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土鍋の目止めの効果とは?具体的な方法と手順9つ|目止め不要の土鍋もある?

目止めは難しそうなイメージがありますが、実は自宅にあるもので簡単にできます。ポイントは初期使用前に必ず行うことと、ひび割れしてしまわないように、土鍋の特性をしっかりと把握して、正しい順番で行うことです。工程さえ覚えてしまえば、気軽に始めることができます。

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土鍋の目止めとは?

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1日の活力を与えてくれる「食事」は、とても重要です。
毎日の食卓に美味しく炊けたお米があるだけで、食事が楽しみのひとつになります。

炊飯器も万能ですが、土鍋でコトコト炊くお米は格別です。
「土鍋で炊くのは難しそう」と感じる方も多いのではないでしょうか。

土鍋は慣れてしまえば、簡単に使いこなすことができる万能調理器具です。
保温性に優れ、用途に合わせて種類も豊富なので、自分だけのお気に入りの土鍋を探す楽しみもあります。

ただし、土鍋の使い始めにひとつだけ重要な工程があります。
長く土鍋を使い続けるためには必要な作業です。

それは、「目止め」と呼ばれる工程です。
長谷園の公式サイトによると、目止めは使い始めの土鍋でおかゆを炊き込む作業とされています。

陶器を使用する前に必要なお手入れです。
目止めの効果やその方法について紹介していきます。

土鍋のお手入れ
<下に続く>

土鍋の目止めの効果3つ

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目止めの効果を3つご紹介します。

  1. 水漏れの防止
  2. ひび割れの防止
  3. 匂い移りの防止

陶器の一種である土鍋の主な材料は粘土なので、水分や油分を吸収しやすいという特性があります。
雨が降った際に地面に水が染みていく様子を想像してみると、粘土の吸収性も想像しやすいのではないでしょうか。

そのため、土鍋を使用する前に、吸収を防ぐためのコーティングをするひと手間が必要です。
このひと手間をかけることで、長く土鍋を愛用することができます。

土鍋の目止めの効果1:水漏れの防止

土鍋の目止めには、水漏れを防止する効果があります。
一般的な土鍋は、材料である土をろくろで形作り、穴窯などで焼き上げられて作られています。

焼き上がった土鍋には、空気などが含まれることで「目」と呼ばれる気孔があり、そこから水漏れが起きてしまう可能性があります。
そのため、使い始めに目止めを行うことで、そのわずかな気孔を埋めて、水漏れを防ぐことができます。

土鍋の目止めの効果2:ひび割れの防止

ひび割れを防ぐために、使用初期に目止めを行うことは有効です。
土鍋などの陶器類は、窯で焼き上げた後に、冷やしていく製造工程の中で、「貫入(かんにゅう)」と言われる小さな亀裂が入ることがあります。

この貫入自体は細かい表面上にできたひびであり問題はないのですが、使用していくうちに大きなひび割れへとつながってしまいます。
ひび割れが大きすぎると、土鍋から水漏れをしてしまう原因になります。

土鍋の目止めの効果3:匂い移りの防止

同じ土鍋を使っているうちに、匂い移りをしてしまう可能性があるため、取り扱いには注意が必要です。
土鍋の目止めによって、土鍋の表面にある貫入などのひびをあらかじめ塞いでおくことで、匂いのもとが入り込んでしまうことを防いでくれます。

土鍋といえば、鍋料理を連想する人も多いでしょう。
目止めをすることで、キムチ鍋やおでんなど、鍋の味付けをいろいろと楽しむことができます。

<下に続く>

土鍋の目止めをする方法手順9つ

加湿器の代わりポット

目止めをするための方法を9つ紹介します。

  1. ひび割れなどがないか確認する
  2. 水洗いする
  3. 乾かす
  4. 水と目止めの材料を入れる
  5. 加熱する
  6. 冷ます
  7. 水洗いする
  8. 乾かす
  9. 定期的に目止めをする

自宅にある身近なものを使って簡単にできますので、自分にあった方法を試してみてください。
目止めは、土鍋を購入して開封した後、使用する前にまずは行いましょう。

大切なことは、土鍋をコーティングすることです。

土鍋の目止めをする方法手順1:ひび割れなどがないか確認する

目止めの作業を行う前に、土鍋全体を目視で確認して、目立つ傷やひびがないかを確認します。
開封前の取り扱いなどが原因で、大きなひびが誤って入ってしまうこともあります。

貫入などの小さなひびは目止めをしていけば問題ありませんが、明らかに大きなひびがある場合は、目止め作業を行う前に交換をしたほうが良いでしょう。
目止め作業は土鍋を火にかけて行うことが多いため、実際に目止め作業を行っている最中に水漏れなどが起きてしまうと、大きな事故につながってしまう可能性があります。

開封後、使用前に必ずこの確認を行ってください。

土鍋の目止めをする方法手順2:水洗いする

目視でひびなどがないかを確認した後、土鍋を水洗いしましょう。
この時、洗剤は使わずに水だけで洗うことがポイントです。

土鍋は材料に粘土を使用しています。
粘土は吸水性があり、洗剤を目止めする前に使用してしまうと、土鍋に洗剤がしみ込んでしまう可能性があります。

土鍋の目止めをする方法手順3:乾かす

土鍋を水洗いした後に、風通しの良い場所で自然乾燥しましょう。
土鍋の形状的に、鍋の内側の底面は水が溜まりやすい箇所です。

ポイントとしては、底面を上にして乾かします。
水分が土鍋に残ったままの状態で火にかけると、ひび割れの原因になることがあります。

土鍋は急激な温度変化に弱い特徴があるため、十分な自然乾燥を行いましょう。

土鍋の目止めをする方法手順4:水と目止めの材料を入れる

水の残りやすい底面がしっかり乾いていることを確認したら、いよいよ目止めの作業です。
乾燥させた土鍋に、水またはお湯と、目止めに使用するお米などの材料を土鍋に8分目ほど入れます。

火にかけた際に吹きこぼれないように、水と目止めの材料を合わせて8分目を目安にしてください。
水と目止めの材料は軽くかき混ぜて、急激な温度変化にならないように弱火にかけるのがポイントです。

残りご飯を使う場合

その日の残ったご飯を使用する場合です。
土鍋に水と水量の5分の1程度の残りご飯を入れます。水とご飯は合わせて8分目になるようにします。

7分がゆや全がゆのようなドロリとしたおかゆよりは、少し水分の多いサラッとしたおかゆにします。
そのために、お米1に対して水量は5倍程度が理想です。

出来上がっているおかゆを使う場合

ご飯ではなく、おかゆの状態から目止めを行うことができます。
おかゆに水を入れ、土鍋の8分目になるようにします。

おかゆから目止めを行う場合は、ご飯から行う時よりも水分は多めにしてください。
おかゆはすでに粘りがあり、ご飯の場合よりも鍋につきやすいからです。

この場合に注意するのは、火加減です。
一気に強火にしてしまうと焦げ付いてしまうので、弱火でゆっくり炊き込んでいきます。

炊きあがったら、火を止めて余熱をとりましょう。

米のとぎ汁を使う場合

ご飯やおかゆを目止めに使う目的は、お米に含まれるデンプンを使って土鍋をコーティングすることです。
お米のとぎ汁も目止めの材料として使うことができます。

お米のとぎ汁は、お米を洗った際にでる白く濁った汁のことです。
この汁にもデンプンが含まれています。

土鍋に入れたとぎ汁をゆっくりと弱火にかけて、コーティングをしていきます。
米のとぎ汁の場合も、鍋の8分目の量を目安にしましょう。

とぎ汁が薄すぎると効果が少なくなり、量が少なすぎると鍋全体の目止めができないので、とぎ汁の量と濃度は鍋の大きさなどに合わせて調整するのがポイントです。

片栗粉を使う場合

デンプンを含む材料として、片栗粉も使用することができます。
土鍋に水と片栗粉を加えて、同様に弱火にかけます。

水の量は、片栗粉の10倍程度(片栗粉大さじ1~2杯程度)を目安にしてください。
片栗粉は水に十分溶かして、白く濁った状態で火にかけましょう。

吹きこぼれに注意して、30分ほど経ったら火を止め、土鍋を完全に冷やして目止めを行います。

小麦粉を使う場合

片栗粉と同様に、小麦粉も目止めの材料として使うことができます。
片栗粉が自宅にない場合でも、小麦粉で代用してください。

片栗粉と同様、土鍋に水と一緒に入れ、弱火にかけます。
焦げ付きやすいので、火をかける前に水に溶かすように十分かき混ぜましょう。

牛乳を使う場合

自宅にある材料で、牛乳も目止めの材料として使用できます。
牛乳にはカゼインと呼ばれるたんぱく質が含まれています。

牛乳を土鍋に入れ、弱火にかけて目止めを行っていきます。
牛乳は温度が高いと吹きこぼれしやすいので、注意してください。

冷蔵庫から取り出した直後の状態よりは、少し常温に戻して使用すると、じっくりと鍋の中で温まりますので、試してみてください。

牛乳のたんぱく質

うどんを使う場合

小麦でつくられるうどんも目止めに使用が可能です。
うどんを茹でた際に、ゆで汁が白く濁っています。

ゆで汁に目止めの役割をするデンプンが含まれています。
水が少なすぎると煮詰まってしまうので、水量を注意しながら弱火にかけましょう。

土鍋の目止めをする方法手順5:加熱する

お気に入りの土鍋を購入して、大切に長く使っていくための目止め作業ですが、目止めを行う際に一気に強火にかけてしまうと、急激な温度変化で大きなひび割れを起こしてしまいます。
また、焦げ付きで土鍋が台無しになってしまう可能性があります。

粘り気のあるデンプンを含む材料を目止めには使用するので、加熱しすぎないように、弱火でゆっくり火をかけていくことが大切です。
材料がくっつかないように、加熱しすぎには注意しましょう。

土鍋の目止めをする方法手順6:冷ます

火にかけた後は、自然に土鍋の熱がとれるように冷やしていきます。
加熱を続けた土鍋は、とても高温になっています。

ゆっくりと熱をとっていくことが大切です。
この時、土鍋のふたをしない状態で冷やしていきましょう。

土鍋の目止めをする方法手順7:水洗いする

手洗いと洗濯機の使い分け

完全に土鍋の熱がとれ、手で触れられるくらいまで土鍋自体の温度が下がったら、目止めに使ったとぎ汁やおかゆなどの材料を取り除き、しっかりと水洗いしていきます。
この時、なるべくたわしなどを使ってゴシゴシと擦り洗いはせず、しばらく水をはった土鍋を放置して、自然とおかゆなどの材料を落としてください。

水をはって放置することで、とても洗いやすくなります。
この時も洗剤は使わず、水洗いだけにすることが大切です。

土鍋の目止めをする方法手順8:乾かす

土鍋を洗い終わったら、水の溜まりやすい底面を上にして、自然乾燥します。
布巾やキッチンペーパーで余分な水分を軽く拭いておくと、乾燥時間も短くてすむでしょう。

風通しの良い場所で、ゆっくりと乾かします。
水分がついた状態で使用してしまうと、ひび割れなどの不具合につながってしまいます。

土鍋の目止めをする方法手順9:定期的に目止めをする

土鍋を長持ちさせるのは、定期的に目止めを行うことが効果的です。
使用前に正しい工程で目止めを行っていても、数ヶ月使っていくうちに、目止めの効果も少なくなっていきます。

時々、おかゆなどを作って、目止めをしましょう。
朝ご飯におかゆを作ってみるなど、日々の食事に取り入れると、定期的に行うことができます。

<下に続く>

目止め以外にもある!土鍋と長く付き合うためのポイント6つ

使用前に目止めを行うことはもちろん大切ですが、より土鍋を長持ちさせるには、使用中のポイントが6つあります。

  1. ひび割れのような貫入とは?
  2. 目止めに失敗した場合は
  3. 片付ける際はよく乾燥させる
  4. 柔らかいスポンジで洗う
  5. 急激な温度変化を避ける
  6. 目止め不要の土鍋もある?

習慣にしてしまえば難しくありませんので、長持ちさせるために実践してみてください。
お手入れをしながら、長く使っていくと、愛着もわいてくるでしょう。

目止め以外にも!土鍋のポイント1:ひび割れのような貫入とは?

「貫入」は素地と釉(うわぐすり)の膨張率の差などによって、陶磁器の釉に細かいひびが入った状態とされています。
土鍋などは、素地である粘度とその表面に釉と呼ばれる薄い層で装飾を加えます。

土鍋を形成し、焼き上げや乾燥を行う過程で、この素地と釉の間の膨張率に差が生じて貫入が起こります。

目止め以外にも!土鍋のポイント2:目止めに失敗した場合は

目止めで起こりがちな失敗の原因は、目止めの際の火加減の強さと加熱のしすぎによるものです。
目止めの材料は、デンプンを含むために粘りがあり、材料がくっつきやすいのでなおさら注意が必要です。

土鍋の種類によって、大きさや底面の厚みも異なるので、水分量に注意しながらなるべく弱火で材料がくっつかないようにしましょう。
目止めに使う材料と水も、しっかり混ぜ合わせることが大切です。

目止め以外にも!土鍋のポイント3:片付ける際はよく乾燥させる

土鍋はしっかり乾燥をさせます。
土鍋の主な材料である粘土は吸水性が高いので、表面上は乾いたように見えても水分が残っています。

粘土内に水分を含んでいる可能性があります。
風通しのよい場所に置き、しっかりと乾かしましょう。

目止め以外にも!土鍋のポイント4:柔らかいスポンジで洗う

土鍋に傷がついてしまうと、大きなひびにつながってしまいます。
たわしなどで強く擦り洗いと避け、柔らかいスポンジなどを使ってやさしく洗います。

その際、あらかじめ汚れが落ちやすいように、水につけ置きしておくと、比較的簡単に洗うことができます。

焦げ付きには重曹がおすすめ

万が一、大事な土鍋を焦がしてしまった場合、重曹を使うと焦げ付きを落とすことができます。
焦げ付きやこびりつきを落とすには、じっくりと時間をかけて落とします。

決して無理やり擦り洗いをしないことが大切です。
大切な土鍋に傷がついてしまい、ひび割れの原因につながりやすくなります。

重曹を用意します。
焦げてしまった土鍋に、重曹を加えて水とよく混ぜます。

できれば、一晩そのままの状態で放置しましょう。
焦げ付きの部分が重曹の力で浮かび上がり、汚れが落ちやすくなります。

目止め以外にも!土鍋のポイント5:急激な温度変化を避ける

土鍋は急激な温度変化に弱く、いきなり強火にしてしまうと、破損してしまったり、ひびができてしまいます。

土鍋は余熱調理ができてしまうほど、熱を保つ性質に優れています。
目止めの場合は、特に弱火でゆっくり熱を伝えて、土鍋全体に熱を伝えるようにしましょう。

目止め以外にも!土鍋のポイント6:目止め不要の土鍋もある?

目止めをしながら、長年お気に入りの土鍋と付き合っていく楽しさもありますが、今すぐに使いたい、目止めなしで気楽に使いたい場合に、目止め不要の土鍋もあります。
目止め不要の土鍋として代表的なのは、表面をセラミック加工されたものです。

土鍋特有の貫入などのひびもなく、ガスやIHのどちらでも使用できます。
表面がつるんとしていて、汚れも付着しづらく、お手入れがしやすいのも特徴です。

<下に続く>

土鍋の目止めをする方法を知ろう

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目止めは、思っていたよりも簡単な工程で、自宅にあるもので誰でもできます。
丁寧にお手入れをしながら、長く使える調理器具です。

肌寒い日には、家族で鍋料理を囲んでみたり、日々のお米をじっくり炊いてみたりと様々な料理を楽しむことができ、お手入れもとても簡単です。
ポイントは使用前に必ず行うことと、使用しながら定期的な目止めを意識してください。

長く使っていくために、正しい目止めの方法を覚えて、毎日の料理に土鍋を活用してみましょう。

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