ビールグラスの種類やおすすめの選び方
ビールの旨さは「キレ」「コク」「甘味」「苦味」「泡立ち」で決まります。
どの旨さを引き立てるグラスを選ぶかによってビールの味は変わります。
自分にあったビールグラスを選ぶ条件には、どんなものがあるでしょうか。
まずグラスの形にこだわってみましょう。
麦芽の甘味を感じたい人は飲み口に広い幅のあるビールグラスが向いています。
例えばジョッキやタンブラーがそうですね。
グラスへの口当たりが広いことでビールの風味が口の中に広がって本来の旨さを感じられるからです。
一方で麦のコクやアルコールのキレを楽しみたい人にはガラスの薄いグラスが向いています。
フルートグラスやビアグラスがそうです。
金属製のグラス(ステンレスや錫など)は冷たさを保ち、陶器製(有田焼)のグラスは泡が長持ちします。
また陶器製は釉薬がかかっていない素焼きのものですと泡立ちが良くなり、細かでクリーミーな泡を楽しむことができます。
泡が命のビールはグラスの形や素材によっても泡の質が変わってくるのです。
また、ビールの発酵スタイルとは「上面発酵」と「下面発酵」「自然発酵」に分かれます。
私たちがよく飲んでいるビールは比較的低温で短時間で発酵できる「下面発酵」ビールです。
「下面発酵」の中のラガーに分類されるピルスナーにエビスやバドワイザー、プレミアムモルツ、一番搾り、スーパードライなどが含まれます。
お馴染みの銘柄ばかりですね。
「上面発酵」のビールは適温になると酵母が上に浮いてきて発酵するので「上面発酵」と呼ばれるようになりました。
「上面発酵」ビールや「自然発酵」ビールは主にクラフトビールが多く、メジャーなビールはほとんどがラガーに分類される「下面発酵」のものです。
それではこうして作られたビールにはどういったグラスが向いているか見ていきましょう。
おしゃれなビールグラス10選
ビールを楽しむにはビール自体とグラスを冷たく冷やしておくのはもちろんですが、グラスの素材や形状で泡だちが変わり口当たりや味も変わるのでそれをご紹介いたします。
どのグラスの組み合わせがあなたのお好みのビールになれるでしょうか?
- 幅広くビールに合うビールジョッキ
- ネコが踊るタンブラー
- お洒落なフルートグラス
- 香り芳醇なチューリップグラス
- 1パイントだからパイントグラス
- 冷やすことにこだわったタンブラー
- 味わい深い錫のグラス
- いつまでも冷たいステンレスグラス
- 有田焼のビアグラス
- 食器のルクルーゼのビアタンブラー
ビールグラスの紹介①:幅広くビールに合うビールジョッキ
大まかにビールを注ぐ大きめのグラス一般に用いられるのがビールジョッキという名称です。
こちらのグラスはビールを注ぐと夕日になり、泡を雲に見立てるという洒落た遊び心のあるグラスです。
蒸留が深くなるほど色が濃くなっていくので日が暮れていき、黒ビールを注ぐと夜のごとく真っ暗になってしまうというものです。
ガラス製で口当たりが広く、ビールのあたりが柔らかいので特に女性に評判のいいグラスです。
プレゼントにこんな洒落たビールグラスもいいですね。
ビールグラスの紹介②:ネコが踊るタンブラー
こんなタンブラーの可愛いグラスをビール専門にするというのはいかがでしょうか。
場所を取らないので冷蔵庫または冷凍庫に入れて冷やしておけます。
こちらのタンブラーはガラスが薄いので扱いが要注意ですが、それだけに泡が綺麗に出る上にグラスに対する口の当たりも広いので麦芽の甘さを感じることができる、女性受けする一品です。
ビールグラスの紹介③:お洒落なフルートグラス
フルートグラスというとシャンパンを思い起こす方が多いと思いますが、雰囲気のいいグラスで飲むビールもいいものです。
シャンパンと同じで気泡が美しく立ち上がるのと、上にいくほど口が細くなっているのできめ細かな泡持ちがいいところからビールを飲むのにも向いています。
ビールグラスの紹介④:香り芳醇なチューリップグラス
下部が膨らんでいて口のところがすぼまっているところからチューリップグラスと呼ばれています。
膨らんでいるところにビールが溜まり、麦の香りと味わいが流れ込んでくるところが魅力のグラスです。
ビールグラスの紹介⑤:1パイントだからパイントグラス
イギリスで生まれたこのグラスは適度に泡立ちやすく、1パイント(英568 ml、米473 ml)入るところからこの名前がつきました。
注ぐときに適度に泡立ち、理想的な泡とビールの比率(3:7)に調節しやすいところもビールグラスとして愛されている理由かもしれません。
パイントグラスはイギリスやアメリカの生ビールでの計量グラスとして用いられるので、店ごとに計量に合格しているグラスだという印を刻印されたものを使用しています。
店によって刻印が違うのでパイントグラスを収集している方もいるらしいです。
ビールグラスの紹介⑥:冷やすことにこだわったステンレスタンブラー
こちらのはステンレスで出来ており、真空冷却を含む3層構造になっていて保冷剤層があります。
冷凍庫に入れておいてから常温の飲み物を入れるとキンキンに冷えた温度になります。
ただ、ビールを入れて凍ってしまうとビール酵母が死んでしまって風味が台無しになってしまいます。
あまりサーモスタンブラーを冷凍庫に入れておくのはお勧めできません。
ビールグラスの紹介⑦:味わい深い錫のグラス
錫は圧力を加えると歪んでしまうくらい柔らかな金属ですが、グラスの内部のざらつきがクリーミーな泡を作り上げます。
使えば使うほど手に馴染むビールグラスです。
ビールグラスの紹介⑧:いつまでも冷たいステンレスグラス
ステンレスは保冷・保温力が高くいつまでも冷たいものは冷たく維持しているため、ビールの冷たさを長く味わえると言われ、人気があります。
また表面を磨いてあるため、ツルツルの面にビールを注ぐことでクリーミーな泡立ちを保ち、長時間ビールの良さを楽しめます。
洗うときに汚れがさっと落ちるのでいい状態で保存できるところがいいです。
ビールグラスの紹介⑨:有田焼のビアグラス
有田焼の名工がビアホールやビール工場の意見をもとに作りました。
缶ビールは炭酸が少し強めに入っているので適度に泡を立てて炭酸を抜かなければ美味しいビールが飲めないのですが、こちらのグラスはビールと炭酸の対流ができる限り起こるようにして、注ぐだけで美味しいビールが飲めるように**作り出した一品です。
ビールグラスの紹介⑩:食器のルクルーゼのビアタンブラー
ホーロー鍋やフライパンで世界的に有名なル・クルーゼのビアタンブラーです。
ストーンウェアでできており、あらかじめ冷蔵庫に入れて冷たくしておくと保冷性に優れているので、ビールを冷たく保つことができます。
また、底が少し盛り上がっていて注ぐときに最適な泡を出せるように工夫されています。
冷たい飲み物はより冷たく飲むことができます。
耐熱性があるので電子レンジにも使えますから、焼酎割りなどにも使えて便利です。
ビールをグラスに注ぐ際のポイント
最初に大切な問題になるのがビールの鮮度です。
製造日はビールの底に書かれているので、少なくとも半年以内の出来立てビールを購入しましょう。
ビール・グラス共に冷蔵庫で冷たく冷やしておきます。
ビールの泡は脂に弱いので特にグラスは念入りによく洗ったものを自然乾燥させてから冷蔵庫で冷やし使います。
缶ビール・瓶ビール共にグラスから高めの位置から勢いよく泡を立てて注ぎます。
当然、泡がいっぱいに出ますから泡が引くのを待ちます。(約1分から1分半かかります)
泡が引いてきたら見るとクリーミーな泡が残ります。それを壊さないようにグラスを傾けてそっと下にビールを流し込みます。
ビールと泡の理想の比率は7:3です。
こうして淹れたビールの泡は力強いのでグラスから盛り上がらんばかりのところまで注いでも大丈夫です。
また「逆さ注ぎ」という方法もあります。
缶ビールの蓋は大きく開けて、他にも缶切りを使って2か所ほど空気穴を作っておきます。
缶ビールよりも大きめのコップを缶ビールに被せ一気にひっくり返します。
ビールの中身を全部勢いよく注いでしまったら、美味しいビールの出来上がりです。
もう一つ、「泡付け注ぎ」という注ぎ方があります。
小さなペットボトルを用意して少しビールを注ぎ、しっかりとペットボトルを振って泡だてます。
飲む方のビールはグラスを斜めにしてそっと泡だてないようにグラスに沿うように7分目くらいまで注ぎ、注いだビールにあらかじめ作っておいた泡をのせます。
これもビール7、泡3になるようにして出来上がりです。
最後にエビスビールでの美味しい缶ビールの3度注ぎの方法をご紹介いたします。
ビールは少し高めのところから冷やしたグラスへ勢いよく注ぎ、きめ細やかな泡が残るまで少し時間を置きます。
この1回目のビールの注ぎはビールの蓋にする泡を作るために必要なものなのでグラスがビールの泡でいっぱいになっても泡が自然に下がるまで、目安は泡とビールが半々になるまで待ちます。
半々になったら2度目のビールを注ぎます。
2度目は少し大人し目に注ぎビールと泡が10割になるまでです。
ここまで注いだらまたしばらく待ちます。
最後のビールを注ぐまでのおおよその目安は大きなドーム型の泡がパチパチとはぜてクリーミーな泡が残るまでです。
3度目のビールはグラスからちょっと上の位置から静かに注ぎ入れます。
クリーミーな泡は力強く蓋になっているのでグラスから上に持ち上がってもしっかりとビールが空気に触れないように蓋になっています。
これで出来上がりです。
ビールの泡がキーになることがわかる動画となっておりますので、動画も参考にご覧になってください。
おすすめのビール
ビールの美味しさは「キレ」「コク」「甘味」「苦味」で決まると冒頭で申し上げました。
この4種に分かれるモデルタイプでそれぞれの1番をあげますと、「のどごしのキレ」はアサヒスーパードライ、「コク」はプレミアムモルツ、「甘味」もプレミアムモルツで、「苦味」はエビスビール、どれもバランスが取れていて飲みやすいのが一番搾りでした。
発泡酒で「キレ」があるのはアサヒの糖質0カロリー、「コク」があるのは北海道生搾り。
第3のビールでのどごしがいいのは「クリアアサヒ」。
という結果になりました。
しかし、自分が美味しいと思ったものが1番なので、好みで好きなものを飲んだらいいと思います。
美味しいビールを飲むための努力
ビールを注ぐ入れ物・グラスから注ぎ方、グラフによる旨さの分析・傾向まで。
ビールについての分析は果てしなく、この基準を作った人は本当にビールが好きなんだという、ビールに対する愛情を感じました。
ビールを最初に作って飲んだエジプト人もびっくりの世界への広がりですね。
ビール好きの人たちのその努力と汗に敬意をはらって、今日も美味しいビールを飲みましょう。