スーツを収納する理由
きちんと整えられたスーツを着こなしている女性は素敵に見えますし、着ている本人も気持ちが引き締まりますよね。
いつも整えておきたいと思っているスーツなのに、すぐに型崩れをおこしたりシワができたりして困ってはいませんか?
一日着用したスーツは見た目には分からなくても、汚れやホコリが付いていたり汗などの湿気がたまったりしています。
そのため、正しい方法で収納する必要があるのです。
型崩れの原因になる
スーツは着た時の姿をきれいに見せるために、身体にフィットするよう適所に肩パッドや芯を配置して作られています。
そのため、収納の仕方によってはバランスが保てなくなり、型崩れをおこしてしまうのです。
特に注意が必要なのが肩回りで、形の合わないハンガーなどを使うと不自然なクセがついてしまいます。
また、汗などの水分は型崩れの原因になると言われているので、気をつけてあげましょう。
シワができてしまう
スーツのシワの多くは、日常生活の中の一つ一つの動作でできたものです。
スーツを着ている時に折り曲げられた部分が変形し、その状態のまま固まってしまったことが、シワの原因です。
そのため、変な折り目がついたまま放置してしまうと、それがすべてシワになってしまうのです。
シワを増やさないためには、できるだけ折り目がつかないようにしてあげなければなりません。
スーツを収納するときのポイント11個
ここではスーツを収納する際のポイントを紹介していきます。
汚れやホコリ、汗などの湿気がたまっている状態のまま収納してしまうと、型崩れやシワだけでなく、シミやカビ、臭いの原因になってしまいます。
最悪の場合、虫食いで穴があいてしまうことさえあるのです。
そんな状況を避けるためにも、お手入れのポイントはしっかりと押さえておきましょう。
スーツを収納するポイント1:ポケットに入っている物を取り出す
スーツのジャケットには伝統的なデザインとして、左胸と左右の腰の部分にポケットが付いています。
ただ、これらのポケットは基本的には飾りで、手や物を入れるのはNG行為だということをご存じですか?
ポケットに物を入れるとその重みでジャケットが引っ張られてしまい、型崩れの原因となってしまいます。
また、物の厚みがシワの原因になることもあるので、物を入れたなら必ず収納前に全部取り出すようにしておきましょう。
スーツを収納するポイント2:ブラッシングをする
一日着用したスーツには汚れやホコリが付着していて、これがカビや虫食いの原因になります。
着用後は、やや硬めの静電気が起こりにくい天然毛ブラシで、必ずブラッシングするようにしましょう。
まず、全体を軽く叩きながら汚れを浮かせ、ブラシの毛足でホコリをかきだすようにブラッシングします。
毛髪やフケで汚れやすい肩、スラックスの膝から下の部分と裾の折り返しはしっかりとチェックしましょう。
スーツを収納するポイント3:ジャケット・スラックスに合ったハンガーを選ぶ
ハンガーは、スーツを正しく収納するための重要なアイテム。
ジャケットには肩のラインに合う厚くて丸みのある木製のものを、スラックスには裾を挟んで吊るすタイプがおすすめです。
木製のハンガーには防湿効果もあり、肩のラインに合わせることでジャケットの型崩れも防いでくれます。
スラックスを二つ折りにするとシワになりやすいので、裾から吊って重みでシワを伸ばせるようなハンガーが良いでしょう。
スーツを収納するポイント4:陰干しをする
一度着たスーツには、汗や皮脂の湿気がたまっています。
直射日光の当たらない風通しの良い場所に、半日以上は陰干しして乾燥させましょう。
スーツに水分が残ったままクローゼットに収納してしまうとカビが発生する原因になり、他の衣類にも悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、湿気の多い梅雨から夏にかけての時期は注意が必要です。
また、陰干しの際には霧吹きをしてあげましょう。
シワが伸びやすくなります。
スーツを収納するポイント5:クリーニング後のビニール袋を外す
クリーニングから戻ってきたスーツは、ビニールの袋から出して収納するようにします。
ビニールの袋は持ち帰りの途中で傷や汚れが付かないようにするためのものなので、保管用に使うことはできません。
ビニールの袋は通気性が悪く熱や湿気がこもりやすいため、虫が発生しやすい環境になってしまいます。
すぐに袋から出して、風通しの良い部屋で陰干しをしてから収納するようにしましょう。
スーツを収納するポイント6:不織布カバーをかける
スーツを収納する時は、カバーをかけるようにしましょう。
不織布カバーなら、リーズナブルで手軽に使えます。
不織布カバーは通気性を保ちながらスーツをホコリや汚れから守り、衣類同士が直接触れないことで毛玉や生地の傷みなどを防いでくれます。
透明窓の付いているものや防虫・防カビ効果のあるものなど、種類も豊富です。
ただ、不織布カバーは洗うことができません。
汚れがついたら新しいものと取り替えるようにしましょう。
スーツを収納するポイント7:防虫剤を置く
一般家庭には衣類害虫がいます。
衣類を食べるのは成虫ではなく幼虫で、外出の時などに卵を産み付けられ、収納場所で孵化して衣類を食べて成長します。
防虫対策のポイントは、衣類害虫の好きな環境を作らないことです。
害虫は暗くて、通気性が悪く湿度の高い場所を好みます。
防虫剤は害虫をよりつかないようにするほか、幼虫の食欲を減退させる効果もあります。
また、除湿剤を併用するなど湿気対策も行うようにしましょう。
スーツを収納するポイント8:押し入れをクローゼット代わりにする
クローゼットがなく押し入れだけという場合は、つっぱり棒を使って収納してみましょう。
押し入れはクローゼットと違い、奥行があるのが特徴です。
そのため、押し入れ収納の場合は前後に分けて考えるのが、ポイントの一つです。
シーズンオフのものを奥へ、手前に普段使うものを収納すれば便利です。
また、押し入れ収納用のハンガーラックや便利グッズなどを活用して、自分が使いやすい収納スペースを作ってみると良いでしょう。
スーツを収納するポイント9:ハンガーラックを取り付ける
収納場所がない、または、足りないという時にはハンガーラックを活用しましょう。
壁一面をクローゼットスペースにできるような、大きなサイズのものもあります。
素材やデザインも様々なので、自分の部屋のインテリアに合うものを選ぶと良いでしょう。
おしゃれに飾れば、見せる収納になります。
また、高さや奥行も重要なポイント。
シワを防ぐためにも、スーツの丈や肩幅より大きなサイズを選びます。
スーツを収納するポイント10:衣類カバーを使う
衣類カバーには、複数枚をまとめて収納できるタイプもあります。
シーズンオフの衣類をひとまとめにして保管すれば衣替えがスムーズですし、毎日の服選びも時短できますよね。
不織布以外に、布製のカバーもあります。
布製のものは洗って繰り返し使えるので経済的です。
見た目にもこだわったおしゃれなものが多いので、部屋の中で見せる収納として使うこともできます。
スーツを収納するポイント11:クローゼットで収納する
一般的に、スーツはクローゼットに収納するのが無難でしょう。
衣類の詰め込みすぎは、クローゼットに限らず、NG行為です。
空気の通りが悪くなり、防虫剤の効果も落ちる可能性があります。
型崩れやシワの原因にもなるので、2cm程度の間隔をあけて収納しましょう。
ジャケットとスラックスを揃えて収納するのは、難しい場合もあります。
そんな時はハンガーにタグなどを付けて、ペアが分かるようにすると服選びの時短になります。
上手なスーツの畳み方とは?
シーズンオフのスーツを畳んで収納する場合は、正しい方法で畳むようにします。
畳み方としては、
1. ジャケットのボタンをとめて、裏返しにする
2. 肩幅の真ん中辺りから身頃の中心に向かって折る
3. 袖は付け根部分から、先ほど折った折り目と平行になるように折る
4. 反対側も同じように折ったら、スラックスを折り目に合わせて2回折る
5. ジャケットの上にスラックスを置き、包み込むようにしてジャケットを裾から二つ折りにする。
6. ひっくり返して終了
以上の6手順です。
持ち運ぶ場合のスーツの畳み方
スーツを持ち運ぶ場合も、同じ方法で畳みます。
畳んだあと圧縮袋に入れ、空気を抜かずにしっかりと口を閉めます。
そうすることで、中に残った空気がクッションの役割をしてくれます。
また、スーツは他の荷物につぶされにくい、持ち手に近い場所に最後に収納するようにしましょう。
目的地に到着したら、すぐに取り出しハンガーにかけるようにします。
また、スーツの持ち運びには専用のガーメントバッグを利用するのも良いでしょう。
スーツを上手に収納しよう!
スーツのお手入れは大変なように感じられても、コツさえ押さえれば簡単なことが多いです。
習慣になってしまえば、苦にならないでしょう。
クリーニングに出せば、よほどのことでもない限りきれいに仕上がりますが、クリーニングのしすぎはスーツに負担をかけます。
この記事で紹介したポイントを押さえて、お気に入りのスーツをできるだけ長く愛用してみてください。