「詮索」の意味と類語
「詮索」と聞くと、「詮索好き」なだれかさんの顔が思い浮かびませんか?
「好意」とはちょっとちがう、他者に対する「好奇心」だけでプライバシーを根堀り葉掘り探られているようなイメージがありますね。
本来「詮索」とはどのような意味を持つのでしょう。
- 意味
- 同音語
- 類語
詮索とは①: 意味
「大辞林」によると、「詮索」とは、 細かいことまでつきつめてしらべもとめること。
たずねさがすこと、とあります。
英語でも「詮索」は、「inquiry」や「pry」といった単語が対訳として挙がります。
いずれも、「調べる」「調査」するという意味なのですが、「詮索好き」という意でも使われます。
詮索とは②: 同音語
「詮索」と同じ読み方で、「穿鑿(せんさく)」という言葉があります。現在では、「詮索」と「穿鑿」の明確な使い分けはされない傾向にあります。
使い分けをされていたころは、「穿鑿」は、細かい点までうるさく尋ねて知ろうとすることとされていました。
つまり、「詮索」は自らがとことんまで調べて知ろうとするのに対して、「穿鑿」はそれを知る人に尋ねて知ろうとする点が異なります。
詮索とは③: 類語
「詮索」の類語としては、「模索」「検索」などがあります。
「模索」は、いろいろと試みながら、明らかにしたい物事を探るときに使われる表現です。
「検索」は、主に文献やデータベース、インターネットなどの中から情報を求めるときに使われる表現です。
いずれも、はっきりとわからないことを探し求めるという点で共通していますが、その手段によって使いわけられています。
詮索をする人の特徴
詮索をする人には、いくつかの特徴があります。
詳しく見てみましょう。
- 女性に多い
- 噂話が好き負けず嫌い
- 負けず嫌い
- 自分自身を放棄している
- 時間にゆとりがある
①: 女性に多い
詮索する人の特徴はなんといっても女性に多い、ということです。
もちろん、詮索好きな男性がいることは否定しません。
では、詮索好きな人に女性が多いのはなぜでしょう。
一般に、女性は言葉を使ったコミュニケーションが得意とされています。
「おしゃべり」好きも、圧倒的に女性の方が多いですよね。
おしゃべりによる情報交換そのものが、コミュニケーションとして成立しているのです。
情報交換をコミュニケーションの手段として生活していくなかで、女性は「察する」能力を養ってきました。
微妙な声の高低差、間、空気感といった言外のサインさえも見逃さずに情報源とするのです。
行き過ぎた情報収集が「詮索好き」となってしまいます。
それだけの「察する」能力があるのにもかかわらず、詮索されたくないと思う相手の気持ちには気づかないのは不思議でなりませんが。
②: 噂話が好き
詮索する人は、噂話が好きです。
あれこれ詮索して知り得た情報は、自分の中にしまっておくわけにはいきません。
また、自分の話(噂話)を聞いた相手の反応にも興味津々です。
自分が知り得た情報の価値を、その反応から知りたいと思っています。
さんざん詮索されたあげくに、あなたの情報を聞き出した見返りといわんばかりに、顔さえ思い出せない人の「情報」を聞かされたことはありませんか。
噂話が好きな人は、「その場にいない人」の話題は無害だと思う傾向にあります。
③: 負けず嫌い
詮索する人の中には「知りたい」という単なる好奇心からだけではなく、聞き出した内容を自分の状況と比べるという特徴があります。
ママ友や会社の同期、同級生など、環境や境遇が似ている(と本人が思っている)関係性の中で詮索されることが多くなります。
自分と比べた結果、知り得た情報から相手と自分のどちらかに勝ち負けを決めたがります。
勝ち負けをはっきりさせること好む人は、負けず嫌いなので、自分の中で「勝った!」と思うものが見つかるまで詮索は続きます。
負けず嫌いの人はひとつの勝ちでは満足できません。
勝ち続けるために「勝負」は続くのです。
④: 自分自身を放棄している
我が身のことでせいいっぱいのときに、他者のことを詮索しようなどといった気分にはとうていなれないですよね。
どうして、他者のことにかまっていられるほど時間にゆとりがあるのでしょうか。
夢中になるものがまだ見つけられていないとき、自分自身よりも外へと意識が向いてしまい、結果として他者がきになってしまいます。
また、子育てをしていたり、特別なケアを必要としているひとと接する機会が多い人は、自分自身のことにきちんと時間を使うことを後回しにしがちです。
自分をきちんと整えることのたいせつさを見過ごしています。
自分自身のことより、他者のことを気にかけてしまった結果、自分自身を放棄してしまっているのです。
過干渉からくる詮索となります。
⑤: 自信がない
もしも自分の中に、人を判断する「定規」をもっていたなら、あれこれ他者を詮索する必要はありません。
自分の考えで意見をのべたのであれば、貫き通せればいいのですが、自信がないときには、不安になりがちです。
会話の中で、相手のひととなりを知り、お互いが心地よいと感じる付き合いかたを築き上げてゆけばよいのです。
それがうまくいかないとき、おどおどしてしまい、相手がどう思っているのかをまず知ってから行動しようと考える傾向にあります。
そのため詮索するような質問しかできないことがあります。
余計な詮索をしてくる人の心理
では、どうして他者のことを詮索したくなるのでしょうか?
詮索好きな人の心理についてみてみましょう。
- 好奇心が抑えられない
- 分析が好き
- 仲良くなりたい
- 自分のことを噂されていないか気になる
- 自信がない
- 信頼されたい
- 現状に不満がある
- 寂しい
- 話題が見つけられない
- 関心をひきたい
- 仲間を見つけたい
- 信頼関係が築けない
- バウンダリー意識が低い
- 他者の評価が気になる
- 活動領域が狭い
1: 好奇心が抑えられない
一度気になったことは訊かずにはいられない。自分の好奇心が抑えられないのです。
「こんなこと訊くのはなんなんだけど」とか「答えられる範囲でいいんだけど」などといった、一見控えめに見える前置きをしつつも、明らかにプライベートに踏み込んだ質問をしてしまうのです。
どうしてそんなことを尋ねられるのだろうと、詮索された側は不思議で仕方がないのですが、「気になって夜も眠れない」と、詮索好きはいいわけをするものです。
2: 分析が好き
とにもかくにも分析が好き。
よくもまぁそんなに関心を持てるものだと呆れるくらい、次から次へと質問責めにします。
ひとつの質問が新しい疑問を生み、また質問が生まれてしまうのです。
出し抜いてやろうとか、陥れてやろうといった悪意がないうえ、あいづちの上手さも手伝って、詮索されている方も、ついつい答えてしまうのです。
つじつまが合わないと、納得のいくまで訊かれます。
そして、聞いた内容をよく覚えています。
3: 仲良くなりたい
仲良くなりたいという気持ちから、プライベートな質問をします。
初対面ですぐに相手と打ち解けるのは苦手なんだけど、仲良くなりたいという思いから、詮索してしまいがちになります。
もっと相手のことを知りたいだけなのに、よりプライベートな情報を知っていることが、仲良しのサインだという勘違いからくるものです。
信頼している人の、年齢を知らなくても、恋人の有無を知らなくても、豊かな人間関係が築けるものです。
4: 自分のことを噂されていないか気になる
それは本人に尋ねればいいのでは?と言いたくなるほど、他者の動向について訊かれることがあります。
それは、自分のこをと噂されていないかが気になってしかたがないのです。
もしかしたら自分が誰かの気分を害していないだろうか、と心配なのでしょう。
自分は受け入れられているだろうか、嫌われてはいないだろうかと他者の反応にとらわれすぎている状態なのです。
5: 自信がない
自信がないために、自分がどう思われているのかを知りたいという衝動から詮索してしまうこともあります。
こうありたいという自分を高く設定しているにもかかわらず、自分で自分を認められないがために、自信が持てません。
できればマイナスの評価は聞きたくなく、誰かが自分のことを褒めてくれているはず、頼りにされているはずだと願って、証しを探っているのです。
自分が安心したいために、自分にまつわる情報収集に執着してしまうのです。
6: 信頼されたい
あれこれ聞き出して、あなたのことはなんだってわかっているのだという状況をつくりたがります。
信頼されたい、リーダー的存在になりたいという思いが強すぎるあまり、相手のすべてを知り、自分の解釈の範疇に収めようとしてしまいます。
信頼を得るための手段として、「守るべき相手」の情報の収集をします。
7: 現状に不満がある
どうして自分だけがしあわせになれないのだろう、という現状に不満がたくさんあるとき、原因を探そうとします。
本来、不満の原因は自分の中にあるものですが、きっと他に原因があるに違いないという思いにとらわれたときに、相手の中にも自分と同じ「不幸」を探そうとしてしまうのです。
8: 寂しい
かまってほしいという寂しい気持ちの裏返しで、過剰なほどに他者にかかわろうとします。
本当は相手に関心を持ってもらいたいのですが、思うようにかまってもらえないとき、なにかしら相手の関心を引けるものがないか探ろうとします。
寂しさから、会話やいっしょにいる時間を長引かせようとする傾向にあります。
9: 話題が見つけられない
なんとか会話のきっかけを見つけたいけれど、話題が見つけられないという焦りから、距離感をとらえそこなった質問をしてしまうことがあります。
ふだんあまり会話を交わさない関係でも、偶然隣り合わせたときやパーティーなどで会話をしなければならない機会はあります。
話題を展開させることが苦手な人にとっては辛い状況です。
質問から会話を始めるのは良い方法なのですが、苦手意識から、その質問が相手との関係性において適切かどうかの判断を鈍らせてしまいます。
10: 関心をひきたい
質問をすることで関心をひきたいという意図があります。
あなたが専門性の高い分野に身をおいている場合、相手は専門分野に明るくないという引け目から「当たり障りのない」質問を重ねてしまう傾向にあります。
本当は、専門分野について詳しく知りたいという思いと、自身の勉強不足にがっかりされたくないという葛藤があるのです。
11: 仲間を見つけたい
仲間を見つけたいという思いが強いばかりに、自分との共通点・共感点を見つけようと相手のことを探ることがあります。
純粋な好奇心なのですが、ここでもやはり相手との現時点での関係性や距離感をつかめないと、相手を不快にさせる結果となってしまいます。
12: 信頼関係が築けない
信頼関係が築けないため、疑り深くなってしまうのです。
注意を受けても、本当は他にも言いたいことがあるのではないかと疑ってみたり、褒められても、なにか裏があるのではないかと勘ぐる傾向にあります。
素直に相手を受け入れらず、もやもやした気持ちの裏返しです。
13: バウンダリー意識が低い
バウンダリー意識が低いため、相手が不快に思う境界線を察しようとしません。
自分自身のバウンダリー(境界線)が曖昧なことが原因です。
自分だったらこれくらいのことを訊かれても平気だから、相手も気にしないはずだと一方だけの基準で程度を測りがちになります。
14: 他者の評価が気になる
他者の評価が気になるため、あれこれ詮索してしまうのです。
周囲から必要とされているのだろうか、できる人だと思われているだろうか。
そういった不安から、自分に関する情報収集をして、自分の評価を他者に委ねている状況です。
15: 活動領域が狭い
地域のコミュニティ、職場、学校だけが活動領域となることは往々にしてあります。
活動領域が狭くなると刺激が少なくなります。
マンネリ化した日常から少しでも刺激を得ようと「知りたい」欲求が詮索となるのです。
詮索されないための対策
イヤなら顔を合わせなければいい。そんなわけにはいかないですよね。
どうすれば関係性を壊さずにNoといえるか、考えてみましょう。
- 変化球を投げる
- 驚きを表現する
- 時間を決める
- バウンダリーを明確にする
①: 変化球を投げる
答えたくない内容の質問をされたときに、変化球で返すことをおすすめします。
「毎月のお給料ってどれくらいもらっているの?」といった超ストレートな質問をされたとします。
そんなとき、あまりの直球さに怯むのではなく、深呼吸をひとつして、こう答えてみてください。
「毎月のお給料っていくらあれば生活できると思う?」
お給料の金額が聞けると想像していた相手にとっては、変化球でしかないのですが、「毎月のお給料」という話題で会話はつながっています。
ポイントは、相手の質問の中から共通する「キーワード」を見つけることです。
そうすることで、訊きたかったことの答えではなかったけれど、自分の質問は届いていたのだなという印象を与えることができますから。
②: 驚きを表現する
詮索されているかもしれないという疑惑からコミュニケーションを避けるのではなく、一度受け入れてみてください。
相手の詮索の対象が隠すほどのものではないこともあるでしょう。
けれど、あまりにもプライベートな内容に及んだ際には、驚きを表現してもいいのではないでしょうか。
「そんなプライベートなことを尋ねるのですか?」と予想外で驚いた顔を見せてあげてください。
そうすると、あなたの反応を受けて、相手はその質問が驚くほどに不躾なものだったと気づくきっかけになります。
その質問には答えずに、「他になにか答えられそうなことだったらなんだってきいてね」と会話がぶつ切れにならないように配慮してくださいね。
③: 時間を区切る
詮索好きな人に出会ってしまったときは、相手も納得せざるを得ない理由で時間を区切るという方法があります。
このあと人と会う約束があるので○○時には出掛けないといけない、などと明確に時間がないことを伝えます。
できることなら、10分程度で立ち去りたいものです。
「時間が割けない」という理由は、伝えても失礼にはならないものです。
急いでいる相手をわざわざ引き止めてまで詮索するツワモノでなければよいのですが。
④: バウンダリーを明確にする
遠回しに不快を表しても察してくれない相手には、はっきりとNoという決断が必要なときがくるでしょう。
プライベートなことは明らかにしたくない、あなたの質問は答えたくないものである、とバウンダリーを明確に宣言します。
相手はもともとバウンダリー(境界線)という認識が低い傾向にあると思われるので、あなたの言葉が「絶縁宣言」と受け取られないように、伝え方には相当な配慮が必要になります。
おすすめのメンタリストDaigoの本
この本は、メンタルが弱い人に、「強くなれ」と要求はしません。
誰もが持っているストレスや失敗と挫折、内向的な性格の3つを操ってメンタルを強くするテクニックの紹介です。
あれこれ詮索されて鬱積したストレスをうまくコントロールして、少し強くなった自分に出会ってみませんか。
うまく相手の心を動かして、自然な流れで自分が心地よいと思う方向にもっていくテクニックが紹介されています。
詮索するつもりで近づいてきた人とも、思いがけない人間関係が築ければ最強ですね。
「トモダチ」は「30人」
思い切った提案で展開される人間関係のリセット術。
個性豊かな人々と笑い合って生きられるならしあわせだけど、もしも振り回されて疲弊してしまうのであれば、やはり一度リセットして、自分自身の人生を生きてみませんか。
誰もが詮索好きの要素を持っている
ドラマのワンシーンなら笑えるけれど、現実に自分が詮索好きな人のターゲットになってしまったら心穏やかではいられません。
本能的に、人は人のことを知りたいと思うのは自然なことです。
誰もが「詮索好き」の要素を持っています。
詮索する人の心理を知り、人に対する好奇心をうまくコントロールして、振り回されることなく、健全な人間関係を築いてください。