そもそも裾上げとは?裾上げの基礎知識
そもそも裾上げとは?
既製品のズボンやスカートの殆どは裾が長くできているので、裾上げをしないと歩きづらいものです。
スカートやズボンの裾を縫うことで丈を短く詰め履きやすく、見た目にもキレイに整える目的で裾上げが必要となります。
ウエストの位置を決めてから採寸するようにしましょう。
男性は基本的に腰骨の位置、女性はおへそのあたりが目安とされてます。
最近は男女とも腰で履くデザインも多く、パンツやスカートごとに合わせます。
靴を履くなど、実際に履く状態で採寸しましょう。
スラックスやジーンズなどパンツの裾上げは実際に履く状態(靴を履いたなど)で、外側に折って長さを決めます。
この時に余分な長さを測っておいてもよいのですが、一旦待ち針かクリップで2カ所くらい留めておいた方がわかりやすいでしょう。
裾上げの種類と特徴
裾上げは主に5種類の方法があり、更に縫い方で違いが細分化されています。
スーツのズボンやスラックス、シングルとダブル、ジーンズなどそれぞれの裾上げ方法があり出来上がりも違うので、どのような特徴があるのか見ていきましょう。
- たたきで裾上げするやり方
- シングルで裾上げするやり方
- ダブルで裾上げするやり方
- チェーンステッチで裾上げするやり方(ジーンズやデニムスカートなど)
- ジーンズ貼り付け加工で裾上げするやり方
たたきで裾上げするやり方
一番簡単な裾上げ方法で、余分な部分をカットし生地の端が中に入るよう2回折りたたんで縫い上げる方法です。
特徴は誰にでもやりやすいことです。
シングルで裾上げするやり方
布端をロックミシンや、普通のミシンでジグザグ縫いして端処理をし、一つ折りにして表側に目立たないよう千鳥ぬいやまつり縫いで縫い留めるやり方です。
特徴は表側に縫い目が目立たないので、ビジネススーツ、フォーマルスーツに向いています。
ダブルで裾上げするやり方
ダブルやスリーピーススーツ、ズボン(パンツ)を少し短めに履きたい場合など、裾に3.5~4cmの折り返しのあるデザインにするやり方です。
日本ではフォーマルには適さないので、主にファッションデザインの一環として取り入れられます。
チェーンステッチで裾上げするやり方(ジーンズやデニムスカートなど)
基本は①のたたきで裾上げする方法と同じで三つ折りにして縫うのですが、縫い目をミシンのチェーンテッチで仕上げるやり方です。
特徴はしっかりと縫いつけられるのでジーンズやデニムスカートなどの裾上げに向いてます。
ジーンズ貼り付け加工で裾上げするやり方
カットしてそのまま裾上げしてしまうと折り曲げたところが真新しい生地になり不自然になることから嫌う人もおり、こういった不自然さを無くすためのやり方で、裾のダメージ部分をステッチギリギリのところに縫い付けます。
特徴はジーンズの裾に長年履いてできた自然なダメージやアタリを残せることです。
これだけ揃えば裾上げができるマストグッズ
最近は購入したその場での裾上げを受け付けているお店も多くなってきて便利になりました。
しかし混んでいたりすると数時間待ちや、後日受け取りに行くなど、何度も足を運ばねばならないことから面倒で自分で裾上げする人も多いそう。
昨今は100均でも色々なグッズが手に入るので、自分で洋道具を揃えてもいいですね。
そこで自分で裾上げするにはどのような道具が必要なのか、一緒に見ていきましょう。
裾上げに必要な道具
- 定規やものさし(厚紙などでも代用可)
- チャコペン(布用のペンなど)
- ハサミ(大き目の方が切りやすい)
- アイロン
- 待ち針(仮留め用、クリップでもOK)
- 縫い針(生地の厚みを考慮したものが望ましい)
- 糸(木綿や絹など、生地に合わせた物が望ましい)
- ミシン(デニムなどを縫うのに便利です)
これだけ揃っていれば裾上げするだけ!早速チャレンジしてみましょう。
裾上げの基本的なやり方
こちらでは基本的な裾上げ手順を動画で見ていきましょう。
わからなくなったら一時停止して確認してから次に進んでくださいね。
スラックスやスキニーパンツや先が細くなってるデザインのパンツは、ヘム部分(折り返す部分)の布端から一度目の折り返し部分までのサイドの縫い目をほどき太さを調節するときれいに折りたためます。
逆にガウチョパンツのように先が広いタイプは一度目の折り返しの後に、脇の縫い目部分に余分な生地を集めて脇を縫い直すときれいに仕上がります。
簡単な手縫いの裾上げやり方3選
裾上げしたいズボンやスカートの裾の長さを決めておきます。
布の端処理がしてあれば一つ折り、していなければ三つ折りにして縫い留めます。
こちらでは手縫いでできる簡単な裾上げ方法を3つご紹介します。
- まつり縫い
- 千鳥縫い(ジグザグ縫い)
- なみ縫いや返し縫い
続いて、それぞれの商品の特徴を詳しくみていきます。
手縫い裾上げの方法①:まつり縫い
中表にした状態でヘムを折り、針に糸を通して玉結びをし、折り山の裏から表へ針を刺して引き抜きます。
表側になる部分の布の糸一本だけをすくうように糸を通していき、表側に糸がほんの少し見えている程度になっていればOK。
表側からは点のような縫い目になっているはずです。
手縫い裾上げの方法②:千鳥縫い
縫い目がジグザグして見える千鳥縫いは①のまつり縫いよりも丈夫なので覚えておくと良いでしょう。
①と同じように裏側から針を引き出します。
表に出る布も裏に出る布もすくいながら縫っていきます。
手縫い裾上げの方法③:なみ縫いや返し縫い
一番基本的な縫い方でまっすぐ縫っていくだけです。
間隔を広くすると強度が悪くなるので、3mm程度の縫い目になるようにすると良いでしょう。
返し縫いは一回縫って戻って縫っての繰り返しになるので、表から見るとまっすぐの縫い目になっていればOKです。
簡単な裾上げ5選【ミシン編】
デニムなど厚みのあるものをミシンで縫う時に困るのが針折れやミシンが止まってしまうことです。
そこで押さえ金を平行に保ち、送りをスムーズにするちょっとしたアイデアをSNSで発見!
100均でも手に入るスチレンボードや厚紙を重ねた物を使い、身近にあるもので簡単にできるので、ぜひ試してみてください。
では、ミシンでの簡単な裾上げ方法をご紹介します。
- たたきで縫う方法
- 布の端処理
- まつり縫いで縫う方法
- 靴擦れ布を付ける
- ジーンズを縫う
続いて、それぞれの商品の特徴を詳しくみていきます。
ミシン裾上げの方法①:たたきで縫う方法
ヘム以外の布はカットしておきます。
三つ折りにして、最初に折りたたんだ位置から3〜4ミリくらいのところをぐるりと縫います。
ミシン裾上げの方法⓶:布の端処理
シングルで折り返す場合、布の端処理を行う必要があります。
ロックミシンをかけておくか、普通のミシンの場合は端処理機能やジグザグ縫いしておきます。
ミシン裾上げの方法③:まつり縫い機能で縫う方法
一つ折りしてまつり縫い機能で縫い進めていきます。(説明書通りに行ってください)
ミシン裾上げの方法④:靴擦れ布を付ける
画像は動画になっているので参考になさってみてください。
靴擦れ布があると、靴で擦れて裾が破れずらくなるので、できればここで付けておきましょう。
靴擦れ布はカットした端切れで先に作っておきます。
ミシン裾上げの方法⑤:ジーンズを縫う
前述の裾上げの種類と特徴で触れた、縫い目をミシンのチェーンテッチで仕上げます。
ジーンズは「アタリ出し加工」という、裾に長年履いてできた自然なダメージやアタリを残る縫い方です。
ジーンズの場合は縮んでいくことを考慮して少し余裕を持って採寸するか、できれば裾上げする前に1~2度水通ししてから裾上げした方が誤差が少なく仕上げられます。
簡単な裾上げ5選【テープ・接着剤編】
最近ではミシンどころか針さえも使わずに裾上げができる裁縫便利グッズが販売されているので5つご紹介します。
では、裾上げが簡単にできる方法を5つ紹介していきます。
- 片面すそ上げテープを使った裾上げのやり方
- 布用両面すそ上げテープを使った裾上げのやり方
- ストレッチ素材を使ったジャージの裾上げのやり方
- 接着シート付き両面テープタイプで裾上げするやり方
- 布用接着剤で裾上げするやり方
続いて、それぞれの商品の特徴を詳しくみていきます。
テープ・接着剤の裾上げの方法①:片面すそ上げテープを使った裾上げのやり方
スラックスの裾を折り返し、布と布を上からテープで貼り付けて使う片面タイプです。
貼り付ける時に水に浸し、裾を見ながらアイロンで貼りつけできるので、不器用なさんでも簡単にできます。
テープ・接着剤の裾上げの方法②:布用両面すそ上げテープを使った裾上げのやり方
こちらの両面テープタイプは、折り返した布と生地の内側の布の間にテープを入れて、貼り付けるタイプです。
①のように水に浸さなくてもアイロンだけ貼り付けられますが、テープの状態が見えないので、片面よりはやや難易度が上がります。
テープ・接着剤の裾上げの方法③:ストレッチ素材を使ったジャージの裾上げのやり方
子供のジャージや最近多いストレッチジーンズの裾上げにはストレッチ素材の裾上げテープがおすすめです。
ストレッチ製ではない物を使うとはがれやすくなるので、こういった製品を使った方が耐久性もありカラーも色々あるので便利です。
テープ・接着剤の裾上げの方法④:接着シート付き両面テープタイプで裾上げするやり方
⓶で紹介した両面すそ上げテープより接着力が強く、生地が厚手のものにおすすめです。
コーデュロイ素材やウール、ツイードなど冬物にはこちらのテープの方が接着力があります。
テープ・接着剤の裾上げの方法⑤:布用接着剤で裾上げするやり方
テープを合わせたり、裁縫苦手な方におすすめなのが裁縫用接着剤です。
裾上げしたい部分に接着剤を塗り、アイロンで熱を加えて貼り付けるだけなのでおすすめです。
また1本持っていると、取り急ぎ他の補修にも使えます。
おすすめの洋服お直し本
パンツのすそ上げのやり方、ひかっけてしまってできたセーターのほつれなど、ちょっとしたお直しからスカートのウエスト直し、シャツのリメイク方法など手順など、写真付きでわかりやすく解説してくれてます。
ミシンを使わず全て手縫いでできるので、バイブル的に使える一冊となってます。
裾上げのやり方を覚えるておくと便利
せかっくセールで手に入れたズボンやパンツも裾上げ料金の方が高くなるのでは…といったことにもなりかねません。
裾上げのやり方を覚えておくと自分でできますし、ちょっとした補修もできるようになるので便利です。
手縫い、ミシン、色々な種類の接着剤やテープを使うなど多様な裾上げのやり方があるので試してみてくださいね。