅から東寺駅で下車して徒歩10分、バスで行く場合は約20〜25分程度で行けますが桜や紅葉などの観光客が多い時期は道路が混み予想以上に時間がかかる時もあります。
- 78系統・19系統「東寺南門前」
- 42系統「東寺東門前」
- 16系統「東寺西門前」
料金
東寺の拝観にかかる料金は食堂や御影堂は無料で、金堂・講堂・五重塔は一般800円、観知院は500円になります。
但し季節や夜間拝観などで多少の値段の変動があります。
東寺の御朱印は全9種類で初穂料は一律300円となっています。
では東寺の御朱印の詳細を確認していきましょう。
東寺で授与される御朱印は9種類
金堂の薬師如来の御朱印
1つ目は東寺の金堂にある薬師如来の御朱印です。
ご本尊の「薬師如来坐像」は右に日光菩薩立像、左に月光両菩薩が配置された日本最大の大きさの菩薩となっています。
この三尊像は重要文化財に指定されていて木造の仏像の中でも「最高傑作」と言われています。
ご本尊の薬師如来にはあらゆる病気から守ってくれるご利益があるとされているので健康面が気になる人はお守りとして御朱印を頂くのはいかがでしょうか。
真言宗十八本山の弘法大師の御朱印
2つ目の御朱印は真言宗十八本山の弘法大師の御朱印です。
この御朱印は東寺・神光院・仁和寺を巡る「京の三弘法めぐり」の御朱印でもあり、特に指定がない場合に頂ける御朱印です。
四国八十八ヶ所巡礼の第九霊場でもある東寺は、四国巡礼に出発する前に弘法大師が住まれていた御影堂にご挨拶をしてこの御朱印を頂いてから出掛けて行くと言われています。
弘法大師の名がかっこよく書かれた御朱印なので、東寺に来た記念に頂いていきませんか。
西国愛染十七霊場第8番の愛染明王の御朱印
3つ目の御朱印は西国愛染十七霊場第8番の愛染明王の御朱印です。
愛染明王を祀っている17の霊場のことを「西国愛染十七霊場」と言い、東寺の毘沙門堂は第8番目の札所になっています。
密教世界の大日如来と金剛王が変化した姿と言われている愛染明王(あいぜんみょうおう)は、結婚成就・良縁成就・夫婦円満などのご利益があるとされているので恋人や家族と御朱印を頂くのもおすすめです。
京都十三仏霊場第12番の大日如来の御朱印
4つ目の御朱印は講堂にある大日如来の御朱印です。
密教を庶民に広めるために弘法大師空海が建てたとされている講堂には、大日如来を中心に21体の仏像の立体曼荼羅が拝めます。
宇宙そのものを表していると言われる大日如来と、大日如来を中心とした立体曼荼羅は圧巻で見応えがあります。
またこの講堂は亡くなった方の追善法要として行う京都十三仏霊場にて12番目の札所にもなっている場所です。
都七福神の毘沙門天の御朱印
5つ目の御朱印は毘沙門天の都七福神の御朱印です。
東寺の毘沙門堂では都七福神の兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)が祀られていて、家内安全や財運などのご利益があると言われています。
京都は七福神発祥の地で日本最古の七福神と言われており、七福神巡りで東寺を訪れる観光客も多いのでこの御朱印もとても人気があります。
洛陽三十三観音第23番の十一面観音菩薩の御朱印
6つ目の御朱印は洛陽三十三観音第23番の十一面観音菩薩の御朱印です。
東寺の食堂では財産や食に困らない・病難から守るなどの現世の利益と極楽浄土を願える後世の利益など14種類ものご利益がある十一面観音菩薩が祀られています。
また京都の33箇所の寺院にある観音を巡る洛陽三十三観音巡りの23番目の札所が十一面観音菩薩になっています。
御影堂の不動明王の御朱印
7つ目の御朱印は御影堂の不動明王の御朱印です。
東寺の御影堂にある不動明王は秘仏になっているためお目にかかることはできません。
御影堂の南側から参拝すると無限大のご利益があると言われています。
どんな願いごともご利益があるので、不動明王の秘仏の御朱印を手元に持っておくのもおすすめですよ。
鎮守八幡宮の南無八幡大菩薩の御朱印
8つ目の御朱印は鎮守八幡宮の南無八幡大菩薩の御朱印です。
鎮守八幡宮は東寺を創建した際に王城鎮護を願って祀られた社になります。
日本最古の神像と言われているご本尊の僧形八幡神と二尊の女神は八幡三神像と呼ばれ、秘仏として大切に保管されています。
観智院の虚空蔵菩薩の御朱印
9つ目の御朱印は観智院の虚空蔵菩薩の御朱印です。
東寺の観智院は真言宗の勉強や研究に励む場所「勧学院」とされています。
ご本尊は智慧の仏とも言われている虚空蔵菩薩で合格祈願などの学問のご利益があるとされています。
高校や大学受験を控えている人や資格取得のため猛勉強している人にはご利益がありそうな御朱印です。
東寺限定の御朱印も!
青もみじ&御朱印めぐりツアー限定の御朱印
「そうだ!京都に行こう」の青もみじが綺麗な寺院や神社を巡るツアーにセットで限定御朱印が拝受できるプランがあり、東寺でも御朱印が授与できていました。
弘法大師の御朱印の左上に青もみじと五重塔の緑の可愛いスタンプが素敵な御朱印です。
2019年のツアーでは「コケ&青もみじの名所と御朱印めぐり」に変更になり東寺は限定御朱印が頂ける対象社寺から外れているので、現在は販売していません。
来年また復活するかどうかは不明なので、公式ページでチェックしてみましょう。
ちなみに2019年ツアーで限定御朱印が頂ける対象社寺は以下の11箇所の神社や寺院になっています。
- 貴船神社
- 圓光寺
- 神護寺
- 常寂光寺
- 北野天満宮
- 永観堂
- 高台寺
- 三千院
- 曼殊院
- 下鴨神社
- 毘沙門堂
秋季特別拝観ライトアップの限定御朱印
東寺では秋季特別拝観ライトアップに限定御朱印と御朱印帳がセット販売されていました。
大日如来を中心にした21体の立体曼荼羅の中に配置している梵天(ぼんてん)・帝釈天(たいしゃくてん)の見開きの御朱印が頂けます。
帝釈天さまの御朱印には象の朱印、梵天の御朱印にはがちょうの朱印が押されたかっこいい御朱印です。
毎年頂ける限定御朱印なのかは不明なので、東寺の秋季特別拝観ライトアップが行われる際に公式HPなどを確認したり、直接東寺に問い合わせてみましょう。
神泉苑の御朱印
神泉苑(しんせんえん)は京都市中京区の二条城近くにある東寺真言宗の寺院です。
元々は天皇のお庭として作られた立派な庭園ですが、最近では桜の時期に人気の隠れ家的なスポットとなっています。
こちらでは嵯峨天皇・善女襲王殿・聖観音菩薩などの限定御朱印が頂けます。
東寺の御朱印帳は4種類
桜の御朱印帳
東寺の御朱印帳の種類は4種類でサイズは大・小があり、大は1,600円、小は1,300円の値段設定になっています。
1つ目の御朱印は桜の御朱印帳でピンクの配色で作られ赤や白、紫の桜模様が綺麗な昔ながらの親しみあるデザインになっています。
東寺にある八重紅しだれ桜「不二桜」は東寺のシンボルである五重塔を華やかに彩る桜で、その時期になるとライトアップでとても綺麗に演出されます。
東寺の綺麗な桜の思い出として桜の御朱印帳はおすすめです。
桜と石松模様の御朱印帳
2つ目は桜と石松模様の御朱印帳で、紅色の綺麗な桜がカバー全体に散りばめられたバックに金色の石松模様と東寺と書かれている文字がシックな御朱印帳になっています。
色味はバックの色が黒とグレーがあるのでお好みの色味を選ぶことが出来ます。
紅葉の御朱印帳
3つ目は紅葉の御朱印帳で、青もみじと赤もみじが混ざり合い綺麗なコントラストになっている趣のある御朱印帳です。
東寺にある放生池周辺の紅葉は、五重塔とのバランスがとても素晴らしくライトアップでも見応えがありとても人気があります。
紅葉の時期に東寺を訪れた記念として御朱印と合わせて持っているのもおすすめですよ。
亀の御朱印帳
4つ目は亀の御朱印帳で色鮮やかな亀達が池を楽しそうに泳いで姿が描かれ、可愛い雰囲気の中にも伝統を盛り込んだ御朱印帳になっています。
東寺の毘沙門堂の近くには「尊勝陀羅尼の碑」という亀の台座があったり、放生池に亀がたくさんいたりと亀と縁がある東寺ならではの御朱印帳はいかがでしょうか。
御朱印9種類を授与できる時間と場所は食堂
東寺の御朱印9種類が授与できる場所は、「食堂(じきどう)」と呼ばれる建物になります。
東寺の境内では「納経所」として案内看板があるので目安にして探してみましょう。
食堂は正門から入ってまっすぐ進み講堂のちょうど裏手に位置しています。
真言宗の僧侶達が普段の生活の中で修行を見出す場所として建てられ、レプリカの千手観音像などが安置されています。
また、御朱印を授与できる時間は東寺の拝観時間8:00〜17:00までになり詳細時間は多少前後します。
東寺の開門時間の5:00から行っても食堂は開いていないということになります。
拝観時間受付や御朱印受付は終了時間の30分前に終わってしまうので16時30分までには御朱印を頂きにいきのがおすすめです。
また桜・紅葉が綺麗な時期や修学旅行シーズンの時は相当混むことが予想されるので、御朱印も待ち時間が発生する恐れがあります。
最近では海外観光客も多いので土日も混みやすくなっています。
待ち時間なく東寺の御朱印を授与したい場合は、平日の早朝がおすすめになっています。
東寺には見どころもいっぱい
五重塔
平安時代に弘法大師空海が創建し日本一の高さ54.8mを誇る木造塔の五重塔は東寺の中でも一番の見どころでしょう。
落雷や火災などで3度も消失した過去があり、現在建っている五重塔は徳川家光が再建したものとなっています。
五重塔の内部は5階立てではなく吹き抜けで初層のみになっており、金剛界四仏像と八大菩薩像が安置されていたり壁や柱に八大龍王、真言八祖像、それに金剛界曼荼羅が描かれています。
そんな歴史がたくさん詰まった五重塔では、夜間拝観でライトアップされたり、毎年春と秋に2回に渡り1階部分の特別公開を行っています。
五重塔の中がどんな風になっているか気になる人はぜひその時期に東寺に行ってみるのがおすすめです。
御影堂
国宝指定となっている御影堂は別名「大師堂」ともいい、弘法大師空海が住まわれていた場所として今もなお親しまれて続けています。
講堂にある立体曼荼羅は弘法大師空海がここで構想し工事の指揮をとったとも言われています。
早朝6時から弘法大師空海が住んでいた頃に行っていた「生身供」が始まりますが、誰でも参加できるようになっていたり、秘仏であり無限のご利益があると言われている「不動明王」もあるので東寺に行くなら見逃せないスポットとなっています。
尊勝陀羅尼の碑
御影堂の南側にある巨大な亀の上に石の碑が立っているのは「尊勝陀羅尼の碑 (そんしょうだらにのひ)」です。
北野天満宮付近で創建されて明治に東寺に映されてきた碑です。
碑の下にいる亀は中国の想像上の動物「贔屓(ひいき)」で、万病ぬぐいの布で贔屓を撫でてから自分の持病の患部を撫でると病気が治ると信じられている隠れたパワースポットになっています。
蓮華門
壬生川通りに面している「蓮華門(れんげもん)」は東寺の中の6箇所の門の中で最古の門であり唯一の国宝に指定されている門です。
この蓮華門は「不開門(あかずのもん)」とも呼ばれています。
現在の門は鎌倉時代に再建されたものになっているため、鎌倉時代の技法が取り入れられていたり奈良時代の古式が残っていたりと日本建築の移り変わりを知る貴重な門となっています。
弘法大師空海が死期を悟って高野山で静かに暮らそうとこの門を出た際に不動明王が涙を流して別れを惜しみ、空海の足元に蓮の花が咲いたことが「蓮華門」名前の由来と言われています。
講堂
東寺の敷地内の中心にある講堂(こうどう)は密教の中心的な建物と言われ、講堂に安置されている大日如来は宇宙の中心と言われています。
そんな大日如来を囲むように本来なら平面で書かれている曼荼羅を21体の仏像を使用し立体で表現しているのが「立体曼荼羅」です。
菩薩像5体、天部2体、四天王像4体、明王像5体、如来像5体によって表現されている立体曼荼羅は弘法大師空海の立案で真言密教の可視化であったとされています。
21体の仏像は重なり合っていて角度を変えないと見えないものもありますが、一つ一つが丁寧に作られており見応えがあるので東寺に訪れた際はぜひ眺めてみたいおすすめのスポットです。
東寺近くのおすすめ観光スポット
東寺近くの観光スポット①西本願寺
次は東寺の近辺にあり東寺とセットで楽しめるおすすめスポットをご紹介していきます。
まずは東寺から歩いて15分で行ける「西本願寺(にしほんがんじ)」です。
西本願寺は正式名称「龍谷山本願寺」といい浄土真宗の本願寺派の本山で、宗派の異なる東本願寺と区別するために「お西さん」と愛称で呼ばれることもあります。
西本願寺の阿弥陀堂や御影堂は重要文化財に指定されていて、書院、黒書院、北能舞台、飛雲閣などの国宝もあります。
飛雲閣は金閣寺や銀閣寺と共に人気のある京都三名閣の一つとなっているため観光客に人気のスポットとなっています。
派手な色彩が印象的な唐門(からもん)は黒塗りの上に見事な彩色彫刻がされているため日が暮れるまで眺めてしまうということから「日暮門」とも呼ばれています。
東寺近くの観光スポット②東本願寺
JR京都駅から歩いて5分程度で行ける東本願寺(ひがしほんがんじ)は正式名称「真宗本廟(しんしゅうほんびょう)」という浄土真宗大谷派の本山になります。
西本願寺からちょうど東の位置にあり、「東さん」という愛称でも呼ばれています。
東本願寺には世界最大の木造建築の御影堂がありミシュランガイドに指定されるほど迫力のある建造物であったり、知恩院や南禅寺と共に京都三大門の一つと言われている御影堂門や阿弥陀堂門、阿弥陀堂などは登録有形文化財となっています。
東本願寺には御朱印はありませんが、参拝記念スタンプが参拝接待所でもらうことが出来るので東本願寺を訪れた記念に推していくのはいかがでしょうか。
東寺近くの観光スポット③渉成園
東本願寺の飛地境内にある渉成園(しょうせいえん)は、池泉回遊式の日本庭園です。
周囲に枳殻(からたち)が植えてあることから「枳殻邸」(きこくてい)とも言われ国の名勝に指定されています。
敷地に入ると京都市内の雑踏からかけ離れた物静かな庭園が広がっています。
京都観光や人混みに少し疲れたら、ゆったりとした時間の流れる渉成園へいくのをおすすめします。
東寺近くの観光スポット④市比賣神社
京都駅から徒歩15分程度の距離にある市比賣神社(いちひめじんじゃ)は女性に対するご利益がたくさんある女性のための神社と言われています。
マンションと共存している少し変わった神社ですが、女人厄除け祈祷があるため全国から女性の参拝客が多く訪れています。
神社内にある歴代天皇の産湯として使われたとされる「天之真名井(あめのまない)」の名水があり、飲んで手を合わせると願いが叶うと言われていたり、天之真名井の上に置かれただるま型の人形の「姫みくじ」も人気のおみくじとなっています。
良縁や子宝、安産といった女性の願い全般にご利益があるとされている女性専用のパワースポットとなっています。
東寺近くの観光スポット⑤鉄道博物館
小さい子供連れで観光を楽しむ場合は東寺から歩いて20分、バスで10分程度で行ける「鉄道博物館」はいかがでしょうか。
2018年にリニューアルオープンした鉄道博物館は蒸気機関車から新幹線まで実物の車両が36両も展示されています。
日本最大級の鉄道ジオラマがあったり、電車の車掌の仕事が体験できる車掌シュミレータがあったり子供が楽しめる施設になっています。
ベビーカーの貸し出しやフードコートもあるので雨の日でも遊びに行きやすく、近隣に公園や水族館もあるのでセットで行くとさらに楽しめます。
東寺近くの観光スポット⑥京都タワー
せっかく京都に来たのであれば高いところから京都の街並みを眺めてみませんか。
新幹線のホームからも見える「京都タワー」はJR京都駅から徒歩2分で行けて地下通路が繋がっているので雨の日でも行きやすくなっています。
11階にある展望台は地上100m上から360℃京都の街並みを見渡せて、京都駅の近くにある東寺や東本願寺、渉成園などを上から眺めることが出来ます。
京都タワーの中にはホテルやお土産施設、大浴場まで完備されているので観光で疲れた体をお風呂で温めてから帰省するのはいかがでしょうか。
御朱印帳を美しく保つおすすめカバー
透明度の高いPP生地を使用している大判用(12×18cm)タイプです。
カバンの中に入れると汚れやすい御朱印帳をしっかり包み込みかさばりにくいおすすめの御朱印帳カバーです。
京都観光を楽しみながら東寺の御朱印9種類を集めてみよう!
京都の東寺の御朱印9種類にはそれにまつわる歴史が深く、建造物や仏像も見応えがあるものがたくさんあります。
東寺に訪れた際は御朱印はもちろん、今回ご紹介した見どころを確認してみるとさらに楽しく観光できるでしょう。
さらに東寺の近隣の見どころもチェックして東寺とセットで京都観光を楽しみましょう!