縫い方の種類〈基本編〉
手で縫う時の基本的な縫い方、3種類を紹介しましょう。
- なみ縫い
- 半返し縫い
- 本返し縫い
小学校の家庭科で習う内容ですね。
縫い方の種類〈基本編〉①:なみ縫い
縫い方の、基本中の基本ですね。
針に通した糸の端を玉止めにしたら、針を布に刺し、裏側へ出して玉止めが布に当たるまで針を引っ張りましょう。
続いて、縫い進む方向に従って、再び折り返した生地の内側に針を通し、縫い進む方向と逆の方向に布をすくいます。続いて、縫い進む方向に従って、再び折り返した生地の内側に針を通し、縫い進む方向と逆の方向に布をすくいます。
続いて、針を縫いたいところに刺し、そのまま、針を抜かずに3~4mm間隔でまっすぐに、針を布の裏表交互に出しながら縫い進めます。
3針位縫えたら、一度、針を布から引き抜いて、糸を引っ張りましょう。
この作業を、必要な分だけ繰り返します。
布をなるべく張った状態ですると、縫いやすいですよ。
出来るだけ等間隔に縫うこと、布がよれないよう、糸を引っ張って締める時は、きつく締め過ぎないようにしてくださいね。
縫い方の種類〈基本編〉②:半返し縫い
なみ縫いの、少し発展した縫い方です。
薄い布を丈夫に縫いたい時に適しています。
なみ縫いの要領でひと針縫ったら、針を引き抜いて、半針分引き返して針を刺し、初めに針を出した位置からひと針先の所に針を出して引き抜きます。
これを、必要なだけ繰り返して下さい。
表から見たらなみ縫いですが、生地を裏返して見ると、一度出た糸が半歩戻って1歩半進んでいるのがよく分かりますよ。
縫い方の種類〈基本編〉③:本返し縫い
半返し縫いより、もっとしっかりした縫い方です。
半返し縫いよりも、こちらの方が使う頻度は高いですね。
まず、布地に針を刺し、ひと針進めましょう。
針を抜き取らず、そこから折り返して、初めに針を刺したところを通り越すように、ひと針縫い、
これで、ひと手順です。
必要な長さだけ、作業を繰り返しましょう。
表から見るとミシンで縫ったような縫い目になりますよ。
縫い方の種類〈布端の始末編〉
布は、切りっぱなしにしておくと、どんどんほつれてしまいますね。
そうならないように、糸で縫って始末する縫い方を2種類紹介しましょう。
- かがり縫い
- ジグザグ縫い
手縫いとミシン、それぞれ紹介しますね。
縫い方の種類〈布端の始末編〉①:かがり縫い
まず、手縫いでの布端始末のやり方です。
かがり縫いと言います。
布地の厚みがそこそこある場合、シルクなど薄い生地の場合、つまり、布の種類によって、やり方は少々異なります。
布地がそこそこ厚い場合は、まず、布の裏から針を刺し、そのまま抜きましょう。
針を布の裏に回して始めに刺した位置から少し先の位置に刺し、引き抜きます。
糸が、布地の端を巻いているようになります。
縫う間隔は狭い目に、布端から針を出す位置の長さを同じにすると、きれいにしっかり出来ますよ。
薄い布地の場合は、まず、布端を小さく3つ折りし、アイロンを当てて更に待ち針で止めましょう。
小さく3つ折りにした部分をそのまま巻きこんで、かがり縫いするのです。
薄い布地をかがり縫いする場合は、細い目の糸でするようにしましょう。
縫い方の種類〈布端の始末編〉②:ジグザグ縫い
今度は、ミシンを使う縫い方です。
ジグザグ縫いと言います、布端の処理はミシンの方が楽ですから、良くやっている人も多いですね。
この頃、ミシンも多機能で、ボタン一つで縫い方を選択できるものがたくさん売られていますね。
この機能を活かしましょう。
ジグザグ縫いしたい所を置いて、縫うのですが、気を付けてほしいのは、ジグザグの山になる部分、すなわち、布端の方は縫わない事。
布端は右側に来ているはずですから、ミシンの針が布端より右に落ちるように、布地を置いて下さい。
もし、難しい場合は、布地のなるべく端の方を気にせずそのままジグザグ縫いしましょう。
縫い終わったら、糸を切らないように布端の部分を裁ちばさみで切るのです。
布端の始末については縫う以外にも、バイアスにカットするとか、他の布でくるむとか、ピンキングはさみ(ギザギザに切れるはさみ)など、色んな方法があります。
しかし、どれも結局ほつれたり、洗濯に弱かったりするので、縫う方法が一番安心で確実なのです。
縫い方の種類〈裾始末編〉
裾始末の縫い方も、色んな種類があります。
- たてまつり
- 流しまつり
- 奥まつり
- 渡しまつり
- 千鳥かけ
裾の糸が切れた!ということ、日常で結構起きますよね。
縫い方の種類〈裾始末編〉①:たてまつり
一番基本的な裾始末のやり方です。
見事に、縫い目が縦になっていますね。
まず、裾を折り返して上げ、待ち針で止めましょう。
折り上げた部分の一番裏側から針を刺し、まっすぐ上の、織り上げた部分の端にあたる、布1枚の部分を少しだけすくって、再び、折り上げた部分の一番裏側に針を通します。
たてまつりは、ゼッケンやアップリケを付ける時にも使えますよ。
是非、マスターしましょう。
縫い方の種類〈裾始末編〉②:流しまつり
ほつれやすい所に使える縫い方です。
たてまつりより、優しい縫い上がりになるので、スカートの裾始末に向いています。
縫い目が斜めになっているのが分かりますね。
裾の部分を折り上げて、折り上げた部分の一番裏側から縫い始め所はたてまつりと同じです。
違うのは、上の布を少しすくう時、針を出した所の真上ではなく、少し先の場所をすくう事、こうする事で、裏から見た縫い目が斜めになるのです。
縫い方の種類〈裾始末編〉③:奥まつり
裏からも、表からも縫った糸が見えない縫い方です。
糸が布の表に出ない分、着て活動していても糸に摩擦が加わりにくく、切れにくいので、ズボンの裾上げに適していますね。
既製品の服、特に、高級品はこの種類の縫い方が多いですよ。
流しまつりのアレンジバージョンですが慣れないと難しいですね。
布を少し折り返して、布端から5mmぐらい内側を縫っていくのです。
縫いにくい場合は、布地を上下逆にして縫うと、やりやすいですよ。
縫い方の種類〈裾始末編〉④:渡しまつり
たてまつりのアレンジバージョンですね。
コの字とじとも言います。
布の端と端をピッタリくっつけられる縫い方です。
2枚の布の端を少し折り返し、折り山の所を縫っていきます。
均等な間隔になるように、右の布、左の布と順に針を通して、時々、糸をゆっくり引っ張って締めます。
縫い終わると、糸が完全に布の中に隠れているのが分かりますよ。
ぬいぐるみやクッションカバーなどの袋物を縫う時にこれが出来ると便利ですよ。
縫い方の種類〈裾始末編〉⑤:千鳥かけ
その名の通り、縫い上がりが千鳥足のように見える縫い方です。
裏地と表地を縫い合わせる時、ウエストゴムを付ける時などに使います。
縫い方としては、流しまつりのアレンジバージョンですね。
折り返した布端の内側から針を刺したら、次は、上の布の少し先の位置に刺し、縫い進む方向と逆の方向に少しだけすくいます。
続いて、縫い進む方向に従って、再び折り返した生地の内側に針を通し、縫い進む方向と逆の方向に布をすくいます。
進んでは戻り、と言う縫い方を進めることで、糸がクロスした状態になるのです。
基本、手縫いは右から左へ、縫って行きますが、千鳥がけの時は、左から右へ縫うようにしましょう。
その他の縫い方もご紹介
もっと別の種類の縫い方を紹介しましょう。
- 巻き縫い
- 星止め
ミシンでも手縫いでも出来ますよ。
その他の縫い方①:巻き縫い
かがり縫いの種類の1つで、2枚の布を縫い合わせる時に使う縫い方です。
ジャケットの裾、ジーンズでよく使われていますね。
2枚の生地の両端を巻込んで、細かく縫うのです。
結構技術と根気がいる縫い方です。
慣れないうちは、手縫いなら、待ち針で布を止め手から縫う、また、ミシンで縫う場合は、しつけ糸で仮縫いしてから縫う方が安心ですね。
その他の縫い方②:星止め
可愛らしい名前ですが、パッチワークでよく使われています。
縫い目が全く表に出ない、あるいは、出ていても、わずかしか表に出ていないことから、この名がついています。
奥まつりの1つの種類ですね。
布の裏から針を刺し、引き抜いたら、刺した所より少し後ろに戻って、次の目の所に針を出し、引き抜き、また少し戻って張りを刺し、と言う作業を繰り返します。
パッチワークの他、ファスナーを付けるのにも使えますよ。
手縫いに必要な道具
手縫いに必要な道具を紹介しましょう。
- 縫い針
- まち針
- 糸
- ピンクッション
- はさみ(布用、糸用)
- 裁縫箱
針、糸は何種類か用意しましょう。
はさみも、刃がダメになってしまいますから、事務用のはさみではなく、糸用、布用と用途別に専用のものを用意しましょう。
裁縫箱は必ず、用意して下さい。
1つの箱にまとめておくと便利、というだけでなく、針など、裁縫道具は細かくて無くしやすく、また、危険なものが多いですから、安全に保管、管理する事はとても大切です。
裁縫箱は、特別な物でなく、空いたお菓子の缶などでも良いですよ。
様々な縫い方が載っている手芸本
色んな種類の縫い方を掲載している本を紹介しましょう。
洋裁について、家庭で役立つ基本的なことを一通り紹介している本です。
縫い方に関しても、普通の手縫いだけでなく、ミシンや刺繍にいたるまで、実に幅広い種類を掲載していますよ。
裁縫箱と一緒に置いておきたい1冊です。
手のぬくもりを大切に
機械化が進み、便利になっても、人間の手作業に頼る部分はいつまでもありますよね。
裁縫もそうです、家庭で補修する程度なら、機械を使うほどでもないことが殆どでもあります。
自分の手で縫うと、また、愛着が湧きます。
色んな種類の縫い方をマスターして、手のぬくもりを大切に、受け継ぎたいですね。