陣痛とは
赤ちゃんが産まれてくる準備が整うと、子宮の筋肉が収縮し始めます。この子宮の収縮による痛みが陣痛です。
最初はお腹が張ってくる感覚で、徐々に痛みを感じます。
この時痛みは不規則です。
次第に規則的な痛みになり、痛みの発作と痛みがやんでいる状態を繰り返すようになります。
陣痛の間隔とは、この発作と痛みが止んでいる状態の間のことを言います。
最初の痛みの間隔が不規則な陣痛を「前駆陣痛」といい、間隔が規則的になると「本陣痛」といいます。
前駆陣痛と本陣痛の間隔・痛みの特徴
陣痛の始まりや経過は人によって様々ですが、よくテレビドラマで見るような「ウッ」というような急な痛みから始まることは稀でこれが陣痛かな?と確信がもてない程度の弱い痛みやお腹の張りを感じます。
そして段々と痛みが強くなり、痛みの間隔が規則的になる本陣痛に移行していくのが一般的です。
しかし気が付かないほど弱い痛みだったり、前駆陣痛がない場合もあります。
では、それぞれの特徴を見ていきましょう。
- 前駆陣痛:陣痛の間隔が不規則
- 本陣痛:陣痛の間隔が規則的
①:前駆陣痛
発作と発作の間隔が不規則な陣痛は前駆陣痛と言います。
陣痛の始まりは、陣痛か否か確信が持てないくらい軽い痛みで、いきなり激痛から始まることは稀です。
お腹が張るような感じという人や、生理痛のような痛みと痛みをはっきり感じる人もいます。
痛みが弱い場合は、そもそも痛みに気が付かない程度の痛みの場合もあれば、前駆陣痛が全くない場合もあります。
前駆陣痛から本陣痛へ移行するタイミングは人それぞれで、その日のうちという人もいれば、数日後になる人もいます。
本陣痛いつ始まるかは人それぞれで、予想がつきません。
いつ始まっても病院に行けるように前駆陣痛のうちに荷物の準備は万全にしておくと安心です。
②:本陣痛
陣痛と陣痛の間隔が規則的になってきたら、本陣痛です。
陣痛が何分間続くか、陣痛と陣痛の間隔は何分かメモを取るか、専用アプリを使って記録し、病院に連絡して指示を仰ぎます。
陣痛初期は発作の持続時間は約10秒~20秒で、痛みの間隔は10分以上と長いのが一般的です。
時間が経過して陣痛が進むと発作の時間も陣痛の間隔もだんだん短くなっていきます。
痛みも本格的になっていきますが、ようやく赤ちゃんに会える、とポジティブに考えて乗り切りましょう。
経産婦は陣痛の間隔が短くなるのが早い
経産婦は一般的に陣痛の進みが早く、初産の半分の時間で出産になることが多いといわれています。
初産婦の場合は出産までに合計11~15時間程度かかるのが一般的です。
経産婦になると出産までに合計5~8時間程度、初産の時の約半分の時間です。
経産婦は初産の時の経験から心に余裕があるため、
「まだまだ、大丈夫」
と準備や病院に行くタイミングが遅れがちです。
実は自宅で出産や病院に向かう途中のタクシーの中で出産してしまった等、病院到着に間に合わず出産となるケースは経産婦の方が多いのです。
※陣痛で救急車を呼ぶのはタブーと言われていますが、出血が激しかったり、陣痛の間隔が1分以内で動けない、赤ちゃんの頭がもう見えている等、緊急性が高い場合は救急車を利用してもかまいません。
救急車を呼ぶか否か、判断ができない場合は、病院に連絡して指示を仰ぎましょう。
初産の時とお産の経過が同じとは限りません。
初産婦さんほど、早め早めに行動するように心がけましょう。
初産婦は10分・経産婦は15分が病院に行く陣痛間隔の目安
病院に行く陣痛間隔の目安は、初産の場合は10分間隔、経産婦の場合は15分間隔になったらと言われています。
ただし、病院によってはこの目安が異なることもあるので事前に来院する陣痛間隔の目安を病院に確認しておきましょう。
目安の陣痛間隔になったら焦らずまず病院に電話をし、指示を仰ぎます。
病院からも、陣痛を感じ始めた時間や陣痛の間隔を聞かれるので、記録していた陣痛の間隔、発作の時間を伝えます。
自宅から病院までの距離が遠かったり、どうしてもタクシーや自宅の車で向かえず、公共の交通機関を利用する場合はその旨を伝えましょう。
少し早めに来院するように言われることもあります。
陣痛初期の間隔と痛み・その他症状
潜伏期という段階で、子宮口が1~2cm程に開いていきます。
産院に向かう準備を始めて、産院に電話をして指示を仰ぎます。
陣痛初期の間隔 :10分以内
定期的な陣痛が確認できる頃です。
陣痛の間隔は10分以内(1時間に6回以上)で持続時間も30秒以内です。
陣痛の間隔と発作の持続時間をメモし、病院に連絡しましょう。
陣痛初期の痛み:耐えられる程度
発作の時間も短く、痛みも生理痛や下痢(人によっていは便秘)位の痛みで、まだ余裕です。
痛みが弱いので、まだ動ける時期です。
陣痛初期のその他症状
陣痛初期の経過時間は初産で9時間~20時間、経産婦の場合は14時間以内とかなり幅があり、この時間より早い場合や、逆に24時間以上かかる場合もあります。
この時期に破水する場合があります。
破水したら陣痛の間隔が長くてもすぐに病院に向かってください。
チョロチョロと少量の水が出る程度の破水でも、破水は破水なので、病院に向かいます。
おしるしがあったときの対応
おしるしは分娩が近づいていることを知らせる兆候の一つです。
おしるしの色は薄い血液の色や褐色など人により違いがあります。
量はトイレットペーパーににじむ程や、血液が混じったおりもの状程度で生理の多い日のような量ではありません。
おしるしが来てもすぐに陣痛が始まるわけではないので、慌てる必要はありません。
通常、陣痛はおしるしの後、1-2日以内に始まることが多いので、おしるしが来たらご主人やご家族に連絡し、出産が近いことを知らせておくとよいでしょう。
また、本格的に入院の準備を始めます。
いつでも入院できるよう荷物の最終チェックをしておくと安心です。
ただし、おしるしが来ないケースも多々あります。
特に経産婦の場合はおしるしが来なかったり、陣痛とほぼ同時におしるしがある場合もあります。
生理2日目のような大量出血があった場合は、おしるしではなく、異常出血の可能性があるため、直ぐに病院に連絡しましょう。
破水したら病院へ!
破水とは赤ちゃんを包んでいる薄い卵膜が破れて、羊水が流れ出てくることをいいます。
通常は陣痛が進んで、生まれる直前に破水することが多いのですが、陣痛前に破水することも多々あります。
破水は水風船が割れるような、大量の水が出る場合とすこしずつ漏れ出る場合があります。
大量の場合、生ぬるい羊水が一気に出ます。
破水をきっかけに陣痛が進むことが多いのですぐに病院に行くようにしましょう。
チョロチョロと破水している場合は破水なのか、尿漏れなのか、おしるしなのか判断できない場合があります。
妊娠後期は赤ちゃんで膀胱が圧迫されて尿漏れに悩む妊婦が多く、生あたたかい羊水は尿漏れの感覚によく似ているためです。
また、破水したときに少量の血液が混じることがあり、おしるしだと勘違いするケースもあります。
いずれの場合も、生理用のナプキンをあてて様子を見ます。
ナプキンがどんどん濡れていくようなら、破水です。
尿漏れの場合はアンモニア臭がするので、ツーンとした匂いが無ければ破水です。
破水と判断したら病院に電話をして、すぐに病院に行くようにします。
その際はそのままナプキンをあてて行きましょう。
病院ではナプキンの液体が羊水なのか検査できるので、羊水であればそのまま入院です。
陣痛中期の間隔と痛み・その他症状
陣痛中期はいわゆる移行期で子宮口が3~4cmの段階です。
陣痛の痛みも本格的になります。
陣痛中期の間隔:5分から7分おき
だんだんと陣痛の間隔が短くなっていきます。陣痛の間隔は5分から7分おきで、時間も30秒から90秒と長くなっていきます。
陣痛中期の痛み:だんだんと強くなります
痛みはだんだんと強くなります。発作が起きている時は、何もできない位の痛みになります。
この頃には病院に到着していると思いますので、陣痛室でご主人か助産師さんに腰をマッサージしてもらい、痛みを逃します。
子宮口が緊張していると痛みを強く感じるので、緊張を和らげるために腰にカイロをあてて温めたり、足湯に入って緊張をほぐすと痛みが和らぎます。
アロマオイルを使って緊張を和らげるのも良いでしょう。
陣痛中期のその他症状
経過時間は2時間から3時間です。
とにかく痛みに耐える時間帯です。
発作が起こるたびに子宮口が開いていきますので、もうすぐ赤ちゃんに会えることをイメージして頑張りましょう。
陣痛後期の間隔と痛み・その他症状
子宮口が急速に開いて、10㎝の全開大になっていく状態です。
全開大になると分娩台に移動し、出産ももう間近です。
陣痛後期の間隔:1分から3分
発作の間隔がどんどん短くなっていきます。発作が絶え間なくやってくるイメージです。
陣痛後期の痛み:耐えがたい痛み
痛みのピークで、耐えがたい痛みになる時間帯です。
ご主人や助産師さんに付きっきりで腰をマッサージしてもらいます。
抱き枕などを使って体を丸めて、発作のピークの時は何かにつかまって痛みをやりすごします。
また声を出すのも痛みを和らげるコツです。
恥ずかしがらずに、大きな声を出してください。
痛みで気持ちが弱くなってしまったら、もうすぐ赤ちゃんに会える、赤ちゃんもがんばっているのをイメージして頑張りましょう!
陣痛後期のその他症状
経過時間は1~2時間です。
発作のたびに赤ちゃんがだんだん子宮口に下がってきます。
赤ちゃんとのご対面ももうすぐです。
痛みで呼吸が乱れがちになりますが、発作の短い合間で呼吸を整え、深く深呼吸するようにすると子宮口の緊張がほぐれ、痛みの強さも和らぎます。
子宮口が全開(約10cm)になったら、分娩台に移動し出産になります。
赤ちゃんとのご対面も、もう目の前です!
陣痛の間隔を測るおすすめアプリ3選
陣痛かな?と思ったら発作の時間と間隔をメモすることが大切ですが、慌てていたり、陣痛の痛みに耐えたりと、メモすることが大変なこともあります。
そんな時に陣痛の間隔を管理できる便利なアプリがたくさん出ています。
事前にダウンロードしておくと便利です。
①:陣痛時計
シンプル・イズ・ベスト!
画面表示がシンプルで見やすく、操作も簡単です。
使い方は痛みを感じたらストップウォッチのようにスタートボタンをタップして、痛みが和らいだらストップボタンをタップするだけ。
測った時間は自動的に登録されるので、時間を入力する手間はありません。
また、データをCVSファイルにしてEmail添付できるので、病院に報告することもできます。
②:胎動~陣痛時計
水彩画風のイラストがとても可愛い!
妊婦生活を癒してくれるデザインのアプリです。
陣痛時計はこちらもストップウォッチ仕様で痛みを感じたらスタート、痛みが治まったらストップボタンをタップするだけ。
またこちらは胎動カウントができる胎動カウンターもついていて、妊娠32~34週頃の胎動を頻繁に感じるようになってから使えます。
赤ちゃんが10回動くのに、何分かかったかを記録出来ます。
③:妊娠 • Sprout
こちらは有料ですが妊娠初期から妊娠生活全般を管理できるアプリです。
妊娠週数から胎児の大きさや様子を知ることが出来ます。
胎児の様子はイラストですがとてもリアルで、現在の胎児の大きさをフルーツや野菜などと比べられ、とても分かりやすいです。
体重管理から、妊娠記録や次回の妊婦検診の予定を入力できるカレンダー、主産準備リストまで包括的に妊婦生活を管理できます。
陣痛タイマーもストップウォッチ式でボタン一つで記録できます。
プレミアム版は有料になりますが、2週間のお試し期間で使い勝手を試すことができます。
妊娠初期から使えるアプリをお探しの方にピッタリのアプリです。
おすすめの陣痛関連本
こちらは妊娠初期から出産後まで使える妊娠・出産本です。
バックに入れて持ち歩けるサイズと重さで、シンプルでおしゃれな外装なのが好印象です。
フルカラーでイラストが豊富。適度な文字数で気軽に読めます。
情報量も十分でベネッセのたまごクラブから出されている単行本です。
陣痛から入院、出産までの内容も充実しているので、出産のときに病院に持ち込む本としてもおすすめです。
こちらも同じベネッセのたまごクラブから出版されている妊娠・出産本ですが、「HAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」よりもさらに情報量が豊富です。
イラスト・図も豊富で分かりやすいですが、文章がメインの作りで、かなり詳細に説明されています。
本の大きさも持ち歩くサイズというよりは、自宅でじっくり読むサイズ感です。
妊娠、出産までより詳細に知りたい方向けの本です。
妊娠初期から産後までがパパさん目線でおもしろおかしく描かれたコミックシリーズの分娩編です。
コミックで描かれているので、イメージしやすいです。
出産の経過は人それぞれですが、参考にはなると思います。
陣痛が来たら「赤ちゃんともうすぐ会える!」と思って乗り切って!
陣痛かな?と思ったら、まずは陣痛アプリなどで陣痛発作が出てきた間隔を測って、病院に行く準備をしましょう。
陣痛の間隔が初産は15分、経産婦は10分
が病院に連絡する目安です。
初産の人も経産婦の人も、陣痛については不安でいっぱいだと思います。
でも大丈夫!
どんなママさんでもみんなこの陣痛を乗り越えてママになっているのです。
また、陣痛でお母さんが苦しんでいる時は赤ちゃんも頑張っています。
一緒に頑張っている、と思えば少しは気も楽になるはず。
苦しんだその先には感動の対面が待っていますよ!
\陣痛がこない時の対処法はこちらをご覧ください/
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