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2019/03/19

ガラスの作り方特集!歴史的な古代ベネチアンガラスから色ガラスまで解説

窓ガラスやコップなど、私たちのまわりにはガラス製品がいっぱいです。
平たいガラスや曲面のガラス、色がついているものや透明、またはすりガラスなど様々なタイプがあるでしょう。

この記事では、歴史的なガラスの成り立ちや、現代のガラスの作り方などを紹介します。
趣味で楽しむガラス細工についてもふれてあるので、ぜひ読んでみてください。

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簡単なガラスの作り方と材料を解説

砂を使うガラスの作り方

窓ガラスのような平らで透明なガラスはどういう作り方でできているかご存知ですか?
自然の産物だとクリスタルという透明な物質がありますが、クリスタルを加工して窓ガラスにしているわけではありません。

実は、実際のガラスは、複数の砂を溶かし合わせて作られています。
マインクラフトというゲーム、通称マイクラでは、ガラスの作り方で砂を材料にしていますが荒唐無稽な作り方ではないのです。

1000℃を超える高温で、ケイシャ・石灰石・ソーダ石などいわゆる砂を溶かしてドロドロにしたものを、薄く延ばすとガラスになります。
色ガラスなど特徴があるガラスは、ドロドロ状態のときにキーとなる物質を加えて作ります。

ガラス作りの体験教室では、ドロドロに溶けたガラスの元をパイプの先端につけ、息をふきいれて膨らませる作り方を採用しています。
また、窓ガラスのような平らなガラスは、工場で特別な仕組みを使って作られます。

溶けたガラスをいったん別の金属液の上に平らに広げます
金属液はガラスより重いものを選んでいるので、ガラス液は金属液の上に薄く広がっていきます。

冷やしてガラスのみ取り出すと平らなガラスの完成です。
模様の入ったガラスの場合は、ドロドロのガラスの元をひっぱってガラスの形を作ります。

引っ張るときに模様をいれたり、強化ガラスの場合は金網をいれたりします。
窓ガラスのような量産されるガラスがある一方、伝統工芸の世界では、熟練されたガラス細工の技術を掛け合わせて、作品が創られます。

<下に続く>

古代から伝わるベネチアンガラスの作り方10選

ベネチアンガラスの作り方

イタリアのガラス職にが作りあげるベネチアンガラスの作り方について説明します。
熟練した職人によって生み出される美しいベネチアンガラスは、古代から現代まで人々を魅了しています。

  1. 吹きガラス
  2. クリスタッロ
  3. ミルクガラス
  4. ミルフィオリ
  5. レースガラス
  6. 彫刻 
  7. アベンチュリンガラス
  8. マーブルガラス
  9. アイスガラス
  10. エナメル塗装

古代から伝わるベネチアンガラスの作り方①:吹きガラス

吹きガラスは、ドロドロに溶かしたガラスの材料をパイプの先端につけ、息をふきこんでガラスの形を作りあげる方法です。
ベネチアンガラスに限らず、日本のガラス工房など世界中で吹きガラスの作り方は浸透しています。

吹きガラスの作り方には、型の中にガラスの材料を吹き付け、きまった形を作るものもあります。
なんと、吹きガラスで作った薄いガラスを細かく砕いて、パレードのときに紙吹雪のように使ってた時代もあったとのこと。

吹きガラスは美しく繊細なガラスを作るために欠かせない技法です。

古代から伝わるベネチアンガラスの作り方②:クリスタッロ

透明なガラスを作るための技法がクリスタッロです。
古代のガラスというのは不純物が多く混じっていました。

不純物の少ないシリカを採取し、何度も高温加熱と冷却を繰り返す作り方をすると、不純物が限りなく除去されます。
不純物の少ないシリカは、イタリアのある川の底から採取されたもののみを用いたそうです。

当時のベネチアの職人が、ガラスにかけたこだわりを感じられるエピソードです。

古代から伝わるベネチアンガラスの作り方③:ミルクガラス

ミルクガラスはクリスタッロでできる無色透明なガラスとは対照的な、乳白色のガラスです。
ペンキを塗ったような白く色がついたようなイメージではなく、透けるような濁り具合が印象的なガラスです。

ミルクガラスというと、有名なファイヤーキングなどアメリカのメーカーなどが知られています。
一説によると、ベネチアで生まれたミルクガラスの作り方が、これらのメーカーで作られているミルクガラス製品にも影響しているとされています。

古代から伝わるベネチアンガラスの作り方④:ミルフィオリ

ガラス細工のワークショップで有名なミルフィオリ。
ミルフィオリは、金太郎あめのように模様が描かれたガラスのスティックをスライスしたものです。

ミルフィオリは、複数の色ガラスを合わせて模様を描いたものを、職人が左右に細長くひっぱり作ります。
ミルフィオリを自由に組み合わせて溶かして一体化し、モザイク調の作品ができます。

ミルフィオリを使った作品は人気がありますが、家庭で作業をするにはガラスを溶かすために高温の溶融炉が必要なためハードルが高めです。
ミルフィオリを使ったガラス細工は人気なため、体験教室や習い事も多いです。

興味を持った人は身近なところで探してみることをおすすめします。

古代から伝わるベネチアンガラスの作り方⑤:レースガラス

レースガラスはクリスタッロの技術でできた透明なガラスと、ミルクガラスで作られた模様です。
複雑なレース模様は大きく分けて平行模様・らせん模様・網目模様の3種類に分けられます。

レースガラスを作るには、ミルフィオリのようにスティック状のレース模様のガラス棒をいくつか組み合わせて作ります。
レース模様のガラス棒は、棒状の型の表面に細かい乳白色のガラス棒を並べ、あとから透明のガラスを流し込んで、細く延ばして作られます。

このベネチアンガラスのレースガラスの技法は、門外不出とされて熟練した職人でないと難しいとされています。
一方、日本でも独自の作り方でレースガラスは作られています。

ガラスと鉛をまぜ、難しい温度調整をクリアするとガラスの中に発生した泡が、白っぽくらせん模様を描きます。
これが日本オリジナルのレースガラスの作り方です。

古代から伝わるベネチアンガラスの作り方⑥:彫刻

ダイヤモンドが先端に埋め込まれた道具を使い、ガラスの表面を削って模様を描く作り方です。
透明なガラスの表面に用いられることが多いです。

古代から伝わるベネチアンガラスの作り方⑦:アベンチュリンガラス

アベンチュリンガラスは、ガラスに不純物をあえて混ぜて作られます。
混ぜるものは銅で、偶然ガラスに銅を落としてしまったことからできた作り方と言われています。

ドロドロのガラスが固まる段階で、一緒に溶け込んだ銅も析出して、美しい結晶ができます。
アベンチュリンガラスの技法を使ったガラスは、大きく分けて赤っぽい色と青っぽい色の2種類があり、メタリックな輝きが素敵な技法です。

古代から伝わるベネチアンガラスの作り方⑧:マーブルガラス

乳白色ガラスや透明ガラスに、色ガラスを組み合わせてマーブル模様にしたものです。
マーブルガラスは大理石や宝石の模様を作りあげる技法として、当時の貴族たちに重宝されています。

古代から伝わるベネチアンガラスの作り方⑨:アイスガラス

ひび割れを模様として生かしたガラスです。
吹きガラスで形を作った直後の熱い状態から、急激に水で冷やすとガラスの表面がひび割れます。

ふたたび加熱するとひび割れ模様はそのままで、ひびの間がとけてくっつきます。

古代から伝わるベネチアンガラスの作り方⑩:エナメル塗装

クリスタルガッロの技法で透明に近いガラスの表面に、絵を描く技術です。
マンガンやコバルトなどの鉱物を混ぜて色をつけています。

<下に続く>

クリスタルガラスや色ガラスの作り方9選

特殊なガラスの作り方

クリスタルガラスや色ガラスなど、特殊なガラスの作り方を説明します。
インテリアと機能性、2つの観点から様々なガラスをピックアップしています。

  1. クリスタルガラス
  2. 色ガラス
  3. すりガラス
  4. ステンドグラス
  5. エッチングガラス
  6. 強化ガラス
  7. 耐熱ガラス
  8. 合わせガラス

クリスタルガラスや色ガラスの作り方①:クリスタルガラス

クリスタルガラスで有名なブランドとして、バカラやロブマイヤーなどを耳にしたことはありませんか?
クリスタルガラスは石灰石・ソーダ石・ケイシャに加えて酸化鉛を加えて作られています。

酸化鉛を加えることで、化学的にはガラスが柔らかくなる温度が下がって成型しやすさが増すメリットがあります。
クリスタルガラスの特徴は、無色でかぎりなく透明であることです。

お土産やトロフィーで、クリスタルガラスの内部に彫刻が入ったオブジェがあります。
クリスタルガラスが透明性が高いため、中の彫刻が美しく見えるのです。

ガラスの中に彫刻を刻むのは、レーザーの照準をガラスの内面にしぼって削っています。

クリスタルガラスや色ガラスの作り方②:色ガラス

ガラスの中に金属酸化物を混ぜ込むと、色がついたガラスができます
金属酸化物というのは、金属に酸素が結びついたものです。

たとえば、マンガン酸化物だと紫色、チタン酸化物だと赤っぽい色のガラスになります。
色がついたガラスというのはインテリアだけでなく機能性としても優れた効果があります。

紫外線や熱を吸収してくれる目的で、暗めの色のガラスなどの実例があります。
色ガラスを家庭で作ろうと思うと、金属酸化物の入手や高温環境など難しく感じるでしょう。

実は、普通のガラスに色を付けることで、色ガラスに似たものは作ることができます!
カラーセロハンをガラスに貼ったり、ガラス用の絵具や油性ペンなどで着色するなどの方法があります。

クリスタルガラスや色ガラスの作り方③:すりガラス

表面にわざと細かい傷がつくように加工したガラスをすりガラスといいます。
目隠し機能や採光機能を期待して使われます。

すりガラスの表面は、金属性のブラシと研磨用の砂で磨かれています
細かい傷が光を拡散させることで、不透明に見えるのです。

傷がついているため、熱や衝撃にはどうしても弱くなります。
また、傷の表面が水でぬれると凹凸が埋まってしまい、くもりがなくなってしまいます。

乾けばまた不透明なガラスに戻ります。
こういった環境の変化を受けやすいため、すりガラスは室内など安定している場所で使うようにしましょう。

家庭ですりガラスのようなものを作るのはハードルが高いように感じるでしょう。
傷をつけるのに失敗するとガラスがもろくなります。

実は、スプレーするだけでくもってみえるようなスプレーが売っています。
マスキングしてスプレーすれば、部分的にすりガラスにすることも可能です。

クリスタルガラスや色ガラスの作り方④:ステンドグラス

ステンドグラスは、色ガラスを組み合わせて作られています。
色ガラスを切ったものを磨いて、デザイン画をもとに配置し、はんだごてやパテ詰めで固定します。

ステンドグラスは職人によって作られるイメージですが、家庭でも色をつけたガラスを使えばステンドグラス風にできます。
ポイントは、くっきりとした黒い縁取りを描くことです。

ガラス絵の具を使えば、黒い縁取りも色ガラスの色も作れます。
色ガラスもしっかり色をのせたほうが、光に透かしたときに美しく見えます。

クリスタルガラスや色ガラスの作り方⑤:エッチングガラス

エッチングガラスは、薬品を使うものと砂をふきつけるものの2種類でできます。
どちらの方法でもガラスの表面に模様を描くことができます。

薬品を使った方法では、エッチングしたい部分以外の部分をマスキングしから薬品で腐食させます。
マスキングを取り外すと、薬品に接した部分のみがエッチングされます。

砂を吹き付ける方法は、砂をふきつけて模様を描きます。
この方法でもマスキングを使って部分的にエッチングする方法があり、日用品の加工やお墓の文字入れなどで取り入れられています。

クリスタルガラスや色ガラスの作り方⑥:鏡

鏡はガラスの表面を加工してできています。
工場で創られるような本格的な鏡は、ガラスの表面を銀でコーティングして作ります。

銀鏡反応という化学的な方法で鏡は作られます。
銀イオンがとけた液にガラスを入れ、銀が析出するような薬品を加えます。

銀がガラスの表面にきれいに析出すると鏡になります。

クリスタルガラスや色ガラスの作り方⑦:強化ガラス

強化ガラスは、圧縮・引っ張りといった力の刺激に強いガラスです。
強化ガラスを作るには、ガラスを高温に熱してから、表面のみ温度を下げます。

表面と内面で構造が違うガラスの層ができることで、外部からの刺激に強いガラスができます。
強化ガラスは野球のバットで叩いても割れないくらいの強度がある反面、割れるときは一瞬で割れます。

一瞬で粉々になるため、防犯上使わないほうが良い場所もあります。
車のフロントガラスでも、粉々になったガラスで失明の危険があったり、歩行者などがフロントに乗り上げてガラスに打ち付けられるトラブルがあります。

クリスタルガラスや色ガラスの作り方⑧:耐熱ガラス

普通のガラスは熱で膨張し、割れてしまいます。
電子レンジなど調理で使用したり、ビーカーなど実験で使用するガラスを耐熱ガラスとよびます。

耐熱ガラスは、熱によって膨張しにくくする材料を加えて作られています。
有名なパイレックスガラスのホウケイ酸ガラスなどが耐熱ガラスです。

クリスタルガラスや色ガラスの作り方⑨:合わせガラス

合わせガラスは、ガラスの間に他の物質を合わせて作られたものです。
ガラスの弱点を補うものや、機能性をよくするものを加えます。

たとえば、ガラスが衝撃に弱いことを補うため、割れたときにガラスが飛び散るのを抑える樹脂の膜をつけたものがあります。
また、ガラスは電気を通さないので、普通はモニターのように映像を映し出すことはできません。

電気を通す透明な部材をガラスの間に挟み込み、スイッチ一つで透明なガラスが映像を映し出す未来的な技術も生み出されています。
他にも紫外線を防ぐ目的や、防音効果などを目的とした合わせガラスが作られています。

<下に続く>

ガラスの作り方に繋がる古代の歴史

ガラスの作り方の歴史

ガラスが初めて誕生したのは紀元前のはるか昔、シリアです。
メソポタミア文明時代に生まれたガラスは、オリエントガラスと呼ばれます。

オリエントガラスは、今のガラスとは違って原料に含まれる不純物のせいで青みがかった色が特徴です。
また、型を使ってガラスの形を作りあげるコアガラスという作り方をしていました。

オリエントガラスは、エジプトで伝わり、さらにシルクロードを通じて中国などアジアに伝わります。
アジアにガラスが伝わった一方で、ヨーロッパでもガラス産業が発展していきます。

古代ローマでは平らな場所にガラスの液を流し込む作り方で、板ガラスに近いものが作られるようになりました。
のちに板ガラスの作り方が開発されていくにつれ、ガラス窓を取り入れた建物が増えていきます。

ローマ帝国時代になると、吹きガラス・ミルフィオリ・カットガラスなど様々なガラスの作り方が開発されます。
中世イタリアではベネチアンガラスが生まれ、日本には戦国時代にフランシスコ・ザビエルによってガラス製品が持ち込まれています。

シルクロードの時代から、日本にガラスそのものは伝わっていたのですが、なかなか工芸には発展しませんでした。
ガラス工芸が発展したのは江戸時代で、江戸切子・薩摩切子の技術が確立されています。

<下に続く>

おすすめのガラス細工本

ガラス細工の作り方について参考になる本

はじめての手彫り グラスリッツェン

グラスリッツェン というガラスの表面に彫刻をする作り方がわかります。
彫刻をするには小さなスペースでできて、ほかのガラス細工では必要になることが多いバーナーや溶融炉はいりません。

家庭でも安全にガラス細工を楽しむために、グラスリッツェンは向いています。

<下に続く>

美しいガラス細工は家でもできる!

ガラスの作り方は体験教室でも学べる
ガラスはケイシャ・石灰石・ソーダ石を溶かして冷やし固めるといった作り方でできます。
現代で窓ガラスなど平らなガラスを作るには、化学的な設備がないと難しいです。

ガラス製品を作ってみたいと思ったら、ガラス工芸が体験できる施設に申し込むのが確実ですが、簡単なガラス細工ならば家でもできます

100均で買えるルーターでも、自分でデザインしたガラスインテリアが作れますよ。

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