網戸の選び方とは
「網戸」と聞くと消耗品というイメージが強い人も多いのではないでしょうか。
使用する場所や用途によって様々な種類が展開されている網戸は、お部屋の印象を大きく左右する重要な設備です。
本記事では、そんな網戸の種類や目的に合わせた選び方をご紹介します。
網戸を新たに設置する人や、交換を検討している人は参考にしてみてください。
網戸の形状の種類5つ
網戸の形状には、よく目にするものから特殊なものまで、多くの種類が存在します。
それぞれの形状によって求められる機能も異なるため、用途に合ったものを選ぶことが重要です。
ここでは形状を大きく5つに分け、違いを記載していきます。
網戸の種類1:パネル(引違い)タイプ
一般的で多くのお家で設置されているのがこのパネルタイプです。
ホームセンターですぐに購入可能なことに加え、簡単にDIYで張り替えできるのがうれしいところです。
広く普及している形状なので、外から見えにくい網戸や特殊な加工で虫が止まりにくい網戸、強度が高くペット対応の網戸など特殊な機能のラインナップも多く、使用できる種類が多いのも特徴の一つです。
網戸の種類2:ロール式タイプ
網をロール状に巻き取る仕組みで、簡単にコンパクト収納できる網戸です。
網を巻き取るボックスが窓枠の上に付いているか横に付いているかによって、「縦引きタイプ」と「横引きタイプ」に分けられ、網戸を操作するための紐やチェーンがついています。
網戸のレールがない窓など、パネルタイプが取り付けできない窓に適していますが、網の裏を掃除しにくいことや、収納時に虫などを巻きこんでしまうというデメリットもあります。
網戸の種類3:アコーディオン(プリーツ)タイプ
収納する時にはアコーディオンのようにスッキリと折りたためる網戸で、別名「プリーツ網戸」とも呼ばれます。
折りたたんでしまえば開放的な景色を楽しめるのが特徴で、玄関のドアや勝手口、テラスのドアなどに人気の網戸です。
デメリットとしては、風が強いと膨らんでしまうことがある点、折りたためる分掃除がしにくい点などがあります。
網戸の種類4:固定式
部屋の外側に取り付けるタイプの網戸で、内倒し窓によく使われている種類です。
清掃時には、室内からでも網戸の取り付けや取り外しができる仕様になっているものが多いです。
網戸の種類5:折戸式
網部分が二つに折れることで開閉できる網戸で、窓よりは玄関や勝手口のドアとして用いられることが多い種類です。
開閉可能なので出入りの際も邪魔にならず、玄関や勝手口を開けたままにできるのが大きな特徴です。
夏場では玄関を開けて風を取り込むことができるので快適に過ごすことができます。
鍵がついている種類のものもあるため、防犯面やプライバシーの観点からも、安心して使うことができます。
網戸ネットの3つの違い
上述までで網戸ネットの形状ごとの種類を見てきましたが、網戸の「網」部分にも種類があることを知っていましたでしょうか。
色や素材など、種類によって期待される効果が異なります。
下記からは3つの項目ごとに、網戸を選ぶ際に欠かせない「網」の種類による違いや特徴をご紹介します。
網戸ネットの違い1:色
網戸の色は、主流になりつつあるのはブラックで、その他にもホワイトや、グレーといった色の種類もあります。
それぞれのメリットとして、ブラックは網目が見えにくいことで室内から外の景色が見やすい、ホワイトはほこりなどが溜まっても見えにくい、グレーは存在感がありしっかりとプライバシーを守ってくれることが挙げられます。
さらに価格は少し高めですが、内側はブラックで外側はシルバーというような種類もあります。
網戸ネットの違い2:メッシュ(網目)
網戸には、網の目の細かさによっても種類があります。
メッシュと呼ばれる単位で示されますが、このメッシュの数字が大きくなるほど、細かい目を表すことになります。
18~40メッシュが一般的で、多くのお家では18や20メッシュがよく使われます。
24メッシュ以上の細かい網目では小さな虫などの侵入を防げますが、網目が小さくなるほど風通しは悪くなってしまいます。
環境に合わせて適切なものを選ぶとよいでしょう。
網戸ネットの違い3:素材
使用目的や強度によって、網戸の「素材」も使い分けることが重要です。
一般的に使用されることが多い主な素材について、特徴をまとめてご紹介します。
価格も安価なものから高級な素材まで、目的に合わせてたくさんの種類がラインナップされています。
自身の環境や生活スタイル、お財布事情や用途に合わせて、適した素材を選べるようにしたいですね。
ぜひ参考にしてみてください。
ポリエステル
合成繊維の一種で、柔らかい弾力性と高い耐久性を備えた素材です。
厚みがあり摩耗にも強く、猫や犬に引っかかれても簡単に壊れない素材なので、ペット用の商品として販売されている商品も多くあります。
ポリエステルは国内合成繊維生産量の半数以上を占める代表的な素材で、世界的に見ても大変多く利用されている素材です。
ポリプロピレン
一般的に普及しており、多くのお家で使用されている素材です。
軽量で熱に強く、安価で購入できるのが特徴ですが、他の素材に比べ耐久性に欠けるため5年~10年で張替えが必要になることが多いです。
カッターで簡単に切ることが可能なので、DIYでも張り替えがしやすいこともポイントです。
ポリプロピレンは略称として「PP」と表記されることも多い素材で、網戸以外にも身の回りの多くの製品で使用されている合成繊維です。
グラスファイバー
グラスファイバーというガラス繊維を、ポリ塩化ビニールでコーティングした素材です。
煙草を落としても穴が開かないほど耐熱性、耐候性に優れており、ほつれなどが起きにくく、特にキッチンや日差しの強い場所などに向いている素材です。
網自体の強度はポリプロピレンの2倍ほどで、たるみや巻き癖もなく張りやすいのも特徴です。
色合いも落ち着いていて美しく、見た目にも高級感があるのもポイントです。
ステンレス
他の素材と比べ強度と耐久性に優れる素材で、防犯目的で使用されることも多いのがステンレスです。
15年~20年もの期間使用する人もいるほど丈夫で長持ちなので、ペットを飼っているお家で人気な素材でもあります。
他の素材に比べると値段設定が高めなこともあり一般流通は多くはありませんが、風を通しやすい上に汚れが付きにいのも特徴です。
予算に余裕がある場合は選んで損はない高級素材です。
引き違い窓用網戸の選び方のポイント
ここからは、一般的に多く設置されている、「引き違い窓」用の網戸の選び方をご紹介します。
引き違い窓は、網戸を設置する用のレールがある窓のことです。
種類が多く展開されており購入しやすく、DIYでも比較的張り替えがしやすい引き違い窓は、是非押さえておきましょう。
お家の窓をチェックし、適している網戸を選ぶ参考にしてください。
サイズをチェックする
購入する網戸規格を確認するために、まずは設置したい窓のサイズを測定します。
まずは網戸レールの先端から先端にスケールを合わせて高さを測ります。
次に、窓サッシの端から端までにスケールを合わせて幅を測りましょう。
最後に、窓から網戸レールまでの隙間を測定します。
この隙間の長さは7mm以上が一般的ですが、特殊な窓の場合7mm以下の狭いものも多いです。
網戸が入る幅があるかどうか事前にチェックしておきましょう。
場所に合った網戸を選ぶ
網戸は、設置する場所によっても構造が異なることがあります。
例えば新築一戸建て住宅は比較的一般的な作りが多いのに対し、「公団住宅」では窓サッシが網戸レールより外側に出ている特殊な構造になっている場合があります。
そういった特殊な構造に対応する専用の網戸も多く販売されているため、設置する場所の窓の構造に合ったものを選べるように、事前に確認するとよいでしょう。
網戸におすすめの機能とは?
特殊な加工によって、特化された機能を持つ網戸も存在します。
ネット部分に虫が嫌がる特殊な薬剤成分を練りこんでおり、通気性は確保しつつも虫を寄せ付けない「虫除け網戸」や、高密度に織り込まれたフィルターによって花粉やホコリを80%以上もカットする「フィルター網戸」など、様々なラインナップが展開されております。
自身の生活スタイルに合わせて、こういった特殊な加工をしている網戸を選ぶこともおすすめです。
網戸の種類を知って選ぶときの参考にしよう
一口に網戸と言っても形状、機能などで分けると多くの種類があることをご紹介してきました。
単なる資材だと思われがちな網戸ですが、工夫次第でお部屋の雰囲気をガラッと変えることもできます。
夏シーズン到来に備え、風通しよく快適に過ごす準備をしたいものですね。
それぞれの種類の網戸のメリット、デメリットをよく理解した上で、使う場所、目的、好みなどをよく吟味してから、自分の生活に適した網戸を選ぶようにしましょう。