ご祝儀袋に入っている厚紙は抜いて渡す
買って帰ったご祝儀袋の中に、ご祝儀袋の美しさ上品さとは真逆のただの厚紙が入っています。
この厚紙「何だろう」と思ったことがある人、実はたくさんいます。
パッケージされているから使うものなのかもと思ってしまいますよね。
でも、ご祝儀袋の完成度の高さと挟んであるだけのただの厚紙、かなりの温度差があります。
ご祝儀袋に入っている厚紙、捨てても良い物なのでしょうか。
一緒に使うものなのでしょうか。
ご祝儀袋に一緒に入っている厚紙は、不要品です。
絶対に厚紙を抜き取らないといけないというわけではありません。
マナー的には入って無くて良い物なので厚紙は、事前に抜き取って使った方が良いでしょう。
ご祝儀袋に厚紙が入っている理由
かつて、ご祝儀袋は上質な和紙などを折って家で準備するものでした。
時には神棚に上げて幸せを祈った紙で用意することもあったでしょう。
昨今では販売しているご祝儀袋を使うことが一般的になりました。
では、厚紙がなぜパッケージされているかというと、流通にかかわる理由です。
ご祝儀袋の厚紙は、型崩れ防止のために入っているのです。
製造会社から流通業者を経てお店にディスプレイされる中で、よれたり折れたりしないように厚紙が入っているわけです。
ご祝儀袋が保管したり持ち運んでいる時に折れてしまうことが不安な人も。
そんな時は、保管したり持ち運ぶ時に中に入っていた厚紙を添えておくのも良いでしょう。
ご祝儀袋のただ入っているだけの厚紙は、流通・販売の時に必要なもの。
ですから、お渡しする時は、添えておいた厚紙を省いてお渡ししましょう。
ご祝儀袋に入っている厚紙の抜き方3選
スケジュールを見て落ちついて準備ができそうな日を見つけましょう。
厚紙を抜き取るためには、いったん開けてしまう必要があります。
- 水引を抜く
- 袋を開ける
- 厚紙を取り出す
では、必要ではないただの厚紙の抜き取り方について詳しく見ていきましょう。
ご祝儀袋に入っている厚紙の抜き方①: 水引を抜く
水引をずらして抜き取ります。
水引の幅とご祝儀袋の幅はぴったりなので、ずらしたり引き抜いたりする際にコツが必要なこともあります。
ご祝儀袋を少したわむように持って、水引をずらせる方向へ動かしましょう。
たわませる時に折り目が付かない程度に湾曲させます。
一度に引き抜くのが難しい時もあります。
少しずつ斜めにしたり左右にずらしたりして、後ろの折りが重なった部分が抜けたら、先に開いて延ばしてしまっても良いでしょう。
重なった部分を先に開いておくと、ご祝儀袋の重なった部分がなくなります。
厚みが薄くなるということですね。
薄くなって一重になるわけですから、水引を抜きやすくなることもあります。
ご祝儀袋に入っている厚紙の抜き方②: 袋を開ける
水引が抜けたところで、ご祝儀袋を開きます。
1枚物の紙を手順に沿って折り曲げて作られていることが多いので、開くと1枚の大きめの紙になるご祝儀袋もあります。
開けると大きな四角形の紙があり、真ん中の辺りに厚紙と中袋が入っているイメージです。
ご祝儀袋に入っている厚紙の抜き方③: 厚紙を取り出す
ご祝儀袋を開いたら、中袋の下に入っている必要ではないただの厚紙を取ります。
ご祝儀袋をしばらく保管する際のクッションとして厚紙を使うなら、後で使えるように横に避けておきましょう。
これで、ご祝儀袋の中に入っていた必要ではないただの厚紙は取り外せました。
厚紙を取り外したご祝儀袋に、準備しておいた中袋をセット。
元の通りに折って、水引を戻します。
記名した短冊をはさめば出来上がりです。
ご祝儀袋の基本的なマナー5選
ご祝儀袋には水引の紐の先がどっちを向いているかや封の重なる順番的な方法など、マナーがあります。
- 筆ペンも用意しよう
- 中袋の記載事項
- ご祝儀袋の封の重ね方
- 水引には方向がある
- 短冊シール・表書きの記載事項
では、基本的なマナーについて見ていきましょう。
ご祝儀袋の基本的なマナー①: 筆ペンも用意しよう
ご祝儀袋を用意するなら一緒に用意したいのが筆ペンです。
書道具を出して筆で書くことが一番ですが、現実的なところで筆ペンがおすすめです。
インクは真っ黒がマナーです。
グレーとか薄い黒は弔事用になりますのでご注意ください。
マナーに準じるならば、ボールペンなど事務用品で書くのはできるだけ避けましょう。
ご祝儀袋の基本的なマナー②: 中袋の記載事項
中袋には、金額と住所・氏名を明記するのがマナーです。
ツイートの中袋の場合は、とても親しい人とのご祝儀のやり取りですね。
いただくとうれしい手書きイラスト入りで、お友だちだと感涙ものではないでしょうか。
先輩や親戚や会社関係で出席する結婚式などでの中袋のマナーとしては、
- 表面:金額「金参萬円」(中央に大きく)
- 裏面:住所と名前(はがきのように左下に)
を書きます。
金額の書き込み方は、旧字です。
1万円=壱萬円、2万円=弐萬円、3万円=参萬円です。
こちらを書く時も、筆ペンで書くことが一般的なマナーになります。
ご祝儀袋の基本的なマナー③: ご祝儀袋の封の重ね方
ご祝儀はお祝いのイベント時のプレゼントです。
より一層良いことが続くことが願って「上向き」に折り重ねます。
開いたご祝儀袋を、はじめにあったような折り目を目指して曲げていくと、封の部分で折り重なるカ所があります。
こちらの重なる部分の下部分を上側にして「上向き」にするのがマナーです。
ご祝儀袋の基本的なマナー④: 水引には方向がある
結婚式の水引は、上向きが正解です。
上下が分からなくなった場合は、上に向かって紐の先が伸びるように水引を戻しましょう。
リボンのような結び方の蝶結びの水引は、結婚式には使いません。
何度もほどける蝶結びは、何度合っても喜ばしい出産祝いなどで使います。
蝶結びの場合は、水引の向きは紐の先が下です。
色で説明をしますと、白が左側で赤や金が右側になるように水引を戻しましょう。
ご祝儀袋の基本的なマナー⑤: 短冊シール・表書きの記載事項
水引を戻したら、次は表書きです。
直接、ご祝儀袋に書き込むタイプもありますが、いくつかの種類の短冊や短冊シールが一緒に入っているパターンが多いです。
「寿」「お祝い」などと書いている短冊シールから好みのものを選びましょう。
選んだ短冊シールの水引より下の部分に自分の名前を書き込みます。
筆ペンではっきりと大きな字で書きましょう。
無地の短冊シールを、名前を記載した短冊シールの下に重ねます。
重ねる行為で、二重の喜びを表すご祝儀袋のマナーです。
ご祝儀袋に正しくお金を入れる方法4選
ご祝儀袋のお金にもマナーがあります。
マナー違反は相手に失礼になることもありますし、マナーを守る人が多い中で破ってしまうと目立ってしまいます。
- お札は新札を用意
- 奇数で用意
- 結婚式での金額
- 顔が見える方向で入れる
では、お金に関するご祝儀のマナーを4つ詳しく見ていきましょう。
ご祝儀袋に正しくお金を入れる方法①: お札は新札を用意
お札は新札を用意するのがご祝儀でのマナーです。
ご祝儀はお祝いのプレゼントです。
中古品をわざわざプレゼントすることはあまりありませんよね。
それと同じ理由で、ご祝儀袋には新札を用意しましょう。
銀行でお金を新札に換えることができます。
窓口で「新札でお願いします」と伝えると間違いありません。
ご祝儀袋に正しくお金を入れる方法②: 奇数で用意
喜ばしいことやお祝い事、いわゆるご祝儀袋を使ってお金をお渡しするような時は、お金を偶数じゃなく奇数で用意します。
「割り切れない」関係を望むという意味があります。
また、陰陽思想で奇数は「積極性を表すおめでたい数字」とされています。
ご祝儀袋に正しくお金を入れる方法③: 結婚式での金額
喜ばしいことやお祝い事でまず思い浮かぶのが結婚式ですが、こちらでは結婚式でのご祝儀の金額的な相場を簡単にご紹介します。
- 兄弟へ:5万円
- 友達へ:3万円~5万円
- 同僚へ:3万円~5万円
- 上司へ:3万円
新郎新婦とどれくらい親しいかという部分で金額が変わります。
また、会社や地域によっては一律の金額を定めているところもあります。
初めて参加する時は、一緒に参加する同僚や友達やご近所の人などに聞いてみると安心です。
ご祝儀袋に正しくお金を入れる方法④: 顔が見える方向で入れる
お札には裏表があります。
人物が印刷されている面を表として、ご祝儀袋に入れます。
お札の表と封筒の表が接しているようにしてお金を入れるイメージです。
また、お札の上下の入れ方のマナーもあります。
人物の顔が取り出したらすぐ見える向きで入れましょう。
こちらの動画は、京都の水引老舗店さんの発信する動画です。
日本全国の結納についても公式ホームページで紹介されています。
水引の方向やご祝儀袋の取り扱いについてご参考にしてみてください。
ご祝儀袋の中袋はのり付けしない
ご祝儀袋の中袋には、のり付けしません。
結婚式会場やご祝儀を納めた場所で、受付の人や会場の人などがその場でお金を管理します。
そのため、開けやすいこともマナーの1つになっています。
のり付けしてしまって開きにくいと、お札を破ってしまう恐れもあります。
ご祝儀袋に中袋用のシールが付属している時もあります。
心配な時は、小さなテープか付属のシールを使いましょう。
ご祝儀袋の短冊シールの使い方
短冊用シールが付属されているご祝儀袋があります。
こちらの使い方は、短冊を二重にするために使います。
先にも少し触れましたが、「二重の喜び」を表現するためです。
何も書いていない無地の短冊を重ねます。
名前を書いた短冊の下に無記名無地の物を添付のシールで貼り付けましょう。
二重に重ねるのはマナーですが、絶対というわけではありません。
名前を書くことに失敗した時は、無地の短冊を使いましょう。
上の白い部分に「寿」と書いて、水引より下になるように名前を書いて使っても良いということです。
ご祝儀のマナーの1つに、短冊は二重に重ねると喜びが重なるイメージがあることを知っていれば二重丸です。
ふくさの正しい使い方
ご祝儀をそのまま会場へ持って行くというケースも増えていますが、正式なマナーとしてはふくさなど専用の包み方で会場まで大切に持ち運びたいものです。
ふくさは、風呂敷状のふくさを折り畳んで包む方法もあります。
差し込んで入れるタイプの金封ふくさなら、使いやすくて便利でしょう。
金封ふくさにはかわいいものやデザインされたものも近頃はたくさんあります。
初めて結婚式に出席するなら、今後のために1つ用意しておいても役立つでしょう。
こちらの動画は、風呂敷状のふくさの使い方が詳しく説明されています。
三重県にある結納ドットコムという会社が制作している動画です。
こちらは金封ふくさのマナーが動画で紹介されています。
上の動画と同じ結納ドットコムさんの制作動画です。
おすすめの冠婚葬祭マナーの本
Kindle Unlimitedでは0円で読むことができるマナー本がこちらです。
大人として知っておきたいマナーがこの1冊で分かります。
冠婚葬祭などのマナーは地方性や個々で違うこともあります。
ですが、大まかなマナーを頭に入れておいたり、事前に知っておくのも大人として必要なことも。
何か分からないことがあったら辞書的に使うことができる1冊があれば安心です。
ご祝儀袋は厚紙をはずして気持ちを込めて!
ご祝儀袋は、お祝いの気持ちをお金としてプレゼントする日本的なしきたりでした。
格式は残りますが、現代風にアレンジされているところもあります。
筆ペンで書いたり、水引アートでも良い風潮があったりしました。
できれば、マナーに則ってご祝儀袋をお渡しできれば大人として良いですよね。
厚紙は抜き取り、筆ペンでしっかりした字で記入しましょう。
封は上向きにして、水引の向きはそれぞれのお祝い事に沿いましょう。
初めての結婚式やお祝い事への出席は準備する時も出席した時も緊張してしまうことも。
ご祝儀袋のマナーが守れたら、幸せな祝う気持ちも大切に心に包んで行きましょう。