スナップボタンとは
ボタンの一つであるスナップボタンというのは、ボタンを通す穴(ボタンホール)が無いボタンの事です。
オスとメスと呼ばれる二つで一組になっていて、パチリと二つを押しあわせて留めることから、パチンと鳴らすという意味のスナップと名づけられました。
ボタンを穴に通すことが難しい小さな子どもや、お年寄りでも簡単に留めることができます。
そのため今では服はもちろん、バックやその他の手芸でもいろいろなところに使われています。
このスナップボタン(ホック)は実に様々な種類が販売されています。
用途によって使い分けができるのでとても便利です。
そして、スナップにはとても多くの種類と、それぞれ違った付け方があります。
今回はそんなスナップボタンの中から数種類とその活用法などをご紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
スナップボタンの種類
スナップボタンには前述したように、いくつか種類があります。
ここでは、たくさんの種類の中から5つのスナップボタンをご紹介します。
- 縫い付けるタイプのボタン
- カシメボタン
- プラスナップ
- ワンタッチボタン
- バネホック
スナップボタンの種類①:縫い付けるタイプのボタン
一番メジャーな縫い付けるタイプのスナップボタンです。
かなり以前からいろいろなものに使われており、用途によって様々な大きさのボタンがあります。
これの付け方に特別な道具は必要ありません。
針と糸で付けることができます。
自分で付けるのが面倒と思われるかもしれませんが、付け方は意外と簡単です。
覚えていて損はありませんし、この機会に付け方を覚えてみてはいかがでしょうか。
また金属で作られているもの以外にプラスチックやナイロン製のスナップも販売されているので、金属アレルギーの方も安心して使うことができます。
洗濯によって錆びる心配がないという利点もありますね。
スナップボタンの種類②:カシメボタン
これは商品に付属している打ち具が必要なスナップボタンです。
カシメボタンに付属している打ち具を使って、爪を生地に食い込ませることで接着します。
裁縫が苦手で縫い付けることに不安を覚える人でも付けることができますが、この付け方には少々コツが必要です。
更に、爪が短くて厚手の生地には向かないという欠点もあります。
しかし薄手の生地に付けるにはとても便利です。
取り付けの際は強度を上げるために、当て布をしたり接着芯を貼ったりしましょう。
打ち具が付いているものと付いていないものが売っているので、一度購入してからは打ち具が付いていないものを選んで買うことができます。
スナップボタンの種類③:プラスナップ
プラスナップとは取り付けに専用のハンディプレス(プライヤー)と呼ばれる道具が必要なスナップボタンです。
ハンディプレスは少々値が張るのですが、プラスナップはしっかりと生地に取り付けられるうえ、留め外ししやすいのでベビー用品などによく使われます。
プラスチック製なので色のバリエーションも豊富で、見た目が華やかです。
薄手から普通の生地に使えます。
スナップボタンの種類④:ワンタッチボタン
ワンタッチボタンはプラスナップとよく似た見た目をしています。
しかし、こちらはハンディプレスを使わずに付けられるスナップボタンになります。
購入の際はとても似ているのでプラスナップと間違えないように注意してください。
ワンタッチボタンの付け方はその名の通り指で押さえて取り付けるだけです。
より手軽なので、この商品が出てからは手芸店で断トツの売れ筋になりました。
付け方は手軽なのですが、やはりプラスナップに比べると強度は落ちてしまうようです。
道具を使うものと比べたら仕方ないですね。
この付け方なら裁縫初心者でも問題なく付けられますし、100円ショップでも手に入るのでぜひ使ってみてください。
スナップボタンの種類⑤:バネホック
バネホックも取り付けに専用の打ち具を必要とします。
厚手の生地向け(1mm以上)のバネホックはかなりしっかりしていて、トートバックやジャンバーなどの上着、レザー製品などに使われています。
これ一つでかなり本格的な仕上がりになりますよ。
ついつい裁縫に夢中になってしまうかもしれません。
バネホックはサイズもいろいろあって、打ち具があれば付け方も然程難しくはありませんが、まずはMサイズに慣れてからデザインの凝ったものや小さいものに挑戦するようにしましょう。
付け方は簡単な一方、一度取り付けてしまったらやり直しは難しいので、必ず取り付け前に場所を確認するようにしてください。
また本番前に別の布で一度付け具合を確認するといいでしょう。
スナップボタンの選び方
スナップボタンは、付ける生地の厚みで選ぶようにしましょう。
もし、生地の厚みがスナップボタンに合っていなければ、うまく取り付けることができません。
また、専用の器具の有無も確認しましょう。
薄手の生地には、昔ながらのメジャーな縫い付けるタイプや、カシメボタンやプラスナップなどがあいます。
用途によって使い分けてください。
また、厚手(1mm以上)の生地には、バネホックやドットボタンなど大きいものですね。
他にもいろいろな名前で似たようなものが販売されているので、その時の条件で合うものを使うようにしてください。
スナップボタンを付けるときに必要なもの
縫い付ける付け方のスナップボタンには針と糸があれば十分ですが、中には道具が必要になってくるものもあります。
ここでは必要な道具のいくつかをご紹介します。
- ハンディプレス
- Sumnacon レザークラフト ホック打ち具 11セット
- KING DO WAY アメリカンホック 110組 9.5mm 打ち具 収納ケース付き
必要なもの①:ハンディプレス
プラスナップを付けるのに必要不可欠なアイテムです。
1、2個付けるだけならば、ハンディプレスを使わないワンタッチボタンで十分ですが、たくさん付ける方は持っていて損は無い筈!
必要なもの②:Sumnacon レザークラフト ホック打ち具 11セット
こちらはバネホックなど厚手の生地用のスナップボタンの取り付けに便利な道具のセットです。
これ一つでいろいろ揃うのでおすすめですよ。
必要なもの③:KING DO WAY スナップボタン アメリカンホック 110組 9.5mm 打ち具 収納ケース付き
アメリカンホックを取り付けるのに必要な打ち具と、アメリカンホックのセットです。
スナップボタンと打ち具は別売りが多い中、こちらは両方セットで、しかもボタンはなんと110組!
たくさん使う方にとてもおすすめですよ!
簡単なスナップボタンの付け方
ここではスナップボタンの縫い付け方をご紹介していきます。
知らない人も知っている人もここで付け方を一度確認してみてください。
- スナップボタンを付ける位置に印をつける
- 生地を一掬い
- スナップボタンの穴に通す
- 3、4回繰り返す
- 隣の穴へ
- 2~5を繰り返して玉結び
簡単なスナップボタンの付け方①:スナップボタンを付ける位置に印をつける
まず、スナップボタンと針(まち針もあると便利)と糸(木綿糸か手縫い糸がいい)を用意します。
次は、スナップを付ける位置をよく確認しましょう。
確認したら、わかるように印をつけておきます。
印があればミスが減りますから、できるだけやるようにしましょう。
簡単なスナップボタンの付け方②:生地を一掬い
針をスナップボタンを付ける位置の中心から外側に向かって刺します。
このときスナップを付ける面に玉結びがくるようにすると、目立たなくなります。
少し離れたところに針を出したら、裏表に気を付けながら印の位置にスナップボタンをずれないように固定していきます。
スナップボタンの中心をまち針で刺しておくといいでしょう。
まち針は上からでも下からでも構いません。
よりやりやすい方で試してください。
簡単なスナップボタンの付け方③:スナップボタンの穴に通す
近くの穴に針を通していきます。
まず、スナップボタンの穴の下から針を通してください。
その次は、スナップボタンのすぐ脇に針を刺して、ボタン裏から穴に通していきます。
無事に穴から針が出てきたら、糸を引き締める前に残った糸でできた輪っかに右から左に針を入れます。
後は糸を引くだけです。
このひと手間をすることで、結び目ができ、スナップボタンのずれを抑えることができます。
簡単なスナップボタンの付け方④:3、4回繰り返す
針で生地を掬って穴に通すことを繰り返します。
だいたい一つの穴に3~4回です。
スナップの穴の大きさに合わせて回数を調整してください。
このとき糸を引きすぎず、スナップボタンと生地の間に僅かに遊び(余裕)があると、留め外しの際に糸が切れにくくなります。
簡単なスナップボタンの付け方⑤:隣の穴へ
隣に移動するときは、スナップボタンの穴の下から針を出すようにしてください。
慣れている方は直接隣へ移動しても大丈夫ですが、もし不安な方は一度針をスナップボタンの際に刺して針を抜きましょう。
そして裏から出てきた針を隣の穴の下から出すようにしてください。
これを穴すべてに繰り返します。
簡単なスナップボタンの付け方⑥:2~5を繰り返して玉結び
全部の穴を縫ったら、スナップボタンの際で玉結びをします。
玉結びをした後、針をスナップボタンの裏に入れて一針縫います。
それから糸を引っ張ると、玉結びがスナップボタンの裏に隠れるので目立たなくなります。
後は糸を切ったら完成です。
同じようにして反対側も縫っていきましょう。
スナップボタンを付け替えるときの注意点
一度生地に取り付けてしまったスナップボタンは、マイナスドライバーなど硬くて平たいものを隙間に差し込んで取り外します。
このときドライバーと生地の間に傷防止の当て布をするといいでしょう。
ある程度隙間を広げると外れます。
外れたら新しいものを付けていきますが、このとき使うスナップボタンはなるべく元のものと同じ大きさにしてください。
おすすめのスナップボタン3選
ここまでいろいろな種類のスナップボタンを紹介してきました。
その中からおすすめを3つ紹介していきます。
おすすめのスナップボタン①:ワンタッチボタン
縫物初心者に優しいワンタッチボタンはやはりおすすめです。
針も糸も使わずに、指できゅっと摘むだけで取り付けられるのは魅力的ですよね。
100円ショップでも簡単に手に入るので、初めてスナップボタンの取り付けをするという方も挑戦しやすいと思います。
縫い付けタイプや打ち具を使用するものに比べると、やはり強度は劣りますが、それを補える利点がたくさんあります。
おすすめのスナップボタン②:バネホック
本格的なものを作りたいという方には、バネホックがおすすめです。
取り付けの難易度は上がりますし、付け直しも難しい難点はありますが、断然クオリティーは上がります。
ちょっと難しいものに挑戦してみたいという方におすすめです。
おすすめのスナップボタン③:縫い付けタイプ
最後は昔ながらのスナップボタンですね。
他の打ち具を使うものに比べたら、一つ一つ手作業で縫い付けるので手間暇はかかります。
ですが、思っているほど難しくはありませんし、縫い付け方を覚えておいて損はありません。
今でもいろいろなものに使われているので、きっとあなたの役に立つはずです。
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おすすめの裁縫の本
この本にはボタンの付け方はもちろん、裾まつりなど日常で使える技術がいろいろ載っています。
基本からちょっと知らないかもということまで、写真付きで詳しくわかります。
ちょっと裁縫を始めてみようかなと思っている方におすすめの一冊です。
ぜひこの機会に読んでみてください。
いろいろなスナップボタンとその付け方
スナップボタンには縫い付けタイプ以外にもいろいろあるんですよ。
初心者でもとっても簡単に付けられるものから、本格的な仕上がりになるけどちょっとコツがいる付け方のものなど様々です。
昔ながらの縫い付け方も、きっと知っておいて損は無い筈です。
ぜひ、この機会に覚えてみてください。