「髪をすく」について
あなたは、髪が重たく感じたことはありますか?
髪を切るか、髪をすくかをしてもらうと、髪が軽くなりますね。
美容院では、久しぶりに行くと、何気なく「軽くしたいから、すいて下さい」と頼みがちです。
あまり「すく」ことについて、深く意識されたことは無いのではないでしょうか。
髪をすく、の本来の意味は、櫛でとかす、ということでした。
確かに、もつれて広がっている毛を櫛でとかすと、ボリュームダウンして、髪が減ったように見えますね。
今では、美容院では、とかすだけでなく「梳きばさみ」で切ってくれます。
その梳きバサミは、ご存知の通り、見た目も、半分、櫛のようになっており、切れるところと、切れないところが混ざったハサミです。
カタカナで言うと「セニングシザー」、どれくらいの割合で髪の量を減らすか、ハサミによって違いがあります。
お値段も、プロの美容師さんがお使いになる、10万円近いものもあれば、ご自宅用に3000円以内で買えるものまで、様々です。
切れ味も格段に違うので、美容院さんの手はかすり傷が絶えません。
しかし、切れ味がいい方が、髪が傷みにくいそうですよ。
髪をすく(=セニング)について、解説していきます。
髪の毛をすくメリット
雨の日など、髪が湿気を吸って広がってしまい、どうにも、髪型がまとまらない時はありますよね。
どうしようもない時、下の絵のように、自分でバッサリいきたくなるかもしれません。
少年ジャンプに出てきそう、かつ、少女漫画のファンタジー作品にも出てきそうな、ユニークな絵ですね。
髪の量が多い人にとっては、この扱いにくい髪、何とかならないものか!というイライラ感に共感できるのでは。
髪をすくメリットとしては、広がりすぎた毛がまとまる効果があります。
毛量が多すぎる人にとっては、減らすことで扱いやすくなり、バサバサしないので、清潔感UPにつながるのです。
美容院のお客様の、後ろ姿を見てみましょう。
ビフォーアフターがハッキリわかる写真です。
頭の大きさが、小さくなったようにも見えるくらい、髪の量が減っていますね。
ちなみに上の方は「フレンチカットグラン」ですいた例ですが、小顔より簡単に頭の大きさの印象が変わるので、いいですね。
ところで「フレンチカットグラン」という言葉を聞きなれない方のために解説致します。
何のことかというと、「すき方」の一種で、専用のすきバサミを用い、均等に根本から、髪を減らす方法です。
普通のすきバサミでは、根本からはすかないので、そこがフレンチカットグランの特徴と言えます。
刃が細かいハサミで切るので、根本からすいても、比較的、短いつんつん毛(通称アホ毛)が出にくいやり方なのです。
丁寧に細かくすく方法なので、まとまりが出るとか持ちが良いと言われています。
個人差はありますが、合う方には合う方法です。
髪の量が少ない方には全くおすすめできませんが、多すぎる方は、一度試しても良いかもしれません。
お値段は、専用のハサミを使うことと、丁寧に時間をかけてのカットになるため、普通のカット料金よりも高めです。
髪の毛をすくデメリット
髪の毛は、すきすぎてしまうと、ダメージが大きくなります。
すきバサミには、切れるところと切れないところがあり、あちこちで、引きちぎれるように切れることもあるため、傷みやすくなるからです。
また、すきバサミに限らずですが、髪を切ると、中の栄養が、髪の切り口から出て行ってしまいます。
しょっちゅう切っていると、それだけ早くパサパサになります。
だからといって、ずっと切らないで伸ばしていても、毛先が傷むのが辛いところです。
年齢や睡眠、栄養状態にもよりますが、毛は伸びるに従い、毛先に行くほど栄養が届かなくなり、根本に比べ毛先が細くなります。
すると、毛先の方は、ドライヤーの熱などによる傷みが、より目立ちやすくなるのです。
やはり数か月に一回は、整えましょう。
ここで、傷んでしまった髪の例をあげます。
ビフォーアフターでいいますと、一枚目がすきすぎている状態、二枚目は、エクステをして、傷みが目立たなくなった状態です。
1枚目の髪は、パサパサした質感が目立って、残念ながら、つやは無しです。
2枚目はつやがある状態で、エクステとはいえ、アフターの方が髪が伸びて見えるのが、面白いですね。
失敗してもエクステをすれば何とかなる、ということは安心材料ですが、すくことのデメリットは、あなどれません。
縛っても短い毛がパラパラ出てしまうとか、つやがなくなり、隙間が目立ち、貧相な印象になるということも言えます。
ストレートだったのに、最近くせ毛のようにうねるようになったという方は、梳かれすぎていないか振り返ってみましょう。
まとまりのある髪にしたくても、限度をこえてすいた場合は、かえって、はねてしまって、収まりにくい状態になることもあるのです。
美容院で髪をすいてもらいたいときは?
美容院で、髪をすいてもらいたいとき、どう伝えたら、よい切り方をしてもらえるのでしょうか。
また、梳くだけでなく、他にも組み合わせた方がよいメニューはあるのでしょうか?
こう伝えたら、こうなるであろう、というパターンをいくつかご紹介致します。
男性、女性のヘアスタイル別、髪をすく方法です。
- セニング多めのツーブロックショート
- セニング多めのグラボブショート
- 毛先セニング多めのソフトモヒカン
- 髪をすくだけでなく、縮毛矯正もしたい
- くせを活かして外国人風に
ポイント①:セニング多めのツーブロックショート
髪をすきたいのは女子だけではありません。
こちらはメンズの場合の頼み方です。
「セニング多め、ツーブロックショート、ちょっとアシンメトリーに」と頼むと、上の画像に似た感じが出せるかもしれません。
上の画像の男性は、ツーブロックとは言え、ナチュラルな仕上がりですね。
ポイント②:セニング多めのグラボブショート
こちらは女性の場合。
「セニング多めのグラボブショートに」と頼むとこんな感じになるようです。
エアリーな仕上がりで、涼し気に見えます。
毛先に軽い束感が出ていて、丸みもあるスタイルです。
ポイント➂:毛先セニング多めのソフトモヒカン
スポーツ選手や消防士さんのように、精悍に見えますね。
ハチを削り、トップにボリュームを持ってきている髪型です。
ポイント④:髪をすくだけでなく、縮毛矯正もしたい
こちらの女性はビフォーアフターがはっきり変わっています。
髪をすくことでボリュームを抑えただけでなく、縮毛矯正も行うことで、髪がまっすぐになっており、とても素敵です。
なお、ストレートパーマか縮毛矯正かは、美容師さんと相談して決められた方がよいでしょう。
一般的に、縮毛矯正の方が、傷みます。
ポイント⑤:くせを活かして外国人風に
こちらの男性も、もともとボリュームがあり、髪質がくせ毛なのですが、毛の流れを活かして、外国人風の、粋な感じに仕上がっています。
美容師さんが、切り過ぎずに、整えてくれたという感じですね。
番外編としては、「トップをふんわりして下さい」と頼んだ場合。
ファンなら、うれしいかもしれません。
「トップをふんわり」は、色々なニュアンスにとれる注文方法だったのですね。
美容院に行ったら、注文は慎重に、仕上がりイメージの共有に気を抜かないようにしましょう。
とくに、言いたかったことを緊張すると忘れてしまうという方は、スマホに、理想のイメージのスクリーンショットを2パターンくらい、用意していくのがオススメです。
きっと、理想に近い、骨格・髪質に似合ったスタイルを、提案してもらえますよ。
自分で髪の毛をすく方法&必要なもの
こちらは、美容院に行く時間がとれない方、お金を節約したい方むけのコーナーです。
まず、必要な道具は4つあります。
- すきバサミ
- くし
- ヘアクリップ(髪を結ぶゴムでも問題なし)
- レインコート(レインポンチョでも問題なし)
髪を梳く方法手順①:髪を濡らす
髪は、乾いたまま切る方法と、濡らしてから切る方法があります。
濡らしてから切る方が、髪へのダメージは少ないです。
1000円カットの店はドライカットだし、問題ないはず、と思われるかもしれませんが、美容師さんのハサミよりは切れ味の劣るハサミで、素人が切るわけです。
濡らして、髪を柔らかくしてから、切ることをおすすめ致します。
髪を梳く方法手順②:ブロッキング
レインコートかレインポンチョを身に着けた後(かなり短髪の方でなければ)ヘアクリップを用意し、髪を分けましょう。
簡単なのは、左右に分けてから、上下に分ける方法で4ヶ所ですが、ボリュームに従って分ける数を調整して下さいね。
内側の毛がよく見える状態になったら、スタートです。
髪を梳く方法手順➂:内側の髪の毛をすく
すきバサミは、ハサミを入れたところから先が、例えば、一回はさむ髪が100パーセントとして、例えば30パーセント分が、そのハサミの割合で減ってゆくものです。
美容師さんは10パーセントとか、一度に減る量が少なく、失敗しにくいハサミを使っています。
自宅のハサミの方が、おそらくバサッと減るので、襟足の毛先をチョキチョキするところから慎重にはじめましょう。
一回ハサミを入れると、どれくらい減るのか、見極めが大切です。
くしを使って、切ってはとかしながら、合わせ鏡で観察して下さい。
でも、あえて内側を刈り上げる方もいらっしゃるくらいなので、失敗を恐れすぎず、楽しみましょう!
ちなみに髪をすく際は、髪を引っ張りすぎないように、注意。
美容師さんの動作をまねて、スライドカットのように、引っ張りあげながらそぎ切ると、傷みます。
髪を梳く方法手順④:外側の髪の毛をすく
内側が終わったら、上の方を止めていたヘアクリップを一つずつはずしながら切っていきます。
腕を持ち上げ続けると疲れてきますが、ハサミを入れてはとかし、合わせ鏡で全体像を眺めての、仕上げ作業です。
髪を洗って乾かすと、わずかですが仕上がりラインが持ち上がるので、切りすぎに注意しながら、すいてみて下さいね。
おすすめの梳きバサミ
おすすめのハサミがアマゾンにありましたので、ご紹介致します。
口込みが多く、よい評価です。
スムーズに切れるので、切る時にお子様が「髪が引っ張られて痛い」と訴えることが無くなったとの、口コミがありました。
よいカットをした上で、髪をすく
髪をすくことは、重量感を減らし、束感を出し、扱いやすくし、頭を小さく見せることなどに貢献できます。
こう書くと万能薬のようですが、その前提として、良いカットがしてあることが、とても大事です。
プロは個人の髪質に合った方法をよく知っているので、インスタなどで自分に合いそうな美容師さんを探して、指名でお願いしてみましょう。
また、美容院で切ってもらったら、なるべくトリートメントをセットで行いましょう。
パーマやカラーに限らず、カットだけしていても、傷みます。
ご自宅では、パックとか、洗い流さないタイプのトリートメントがありますので、お手入れをしてあげると、つやが保てるはずですよ。