甘酒には2種類ある
日本古来の食品で栄養満点と言われる甘酒には、種類があるのをご存知でしたか?
- 酒粕で作る甘酒
- 米麹で作る甘酒
一つ目の酒粕とは、日本酒をはじめとするもろみを絞った後に残る白い固形物のこと。
アルコール分が含まれており、この酒粕を水に溶かして砂糖を入れ、煮込んで作ります。
煮込むことでアルコール分が飛ぶと言われていますが、微量のアルコール分が残っている場合があるので、小さなお子さんやアルコールに弱い方は注意してください。
また、砂糖を入れているのでカロリーが高くなるためダイエットなどには向きません。
市販の缶入りの甘酒などは、この方法で作られる場合が多いようです。
もう一つの米麹で作るやり方ですが、米麹とはそもそもコメなどの穀物に「コウジカビ」などの発酵に必要な微生物を繁殖させたもの。
よくスーパーなどでは板状に加工された米麹が売っているので、手軽に手に入れることが出来ます。
その米麹に米と水を加えて、55度から60度の温度を保ったまま10~12時間発酵させます。
そうすると米麹にくっついていた微生物が活動をし始めて、米を糖化させ自然な甘さが生まれます。
さらにアルコール分を含んでいないので、小さな子供でも安心。
発酵が進むと米が分解され、ドロッとしたおかゆのような状態になります。
唾液にも含まれるアミラーゼという酵素が分解してくれているので、飲むと速やかに体内に吸収されます。
これが「飲む点滴」と言われる所以でもあるのです。
甘酒を料理やお菓子にアレンジするメリット
甘酒には栄養もまた豊富に含まれています。
- ブドウ糖
- オリゴ糖
- 食物繊維
- タンパク質
- 脂肪
- ビタミンB1・2・3・6
- 葉酸
- ナトリウム
- カリウム
- マグネシウム
- リン
この他にも、アミラーゼをはじめとする30種類以上の酵素が入っています。
これら栄養豊富な甘酒なので、料理やお菓子に入れなきゃ勿体ない。
しかもこの甘酒が料理やお菓子に入れることで、良い仕事をしてくれます。
- 砂糖のかわりとして
- 小麦粉のかわりとして
- 万能調味料として
- だしのかわりとして
米を糖化させてできる甘酒なので、自然な甘さが持ち味。
オリゴ糖やブドウ糖が、砂糖の役割を果たしてくれます。
また、ドロッとした触感は小麦粉の代わりにとろみを出してくれます。
小麦粉を使っていないので、グルテンフリーにもなり健康的。
さらに甘酒のまろやかなコクは、万能調味料のような役目も。
発酵食品なのでタンパク質を分解し、魚や肉も柔らかくふっくら仕上がります。
最後に、甘酒に含まれるアミノ酸がだしの代わりにもなります。
このように砂糖や小麦粉の代わりにすることで、ダイエットにも役に立ち体に必要な成分も摂取することが出来ます。
甘酒を使ったレシピ【おかず】
さて調味料としても万能な甘酒を使って、毎日のおかずを作ってみましょう。
人気の甘酒レシピを紹介するので、試しに作ってみて下さい。
- 白い肉みそ
- 発酵鶏唐揚げ
- 米味噌と甘酒の西京漬け
- 玄米甘酒を使ったカブの酢漬け
- 豆とひじきの甘酒炒め
- 甘酒入り切り干し大根
- 甘酒と鶏の鍋
- 豚ロースの甘酒入りみそ漬け
- 甘酒肉じゃが
- カブの甘酒粒マスタードマリネ
甘酒を使ったレシピ【おかず】①:白い肉みそ
炒めた鶏むね肉のミンチに西京味噌と甘酒を加えてよく混ぜ合わせます。
あとは冷蔵庫で一晩以上寝かせれば完成の、簡単だけど何にでも合う肉みそ。
ふかしたジャガイモの上に乗せたり、レタスなどの野菜に掛けたりと使い方も工夫次第。
西京味噌と甘酒の甘さの中にちょっぴり塩気も感じられてご飯が進みます。
甘酒を使ったレシピ【おかず】②:発酵鶏唐揚げ
鶏のから揚げを作る際の調味料として甘酒を使用したレシピです。
鶏肉に甘酒や醤(ひしお)、醤油もろみといった日本ならではの発酵食品に漬け込みます。
一日以上冷蔵庫で寝かせれば、発酵食品の中にいる酵素によって肉のタンパク質を分解してくれて、ふんわり柔らかな食感になります。
甘みと塩味も入っているので、余計な味付けは必要ありません。
甘酒を使ったレシピ【おかず】③:米味噌と甘酒の西京漬け
お魚をおいしく頂ける西京漬けにも甘酒をプラスしています。
米味噌と甘酒を合わせることで、コクとまろやかさが増します。
また酵素の働きで魚もより柔らかくなるのも利点です。
白身魚の他にも、お好みの魚で試してみて下さい。
甘酒を使ったレシピ【おかず】④:玄米甘酒を使ったカブの酢漬け
白米で作られることの多い甘酒ですが、玄米を使用することで皮に含まれる栄養素も摂取できるのでさらに栄養価の高い甘酒になると評判です。
ビタミンやミネラルがプラスされて、ますます体に良い成分が入っています。
調味酢や塩と共に砂糖の代わりとして玄米甘酒を使用するだけ。
ほんのりした甘さの甘酢は、酢の物にも良さそうです。
甘酒を使ったレシピ【おかず】⑤:豆とひじきの甘酒炒め
缶詰のミックスビーンズと戻した乾燥ヒジキ、ニンジンやこんにゃく、水菜を使った炒め物に調味料として甘酒を入れています。
食物繊維たっぷりのヒジキにビタミンB群を多く含む豆類、ほかに腸の掃除をしてくれるこんにゃくと具材だけでも栄養満点。
そこにさらに甘酒を加えることで、ダイエット効果も期待できるデトックス料理になります。
甘酒を使ったレシピ【おかず】⑥:甘酒入り切り干し大根
弁当のストック料理としても重宝する切り干し大根。
普段通り調理して後の仕上げに甘酒を適量入れて混ぜ合わせるだけで、コクのあるしっかりとした味わいになります。
甘酒を使ったレシピ【おかず】⑦:甘酒と鶏の鍋
キノコやネギなどの野菜に、鶏もも肉と鶏肉のつみれが入った小鍋には調味料として甘酒をプラス。
まろやかさが一層鍋の具材を引き立てます。
甘酒を使ったレシピ【おかず】⑧:豚ロースの甘酒入りみそ漬け
味噌とショウガ、甘酒を入れたものに豚のロース肉を漬けこみます。
冷蔵庫などでしばらくの時間寝かせたら後は焼くだけ。
簡単だけどご飯が進むおかずのレシピです。
甘酒を使ったレシピ【おかず】⑨:甘酒肉じゃが
砂糖を入れる代わりに甘酒を使ったレシピです。
コクが出て自然な甘みなので、いくら食べても大丈夫。
甘酒を使ったレシピ【おかず】⑩:カブの甘酒粒マスタードマリネ
半月切りにしたカブに甘酒と粒マスタード、酢や醤油を混ぜ合わせるだけ。
さっぱり食べられる一品が完成しました。
甘酒を使ったレシピ【スープ・ドリンク】
甘酒にひと手間加えて、ドリンクやスープとして飲む方法もあります。
料理で使う場合より、多くの甘酒を摂ることが出来るので残さずに飲んでみましょう。
- 甘酒カクテル
- みそ汁に甘酒
- 甘酒キムチスープ
- フルーティ甘酒
- カルピス発酵ブレンド
- 甘酒の冷たいショコラ
- イチゴの甘酒ドリンク
- 白菜とベーコンの甘酒スープ
- 甘酒入りかぼちゃスープ
- 甘酒トウモロコシの冷たいスープ
甘酒を使ったレシピ【スープ・ドリンク】①:甘酒カクテル
お好みのジュースと甘酒を火にかけて、沸騰寸前まで温めます。
良くかき混ぜれば、ホットの甘酒カクテルを飲むことが出来ます。
ゆずやレモンといった柑橘系のジュースを加えることで、さっぱりとした後味になり飲みやすくなります。
他にも温めた甘酒にレモン汁をちょっとプラスすることで、甘酒にはないビタミンCやビタミンAを摂取することが可能に。
甘酒を使ったレシピ【スープ・ドリンク】②:みそ汁に甘酒
味噌汁に溶かした酒粕を入れると粕汁になりますが、これはその甘酒版。
すでに液体になっている甘酒を使うことで、酒粕を溶かす手間も省けます。
甘酒を使ったレシピ【スープ・ドリンク】③:甘酒キムチスープ
キムチと鶏がらスープで味付けしたスープに甘酒を使ったレシピ。
具材は野菜や肉、魚や卵など何を入れてもおいしく仕上がりそうです。
寒い冬などに体の芯から温まりそうなスープですね。
甘酒を使ったレシピ【スープ・ドリンク】④:フルーティ甘酒
米麹で作った甘酒にキウイジュースを混ぜた、飲みやすいドリンク。
他にも豆乳やハチミツをプラスした飲み物もあります。
甘酒を使ったレシピ【スープ・ドリンク】⑤:カルピス発酵ブレンド
タピオカ入りの冷たいカルピスに甘酒を加えた、暑い夏に飲みたいレシピです。
江戸時代には、庶民の手軽な栄養補給減として冷やした甘酒が飲まれたほど。
夏の季語にもなっている甘酒は、暑い季節にぴったりの飲み物なのかもしれません。
甘酒を使ったレシピ【スープ・ドリンク】⑥:甘酒の冷たいショコラ
こちらも夏に飲みたい甘酒を使ったドリンクです。
チョコレートドリンクに甘酒を合わせているので、甘い物好きも満足できそう。
甘酒を使ったレシピ【スープ・ドリンク】⑦:イチゴの甘酒ドリンク
潰したイチゴにヨーグルトをかけて、その上から甘酒を入れれば、見た目もかわいい甘酒ドリンクの完成です。
イチゴのビタミンやヨーグルトの乳酸菌と合わさって、夏バテ知らずの体になりそうなドリンクになりました。
甘酒を使ったレシピ【スープ・ドリンク】⑧:白菜とベーコンの甘酒スープ
定番の白菜とベーコンのスープに甘酒を使ったスープレシピ。
ほのかな甘みが感じられて、体がホカホカになりそうです。
甘酒を使ったレシピ【スープ・ドリンク】⑨:甘酒入りかぼちゃスープ
加熱して裏ごししたかぼちゃに水と甘酒を加えてひと煮立ち。
豆乳を入れて再び煮立ってきたら、コンソメや塩コショウで味を調えて完成です。
アルコール分が入っていない甘酒を使えば子供でも食べられます。
甘酒を使ったレシピ【スープ・ドリンク】⑩:甘酒トウモロコシの冷たいスープ
茹でたトウモロコシは包丁で粒を外し、甘酒や豆乳、塩コショウと一緒にミキサーにかけるだけ。
とろみのあるスープは朝食にもぴったりです。
仕上げにオリーブオイルや黒コショウを掛けるとより本格的な味に。
甘酒を使ったレシピ【おやつ】
自然な甘みの甘酒は、スイーツなどのおやつにもなります。
和風なおやつから洋風なお菓子まで、食べたくなるレシピばかりです。
- 甘酒寒天のイチゴジュレ乗せ
- ふんわり甘酒アイス
- 玄米粉と甘酒のマフィン
- 甘酒と米粉の蒸しパン
- 黒ゴマと甘酒の大福もち
- 抹茶甘酒チーズケーキ
- 甘酒入りスコーン
- 甘酒オートミールクッキー
- お野菜スイーツ
- 甘酒シャーベット
甘酒を使ったレシピ【おやつ】①:甘酒寒天のイチゴジュレ乗せ
甘酒とグラニュー糖で甘みを足した寒天に、イチゴジャムを混ぜたイチゴのジュレを乗せてイチゴを飾れば出来上がり。
甘酒の甘みで砂糖の量も減らせる、ヘルシースイーツです。
飲む点滴とも呼ばれる甘酒を使っているので、夏の暑い時期に子供のおやつとして最適です。
甘酒を使ったレシピ【おやつ】②:ふんわり甘酒アイス
甘酒にグラニュー糖や生クリーム、豆乳や卵黄を使用したアイスです。
ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れてよく混ぜ合わせておきます。
別に生クリームとグラニュー糖を泡立てて、卵黄と甘酒、豆乳を加えます。
後はバットに入れて冷凍庫で冷やし固めれば完成です。
甘酒を使ったレシピ【おやつ】③:玄米粉と甘酒のマフィン
玄米としてコメの胚芽や皮までを粉にした玄米粉は健康食品としてパンやお菓子の材料として人気です。
またグルテンフリーなのでとってもヘルシー。
砂糖を使わずに甘酒の甘みだけで作ったマフィンには、ひよこ豆味噌まで入っています。
甘酒を使ったレシピ【おやつ】④:甘酒と米粉の蒸しパン
米粉に甘酒やきな粉、抹茶や黒糖を混ぜ合わせた蒸しパンは和風な甘さを感じられます。
おやつにも夜食としても良さそうなレシピです。
甘酒を使ったレシピ【おやつ】⑤:黒ゴマと甘酒の大福もち
白玉粉に黒ゴマのペーストと甘酒を混ぜたものを練り、こしあんを包んだ和菓子です。
ほんのり甘い生地はゴマの風味も感じられます。
甘酒を使ったレシピ【おやつ】⑥:抹茶甘酒チーズケーキ
抹茶を加えたほろ苦いチーズケーキ生地と、甘酒が入ったチーズケーキ生地をマーブル状に混ぜ合わせたベイクドチーズケーキです。
抹茶生地の部分と甘酒の生地の味わいの変化が楽しめるレシピ。
どちらも和の材料なので、相性は抜群です。
甘酒を使ったレシピ【おやつ】⑦:甘酒入りスコーン
地粉とは、その地域で製粉された小麦粉のこと。
国産の小麦粉を使用しているので安全な子供のおやつにもなります。
生地にはメイプルシロップや甘酒、なたね油など自然素材の物ばかり。
甘酒を使ったレシピ【おやつ】⑧:甘酒オートミールクッキー
シリアルとしてよく食べられるオートミールは燕麦という種類の穀物をすりつぶしたもの。
ザクザクという食感でクッキーにも合いそうです。
他には玄米粉やココナッツオイル、そして甘酒を使っています。
甘酒を使ったレシピ【おやつ】⑨:お野菜スイーツ
甘酒のほか果物を発行させて作った酵素シロップを甘味料としたスイーツです。
他にもホウレンソウやカボチャなどを使って作っています。
砂糖や食品添加物を使っていないギルトフリーなおやつとして人気。
甘酒を使ったレシピ【おやつ】⑩:甘酒シャーベット
栄養満点の甘酒をそのまま凍らせてシャーベットに。
保存袋に入れて薄く伸ばした状態で凍らせることで、手で割ることが出来ます。
後は茹でた小豆をトッピングすれば出来上がり。
甘酒を使ったレシピ【ドレッシング・漬物】
発酵食品なだけあって、漬物にもなる甘酒。
また調味料やドレッシングとしてもいい仕事をしてくれます。
- ピーマンの甘酒漬け
- ニンジンの甘酒ラぺ
- 甘酒ケチャップ
- めんつゆとゴマでドレッシング
- 甘酒ドレッシング
甘酒を使ったレシピ【ドレッシング・漬物】①:ピーマンの甘酒漬け
味噌と甘酒を混ぜ合わせたものに、食べやすい大きさに切ったピーマンを2~3時間漬けるだけ。
ピーマンの食感と歯ごたえを感じられる漬物です。
甘酒を使ったレシピ【ドレッシング・漬物】②:ニンジンの甘酒ラぺ
甘酒に塩とハチミツ、酢を混ぜた漬け汁に、ピーラーで薄切りにしたニンジンを和えた一品。
箸休めとして、またサンドイッチの具としても楽しめます。
甘酒を使ったレシピ【ドレッシング・漬物】③:甘酒ケチャップ
甘酒とみじん切りにした玉ねぎをミキサーにかけ、トマトピューレと一緒に煮込みます。
仕上げは塩コショウと酸味をプラスするために梅干しを使うレシピです。
甘酒を使ったレシピ【ドレッシング・漬物】④:めんつゆとゴマでドレッシング
甘酒に麺つゆとゴマを混ぜるだけでドレッシングになるというレシピ。
ゴマは摺っておくと、よりゴマの風味が立って香ばしくなります。
ノンオイルのドレッシングが欲しい時にはぜひ試してみてください。
甘酒を使ったレシピ【ドレッシング・漬物】⑤:甘酒ドレッシング
醤油と酢、ゴマ油の定番ドレッシングに甘酒をちょっと使ったドレッシングのレシピです。
水で戻した切り干し大根とサバ缶、キュウリのサラダに和えるだけで栄養たっぷりで整腸効果もある一品が完成。
自分好みのドレッシングに甘酒をプラスするだけでも、また違った味わいのドレッシングになりそうです。
おすすめの甘酒本
栄養満点な甘酒を、調味料として料理に使うレシピが満載の一冊です。
まろやかな甘酒の持つ旨味を使って料亭で出されるような和食まで作れます。
さらにとろみを加える小麦粉の代わりに使ったグルテンフリーのメニューなども。
他にも卵焼きやハンバーグに少量の甘酒を加えることで、ふわふわの食感になるアイデアも紹介しています。
甘酒を使ったレシピまとめ
体調を崩しがちな季節や、具合の悪い時にも手っ取り早く栄養が摂れる甘酒は自宅の冷蔵庫に常備しておきたいもの。
また毎日でも摂りたい甘酒は、そのまま飲むだけでなく料理やおやつ、スープやドレッシングにしたりと活用法もたくさんあります。
これなら飽きることなく甘酒を活用出来そうです。
おいしそうで試してみたくなるレシピばかりなので、ご自宅で挑戦してみて下さい。