捨てられない心理について
気づけば部屋にモノがあふれている。
片づけなければと思い、いざ使っていないモノを捨てようとしても捨てることにためらって片づけが進まない。
何から捨てたらいいのかどこから捨てればいいのか、考えているうちに思考が止まって結局捨てることがないまま時間だけが過ぎてしまう……。
はっきりゴミと分かるものを捨てるのは簡単です。
けれどまだ使えるモノを捨てるのは躊躇してしまう人は少なくないのでは。
モノを「捨てる」という行為には色々な心理が関係しています。
それは「もったいない」というモノを惜しむ心理もあれば、いつか使うかもしれないという将来に対しての期待と不安。
いつか使うかもしれない、そんな「いつか」を期待して捨てられない場合と、その「いつか」が来た時に後悔してしまうのではないかという不安。
捨てることに対して、捨てられない人は色んな心理が働くのです。
捨てられない人の特徴
それでは捨てられない人の心理と特徴をまとめてみました。
特徴①:もったいないから捨てられない
「いつか使うかもしれない」
「まだ使えるのに」
そんな言葉の後に必ずつくのが「もったいない」です。
物を大事にしなさいと、子どもの頃から親や先生に言われてきた人は多いでしょう。
まだ使えるものを「捨てる」ことに抵抗があり、捨てることが惜しいと思ってしまうのです。
特徴②:片づけるのを後回しにする傾向
いらないと理解していても「捨てる」という行動や決断が面倒くさくて、結果先延ばししてしまう。
時間のある時にやろう、暇になったら考えよう、そう思ったまま何年も放置。
捨てられない人の、後回しにする習慣はなかなか変えられません。
特徴③:捨てることに罪悪感
まだ使えるものを捨てることが「物を大事にしていない」という考えになり、悪い事をしている気持ちになるのです。
また貰い物を捨てる場合だと、自分の好みの物でなくても相手の気持ちを捨てるようで気が引けてしまう場合も。
特徴④:決断力のなさ
モノを捨てることが正解か分からないという人がいます。
捨てた方がいいのかもしれないけど、本当に捨ててもいいのだろうか、優柔不断に悩んでいるうちに結局捨てられないことに。
特徴⑤:将来使うかもしれないという慎重さ
失うことの不安感からモノを捨てられない場合もあります。
今は必要なくても未来の自分は使うかもしれない、そうなった時に捨てたことを後悔したくないという心理がはたらき、捨てられないのです。
特徴⑥:物に愛着を覚えるタイプ
必要のないモノでも、手に入れた当時の状況や気持ちを思い出して捨てられないタイプ。
愛着は時として「執着」にもなり、本当は必要のないモノにもその感情をおこします。
特徴⑦:ストレスを抱えている
実は精神的なストレスから捨てられないという事があります。
「ためこみ症」という心の病気は、集めたモノを捨てる行為がとても苦痛で恐怖感を覚えるのです。
また、うつ病で何もする気が起きず、捨てられないままモノをどんどん溜めこんでしまうというケースも。
その他にはADHDや他発達障害などで片づけるのが苦手という場合もあります。
いずれの場合も本人だけでは改善が難しいので、専門家の助けが必要です。
捨てられない人は買い物の仕方も見直すことが大事
捨てられない人はモノを出来るだけ増やさないようにしましょう。
出る(捨てる)よりも増える(買う)方が多いと、モノはどんどん溜まってしまいます。
衝動買いやストレス発散の買い物など、お得感やスッキリ感に惑わされてモノを増やしてしまわないようにしましょう。
また消耗品のストック量をきちんと把握しておらず、安いからと買いすぎてしまったり、みんな持っているからと流行に流されての買い物も注意。
また買うパターンではありませんが貰い物を断れないというパターンもあります。
本当はいらないのに断ることが出来ないので、結局モノを増やしてしまう人。
いらないと伝えるのは失礼にあたるので、相手に感謝を伝えつつ「断捨離をしているので」「今はしまう場所がありませんので他の方にさしあげてください」とやんわりお断りできたらいいですね。
捨てられないは、意識してモノを外に出す(捨てる)ことをした方がいいと思います。
SNSで断捨離で検索しますと「#一日一捨」というタグがよく見られます。
いらないものを一日に一つ捨てる、一度にたくさん捨てるのは抵抗がある。
そんな捨てられない人も一つからならやりやすいのではないでしょうか。
捨てられないものランキング
- 洋服
- 手紙
- 古い写真やネガ
- CDやDVD
- 玩具(ゲーム、ぬいぐるみなど)
- 賞状、トロフィー
- 昔の趣味やコレクションしていた物
- お守りやお札
- 本、雑誌
- 時計やアクセサリー
①洋服
洋服は流行の移り変わりも早いため、着ていない服がクローゼットに何着もある場合が多いです。
「高かったから」「新しいけど着る機会がなかった」「やせたら着れる」「昔はよく着たけど今は時代遅れ」などなど。
逆に洋服を捨てるタイミングは、服が破れたり穴が開いたりと、決定打になる事が起きてからという方が多いようです。
②手紙
手紙は思い出もありますし、相手への気持ちもあってなかなか捨てられないという声が多いです。
けれどよほどの大切な手紙でもないかぎり、普段はしまいこまれて読み返すこともないはず。
受け取った人が読み終えている時点で手紙としての役割は終わっているので、捨てたとしても本来は問題ないモノなのです。
③古い写真やネガ
写真はかさばるモノではないといえ、それでも大昔のアルバムが何冊もあったりした場合は扱いに困るもの。
現在はデジタルカメラ主流で、撮った写真はデータとして残すだけでOKですが、一昔前はどれもフィルムで現像が必要でした。
焼き増しに必要だったネガを今も保管している方も多いようですが、今の時代はネガがなくても写真を複製することができます。
なのでネガは写真よりも気安く捨てられるのではないでしょうか。
④CDやDVD
好きな音楽や映画だけでなく、仕事に使った資料用のCD-RやDVDなど、気づけば大量にあるCDやDVD類。
処分の仕方が分からないので、そのままにしているという方もいるようです。
個人情報が入っているCD-RやDVDは、ハサミやカッターで切って再生できなくするか、CDも裁断できるシュレッダーにかければ安心。
今は聴かないアーティストのCDやまだ観れる映画のDVDは、捨てるよりもリサイクルショップに売るのをおすすめします。
⑤玩具(ゲーム、ぬいぐるみなど)
昔にプレイしたゲームや子どもの頃から愛着があって大事にしていたぬいぐるみなど、思い出にひもづいてるモノは捨てるのは難しいです。
最近は古いゲームもアーカイブスなどプレイできるようになっていますが、昔のソフトだと製作会社が既になくなり二度と手に入らない場合もあります。
また子どもが大きくなるにつれて遊ばなくなったおもちゃも、捨てるのは迷いますよね。
勝手にこっそり捨ててる方もいるようですが、お子さんのおもちゃに関しては、できれば本人が成長して自分で処分できるようになるまで待った方がいいかもしれません。
親からしたら「遊んでないじゃない」と思っても、子どもはふいに思い立ってもう一度遊びはじめるパターンがあります。
ただ最初からたくさんおもちゃを与え過ぎてしまうと、その分捨てるのが大変になるので与え過ぎないようにしましょう。
⑥賞状、トロフィー
トロフィーや賞状は誰でももらえる物ではありませんし、同じものは二度と手に入りません。
とはいえトロフィーや額に入れた賞状は場所をとるしホコリもかぶる。
掃除も大変ですよね。
自分のならまだしも亡くなった家族のものだと処分するのも悪い気がして、結局捨てられないのでそのままという場合も。
⑦昔の趣味やコレクションしていた物
今はそこまで興味はないけれど、昔は頑張って集めたグッズや趣味の物も当時の大変さを思い出して捨て られ ないモノでしょう。
コレクション欲のあるタイプの人は、物を集めることが基本的に好きなので「捨てられない」人が多いのです。
⑧お守りやお札
お守りやお札などは気軽にゴミ捨てするのは抵抗を感じますよね。
そのため、人によっては何十年前のお守りも取っておいてる場合も。
神社やお寺で買ったお守りは、有効期限は1年だと思っておくとよいでしょう。
破魔矢やおみくじも、1年です。
処分方法は買った神社やお寺に返納するのがベストな方法。
自分で処分する場合は半紙につつみ塩をかけて燃やすかゴミ袋に入れてください。
⑨本、雑誌
本が好きな人は、本を捨てることにいつも悩んでいると言っても言い過ぎではないでしょう。
欲しい本があっても本棚にはもう入らない、読まない本を捨てようとは思うものの本好きがゆえに抵抗がある。
けれど本好きな人ほど積読本が大量にあるもの。
買ったことで満足して「いつか時間がある時に」と放置して、結局どこにしまったか忘れてしまう……本好きあるあるではないでしょうか。
今は電子書籍がある時代ですので、電子書籍化されているものはそちらに切り替えてもいいかもしれません。
⑩時計やアクセサリー
時計やアクセサリーは大きさもそれほどでもないので、気づけば増えていたということが多いのでは。
あえて捨てることもないと思う方も多いのですが、それでも小さなモノがゴチャゴチャしていると探すのにストレスが溜まります。
イヤリングやピアスが片方だけしかないとか、シュシュや髪飾りが上手く収納できずに団子状態だったり。
からまったり薄汚れていたりと、良い状態でないものは処分した方が収納の時間が減るのでおすすめです。
捨てられないものを捨てるための考え方7選
捨てられない心理と捨てられないものの特徴を理解したところで、次は「どうしたら捨てられるか」という考え方をまとめてみました。
考え方①:「いつか使うかも」はいつまでも来ない
捨てられない人が必ず考える「いつか使うかもしれない」という言葉。
ほぼ断言できるのですが、その「いつか」はいつまでも来ないと思っていいでしょう。
確かに持っていたら使うこともあったかもしれません。
けれど何年も使う機会がなかったり、使うことを忘れていたりしたモノのことを考えると、本当にそのモノが必要なのか?と自らに問うてみてください。
そして余程のモノでないかぎり、たいていのモノは簡単に手に入ります。
考え方②:罪悪感のかわりに「ありがとう」
ただでさえ捨てられないのに、貰い物を捨てる時には強い罪悪感を感じますよね。
そんな時は「申し訳ない」と思うよりも「ありがとう」と、そのモノではなく相手からの好意に感謝しましょう。
そして時々くれた人を思い出してあげることが、貰ったまましまいこんだままよりもずっと相手にとってありがたい事ではないでしょうか。
考え方③:思い出の品は記憶と写真で残す
記念に残る品物や思い出深い頂き物、成長してもう着れなくなった子ども服やお気に入りだったおもちゃ……。
時間とともに不要になったモノたちは、写真に残して保存してあげるといいでしょう。
画像に残しておくとかさばりませんし、画像を見ることで懐かしい思い出にすぐ浸ることができます。
考え方④:ひとつ買ったらひとつ捨てる
モノを増やさないために一番良いのが「ひとつ買ったらひとつ捨てる」こと。
せっかく捨ててもまた増やしては意味がないですよね。
ただ新しいモノを買ったからすぐに古いモノを捨てる、というのは難しいと思います。
そういう時は冷却期間を置いて、捨てられるか捨てられないかを考えてみてもいいでしょう。
時間をおくと必要かそうでないか見えてくるものです。
考え方⑤:「捨てない言い訳」を見つけない
モノを捨てられない人は、どうして捨てられないのかと聞かれると「捨てない言い訳」をしてしまいます。
その言い訳で自分を「間違っていない」ことにして、結局捨てずにいてしまうのです。
まず自分から捨てない言い訳を考えないことが、捨てられることの第一歩に繋がります。
考え方⑥:迷ったら捨てる
迷ったら捨てる、を実行するのかなかなか難しいかもしれません。
実際捨てるものを手に取ると、やはり迷いは生じます。
けれどキレイな部屋を維持するためには、やはり迷うモノは不用品の一つになるのではないでしょうか。
「迷ったら捨てる」は「迷ったら買わない」と同じく、整理整頓においての頼もしい言葉です。
考え方⑦:捨ててキレイになったところを想像してみる
ダイエットもそうですが、キレイになったところを想像するのがモチベーションの一つではないでしょうか。
そして、ごちゃごちゃしてた部屋がスッキリしていくのは、想像よりもずっとストレス解消になります。
片づけは目に見えてキレイになっていくので、気づけば捨てることの抵抗も薄くなっていくはず。
おすすめの断捨離本
今はたくさんの断捨離本が本屋に並んでいますが、片づけの背中を上手に押してくれる本をご紹介します。
ネコちゃんのスパルタおそうじ塾
飼い猫がお掃除指南をしてくれるというちょっと変わった片づけ読本です。
漫画なので読みやすいのと、とにかくネコちゃんがかわいいので、読んでいて楽しい。
そしてハウツー本としても分かりやすく、なおかつ押しつけがましくなく「片づけよう」と捨てられる人へ背中を押してくれます。
スッキリ暮らす捨て方
色んな片づけ本があるなか、これは「捨てる」ことをメインにした本。
イラストつきで分かりやすく書かれており、どこから片づければいいか分からないという方にはおすすめの本です。
捨てられない人から捨てる人へ片づけで人生を変えよう
捨てられるか捨てられないか、モノ捨てる時は自問しながらひとつひとつ決断していきます。
それは「捨てられない=決断できない」自分からの脱却でもあります。
本当に必要なモノはなにか。
自分の生活に不要なモノはどれだけあるのか。
それを知ることが、捨てられる人へのステップアップに繋がるのではないでしょうか。