ウッドバーニングとは
ウッドバーニングとは、木を熱で焼き焦がしながら絵を書く技法のことです。
なんだか難しそうなんですが、実は初心者でも気軽にはじめることができるDIYとして人気なんです。
パイログラフィと言われることもありますが、パイロ=Pyro=火、グラフィ=graphy=絵という感じの意味で、日本語で言うと『焼き絵』とか『焦がし絵』という感じですね。
何色も色を揃えないとできない絵画や刺繍や編み物などと違って、ウッドバーニングの道具は最低1つあればできます。
ナチュラル雑貨風な仕上がりも素敵で、初心者でも高めの達成感が持てるのも魅力です。
見守るコツを押さえると、子どもと一緒にチャレンジすることもできるんですよ。
ウッドバーニングに使える素材
素材から全てDIYするわけではないので、完成している物に焼いて絵を描くだけでできるのがウッドバーニングです。
どんな素材がウッドバーニングに適しているかというと、下の3つになります。
- 木
- 革(レザー)
- コルク
3つの素材について見てみましょう。
素材①: 木
ウッドバーニングに一番良いのがウッド=木です。
木製のものとして、トレーやサラダボウル、ボタンやカトラリーなど、100均で手軽に入手可能なのも魅力です。
焦がす時間を調節すると茶色の濃淡で絵を描くこともできます。
飽きてしまった木のおもちゃや古くなった木製の椅子やトレーなどストックがありませんか。
今は使っていない木製のものをリニューアルする感覚でプチ絵をウッドバーニングしたり、子どもと一緒に練習用に使ったりすることもできます。
素材②: 革(レザー)
レザーもウッドバーニングに適した素材ですが、木材で慣れてからの方が良いでしょう。
焦がして絵を描くので失敗すると補正が難しいイラストや絵もあります。
レザーに書く時は、素材の価格も安くはないですから、木材でウッドバーニングに慣れてからやってみてください。
素材③: コルク
コルクはウッドバーニングできる素材です。
コルクと言えばのワインの栓に刻印されているもの、今はインクのこともありますが、かつては焼き印でした。
やり方は違いますが、漕がして絵柄を付けるところはウッドバーニングと一緒です。
コルクは100均でも販売されているので、入手しやすい素材の1つ。
すでにキッチンにプリントや写真を貼るコルクボードがあれば、隅っこにウッドバーニングを練習してみても。
失敗してしまったら丸くウッドバーニングしてつぶしてプリントで隠せば、家族に見られる心配もありません。
ウッドバーニングに必要な道具
ウッドバーニングに絶対に必要な道具があります。
- 電熱ペン
こちらはマストアイテムです。
ハッコーのマイペンというものが、ウッドバーニング市場では主流です。
電熱ペンの代用として、
- はんだごて
を使うこともできます。
自宅にすでにはんだごてがある人は、コルクボードや使わなくなった積み木などで試してみて、ウッドバーニング熱が上がったらハッコーのマイペンを揃えるという流れでも良いかもしれませんね。
- 電熱ペン(はんだごてで代用できる)
- ペン先(電熱ペンの先を選ぶと太さなど変わる)
- 下絵用紙(裏紙でもOK)
- カーボン紙(下絵を移し書き用)
- 筆記用具(下絵用)
- ものさし・チャコペンなど(必要ならば)
細かい物を合わせると何種類か必要です。
初回には、ペン先を温めて星型やハートマークなど簡単なデザインを使わなくなった積み木の端にやってみても良いですね。
ウッドバーニングの作り方
ウッドバーニングのプチ練習が終わって本格的にデザインやイラストを入れてみようとなりましたら、こちらの手順で作ってみてください。
ウッドバーニングの作り方はこちらです。
- 道具をすべて揃える
- 下書きする
- 電熱ペンを熱する
- 焼き付け
くわしく作り方の手順を見てゆきましょう。
手順①: 道具をすべて揃える
ウッドバーニングに必要な道具を揃えましょう。
緻密なデザインでも簡単なデザインでも、最初はカーボン紙で移した方がうまくいきます。
直接書き込む派の人は、鉛筆で書いても消せますがチャコペンなら後で消しやすいです。
- 電熱ペン(はんだごて)
- 下絵(直接書くならチャコペンも)
- カーボン紙
- 素材(木材やレザーやコルクなどの製品)
ウッドバーニングは焦がす技法なので、燃えやすいものはテーブルの上から片付けましょう。
材料によっては換気が必要なこともあります。
手順②: 下書きする
ウッドバーニングをする素材に合わせた下絵を描きます。
幾何学模様などの直線系デザインなら、モノサシを使って素材に直接鉛筆で線をひいた方が良いですね。
イラストや何かのキャラを移したい時は、トレーシングペーパーで移したものを下絵とすることもできます。
下絵を描いたら、カーボン紙を下に敷いて素材に移しましょう。
スプーンなど曲がっているものへ下絵を移すのが難しいことがあります。
カーボン紙で移した後で気になるラインは書き足したり消したりしてみてください。
最初は単純な線のものや書きやすいものからスタートすると達成感もあり続けることができそうです。
手順③: 電熱ペンを熱する
電熱ペンを熱します。
電源を入れて熱してゆくのですが、ヘアアイロンやアイロンなどと同じで高熱になりますので、取り扱いには十分注意しましょう。
手順④: 焼き付け
十分な温度になった電熱ペンやはんだごてを使って焼き付けてゆきます。
下絵を描いている時は、その線を電熱ペンでなぞりましょう。
あまり力を入れすぎると、ペン先が素材に入ってしまって線をうまく描くことができません。
ほどほどの圧力、焼け具合などを見ながら焼き付けましょう。
ウッドバーニングのコツと注意点
ウッドバーニングは単純な手順ではじめられるDIYです。
親子で挑戦してみるのもおすすめですが、注意点やコツがあります。
- やけどに注意
- 素材によっては有毒ガスが発生するので注意
- 慣れないうちは木を使う
- 表面がなめらかで節目がなく、ある程度硬い木を選ぶ
- きれいな線を引くには一定の速度と力で
5つのコツと注意点について、詳しく見てゆきましょう。
①:やけどに注意
ハッコー マイペンは温度調節可能な電熱ペンでその温度は200~450℃。
通電して温度を上げている途中でもかなり熱いことが分かります。
沸けばブクブクする水のような目に見える変化はありません。
思わず触ってしまった、びっくりして手を放したら隣の子の腕に当たった、など子どもの行動は予測不可能です。
ウッドバーニングをはじめる前に、ペン先の熱について子ども達にも十分に説明してから始めましょう。
ペン先の交換時の火傷にもご注意ください。
取扱説明書に従って、火傷に注意してウッドバーニングを楽しみましょう。
②:素材によっては有毒ガスが発生するので注意
ウッドバーニングと相性が良い素材の木・皮・コルクとそれぞれは加工されて店頭で販売されていることもあります。
特殊なニスやコーティングがされている場合もあるということです。
熱することでコーティングも焼けて、特殊な臭いが発生することもありますので換気しましょう。
樹脂によっては有毒ガスが発生することもあるので、ウッドバーニング中に煙など吸入しないようご注意ください。
③:慣れないうちは木を使う
ウッドバーニングするなら木・皮・コルクと材質を選ぶことができますが、慣れない間は木でやってみましょう。
コルクや皮は薄くて柔らかい素材なので、焼き付ける時のペン先運びにコツが必要です。
練習用にわざわざ木材を買う前に家の中を探してみてください。
慣れない間の練習は、家の中にある使わなくなった積み木やトレーや板などで十分でしょう。
ウッドバーニング練習用に木材を買う場合は、たくさん練習できる裏表両面使える木材があると便利ですね。
練習だし家で使うものだし失敗しても大丈夫という人は木材のトレーやボックスなど見てみましょう。
④:表面がなめらかで節目がなく、ある程度硬い木を選ぶ
ウッドバーニングに向く木材を見分けるための3つの目安が下です。
- 硬さがある
- 木の節目がない
- 白いもの
柔らかい木だと電熱ペンの先がめり込みやすいことがあるので固めの木が良いでしょう。
節目があったりボコボコと凹凸があったりすると電熱ペンの走りが悪くなるので、フラットな木材を選ぶと描きやすいです。
白い木材なら、ウッドバーニング初心者でもほどほどの力加減で焼き付けることができます。
焦げ目の濃淡なども白っぽい木の方が分かりやすいですね。
⑤:きれいな線を引くには一定の速度と力で
ウッドバーニングできれいな線と言われる線は、濃淡が一定で迷い無い線です。
ペン先が迷ったり止まったりすると、その止まった所で線が途切れたり色が濃くなったりします。
慣れない間は、短いピッチの線や小さなデザインで練習しましょう。
ペンの扱いに慣れてから、大きめのデザインにしたり、長い線を描いてみたりしましょう。
おすすめのウッドバーニングデザイン
小さなデザインで線や柄を描くといっても、ナチュラルかわいいアイテムを仕上げることができるんですよ。
どうせやるなら、自分で使えるものをかわいくしたいですよね。
そんな小さなウッドバーニングデザインを集めてみました。
- スプーン
- ベビーラトル
- 箸置き
- コースター
- ボタン
こちらから、小さくてかわいい5つのデザインをご紹介します。
①: スプーン
スプーンなど木製のカトラリーにウッドバーニングすると子どもも喜ぶカトラリーになります。
食事の時間が楽しくなると、たくさん食べてくれるかなという淡い期待も載せて、子どもと一緒にウッドバーニングしてみてはいかがでしょう。
カトラリーは細長いので、ウッドバーニングしない方の端を持って作業できます。
②: ベビーラトル
ベビーラトルなどベビー用の木製の小さなおもちゃに名前を入れてみるというのはいかがでしょう。
一度他の木材の端に練習をしたいですが、成功すればオンリーワンのプレゼントにもなります。
③: 箸置き
小さな箸置きにウッドバーニングすると、ナチュラルでかわいい雑貨感がアップします。
目と口だけなら下絵があればなんとか初心者でも描けそうなデザインです。
電熱ペンの先でやけどが心配ですが、トングやピンセットで持ってやれば直接ペン先と指が接することもありませんよ。
もし素材がピンセットから抜けたりした時は、あわてず電熱ペンを安全な場所に置いて、もう一度慎重にはさんで仕切り直しましょうね。
④: コースター
こちらは小さな木を輪切りにしたコースターで、よりナチュラル感があるコースターですね。
インスタグラマーさんのような流麗な英語で中央に名前を入れるには練習が必要ですが、初心者は大文字アルファベットなら描けそうです。
下絵からはみ出ても良いように、チャコペンや鉛筆など後で消せる下絵を書いておけば安心です。
⑤: ボタン
こちらのインスタ写真では、ピアスになっている小さな丸い木の素材。
木製ボタンや木製磁石にも、こんな風にウッドバーニングするとオンリーワンでかわいいアイテムができます。
初めは描きなれたものやハートや星などの描きやすいマークなどから挑戦してみると、出来上がった感もあり良いですよ。
楽しいDIYは、やった本人の達成感が大切ですから、難しいものより簡単なものからスタートしましょうね。
おすすめの100均ウッドバーニング用品
ウッドバーニングの下絵はチャコペン以外でもできますが、電熱ペンという道具を揃える必要があります。
実は電熱ペンの代用できる道具=はんだが100均でも取り扱いがあるんです。
100均で手に入るウッドバーニング用品、探せば色々とありますよ。
- はんだごて
- カーボン紙
- チャコペン
- カトラリー
- コルク
- ハンガー
- フォトフレーム
こちらでは、100均で入手できるウッドバーニング用の道具や素材について7つご紹介してゆきます。
①: はんだごて
ウッドバーニングに必ず必要な電熱ペンですが、100均のはんだごてが使えると話題です。
細かい線が描きたいとかペン先を変えたいなど慣れると色んな欲望が出てきますが、慣れるまでの練習には十分使えます。
100均ですがダイソーで500円+税です。
ハッコーのマイペンが定価6,800円なので、練習で500円+税なら親子ではじめるDIYや趣味としてお得感がありますね。
②: カーボン紙
下絵を移す時にカーボン紙で移した方が仕上がりがきれいということがあります。
ウッドバーニングは、焦がしてしまったら消せないアート。
やり直すには、新しい素材で新たに作る必要があります。
失敗してもごまかすことはできても消すことができないウッドバーニングで、緻密な線や慣れない間は100均のカーボン紙があれば下絵を移せて安心です。
③: チャコペン
素材に直接下絵を描きたい派の人にはチャコペンもおすすめです。
素材によっては見えにくいことやコーティングがチャコペンをはじくこともあります。
また、素材に染みこんでしまって消せないとか、水で流すチャコペンだと皮には向きません。
100均にあるしぜんに消えるしるし付けペンというものだと、こすると消えるというレビューもあります。
残っても良い素材の端で試し描きして消えることを確認してから使ってくださいね。
④: カトラリー
木製のスプーンやフォークやお箸、100均に取り扱いがあります。
こちらのインスタ写真では、独自に削りを加えて、形もデザインしていますね。
毎日よく使うカトラリーがかわいいと子どもも喜びます。
オンリーワンなカトラリーをプレゼントすることもできますね。
⑤: コルク
コルク製品が100均にあります。
コルクボードもありますが、コルクのコースターが何枚か入って販売されているんです。
家族のプリント掲示板的なコルクボードも良いですが、コースターだと何枚も入っていて、練習にぴったり。
来客用にも子どもの好きなキャラクターを描いて毎日使っても良いですね。
⑥: ハンガー
木製ハンガーにもウッドバーニングできます。
ただの木のハンガーがおしゃれにもかわいくもなります。
家族の名前や好きなキャラなど描くと誰のハンガーか分かって良いですし、帰宅後床に投げ飛ばされるアウターの収納意欲を高めてくれるかもしれません。
ハンガーは少し曲がっているので、フラットな木材に慣れてから挑戦してみると安心です。
⑦: フォトフレーム
100均フォトフレームは、1枚用・観音開き・3枚用・4枚用など、たくさんの種類があります。
木製のものも多く、ウッドバーニングでナチュラル雑貨に仕上げることができます。
熱したペン先が、写真面の透明素材に触れると熱変成して歪んだり割れたり使えなくなったりすることがあるので、十分注意して挑戦してみてくださいね。
ウッドバーニング作品例
だんだんとウッドバーニングに慣れてくると、ちょっと大きなものやデザイン性のあるものに挑戦してみたくなります。
どんな作品にするかと考える時間も楽しいですよね。
- パズル
- 将棋の駒
- オーナメント
- サラダボウル
- ピアス
- ボックス
- キーフック
こちらから素敵かわいいウッドバーニングの作品を見てゆきましょう。
①: パズル
こちらのインスタは、小さなお家がたくさん作っていてかわいいですね。
飾るだけでも素敵です。
こんな風に板から切り出す技術があれば、ウッドバーニングでイラストを描いたパズルにもできます。
小さな子どもへのおしゃれなプレゼントにもなりますね。
②: 将棋の駒
しぶかっこいい将棋の駒のご紹介です。
ウッドバーニングで手作りの駒が作れるんです。
将棋好きな年配の方への還暦や古希のお祝いにいかがでしょうか。
③: オーナメント
木のボール一面にこんなデザインを描いてツリーのオーナメントにしたり、ガーランド風に飾ったりするというアイデアもあります。
一つ一つのデザインが違うのも素敵ですし、同じ感じのもの大小あるとかわいいですし、うっとり眺めてしまう人も多いはず。
心惹かれる木製オーナメントもウッドバーニングでできます。
④: サラダボウル
サラダボウルをウッドバーニングすると、こんな風にかわいく表情豊かなお皿になるんですね。
濃い木材にウッドバーニングするのはちょっとコツが必要です。
ウッドバーニングのペン先を長くあてて焦がしすぎると焼けて墨になってしまいます。
弱い当て方だと薄い色しかつかないので、こんな濃い木材ではデザインがはっきり見えません。
少しウッドバーニングに慣れてきたら、濃い木材で練習して作ることができそうな作品です。
⑤: ピアス
本職の方が作ったと思われるウッドバーニングされたパーツで作られたピアス。
パーツに描くデザインでエスニックな仕上がりにできるんですね。
皮や錆っぽい金属などとも相性が良くて素敵なピアスも作れそうです。
手作りアクセサリー派も、ウッドバーニングがあれば色んなパーツが作れそうです。
⑥: ボックス
木製のボックスや小物入れにウッドバーニングすることもできます。
初めは単純なデザインや名前を入れてみたりして、慣れてきたら複雑なイラストやデザインを入れてゆくという方法もあります。
ボックスをつなげるとデザインが繋がったり、ナンバリングするとお片付けの時に迷うことなく元に戻すことできたりします。
⑦:キーフック
まな板風の木材にウッドバーニングで模様を描いて、キーフックにした作品です。
イラストの雰囲気もまな板のふわっとした曲線も素敵ですね。
白い壁にウッドバーニングの作品がとても合っていて、玄関にこんな感じのホルダーがあれば使い勝手も良く便利。
質実ともに備えた素敵なアイデアですね。
ネットで買えるおすすめのウッドバーニング用品
ウッドバーニングの方法も少し紹介されていて、模様替えのアイデアにもなる一冊です。
kindle版は2019年4月現在0円なので、ちょっと見てみたい方でkindleを持っていたらチャンスです。
インダストリアル風インテリア好きにおすすめです。
ウッドバーニングに必要な道具である電熱ペンがアマゾンで取り扱っています。
慣れてきてペン先を変えてアートを楽しみたくなったら、こちらもおすすめです。
アマゾンサイトでは、電熱ペンメーカーがいくつかヒットしますので見比べる時にも便利ですよ。
ウッドバーニングのやり方まとめ
ウッドバーニングをはじめるならダイソーのはんだからスタートしても良さそうですね。
500円からスタートできてかわいい雑貨が子どもと一緒に作れるのはプライスレス。
予算的にも気楽にはじめられるDIYですが、火傷には十分注意しましょう。
鍋敷きやお盆や積み木など身近でよく使うものを、かわいくおしゃれにデコることができるのも楽しいですね。
換気・火傷などには十分に注意して、ウッドバーニングDIYお楽しみください。