ブライン液の基本情報と効果
まず、ブライン液とはなにかについてお伝えします。
ブライン液はすぐ用意できる材料でできる液体で、お肉にブライン液を浸して時間をおくだけで、どんなお肉も柔らかくしてくれる効果があります。
鶏むね肉を料理したときに、お肉が固くなったり、パサパサなってしまうことはありませんか?
これは、鶏むね肉の栄養成分の一つであるタンパク質が熱によって固まることが原因です。
卵も熱を加えると固まりますよね。
それと同じで、お肉もタンパク質なので熱で固まり、水分がなくなるためパサパサしてしまうんです。
このタンパク質をかたまりにくくしてくれるのが砂糖です。
砂糖には、水分を保ったり、食材を柔らかくしてくれる効果があります。
そのため砂糖の入っているブライン液につけると、砂糖がお肉のタンパク質内に入りこみ、調理したあとでもしっとりし、柔らかい状態を保ってくれます。
ブライン液の作り方
嬉しい効果のあるブライン液、早速作り方をご紹介します。
作り方といっても、ブライン液は材料さえあれば簡単に作ることができます。
鶏むね肉1枚を漬け込むのにちょうどいい量をご紹介します。
【材料】
水100cc
塩5g
砂糖5g
塩と砂糖両方5%なので覚えやすいですよね。
【作り方】
塩と砂糖を水で溶かすだけで完成です。
パルスイートやエリスリトールなど砂糖以外の甘味料でも柔らかくする効果はありますが、砂糖の効果が一番高いですよ。
ブライン液に似たものとして、ソミュール液があります。
ソミュール液は、燻製の塩漬けやバーベキュー前の下ごしらえの際に使われる液体です。
ブライン液が塩分は5%で、ソミュール液は塩分10%から30%と塩分濃度の違いがあります。
ブライン液の塩分濃度調整
一般的な作り方ですと100ccのお水に対して塩が5gです。
海の塩分濃度が平均3.5%程ですので、少し多いように思えますよね。
でも、ブライン液に塩が5g入っているからといって、5gすべてがお肉に入るわけではありません。
漬け込む時間が短ければ、あまり食材に塩分は入りませんので、塩分のとりすぎは防ぐことができますよ。
逆に長時間漬け込んでしまった場合は、塩辛くなってしまいますが、数の子のように塩抜きをしてしまうとお肉の旨味まで出てしまいます。
そのため塩抜きはせず、水分の多い野菜をたくさん使って野菜炒めなどにするのがおすすめです。
ブライン液の保存方法と解凍方法
ブライン液は、簡単に作ることができるのでその都度作るといいでしょう。
でも、分量をはかったりするのが面倒という場合は、たくさん作っておいて保存することもできますよ。
お肉を漬ける前のブライン液もお肉を漬け込んでいる場合も、必ず冷蔵庫で保存します。
ブライン液をたくさん作って、アイストレーや製氷カップなどで凍らせて使うこともできます。
その場合は、常温での解凍は避けて冷蔵庫で解凍して使ってください。
また、せっかくブライン液につけたけど急な外食などですぐに使えなかった場合、ブライン液につけたお肉を凍らせることができます。
ブライン液ごと凍らせるのではなく、液は捨ててお肉のみで凍らせてください。
この場合も冷蔵庫で解凍してくださいね。
一度凍らせてもブライン液に漬けたお肉は柔らかいですよ。
ブライン液の漬け込み方
ブライン液の漬け込みはとても簡単です。
食品を保存できるポリ袋やジップロックに、お肉が浸かるようにブライン液を一緒に入れるだけ。
お肉に液がちゃんと漬かるように、できる限り空気を抜いてください。
漬け込む時間によって、お肉につく塩気や効果が変わってきます。
目安をご紹介しますので、ぜひお好みの加減を探してみてください。
まずカットしたお肉の場合は、厚みにもよりますが、1時間ほど漬け込むだけでお肉を柔らかくすることができます。
鶏むね肉1枚ですと、3時間ほど漬け込むのがおすすめです。
丸鶏や大きなお肉の塊を漬ける場合は、前日に下ごしらえして、一晩寝かせておくといいでしょう。
逆に時間がない場合は、カットしたり、あらかじめフォークをさしておくと、短時間でもお肉が柔らかくなります。
ブライン液の注意点
簡単に作れるブライン液ですが、注意点もあります。
守っていただきたい注意点を3つご紹介します。
- 分量を守る
- 冷蔵庫で保存
- 再利用しない
ブライン液の注意点①:分量を守る
注意点1つ目は、分量を守るということです。
ブライン液は、浸透圧という塩分濃度が高い方から低い方へ移動する性質を利用します。
塩分濃度が高ければいいというものではなく、高すぎるとお肉の旨味が逃げてしまいます。
そのため、塩分濃度は5%を超えないようにしておきましょう。
効果や塩気は少なくなりますが、5%以下にするのは問題ありませんのでご安心ください。
ブライン液の注意点②:冷蔵庫で保存
注意点2つ目は、冷蔵庫で保存することです。
ブライン液のみの保存も、お肉を入れた場合も水分が多いものは、常温では保存できません。
一般的にジャムや漬物など砂糖や塩を利用したものは、保存期間が長くなることがありますが、ブライン液の塩や砂糖の量は多くはないので、食品が腐るのを防ぐ効果はありません。
また、ブライン液につけた食材はブライン液の効果により、もともとのお肉よりも水分が増えていています。
より痛みやすくなっていますので、冷蔵庫で保存しできるだけ早く料理してくださいね。
ブライン液の注意点③:再利用しない
ブライン液の注意点3つ目は、再利用しないことです。
ブライン液につけると、塩や砂糖は食材の方に移動します。
一度使ったブライン液に漬けてもあまり意味がありませんし、危険ですので絶対に使わないでください。
もともと水分の多いものには菌が繁殖しやすく、ブライン液は通常1時間以上も生の肉に漬け込んでいます。
火を通して食べるから大丈夫と何度も使えると思う方もいらっしゃいますが、火を通しても死なないバクテリアや細菌はいます。
食中毒になる可能性がありますので、再利用はしないでくださいね。
ブライン液を使った鶏肉のレシピ7選
では、具体的にブライン液を使ったレシピにはどんなものがあるのでしょうか?
ブライン液を使った鶏肉レシピを7つご紹介します。
- チキンサラダ
- 唐揚げ
- チキン南蛮
- 丸鶏
- 鶏ハム
- チキンのトマト煮
- 鶏もも肉のステーキ
ブライン液を使ったレシピ〈鶏肉〉①:チキンサラダ
ブライン液を使った鶏肉レシピ1つ目は、チキンサラダです。
コンビニで販売されているほど人気のチキンサラダ。
ヘルシーで、ダイエットにもお子さんの身体作りにもぴったりですよね。
鶏むね肉はお手頃価格で簡単に作れますが、自分で作るとお肉がパサパサしてしまいます。
でも、ブライン液につけておいた鶏むね肉でチキンサラダを作れば、いつものように作るだけでデリのようなジューシーなチキンサラダができますよ。
ブライン液を使ったレシピ〈鶏肉〉②:唐揚げ
ブライン液を使った鶏肉レシピ2つ目は、唐揚げです。
王道の家庭料理、鶏もも肉の唐揚げ。
王道だからこそ、素材の味や料理の腕が試されますよね。
料理が苦手でも、安い鶏肉でもいつもの唐揚げづくりの前に、ブライン液に漬けておくだけで、柔らかくてジューシーな唐揚げができます。
カットしてから漬け込めば時間があまりなくても効果がありますよ。
ブライン液を使ったレシピ〈鶏肉〉③:チキン南蛮
ブライン液を使った鶏肉レシピ3つ目は、チキン南蛮です。
パサパサしがちな鶏むね肉もブライン液につければ、ジューシーで柔らかくなります。
こちらも、カットしてからブライン液につけると少し置くだけでジューシーになります。
さらにフォークでお肉に穴をあけて揉み込めば、10分だけでも仕上がりが全然違いますよ。
ブライン液を使ったレシピ〈鶏肉〉④:ローストチキン
ブライン液を使った鶏肉レシピ4つ目は、ローストチキンです。
クリスマスなどイベントごとに便利な丸鶏のローストチキンは、なぜか胸肉だけぱさついてしまうことがありますよね。
1.5Kgほどの丸鶏を使う場合は、水500cc、塩と砂糖25gほどのブライン液が必要です。
前の日から準備し、一晩寝かせてくださいね。
ブライン液と一緒ににんにくを入れてもいいですよね。
ローリエローズマリーなどハーブを入れるとお肉の臭みがなくなりますよ。
ブライン液を使ったレシピ〈鶏肉〉⑤:鶏ハム
ブライン液を使った鶏肉レシピ5つ目は、鶏ハムです。
ハムというと難しそうに思えますが、意外と簡単にできちゃう方法をご紹介します。
鶏むね肉の皮をはいで、厚みが均一になるように観音開きにして3時間ほどブライン液につけます。
ソーセージのように丸くなるようにラップで巻いて電子レンジか蒸し器で加熱して完成です。
巻くときにチーズを入れるのもおすすめですよ。
ブライン液を使ったレシピ〈鶏肉〉⑥:チキンのトマト煮
ブライン液を使った鶏肉レシピ6つ目は、チキンのトマト煮です。
鶏もも肉を使ったチキンのトマト煮も、一口大にカットしてからブライン液に漬け込めば1時間ほどで柔らかくなります。
ブライン液に漬けたあとは、通常通りもも肉を焼いて、トマトソースや玉ねぎ、調味料を加えて完成です。
煮込み料理も最初の一手間をかけるだけで、柔らかいもも肉に仕上げることができますよ。
ブライン液を使ったレシピ〈鶏肉〉⑦:鶏もも肉のステーキ
ブライン液を使った鶏肉レシピ7つ目は、鶏もも肉のステーキです。
ステーキは固くなってしまったり焦げ付いてしまったり意外と失敗してしまうことも多いのではないでしょうか。
鶏もも肉のステーキは、筋切りをしてからブライン液に3時間程漬けこみます。
その後皮の方から焼いて、ひっくり返してフタをして10分ほど焼きます。
一番厚みがあるところに竹串をさして透明の汁が出てきたら十分火が入った状態です。
しっかりと焼いてくださいね。
ブライン液を使った豚肉のレシピ4選
鶏肉料理に使われることが多いブライン液ですが、もちろん豚肉にも使えます。
ブライン液を使った豚肉レシピを4つご紹介します。
- 生姜焼き
- とんかつ
- ゆで豚
- ローストポーク
ブライン液を使ったレシピ〈豚肉〉①:生姜焼き
ブライン液を使った豚肉レシピ1つ目は、生姜焼きです。
少し厚めの豚肉で生姜焼きをつくると、固くて食べにくくなってしまうこともありますよね。
薄いお肉だと違いがわかりにくいですが、少し厚めの豚肉はブライン液に漬け込むと柔らかくなります。
ブライン液に漬け込んだお肉は冷めても柔らかいので、お弁当に入れてもいいですよね。
ブライン液を使ったレシピ〈豚肉〉②:とんかつ
ブライン液を使った豚肉レシピ2つ目は、とんかつです。
ブライン液は、ロースカツもヒレカツもどちらも柔らかくしてくれます。
一般的にお店のような柔らかいとんかつにする方法として、お肉をたたいたり、フォークで刺して繊維をカットする方法があります。
でも、下ごしらえの一番最初にブライン液に漬けるだけで、たたいたりするのと同じくらいの効果がありますよ。
ブライン液を使ったレシピ〈豚肉〉③:ゆで豚
ブライン液を使った豚肉レシピ3つ目は、ゆで豚です。
ゆで豚は食べごたえ抜群にもかかわらず、意外と簡単に作ることができます。
豚もも肉やロースなど前日にブライン液に漬けておき、鍋にお湯を沸かして豚肉を入れるだけです。
最近は低温調理も人気で、低温調理器具を使ったり、豚肉を入れたあとに火を止めて待つと言う方法もあります。
電気代やガス代が節約できますよね。
ブライン液を使ったレシピ〈豚肉〉④:ローストポーク
ブライン液を使った豚肉レシピ4つ目は、ローストポークです。
ブライン液はバーベキューの下ごしらえにも使えます。
前日に豚ロースの塊ごと、ブライン液につけておき、バーベキューで焼くだけです。
火加減が難しいバーベキューでもブライン液につけておけば固くなりすぎるという失敗が減りますよ。
骨付きロース肉を使ってもいいですよね。
ブライン液を使った牛肉のレシピ5選
ブライン液は、牛肉料理にも使えます。
ブライン液を使った牛肉のレシピを5つご紹介します。
- ローストビーフ
- ハンバーグ
- ステーキ
- ビーフストロガノフ
- スペアリブ
ブライン液を使ったレシピ〈牛肉〉①:ローストビーフ
ブライン液を使った牛肉レシピ1つ目は、ローストビーフです。
下ごしらえが重要なローストビーフ、ブライン液を使えばより柔らかくすることができます。
牛肉のブロック肉と同じくらいの水の量で、ブライン液を作ります。
牛肉が400gでしたら、水400ml、砂糖20g、塩20gのブライン液がちょうどいいですよ。
にんにくや、ローリエなどのハーブを入れるとお肉の臭みをとってくれます。
牛肉をブライン液に一晩漬けこみ、こしょうをふってフライパンに油をひいて焼き色をつけます。
ふたをして弱火で5分ほど蒸し焼きにし、フライパンからおろして、お肉をアルミホイルで包みます。
室温で30分ほど置いて、予熱で火を通して完成です。
ブライン液を使ったレシピ〈牛肉〉②:ハンバーグ
ブライン液を使った牛肉レシピ2つ目は、ハンバーグです。
牛ひき肉でつくるハンバーグにもブライン液が応用できます。
水大さじ2に砂糖1gと塩1gをとかし、ボウルに牛ひき肉100gと一緒に混ぜます。
10分おいて浸透させたら、ハンバーグを作る要領で厚さ1cmほどのたわら型に成形します。
フライパンに油をひいて、両面を焼き弱火にしたらフタをして5分蒸焼きして完成です。
つなぎのいらないハンバーグなので、作るのがとても簡単ですよね。
ブライン液を使ったレシピ〈牛肉〉③:ステーキ
ブライン液を使った牛肉レシピ3つ目は、牛肉ステーキです。
家で牛肉のステーキを焼くと火加減が難しく、固くなってしまったり、逆に中が焼けていなかったりしますよね。
ブライン液に漬けたお肉を使うと、特売のお肉も柔らかく焼くことができます。
ブライン液を漬けている間は冷蔵庫保存ですが、焼く30分前に冷蔵庫から出して、ブライン液を捨てお肉の水分を拭き取っておきます。
塩味はすでについていますので、こしょうをふって、フライパンで強火で両面を焼き、弱火にしてアルミホイルをかぶせて蒸し焼きにします。
最後にフライパンからおろして、アルミホイルに包んで予熱で火を通して完成です。
バターで焼いたりしてもおいしいですよ。
ブライン液を使ったレシピ〈牛肉〉④:ビーフストロガノフ
ブライン液を使った牛肉レシピ4つ目は、ビーフストロガノフです。
作るのが難しそうなビーフストロガノフですが、デミグラスソースがあれば意外と簡単にできます。
牛ヒレ肉400gであれば、ブライン液もお水400cc、砂糖20g、塩20gほどにつけてくださいね。
下ごしらえでブライン液に漬け込めば、固くなりがちなヒレ肉もやわらかく仕上がりますよ。
ブライン液を使ったレシピ〈牛肉〉⑤:スペアリブ
ブライン液を使った牛肉レシピ5つ目は、スペアリブです。
骨付きのお肉もブライン液で柔らかくすることができます。
スペアリブは、厚めに切ってあることが多いので、一晩寝かせるのがおすすめです。
バーベキューの下ごしらえにも使えますよね。
炭酸水で柔らかくする方法もありますが、ブライン液の方が安くすみますよ。
おすすめの計量カップ
ブライン液だけでなく、料理に欠かせない計量カップ。
料理の失敗の原因の一つに調味料をちゃんと計っていないということがあります。
面倒な計量を少しでも楽にしてくれる商品がありますのでご紹介しますね。
通常の計量カップだと、調味料を入れたあとしゃがんだりして量を確認する必要があります。
でも、この商品は斜めにカットされていて、上から量が確認できるんです。
少しの違いのように思えますが、使ってみるとすごく便利ですよ。
ブライン液で料理を格上げしよう
今回は、お肉料理を格上げしてくれるブライン液をご紹介しました。
鶏肉だけでなく、豚肉や牛肉も柔らかくしてくれるブライン液。
ブライン液を使えば、いつものスーパーのお肉が、専門店やデパート並みのお肉になります。
作るのも簡単で、少しの手間でお料理が格上げされるなら試すしかないですよね!
魔法のブライン液、ぜひ試してみてください。