水筒のカビの原因とは
カビは水筒以外の場所にも発生してしまう困った汚れですが、水筒にカビが生えるにはどのような原因があるのでしょうか。
水筒にカビが生えてしまう原因は基本的に以下の4つです。
- 乾ききる前に濡れたまま放置してしまう
- 口内の雑菌
- 飲み物の成分
- 長時間中身を放置してしまう
続いては詳しくそれぞれの原因についての解説です。
乾ききる前に濡れたまま放置してしまう
カビが繁殖しやすくなる環境の条件として、1.温度が0〜45℃であるということ(20〜40℃は最適)2.空気(酸素)があること3.湿度が70%以上あること4.カビにとっての栄養分があることの4つがあります。この条件が全て揃ったときにカビは発生します。
水筒を濡れたまま放置するということは、基本的には温かい室内に放置することになるのでカビが発生する条件が揃っている中カビを育てているようなものなのです。
しっかり乾かして置いておけば、カビの発生する条件のひとつの湿度が高いというところはカバーできるのでカビは発生しません。
口内の雑菌
注ぎ口と飲み口が違うコップ付きタイプの水筒だとこの原因でカビが発生することはあまりありません。しかし直接口をつけて飲むことが出来る「直飲みタイプ」の水筒だとそうはいきません。
もともと口内に繁殖している雑菌が直飲みをすることによって水筒に入ってしまったり、お弁当を食べながら水筒で水分を取ったときに食べ物のカスが入ってしまったりすると4つめの条件の「カビにとっての栄養分があること」が満たされます。そのためにカビが繁殖しやすくなります。
飲み物の成分
水筒に飲み物を入れる場合、一番入れるのはお茶だという方が多いのではないでしょうか。しかし、たまにはジュースを入れてみたり、家でカフェオレを作って持ち運んでみたり、いつも入れているアイスティーにちょっとガムシロップを入れてみたりすることがありますよね。
カビは糖分をとても好むので、ストレートティーや緑茶、お水以外のものを入れるとカビが繁殖しやすくなります。糖分を含む飲み物を水筒に入れた場合はすぐ洗ってしまうのが大事です。
長時間中身を放置してしまう
何よりも一番カビが発生してしまうのが「長時間中身を放置してしまう」ということです。カビの発生しやすい条件の4つを満たしたまま長時間置いておくということになります。
寒い地域なのでカビは発生しにくいから大丈夫だと思っていてもストーブを焚いたり日が昇って温かくなったり、雨が降って湿度が上がったりなど長時間水筒を放置していると周りの環境は知らない間にどんどん変わっていくので、気づいたらカビが生えていたということがあります。
水筒のカビを飲んでも身体に影響はない?
水筒のカビにはさまざまな種類がありますが、夏場に数時間〜数日放置した飲み物に発生してしまったマリモくらいのレベルの大きなカビは絶対に口にしないでください。そのくらいカビてしまった場合はまず水筒の口を開けたときに酸っぱいような飲み物本来でない匂いが必ずします。そしてカビのかたまりが目に見えるレベルだとお腹を壊したり食中毒になる原因になったりする場合があります。
ちょっとしたカビのレベルだとすぐに分かる症状は出ないことが多いですが、カビた水筒をしっかり洗わないままずっと使い続けていくとカビアレルギーになる原因となったり、気づかないうちにお腹がゆるくなっていたりすることがあります。
カビはたくさんの種類があり、それぞれ身体に対しての影響は違います。自分の知識だけで「ちょっとくらいのカビなら摂取しても大丈夫」とは考えずに、摂取してしまって不安なときは必ず医師の診断を受けてください。
意外と知らない!水筒の正しい洗い方
水筒は細長い形状のものがほとんどなので、柄の付いたスポンジで洗うことが望ましいです。柄の付いたスポンジがなければお箸や菜箸などの長いものにスポンジをはさんで水筒の底を洗うというアレンジもあります。使用する洗剤は食器用洗剤などの中性洗剤です。
フタ、キャップ、その他の部品、パッキン部分、本体をそれぞれバラバラにして必ず洗いましょう。そうしないとしっかり洗いきれなかった部分が必ずでてきますのでそこからカビが生えてしまったり、パッキン部分に黒カビがついてなかなか取れなくなったりしてしまいます。
部分的に洗う場合は中性洗剤を使い、とくにぬるま湯で洗うと効率よく汚れを落とすことが出来ます。つけおきをしてからしっかり洗う場合は酸素系の洗剤を使用してつけおきをしてから、洗剤を洗い落とすようにしっかり洗いましょう。
赤っぽいサビが出来てしまっている場合は水道の水に含まれる鉄分による可能性があるので、お酢で洗い落とすことができます。ぬるま湯に10%ほどのお酢を入れて30〜40分ほど(汚れの度合いでつけ置き時間は変える)つけておいてから洗い流すときれいに落ちてくれます。
水筒に繁殖しやすいカビの種類
水筒に発生してしまうと困ってしまうカビですが、そのカビにも種類があるのをご存知でしょうか?
基本的に水筒に発生しやすいカビの種類は2つあります。
黒カビ
発生するスピードはゆっくりですが、しっかりと根を張り一度発生してしまうと落とすのが大変なのが黒カビです。パッキンなどには特に繁殖しやすく真っ黒くパッキンの奥の方まで根強く繁殖していきます。
湿気が多かったり空気の流れが悪いと発生しやすいです。熱やアルコールなどで消毒するととても弱いのですぐ除菌することができます。パッキンに発生した黒カビは表面だけでなく奥まで繁殖することが多いので一度発生してしまうと落とすのはとても大変です。
赤カビ
赤カビというのは、見た目は真っ赤というよりピンクがかったぬるぬるとしたカビのことで、水筒の中だけではなく家庭の水っけのある場所であればどこにでも発生してしまうカビです。
赤カビはお風呂のイスの内側、放置してしまっている犬の水入れ、夏場のシャワールームなど、高温多湿になる環境の場所であればどこにでも発生します。赤カビは黒カビに比べて繁殖のスピードがとても早いのが特徴です。
繁殖のスピードはとても早いのですが、黒カビのように強く根を張るということはなく、かるくこすったり拭いたりするだけでもすぐ取れる掃除のしやすいカビです。
すぐ掃除して除去できるけれど、すぐに発生してしまう赤カビは頻繁に掃除することで防ぐしか方法がありません。常に除菌をするイメージで過ごすと赤カビの発生も押さえることができるので赤カビを発生させない方法を考えることが大事です。
水筒の手入れでやってはいけないこと
水筒を強くこすって洗ったり、柔らかいスポンジではなく固いスポンジやタワシなどで洗ってしまってしまってキズができると、キズの部分に雑菌が溜まってしまいカビの原因になり得るのでキズは絶対に付けないように気をつけて洗いましょう。
キズが付くと雑菌が繁殖してしまうという同じ理由で、クレンザーなどの洗剤を使って洗うとキズがついてしまうため絶対辞めましょう。キズがつくということと、水筒の外側の塗装や模様などが消えてしまうこともあります。
基本的にはどのような洗い方が望ましいかという説明書が付属していることが多いので、それに沿った洗剤を使用して水筒を洗うようにしましょう。
水筒にはほぼ必ずゴムパッキンの部分が付いていますが、水筒を洗うときは本体やその他の部分とパッキンの部分は必ず取り外してから洗いましょう。赤カビや黒カビを落とすには煮沸消毒がオススメですが、ゴムパッキンや樹脂の部分は熱にあまり強くないため、変形してしまい使えなくなってしまうことがあります。
水筒のパッキンのカビを取る方法
子供が使う水筒ならなおさら、発生してしまったカビをしっかりと落としたいですよね。ゴムパッキンの部分は特にカビが発生しやすいのになかなかしっかりと除菌できない部分でもあります。子供に持たせる水筒のカビ取りについて悩んでいる方は次の方法を試してみてください。
重曹とお酢でカビを取る
ぬるま湯(500lくらい)に重曹とお酢を大さじ1ずつ入れたものに、分解したゴムパッキンとその他の部品を入れます。
2時間前後くらいつけ置きします。時間は汚れの取れ具合を見ながら調整しましょう。つけおきしたらすぐにしっかりと洗い流してください。
お酢の成分が残っていると、逆にカビの栄養となってしまうのでしっかり洗い落とします。ゴムパッキンの細かい部分は歯ブラシや綿棒などで洗うと汚れがしっかり取れます。
ハイターで長時間つけ置きで頑固なカビを取る
頑固すぎる黒カビがいくら洗っても取れない場合は、キッチンハイターやカビキラーなどの漂白系洗剤を使って取るという方法になります。
漂白系の洗剤を使用する場合は窓などを開けてしっかり換気した環境の中で行ってください。小さな入れ物に黒カビのこびりついたゴムパッキンを入れ、液で埋もれてしまうくらいハイターをしっかりと吹きかけ、ラップなどでフタをして長時間置いておきます。
1時間~5時間くらい様子を見ながらゆっくりを汚れを落とします。最後にしっかりと洗い流しましょう。口に入るととても危険なのでここで洗い流す作業はたくさんの水を使いしっかり洗いましょう。
ゴムパッキンにキズが付いていたりすると、長時間のつけ置きでゴムパッキンが変形してしまうことがあるので、長時間のつけ置きは自己責任でしっかり様子を見ながら行ってください。
水筒のカビの予防方法
水筒のカビが発生するのを予防する一番の方法は、「水筒のカビの原因とは」で挙げている4つの原因を作らないということです。
まずは水筒を使って自宅に持ち帰ったらすぐにきちんと洗いましょう。上記した「水筒の正しい洗い方」を参考にし、部品をちゃんと分けて洗います。そして洗ってからは、拭いて乾かしたり水がたまらないように置いておくなど工夫をして濡れた状態で放置しないようにします。
水筒にカビを生やさないようにするにはなるべくジュースや砂糖入りのアイスティーなど糖分の入っているものは入れないようにするのが無難です。糖分の入っているものをどうしても持ち運びたい場合は、洗うところが少ないシンプルな形状の水筒を使用するか、ペットボトルの再利用などをするとよいです。
夏場は特に、飲みたいとき以外は除菌をした乾いた状態で保存しておき、部屋の湿度や温度が変化したら毎回しっかり洗ってから使いましょう。
おすすめのカビ対策本
水筒のカビ取りがしっかりできたらキッチン周りのカビ取りもちゃんとしたくなりますよね。家事をする上で気になるカビ取りの方法など、主婦・主夫にはとてもありがたい情報がまとめて載っているのがこちらの本です。
カビてしまったものを取るだけではなく、最初からカビないように対策する方法も載っており家事をする人の味方に一冊はこういった家事のポイントを網羅している本があると、なにかトラブルが起きた時も対策することができますね。
毎日つかう水筒だからこそ、しっかりカビ取りをして豊かな生活へ
水筒を使ったまま放置してしまうという経験は誰にでもあるはずです。しかし重曹を使ったカビ取りの方法やカビないように対策する方法を知った今なら、しっかりとカビが出来る前に水筒を気持ちよく使えますよね。
自分だけでなく子供が使う場合はなおさら水筒は綺麗に使いたいものです。口のつくところからパッキンまで、これからはしっかり洗って水筒から生活をキレイに豊かにしていきましょう。