スーツにカビがはえたら捨てるしかない?
スーツにカビがはえてしまったら、捨てるしか方法はないの?いいえ、自宅でもスーツのカビは落とせちゃうんです。
まずカビがどの位はえているか確認を行い、大量でなければ応急処置を行いカビを落としていきます。全体に広がりすぎていて、手のほどこしようがないと判断したらクリーニングに出す方法もあります。
せっかく買った大事なスーツ。あきらめずに様々な方法で綺麗なスーツに取り戻しましょう。
スーツにカビがはえたらすぐにやるべき応急処置
時間があれば丁寧にスーツのカビを落とすことが出来ますが、明日必要なのに夜クローゼットから出した時に気づいたなど、時間がない場合がありますよね。とにかく、まず焦らず応急処置を行いましょう。
簡単に出来る応急処置、初級編は濡れ布巾でたたき洗う方法です。少量なカビなら目立たなくすることが出来ます。
中級編は消毒用エタノールを使用する方法です。この商品は手の消毒にも使用できるので日頃から持っておくと便利ですね。
上級編は酸素系漂白剤を使用する方法です。効果は良いですが、刺激が強くスーツを傷つける場合があるので慎重に行いましょう。
スーツにはえるカビは2種類
カビは沢山の種類がありますが、スーツにはえるカビは以下の二つです。
- 白カビ
- 黒カビ
白カビ
白カビは食品、畳や木材などにはえやすい性質ですが、スーツにもはえるんです。クローゼットや押入れなど湿気のたまりやすい場所に保管していると白カビはどんどんとはえてきます。
ただ、白カビは表面についていることが多いので、ぬるま湯でたたき洗いか、アルコールを使用すれば綺麗に落とすことが出来ます。水拭きや掃除機で吸い取る方法はかえって白カビを広げるだけなので行わないで下さい。
黒カビ
黒カビは浴室や壁にはえやすい性質で、根を張って奥まで入り込むので、白カビよりも頑固なのが特徴。湿度や温度が高い場所、ホコリや汚れをエサにして発生するので、クローゼットや押入れは危険な場所なんです。
表面を除去しただけでは、また根から黒カビを繁殖させるので、根の奥まで除去することが大切です。黒カビを落とす場合は酸素系漂白剤が使えますが、スーツの洗濯表示がポリエステル配合されているか確認を行って下さい。
違う場合はクリーニングに出すことをおすすめします。
スーツのカビ取りに使えるアイテム
スーツのカビ取りに使えるおすすめアイテムを二つご紹介します。一つ目は重曹です。
よく掃除に重曹を使うことが多いですが、実はカビ取りも出来ちゃうんです。重曹は弱アルカリ性で消臭効果もあり、カビの臭いも吸い取ってくれます。
漂白剤よりはカビを落とす力は負けてしまいますが、服へのダメージが少ないので漂白剤と併用して使うことをおすすめします。ダメージを抑えながらもカビを落とす効果は衰えません。
漂白剤と重曹を混ぜる時は1:1の比率で混ぜましょう。二つ目はカビホワイト(衣類のカビ取りスプレー)です。
この商品はスプレータイプのカビ取り剤で、カビのはえている部分にスプレーして15分待ち、水拭きをして乾燥させるだけで綺麗にカビがとれます。除菌とカビ再発予防効果もあるのでおすすめな商品です。
アルコールを使ったスーツのカビの落とし方
スーツにはえたカビが白カビなら、アルコールでも十分に落とせます。ここでは、アルコールを使ったスーツのカビの落とし方をご紹介します。
- 洋服ブラシでカビを払い落す
- 布か歯ブラシにアルコールをつける
- 乾燥させる
- アイロンがけも忘れずに
洋服ブラシでカビを払い落とす
カビを払い落すため、洋服ブラシでブラッシングを行います。ブラッシングを行う時は、カビ菌が舞う恐れがあるので外で作業を行い、マスクと手袋も着用しておきましょう。
また、強くブラッシングするとスーツが痛む可能性があるので優しく行いましょう。洋服ブラシはホコリをつけないためにも、静電気を取り除けるブラシがおすすめです。
布か歯ブラシにアルコールをつける
アルコールを使用する際は、歯ブラシか布を使用しましょう。布の場合は軽く湿る位にアルコールを染み込ませ、歯ブラシの場合は毛先にアルコールを浸ける程度で大丈夫です。
優しくトントンと叩き、カビを拭き取っていきましょう。アルコールは殺菌効果が高い70%濃度の物を使用しましょう。
おすすめ商品はドーバー酒造の「ドーバー パストリーゼ77」です。カビ取りの他にも、ウイルス対策や食器の除菌なども行えます。
また、アルコールは色落ちする可能性があるので、目立たない箇所でテストを行うことをおすすめします。
乾燥させる
アルコールで拭き取り終わったら、しっかりと乾燥させましょう。湿ったままだと、またカビがはえてくる恐れがあります。急いでいる場合はドライヤーを使うと良いですね。
アイロンがけも忘れずに
乾燥が終わったらアイロンがけを行い、元の綺麗なスーツに戻しましょう。当て布を忘れて焦がさないように注意して下さいね。
ぬるま湯を使ったスーツのカビの落とし方
スーツにはえたカビが白カビで、アルコールもなく急いでいる場合はぬるま湯を使って落とす方法もあります。ここでは、ぬるま湯を使ったスーツのカビの落とし方をご紹介します。
- 洋服ブラシでカビを払い落す
- タオルと30℃~40℃のぬるま湯を用意する
- 優しく叩き落とす
- 乾燥させる
洋服ブラシでカビを払い落す
まずスーツが乾燥されているか確認を行い、湿った感じがする場合は日陰の風通しの良い場所で乾燥を行いましょう。次にカビを払い落すため、洋服ブラシでブラッシングを行います。ブラッシングを行う時は、カビ菌が舞う恐れがあるので外で作業を行い、マスクと手袋も着用しておきましょう。
タオルと30℃~40℃のぬるま湯を用意する
適量の30℃~40℃のぬるま湯を用意します。タオルをぬるま湯に浸け、**固く絞ります。
**熱湯はやけど、スーツの痛みの原因になるので必ずぬるま湯で行いましょう。
優しく叩き落とす
カビのはえている部分にタオルを押し当て、叩くようにして落としましょう。強く叩くと、生地の表面がすり減り痛みの原因になるので**優しく叩きましょう。
また、拭いてしまうと繊維の奥深くにカビが入り込むので注意**して下さい。
乾燥させる
綺麗にカビを取り除いたら、風通しの良い所で乾燥させましょう。急いでいる場合は扇風機やドライヤーを使用するのがおすすめです。
ドライヤーの場合は温風を当てすぎると痛みの原因になるので、冷風を使用しましょう。乾燥が終わったらアイロンがけを行い、元の綺麗なスーツに戻しましょう。
当て布を忘れて焦がさないように注意して下さいね。
酸素系漂白剤を使ったスーツのカビの落とし方
スーツにはえたカビが黒カビの場合、先ほどご紹介したアルコールやぬるま湯では難しいかもしれません。頑固な黒カビには酸素系漂白剤を使用して落としましょう。
ここでは、酸素系漂白剤を使ったスーツのカビの落とし方をご紹介します。
- 洗濯表示の確認
- 50℃のお湯と酸素系漂白剤を用意
- こすり洗い、浸け置き
- ドライコースで洗濯
- 乾燥させる
洗濯表示の確認
まず最初にスーツの洗濯表示で水洗いと漂白剤がOKなのか、ポリエステル配合なのか確認を行って下さい。ウールなどの天然素材が多く入っている場合は水洗いすると縮む可能性があるので洗濯はおすすめ出来ません。
水洗いと漂白剤が不可になっている場合もクリーニングに出すことをおすすめします。
50℃のお湯と酸素系漂白剤を用意
バケツに50℃のお湯と酸素系漂白剤を入れます。カビは熱に弱いので熱めのお湯がおすすめです。
洗濯表示で手洗い温度が30~40℃になっている場合はぬるま湯で行いましょう。お湯1Lと酸素系漂白剤10gの割合で行って下さい。
酸素系漂白剤は粉末タイプの物がより強力にカビを落とすことが出来るのでおすすめです。
こすり洗い、浸け置き
ゴム手袋を着用し、バケツの中にカビのはえた部分のを浸して、優しくこすり洗います。洗い終わったら殺菌を行うため、1時間浸け置きを行います。
色落ちが目立つ場合は早めに切り上げましょう。
ドライコースで洗濯
スーツを洗濯機に入れる時は洗濯用ネットに入れると型崩れ、傷みの防止になります。必ずドライコースや手洗いコースなど、スーツに負担をかけないコースで洗濯を行って下さい。
乾燥させる
洗濯が終わったら素早く取り出して乾燥を行います。風通しの良い日陰に干しましょう。
スーツ用のハンガーを使用すると型崩れを防ぐことが出来ます。
スーツのカビを落とすときの注意点
スーツのカビを落とす時の注意点は、まずカビの種類の確認を行いましょう。白カビならアルコールやぬるま湯、黒カビなら酸素系漂白剤を使用して下さい。
カビの菌を吸うと健康被害の恐れがあるので必ずマスクと手袋を着用してカビ取りを行いましょう。スーツは傷みやすい素材なので、カビを落とす時は優しく行いましょう。
洗濯表示が洗うことが出来ない表示になっている場合は、クリーニングに出すことをおすすめします。
スーツにカビをはえさせない6つの予防ポイント
カビ取りはめんどくさいし、クリーニングに出せばお金がかかる。カビをはやさないためにも、日々の予防が大切なんです。
ここでは普段から出来るスーツのカビ予防ポイントを6つご紹介します。
- 汚れ防止のブラッシング
- 臭いのもとはスチームアイロンと除菌スプレー
- しっかりと換気を行う
- 乾燥させる時は日陰干しで
- 除湿対策
- クローゼットの掃除
汚れ防止のブラッシング
ホコリや汚れはカビの大好物なエサです。外出するとホコリや汚れはついてしまうので、帰ってきたらスーツ用ブラシでブラッシングを行いましょう。
ブラッシングを行う時はホコリが舞うので外か空気清浄機の前などで行いましょう。休みの前などならブラッシングが終わったあと、風通しの良い日陰に干しておくと、スーツがより長持ちします。
汚れがついた場合はこまめに洗濯を行いましょう。もちろん洗濯できるスーツのみですが、気になる方はクリーニングに出すことをおすすめします。
臭いのもとはスチームアイロンと除菌スプレー
スーツの繊維は臭いを吸い取りやすい素材なので、汗や食べ物の臭いなどをすぐに吸収してしまいます。そんな時はスチームアイロンをかけて水分を蒸発させましょう。
スチームの蒸気が水分を溶けだし、殺菌と臭いの防止を行ってくれます。また、ファブリーズなどの除菌スプレーを使用するとカビや臭いを防止してくれます。
自宅用サイズや、携帯用の持ち運びが出来るサイズも売っています。外出先などに持っていくことが出来るので便利ですね。
しっかりと換気を行う
クローゼットに湿気をためないために、しっかりと定期的に換気を行いましょう。またスーツをしまう時は、他の衣類と詰めすぎず、少し隙間を作りましょう。
密着させてしまうと風通しが悪くなり、カビがはえやすい原因になってしまいます。また、クリーニング後のスーツをビニール袋のまま収納はしていませんか?
ホコリや汚れ対策で良いようにも見えますが、実はビニールの中が蒸れてしまい、湿気がたまりやすくなってしまうんです。必ずクリーニング後のスーツはビニール袋から出して、通気性の良いスーツカバーに入れましょう。
乾燥させる時は日陰干しで
湿気はカビがはえる原因になってしまいます。必ずしっかりとスーツを乾燥させてからクローゼットにしまいましょう。
また、スーツを天日干しすると色褪せる原因になるので、風通しの良い日陰に干しましょう。
除湿対策
カビの原因となる湿気は除湿剤を使って撃退しましょう。除湿剤は湿気を取り除き、カビ臭いにおいも吸い取ってくれます。
今では、シートタイプ、ハンガータイプー、置くタイプなど様々なタイプの除湿剤が売られています。ハンガータイプの物をスーツの間に吊り下げて、クローゼットの下部に置くタイプの物を置きましょう。
クローゼットの下部は湿気がたまりやすい場所なので必ず除湿剤を置くことをおすすめします。
クローゼットの掃除
クローゼットのホコリや汚れを放置していると、カビがはえる原因になってしまいます。定期的に掃除機などを使ってクローゼットを掃除しましょう。
スーツのカビはクリーニングに出すのがおすすめ
スーツにカビがはえてしまい、洗濯出来ない、型崩れや色落ちが気になる場合はクリーニングに出すことをおすすめします。ドライクリーニングでほぼ大丈夫ですが、カビの状態が酷い場合はウェットクリーニングにしましょう。
クリーニングの時間と料金相場はドライだと1~3日で1000円~2000円、ウェットだと1週間で2000~4000円はかかってしまうので、スーツが必要になった場合は早めの点検と日々の点検が大切ですね。また、時間がない場合は即日仕上げを行ってくれる店舗もあるので、一度店舗に確認を行ってみるのも良いですね。
衣類のお手入れおすすめグッズ
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綺麗なスーツで毎日快適に
スーツにカビをはやさないためにも、日々の点検やお手入れは凄く大事です。便利グッズも沢山売られているので、一度使用してみると良いですね。
様々な場所で活躍してくれるスーツは私たちにとって必要な洋服です。綺麗なスーツを保つため、しっかりと予防を行いましょうね。