ふきのとうとふきは別物?
ふき、ふきのとうは同じ言葉が入っていることからも想像がつきますが、もともと同じものです。
簡単に言えば、ふきのとうは「蕾」、ふきは「葉柄」です。
ふきのとうって茎じゃないの、と思った方。
ふきのとうは茎ではありません。
葉っぱと茎をつなぐ部分のことを葉柄といい、そこをふきとして私たちは食べています。
ちなみにふきのとうのことを、東北では「ばっけ」といい、ばっけ味噌という料理があります。
これはある小説や映画でも紹介されていたので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
ふきの下処理の方法
ふきは美味しいものですが、雑味が多いのも事実で、きちんと処理が必要です。
ここでは適切な処理の方法を紹介しますね。
用意する材料は以下の通りです。
- ふき
- 塩
まずは、ふきを鍋に入るサイズにカットします。
このとき、あまり小さくカットしないほうが、後の皮むきが楽になりますよ。
次に、まな板で板ズリをして、たっぷりのお湯で3~5分程度、湯がいて氷水で冷やします。
冷えたものからふきの皮を剥いていきます。
ふきの端を少し剥いたら、一周分くるっと掴み下に引き下ろします。
これで皮を一気に剥くことができますよ。
剥いたものは水にさらしておいてくださいね。
もし余裕があれば、一晩水にさらしておくと、えぐみが抑えることができますよ。
詳しい作り方はこちらのサイトをご覧ください。
ふきは冷蔵・冷凍・塩漬け・ビン詰で保存が可能!
ふきの下処理が終わりましたら、もうひと手間。
茹でたふきは、きちんと保存しましょう。
- 冷蔵
- 冷凍
- 塩漬け
- ビン詰め
ふきの保存方法①:冷蔵
1つ目の保存方法は、一番簡単な冷蔵です。
まずは、この方法が手っ取り早いと言えますね。
茹でて皮を剥いたふきは、水を張ったタッパー等に入れて保存してください。
水は定期的に交換してくださいね。
ただし、この保存方法はあまり、品質が保てません。
この保存方法では4~5日程度が限度です。
そのため冷蔵の保存は、近々使える量に留めておいてくださいね。
ふきの保存方法②:冷凍
2つ目の方法は、冷凍する保存方法です。
この冷凍保存方法は、下茹でするところから始まります。
下茹でするときに、少し短めに茹でます。
概ね1分から2分程度、基本の下茹で時間より短く行いましょう。
粗熱を取ったふきは、数本ずつまとめてラップに包みます。
更にジップロック等の袋に入れて、冷凍してください。
この保存方法では、1ヶ月程度の賞味期限となります。
長持ちするのは嬉しいですね。
また使うときは、解凍作業は不要です。
そのまま料理に使うことができるのも嬉しいですね。
ただしデメリットな点として、ふきの食感がなくなってしまいます。
ふきの食感を楽しみたい方には残念ですが、長期保存できるのは魅力ですね。
なお可能であれば、金属トレイにおいて急速冷凍することで、少し食感が無くなるのを抑えることができますよ。
ふきの保存方法③:塩漬け
3つ目は、塩漬けによる長期保存です。
この保存方法は、冷凍より長期で保存できますが、少し大変かもしれません。
まずは用意する塩漬け樽を用意し、塩を綺麗に敷き詰めます。
そこへ下茹でしたふきを並べます。
ふきの上に塩をまき、またふきを敷き詰めます。
これをふきがなくなるまで繰り返し、ふたと重石を乗せます。
重石はふきの2倍以上の重さがあるものを用意してくださいね。
この保存方法で、1年程度の長期保存が可能になります。
この保存方法のデメリットは、ふきを使うためには塩抜き作業が必要になる点です。
ふきを使いたい3時間程度前から、塩抜き作業が必要になりますので、料理する時間から逆算して用意してくださいね。
塩抜き作業は、薄い塩水につけて徐々に塩を抜いていきます。
この作業を3回程、繰り返せば塩抜き完了です。
ふきの保存方法④:ビン詰め
4つ目の保存方法は、ビン詰めになります。
お手製で、長期保存できるように処理をしていきますよ。
まずきちんとふたが閉まるビンを用意してください。
下茹でを行ったふきを、ビンにちょうど入るサイズにカットしお水と一緒に入れます。
お水はひたひたになるまで、入れて軽くふたを閉めます。
ビンは鍋にお湯とともに入れて、沸騰してから30分程度煮込みます。
そこで一旦、ビンを取り出し、きちんとふたを閉めます。
さらに30分程度、煮込んでから逆さにして冷ませば完成です。
あとは冷暗所で保存すれば、1年程度保存ができますよ。
ただしビンを一度、開封したら5日程度で食べきってくださいね。
ふきの保存食レシピ5選
ふきを使った料理、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか。
ここではふきの長期保存したものを使ったレシピを紹介します。
- ふきとごぼうの炒め煮
- ふきのきんぴら
- ふきと筍の煮物
- ふきとニンジンのピリ辛煮
- ふきの炊き込みご飯
ふきの保存食レシピ①:ふきとごぼうの炒め煮
1つ目に紹介する保存食レシピは、ふきとごぼうの炒め煮になります。
めんつゆを使って手軽に味を決めるので、失敗が少なく済みますよ。
材料は以下の通りです。
- ふき水煮 300g
- ごぼう 1本
- ごま油 小さじ2
- 砂糖 小さじ1
- めんつゆ(2倍濃縮) 大さじ3
- しょう油 大さじ1
まずはごぼうの皮を剥き、3㎝の細切りにします。
ふきも同じように3㎝にカットしてくださいね。
フライパンにごま油を熱し、ごぼうから炒めていきます。
軽く炒め、焼き色がついたらふきを加えます。
少し炒めてから砂糖を入れ、めんつゆとしょう油を加えさらに炒め含めます。
水分がなくなれば、完成です!
詳しい作り方はこちらのサイトをご覧ください。
ふきの保存食レシピ②:ふきのきんぴら
2つ目に紹介する保存食レシピは、ふきのきんぴらです。
味がしっかりしているので、お弁当等、冷めていても美味しいですよ。
- ふき 3本
- 赤唐辛子 1/2本
- すり胡麻 大さじ1
- 醤油 大さじ1
- 蜂蜜 小さじ1
- 油 大さじ1/2
まずふきは、下処理をしておきます。
下茹でまで、基本の通りに行ってくださいね。
あらかじめ赤唐辛子は、ハサミで輪切りにして準備しておいてくださいね。
種は、口当たりが悪くなるので取り除くことをおススメします。
あとはフライパンを温めて、サラダ油でふきと赤唐辛子を炒めます。
ある程度炒めたら、調味料とすり胡麻を入れて煮汁が無くなれば完成です!
詳しい作り方はこちらのサイトをご覧ください。
ふきの保存食レシピ③:ふきと筍の煮物
3つ目に紹介する保存食レシピは、ふきと筍の煮物です。
春の風物詩のふきと筍を組み合わせた、春らしいレシピですね。
材料は以下の通りです。
- 水ふき長いもの 2本
- 竹の子(茹で) 1/2本
- だし 2カップ
- 薄口醤油 大さじ2
- 砂糖・みりん 各大さじ1
- 塩 2つまみ
まず、ふきを下茹でしますが、茹で時間は2分程度の短めにします。
後ほど炊き合わせていきますので、ここでは短めにしておいてくださいね。
皮を剥き、水にさらしてから5㎝程度に切りそろえます。
筍も食べやすい大きさにカットしておきます。
だし等のすべての材料を鍋に入れて、ふきと筍も加え煮込みます。
弱火で10分程度煮詰めてから、そのまま冷まします。
この冷ます作業で味がしみこみますので、きちんと冷ましてくださいね。
詳しい作り方はこちらのサイトをご覧ください。
ふきの保存食レシピ④:ふきとニンジンのピリ辛煮
4つ目に紹介する保存食レシピは、ふきとニンジンのピリ辛煮です。
甘辛味でお酒にもあうので、おつまみにもぴったりですよ。
材料は以下の通りです。
- フキ 200g
- にんじん 小1/2本
- サラダ油 小さじ1
- 赤唐辛子(輪切り) 1本
- だし汁 100cc
- 砂糖 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 酒 大さじ1
- 薄口しょうゆ 大さじ1と1/2
- 酢 小さじ1~
- ごま油 小さじ1
- 炒り白ゴマ 適宜
下処理を済まいせたふきとニンジンを4~5㎝程度の長さにカットします。
フライパンにサラダ油を熱して、ふき、にんじん、赤唐辛子を入れて炒めます。
油が回ったら、酢以外の調味料を入れて、中火で10分程度煮詰めます。
煮汁が無くなったら、酢をさっと入れて軽く火を加えたら白ごまを加えて完成です!
詳しい作り方はこちらのサイトをご覧ください。
ふきの保存食レシピ⑤:ふきの炊き込みご飯
5つ目に紹介する保存食レシピは、ふきの炊き込みご飯です。
簡単にできるのに、お子さんでも美味しくふきを食べることができますよ。
材料は以下の通りです。
- 米 3合
- ふき 350~400g
- 油揚げ 1枚
- だし用昆布(10×15cm程度) 1枚
- 塩(ふきの下ごしらえ用) 大さじ1
- 砂糖 大さじ3
- 酒 大さじ3
- しょうゆ 大さじ3
- 顆粒だしの素 小さじ1/4
ふきは下処理をし、1㎝程度の小口切りにします。
水と調味料を鍋で沸騰させたら、ふきを加えて5分ほど、煮込みます。
油揚げは油抜きし、昆布は表面を拭いてから切り込みを入れてだしを出やすくしておきます。
炊飯器に3号分の洗ったお米と油揚げ、昆布を入れて、ふきの煮汁のみを加えます。
この段階で、3号分のメモリに達するまで水を加えていきます。
ご飯が炊きあがったら、ふきを入れて、5分ほど蒸らせば完成です!
詳しい作り方はこちらのサイトをご覧ください。
ふきのとうはどうやって保存したらいい?
ふきの保存方法をご紹介しましたが、ふきのとうはどのように保存したらいのでしょうか。
もしふきをすぐに使うようであれば、野菜室での保存が可能です。
新聞紙を水で濡らして、ふきのとうを包み、袋に入れてから冷蔵してくださいね。
ただこの保存方法では3日程度が限度となりますので、それ以上の期間保存する場合は、きちんと処理をしましょう。
ふき味噌に加工することで保存することもできますが、冷凍保存も可能です。
まずふきのとうの汚れを綺麗に取り除き、沸騰させたお湯に入れます。
ふきのとうを色鮮やかになったら、冷水にさらして置き水気をふき取ります。
あとは小分けして、ラップに包んで冷凍することができます。
冷凍保存では2ヶ月程、保存可能ですよ。
ふきのとうの保存食レシピ4選
ほろ苦いふきのとうですが、美味しく食べるレシピはどのようなものがあるでしょうか。
ふきのとうの食べ方、定番の物からちょっと変わったレシピまでご紹介します。
- ふき味噌
- ふきの青海苔天ぷら
- ふきのとうのグラタン
- ふきのピクルス
ふきのとうの保存食レシピ①:ふき味噌
1つ目に紹介する保存食レシピは、ふき味噌になります。
ふきのとうの定番料理とも言えますね。
きちんと火を通せば、長く保存できますよ。
材料は以下の通りです。
- ふきのとう 120g(15個くらい)
- 味噌 180g
- みりん 大さじ3
- サラダ油 大さじ1
まず熱湯に塩を少々加えて、ふきのとうをさっと茹でます。
ざるにあげて、触れるまで冷ましておきます。
細かく刻んだら、油を熱した鍋で軽く炒めていきますよ。
味噌とみりんをあわせておいたものを、さらに加えて火を通せば完成です!
詳しい作り方はこちらのサイトをご覧ください。
ふきのとうの保存食レシピ②:ふきの青海苔天ぷら
2つ目に紹介する保存食レシピは、ふきの青海苔天ぷらです。
ふき味噌と並んで定番の料理ですね。
材料は以下の通りです。
- ふきのとう 10個
- 天ぷら粉 50グラム+少々
- 青海苔 少々
- 冷水 100cc
- サラダ油 適量
- 塩 少々
まずふきのとうを良く洗い、汚れを落としておきます。
もし固く閉じているものがあれば、火の通りを良くするために少し開いておいてくださいね。
てんぷら粉にお水、青海苔を入れて混ぜ合わせます。
ふきのとうに軽くからめて、サラダ油でカラッと揚げていきます。
アツアツのうちに、塩を少し降って食べてくださいね。
詳しい作り方はこちらのサイトをご覧ください。
ふきのとうの保存食レシピ③:ふきのとうのグラタン
3つ目に紹介する保存食レシピは、ふきのとうのグラタンです。
和の食材であるふきのとうで洋食の定番、グラタンはいかがでしょうか。
材料は以下の通りです。
- オリーブオイル 大さじ2
- バター 5g
- 小麦粉 大さじ1
- 鶏モモ肉 120g
- 牛乳 160cc
- ベイリーフ 1枚
- マカロニ 80g
- フキノトウ 適宜
- シメジ 半パック
- パルメジャーノ 大さじ2
- Pizza用チーズ 適宜
オリーブオイルとバターを溶かしたものに、小麦粉を加えてきつね色になるまで炒めます。
その間に、別鍋でパスタを茹でていきます。
オリーブオイルへ鶏肉を入れて、表面が焼けたら牛乳とベイリーフを加えて、混ぜ合わせます。
さらに茹でたパスタ、シメジ、ふきのとうを加えて、再度混ぜ合わせておいてくださいね。
あとは耐熱皿に入れて、ピザ用チーズをのせて焦げ目がつくまで焼けば完成です!
詳しい作り方はこちらのサイトをご覧ください。
ふきのとうの保存食レシピ④:ふきのピクルス
4つ目に紹介する保存食レシピは、ふきのピクルスです。
これは保存食にもなり、冷蔵庫にさえ入れれば、1年程度保存可能ですよ。
材料は以下の通りです。
- 蕗の薹(ふきのとう) 20~30個
- 酢 250cc
- 水 100cc
- 鷹の爪 1本
- ローリエ 1枚
- 砂糖大さじ 3杯
- 塩小さじ 1/2杯
- 胡椒 少々
ふきのとうは、きれいに洗い、茹でてあく抜きしておきます。
冷水で冷やしたら、ふきのとうを保存できる瓶に入れます。
調味料を全部、鍋に入れて温めますが、沸騰はしないでくださいね。
温めたものをビンに入れて、きちんとふたを閉めて冷めれば完成です!
詳しい作り方はこちらのサイトをご覧ください。
おすすめの山菜レシピ本
春は美味しい食材がふきやふきのとう以外にも多くありますよね。
どの食材も美味しいものですが、苦味が多いものも多く、お子さんでも食べられるように処理するのは大変ですよね。
そんな時は、この1冊があればどの食材も美味しく料理できますよ。
料理もランチメニューだけでなく、すぐに完成するおつまみまでレシピが豊富に掲載しています。
さらに少し余ってしまった野菜でできる料理まで掲載されているのは、嬉しいポイントですね。
この1冊で、美味しく春食材を味わってみてはいかがでしょうか。
ふきは美味しく保存を
ふきは四季を感じることができる、美味な食材の1つです。
ただあまり日持ちしないため、適切な処理をすることが必要です。
その処理方法は、とても簡単でどなたでもできる方法が多くあります。
料理のレシピも和食だけでなく、洋食でも美味しいですよ。
ぜひ、いろいろな保存方法を活用して、美味しくふきを召し上がってくださいね。