新札を用意すべきタイミング
銀行やatmから引き出したのちまだ一度も使われていないお札を新札といいますが、その新札を使用するのはどのようなタイミングがあるでしょうか。
日本の風習では、お祝い事にお金を贈る場合、前もって楽しみに準備をしていた、という意味を込めて新札を準備します。
お金を贈るお祝い事は例えば以下の4つがあります。
- 結婚式
- 出産のお祝い
- 初節句
- 入学のお祝い
シーンごとに新札が必要な理由と、必要なご祝儀袋の種類を紹介します。
新札を用意するべきタイミング①:結婚式
結婚式のご祝儀は、招待状を前もって頂き出席をするおめでたい行事になるので、窓口やatmで新札を用意して封入する必要があります。
結婚式で使うご祝儀袋は結び切りの水引きが付いているものを使い、封入する金額の百分の一くらいの値段のご祝儀袋を使用します。
金額の相場は友人、同僚であれば3万円、しんぞくであれば5~10万円程度となっています。
お札は顔の向きが表側になるように封入するのがマナーとなるので、揃えて中袋に封入します。
専用のご祝儀袋を使用するのが良いですが、どうしても自分で表書きを書く際は「ご結婚お祝」または「寿」と書くのがマナーです。
新札を用意するべきタイミング②:出産のお祝い
友人や家族の出産をお祝いするときに渡す出産祝いは、前もって知らせてもらった上でお渡しするおめでたい行事なので、銀行やatmで新札を用意する必要があります。
出産祝いの金額は身内なら1~3万円程度、ご友人や会社の同僚であれば3000円~1万円程度封入します。
出産は何度あってもおめでたいことなので祝儀袋は蝶結びのものを選びます。
表書きは「御出産祝」とするのがマナーですが、出産直後ではなく1歳くらいになったタイミングで渡す際は「御成長祝」とすると丁寧です。
新札を用意するべきタイミング③:初節句祝い
3月3日や5月5日の初節句も前もって時期がわかっているので、新札を用意する必要があります。
基本的に家族や親族がお祝いすることになりますので、金額やご祝儀袋に細かなマナーはありませんが、何度もあることではないので祝儀袋は蝶結びを選ぶのが一般的です。
様々なお祝い事に使うことができる梅結びの水引きのご祝儀袋ももちろん使用可能です。
表書きには「御初節句祝」と書くと丁寧です。
新札を用意するべきタイミング④:入学のお祝い
小学校や大学への入学をお祝いするときにも前もってわかっているので新札を用意する必要があります。
子供のお祝いなのでランドセルや桜等、入学をイメージするのし袋を使うと、いただいた本人も喜ぶかもしれませんね。
入学祝いは、何度あってもおめでたいことなので、祝儀袋は蝶結びのものを選びます。
表書きは「御入学祝」となりますが、親しい間柄の場合は子供にもわかるように「入学おめでとう」と書くのも良いでしょう。
新札を用意した方が好ましいタイミング
- お年玉
- レッスン代
- 謝礼
新札を用意した方が好ましいタイミング①:お年玉
年末に親戚や家族に渡すお年玉はできれば新札を用意したほうが好ましいです。
お年玉袋は3つ折りにしてお金を入れる大きさのものが多いので、新札をきれいに3つ折りにして渡します。
金額にルールはありませんが、毎年贈ることになるので、それぞれ親の間で金額を話し合っておくと、トラブルにならず安心です。
また、年末は銀行の窓口もatmも閉まります。
日時に余裕をもって用意をするようにしましょう。
新札を用意した方が好ましいタイミング②:レッスン代
レッスンで支払う月謝袋に封入する金額もできれば前もってわかっているので新札を用意するのが好ましいです。
お月謝は教えていただいたときに支払うので、新札にするとしっかりと準備をして用意したということになり、御礼の気持ちを丁寧に伝えることにもなります。
半年から1年など長いこと通うことになる習い事なので、お互いに気持ちよく過ごせるように礼儀を大切にしましょう。
新札を用意した方が好ましいタイミング③:謝礼
会社に講師をお招きした時や、結婚式でスピーチを頼んだ時など、お世話になった際にお渡しする謝礼も、前もってわかっているので新札を用意するのが好ましいです。
表書きは「御礼」とし、講演やスピーチが終了した後にお渡しするのがマナーです。
あくまで気持ちなので、金額は封筒には記載しません。
名前の記入も必須ではありません。
新札ではなく旧札を用意すべきタイミング
お祝い事に用意したほうが良い新札ですが、お知り合いのご不幸の際にお渡しする不祝儀に関しては、旧札で包むのがマナーです。
例えば、お通夜や葬儀にお持ちする香典は新札を用意してしまうとご不幸を待ち望んでいたような意味合いになってしまいますので、旧札で用意をしましょう。
どうしても新札しかない場合はシワを付けたりおりたたむなどして封入する必要があります。
香典袋は黒白か双銀のもので結び切りの水引きを使用してください。
また、表書きは故人の宗教によって異なりますので注意をしてください。
香典は近隣の住民であれば3,000か5,000円、親族であれば1万円か3万円が良いでしょう。
この時お札は結婚式と反対でお札の表側を裏にするようにして封入します。
お香典は親族に直接ではなく受付で記帳の上渡します。
様々な方が来場されるので、名前は必ず記入した上で渡すようにしてください。
新札を入手する方法
新札は、前もって準備をしておいた方がいいのはわかりますが、いざ必要な時に手元にないことが多いですよね。
銀行の窓口やatm等で新札を入手する方法をご紹介します。
- 銀行の窓口
- 銀行の両替用atm
- 郵便局の窓口
- コンビニや駅にあるatm
- 結婚式場
- 会社の経理
- 金銭を取り扱うレジがある店舗
- 親族
一つずつ方法を説明をします。
新札を入手する方法①:銀行の窓口
銀行の窓口ではお札を新札に両替してもらえます。
30枚まで等少ない枚数の両替であれば、口座がある場合無料、口座がない場合も300円程の手数料で両替をしてもらえるのが一般的です。
窓口で必要なお札の枚数を記載した両替依頼書と旧札、ある場合はキャッシュカードや通帳を提出すると、番号札を渡され少し待ったのち新札を受け取ることができます。
銀行の窓口は平日の15時までの場合が多いので、時間には余裕をもって訪問するようにしましょう。
新札を入手する方法②:銀行の両替用atm
銀行によっては通常のatmの横に両替用のatmが設置されている場合があります。
両替用のatmはお金を崩すだけではなく、旧札の1万円札を新札の1万円札に変えてくれる機能があります。
両替用のatmを使えば、書面を書いたり混雑している窓口に並ばずともお金を入金できるので便利ですが、平日の窓口やatmが開いている時間のみ利用できるので注意が必要です。
atmの操作も簡単で画面の指示に従って取り出したいお札の種類を選択すれば、通常のatmでお金をおろすように新札を取り出せますよ。
多くの両替用atmは口座がなくても利用できるので、三井住友銀行やみずほ銀行など、お近くにある店舗のatmを利用することができます。
新札を入手する方法③:郵便局の窓口
郵便局の窓口は銀行のように業務ではなくサービスの一環として両替を受け付けてくれる場合があります。
手数料は取られませんが、あくまでサービスなので窓口がかなり込み合っている、営業時間ギリギリ等、窓口に迷惑がかかるような時に相談をする行為はやめましょう。
可能であれば事前に店舗に電話をし、両替を受け付けているか相談をするのがよいでしょう。
もし、口座を持っているのであれば、キャッシュカードを使いゆうちょ銀行のatmで何度か現金を引き出してみると、新札に巡り合えるかもしれません。
コンビニ等のatmと同様確実ではありませんが、試してみてもよいでしょう。
新札を入手する方法④:コンビニや駅にあるatm
コンビニや駅にあるatmで現金を引き出す際に、まれに新札が出てくる場合があります。
atmでは確実に新札に巡り合えるわけではないのと、取引には手数料がかかるので、atmで新札に巡り合えたら幸運、というスタンスで実施をしてください。
確実ではありませんが、10万円などある程度まとまった金額をatmから引き出す際に新札に巡り合える可能性が高いようです。
新札を入手する方法⑤:結婚式場
結婚式場や結婚式が行われるホテルのフロントでは新札に両替をしてもらえる可能性があります。
こちらも銀行のように業務ではなくサービスの一環で行っているので手数料はかかりません。
前もって準備をするのが一番ですが、atm等で両替できずどうしても間に合わなかったときは、当日結婚式を行うホテルで新札に変えるのも手段の一つです。
新札を入手する方法⑥:会社の経理
会社の経理部では規模や考え方にもよりますが、新札を管理している場合があります。
理由としては、会社として得意先やお呼びした講師に現金で御礼を渡すことがまれにあるためです。
あくまで常識で必ず行われている事ではないので、どうしても困ったときに相談をするスタンスで経理部に尋ねてみてください。
新札を入手する方法⑦:スーパー等金銭を取り扱う店舗
スーパーやコンビニ等金銭を取り扱っている店舗でお札を交換してもらえる可能性があります。
基本的に、大きなお金を崩す両替は断っている店舗が多いですが、在庫があるときに限り新札に交換をしてもらえるかもしれません。
ですが、こちらもサービスの一環ですので、あくまでレジがすいているときなど店舗に迷惑が掛からないように尋ねるようにしましょう。
スーパーで尋ねるときはレジではなく、荷物を送ったりオードブルを予約するサービスカウンターの方が良いかもしれません。
新札を入手する方法⑧:親族
atmでの引き出し等様々な手段を使ってどうしても新札が手に入らなかった場合は、親族などに相談をしてみましょう。
急な御礼をお渡しするために多めに新札を持ちわせていることがあります。
ただし、もちろん急な御礼のための予備なので、どうしても手に入れることができなかったときのみ相談をするようにしましょう。
土日に新札を手に入れたい場合
新札が必要となる結婚式は土日に開催されることが多いため、当日に新札を手に入れられると便利です。
土日に確実に新札を手に入れたい場合は、みずほ銀行の渋谷中央支店にある両替用atmがおすすめです。
この店舗では平日は24時間、土日は21時まで利用できる新札専用の両替用atmがあります。
ただし、このatmは引き出し専用になっているため、みずほ銀行に口座があることと、引き出す金額分の現金が口座にあることが条件になります。
また、このatmは銀行のatmが使用できる日時と連動しているので、システム調整などで通常のatmが使用できないときはあわせて利用できないので、注意が必要です。
両替機が対応時間外で使えない!新札を作るアイロン裏技とは?
どうしても時間がなく銀行の窓口やatmで新札が用意できなかった場合は、自宅でアイロンを使って旧札のシワを伸ばし、新札のようにすることができます。
方法は簡単で、お札を霧吹きで湿らせてから、ハンカチなどで当て布をし、低温でアイロンをかけます。
ポイントは、お札がしめる程度に濡らすことと、必ず当て布をすることです。
お札は丈夫な和紙でできているので少し濡らしただけでは破れませんが、まれに濡れると縮んでしまうことがあります。
もしも、お札の形状が変わってしまった場合は、銀行の窓口でその旨を伝えて、交換の相談をしてみてください。
また、当て布をせずそのままお札にアイロンを当ててしまうとお札が焦げてしまう可能性があります。
しっかりハンカチなどで当て布をして低い温度でアイロンをかけるように気を付けてください。
また、新札は本来未使用のお札のことをさしますので、旧札をアイロンにかけては本当の意味での新札にはなりません。
基本的には新札が必要な場面では新札を用意する努力をするようにしましょう。
おすすめの袱紗(ふくさ)
新札を包むご祝儀袋や旧札を包む不祝儀袋は、できれば袱紗に包んでお持ちするのがマナーです。
袱紗に包むのは、ご祝儀袋を汚さずお持ちするという意味もありますが、丁寧に礼儀を尽くしてお金をお持ちしましたという意味も与えます。
慶弔でそれぞれ使用する袱紗は色味が異なるので、できればそれぞれに別になっているものを用意する、またはリバーシブルタイプでどちらにも使用できるものを用意するのがよいでしょう。
新札を窓口や両替atmで取得しマナーに合わせたお祝いをしよう
新札を銀行やatmで用意するのは手間がかかりますが、その手間こそがお祝いをする気持ちの重みにも繋がります。
どうしても銀行やatmで旧札を新札に変えられなかった場合は、その他の様々な手段を尽くして新札を手に入れてお祝いをするのが礼儀です。
時間をかけてしっかりと新札を用意することで、金額以上の気持ちを込めてお渡しできるように、新札の両替方法を前もって把握するようにしてみましょう。