スモックとは
スモックとは元々丈が長く腕周りお腹周りがゆったりしており、上からかぶる服という意味の言葉です。
日本では保育園や幼稚園の園児が遊び着として、または制服として着用しているのをよく見ますね。
園児にスモックを着用させる目的は汚れ防止や一目で園児だと判別できるようにするという目的もあり、他にも着脱がしやすく子どもたちが自分で着たり脱いだりできるという利点も大きなポイントです。
スモックの作り方アイデア実例
では、実際にどのようなスモックが作られているのでしょうか?
ここでは、実際に園児のお子さんに自作されたスモックの作り方アイデアを10個ご紹介します。
- 広いポケットのスペースを刺繍で可愛くアレンジ
- プリンセス気分になれるスモックのアレンジ
- 複数のパターンの生地を組み合わせたアレンジ
- 裾の切り方を工夫したおしゃなアレンジ
- 暑い季節はスモックも衣替え
- 小さなジェントルマンになれるアレンジ
- ポケットをポシェットに見せるアレンジ
- フリース生地を使った寒い季節のアレンジ
- 襟元を縁取りして良いアクセントに
- ポケットを工夫した簡単アレンジ
みんなが作ったスモック①:広いポケットのスペースを刺繍で可愛くアレンジ
きれいな黄色の生地を使った単色のスモックに飾りのボタンやレーステープなどを縫い付け、シンプルな中に程よく可愛いさが散りばめられたスモックです。
そこに、大きく開いたポケットのスペースを使って猫の顔を刺繍を加えたことで、さらに可愛さが増しオリジナリティーのあるスモックになっています。
みんなが作ったスモック②:プリンセス気分になれるスモックのアレンジ
スモックは短めのワンピースのような形をしているので、人気のプリンセスキャラクターのドレスのデザインを真似して、プリンセス気分になれるスモックを作ることができます。
プリンセス以外でもお子さんの好きなキャラクターや職業の制服などをモチーフにして作るのもおすすめですが、あまり派手になりすぎないように通園する園の規定に沿って作りましょう。
みんなが作ったスモック③:複数のパターンの生地を組み合わせたアレンジ
ドットやボーダー、動物柄などのいろいろな柄を組み合わせると派手になり過ぎるかもと心配してしまいますが、トーンを合わせたら意外とまとまりのある仕上がりになります。
この作り方は1種類の生地がスモック1着分を作るには足りない場合などに活用できますし、完成品は派手過ぎではありませんが個性的なのでお子さんを見つける良い目印になるというメリットもあります。
みんなが作ったスモック④:裾の切り方を工夫したおしゃなアレンジ
このスモックはポケットやボタン、アップリケなどの飾りのない1種類の生地を使った基本的な作り方のシンプルなスモックです。
そこに、裾を波状にカットするだけでまるでフレアのような可愛さが加わり、おしゃれなスモックになっています。
みんなが作ったスモック⑤:暑い季節はスモックも衣替え
よく見るスモックの形と言えば長袖で裾が太ももぐらいの長さまであるのものが多いですが、最近はとくに夏場は暑さが厳しいので、半袖や袖なしのノースリーブのスモックもよく使われています。
半袖の場合はパフスリーブにしたり袖をフリルにしたりいろいろと可愛いアレンジができますよ。
みんなが作ったスモック⑥:小さなジェントルマンになれるアレンジ
前から見るとまるでベスト着て蝶ネクタイをはめた紳士のようなスモックアレンジです。
作り方は型紙に沿って生地をカットし、ベストの部分とその他の部分をつなげる作業が少し難しいです。
同じ紳士的なデザインでネクタイを付けたスモックも人気があり、こちらは作り方もベストより簡単ですので、初心者の方にもおすすめです。
みんなが作ったスモック⑦:ポケットをポシェットに見せるアレンジ
スモックにつけるポケットをかごプリントや異素材の生地を使って縫い付け、そのポケットの対角にある方からポケットに向けて斜めにバイアステープを縫い付けます。
これを前側だけでなく、後ろ側も斜めにバイアステープを下ろして腰を通ってポケットに戻るように縫い付けるとポシェット感がより強まります。
みんなが作ったスモック⑧:フリース生地を使った寒い季節のアレンジ
暑い季節には半袖やノースリーブのスモックに衣替えするように、寒い季節はフリースなどの素材を使って季節に合ったアレンジをしましょう。
他に冬用のスモックの生地としてベロア生地や裏起毛の生地などもおすすめです。
みんなが作ったスモック⑨:襟元を縁取りして良いアクセントに
襟にギャザーを寄せないデザインのスモックの場合、襟元などやその他の生地の端をバイアステープを使って縁取りすると良いアクセントになり、おしゃれなスモックになります。
バイアステープの色はデザインの強いポイントにしたいので、生地とは異なる色とトーンのものを選ぶのがおすすめです。
みんなが作ったスモック⑩:ポケットを工夫した簡単アレンジ
ハンドメイドは初心者で基本のスモックを作るだけでも大変だけど、できるだけ可愛くお子さんが喜ぶようなアレンジがしたいという方は、ポケットを工夫してみるのがおすすめです。
ポケットの生地をスモックの生地と違うものを使うだけでも良いですし、シンプルなポケットにワッペンを上手く組み合わせるだけでも十分可愛い仕上がりになります。
スモックには2種類ある
ここで指しているスモックの種類とはデザインの違いのことです。
先ほど、アレンジ実例の中でも少し触れましたが、一般的なスモックのデザインは長袖で、元々子どもは暑がりでもありますし、最近の夏場の酷暑が影響してか、半袖のデザインの使用も増えてきました。
つまり、スモックには2種類あるというのは、現在スモックと言われて一般的なイメージには、これまでポピュラーだった長袖デザインと定番化してきた半袖のスモックの2つがあるということです。
スモック作りに必要な材料
では、実際にスモック作りに必要な材料にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、初心者の方にも簡単な作り方のスモック作りに必要な材料をご紹介します。
- 作るサイズに合った長さの生地
- 縫いしろ処理のためのバイアステープ
- 襟ぐりと袖口を絞るためのゴム
材料①:作るサイズに合った長さの生地
生地は1種類でも構いませんし、複数の種類の生地を使って身頃と袖の柄を変えてもいいですね。
必要な生地の長さはお子さんの身長などにより差異がありますが、以下の表を参考に用意してみてください。
スモックサイズ | 目安となる身長 | シングル幅(幅90cm)の生地※1枚裁断 |
---|---|---|
90cm | 90~100cm | 100cm |
100cm | 95~105cm | 120cm |
110cm | 105~115cm | 150cm |
120cm | 115~125cm | 180cm |
130cm | 125~135cm | 200cm |
材料②:縫いしろ処理のためのバイアステープ
バイアステープは脇や襟ぐりの縫いしろ処理をする際に使用します。
このバイアステープでの縫いしろの処理はスモックを裏返しても見た目が良いだけでなく、縫った箇所の糸を覆ってくれるので糸のほつれを防止することができます。
材料③:襟ぐりと袖口を絞るためのゴム
ゴムはスモックづくりの最後の仕上げに襟ぐりと袖口に通して使います。
ゴムを通して襟ぐりと袖口を絞ると首元や袖口から汚れやほこりなどがスモックの中に入るのを防いでくれますし、手洗いの際に袖がまくりやすいというメリットがあります。
スモックにおすすめの生地
スモックに使う生地といっても、種類がたくさんある中からどの生地を選べば良いか悩む方も多いのではないでしょうか?
ここでは、スモック作りにおすすめの以下6種類の生地をご紹介します。
- 厚手で丈夫なオックス生地
- ナチュラルな感じにしたいならキャンバス生地
- しわになりにくい便利なタンガリー生地
- 乾きが速い綿ポリ混紡生地
- 薄手なので夏用スモックにおすすめのシーチング生地
- さらさらとした肌触りが気持ちいいブロード生地
おすすめの生地①:厚手で丈夫なオックス生地
オックス生地は厚手で太い糸で目も細かく編まれているのでとても丈夫です。
レッスンバッグなどある程度強度のある生地を必要とするものはもちろん、スモックにも適しています。
しかし、夏場やたくさん体を動かした後は汗が引きにくく蒸れやすいというデメリットもあります。
オックス生地のスモックは、寒い時期の使用やご自宅でお絵かきや食事の際のご使用がおすすめです。
おすすめの生地②:ナチュラルな感じにしたいならキャンバス生地
キャンバス生地もオックス生地同様に厚手で丈夫な生地のひとつで、バッグなどにもよく使われます。
織り目が詰まっているので水が浸みにくいという特徴もあり、お子さんのスモック作りにおすすめです。
よくナチュラルな感じのデザインの洋服などには綿麻混合のキャンバス生地が使用されており、麻のかすと綿生地の色の違いで天然素材独特の雰囲気と柄が人気のポイントです。
おすすめの生地③:しわになりにくい便利なタンガリー生地
タンガリー生地はあまり聞いたことがない問う方でも「タンガリーシャツ」という言葉はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。
タンガリー生地は一見デニム生地のように見えますが、デニム生地よりも薄手で軽いので春夏のファッションなどによく取り入れられる生地です。
コットン100%のタンガリー生地は肌触りや吸湿性の点ではおすすめですが、しわになりにくいものを選ぶ場合は化学繊維が混ざったタンガリー生地がおすすめです。
おすすめの生地④:乾きが速い綿ポリ混紡生地
お子さんに作るスモックはできれば天然繊維を使いたいという方も少なくないと思いますが、スモックは服の上から着用するので天然繊維でなくてもそこまで肌への影響というのは大きくありません。
そこでおすすめしたいのが綿ポリ混紡生地で、この生地は天然繊維の綿と化学繊維のポリエステルを混ぜて織られた生地を指し、通気性の良さや速乾性、耐久性などそれぞれの長所を併せ持つ生地です。
おすすめの生地⑤:薄手なので夏用スモックにおすすめのシーチング生地
シーチング生地は太めの糸を使って、織り目が若干粗い生地なので通気性が良いというのが特徴です。
シーチングという名前はシーツによく使われる生地なのでそこから来ており、比較的柔らかい生地なので初心者の方でも縫いやすい生地です。
おすすめの生地⑥:さらさらとした肌触りが気持ちいいブロード生地
ブロード生地はシーチング生地に比べ細めの糸で目が細かくしっかりと織られており、薄手でさらさらとした肌触りが特徴です。
国によって「ポプリン」という別の呼び名もあり、ブロード生地という名前を使うところが多いですが、手芸店によってはポプリンを使っているところもあります。
初心者でもわかりやすいスモックの作り方
では、実際にスモックの作り方を見ていきましょう。
今回は初心者の方でも簡単な作り方でシンプルなデザインのスモックの作り方をご紹介します。
- 型紙に沿って生地を裁断
- ポケットと身頃と袖と襟ぐりを縫っていく
- 身頃と袖と裾の端を縫っていく
- 襟ぐりと袖口にゴムを通して完成
スモックの作り方①:型紙に沿って生地を裁断
まずは型紙に合わせ、生地を縫いしろを含めて前身頃と後ろ身頃、袖が2枚とポケットのパーツに裁断します。
縫いしろの線や身頃に縫い付けるポケットの位置などはあらかじめチャコペンを使って印をつけておくと便利です。
スモックの作り方②:ポケットと身頃と袖と襟ぐりを縫っていく
裁断と印つけが終わったら、早速縫っていきましょう。
まずは、ポケットの口の部分を1cm幅の3つ折りにしてアイロンをかけしっかり型をつけます。
3つ折りにした部分を縫ったら、前身頃にポケットを縫い付けます。
次に、前身頃と片方の袖の生地の表を合わせて(中表に合わせて)縫います、もう片方の袖と前身頃も縫い、後ろ身頃と両袖も同様にして縫って、襟ぐりで輪っかのようにつなげた状態にします。
次は、襟ぐりとバイアステープを中表に合わせ、マチ針で固定した状態でぐるりと1周縫います。
襟ぐりの縫いしろと今縫ったバイアステープのところにはさみで一定間隔の切れ目を入れて、折り曲げても襟ぐりのカーブにきれいに沿うようにします。
縫っていないバイアステープを襟ぐりの内側に折り込みアイロンでしっかり型をつけ、襟ぐりと一緒に縫って表側からバイアステープが見えないようにすれば襟ぐりの縫いしろ処理も完了です。
スモックの作り方③:身頃と袖と裾の端を縫っていく
ここでスモックの作り方の縫う作業が終わりますので頑張りましょう。
まずは、前身頃と後ろ身頃を中表で合わせて、ゴムの通し口を2cm程度空けて袖口から袖下、脇、裾まで続けて縫います。
反対側も同様にゴム通し口を空けて袖口から袖まで一気に縫っていけば、残るは袖口と裾の始末です。
袖口の縫い目のある部分を上側の生地だけはさみで切り込みを入れ、袖口を3つ折りにして縫います。
裾は単純に1cm幅ぐらいの3つ折りにしてそこをぐるっと縫えば袖口と裾の始末は完了です。
スモックの作り方④:襟ぐりと袖口にゴムを通して完成
最後は、襟ぐりに縫いつけたバイアステープの中にゴムを通して、首元が苦しくないようにしぼり加減を調節し、同様に袖口も3つ折りした生地の中にゴムを通して袖口を絞れば完成です。
今回ご紹介したスモックの作り方は初心者の方でも簡単な作り方なので、アップリケなどその他のデコレーションが無いシンプルなデザインのスモックの作り方です。
もし、ポケットなどにデコレーションがしたい場合は、ポケットを前身頃に縫い付けて、その後の作り方は今回ご紹介した作り方と同様の手順で作ればOKです。
おすすめのスモックの作り方を紹介している本
ここでは、スモックの作り方を含めた、通園通学グッズの簡単な作り方を紹介しているおすすめの本を1冊ご紹介します。
いちばんよくわかる かんたんかわいい通園通学グッズ
この本のおすすめポイントは通園通学に必要となるグッズの作り方がほぼ網羅されている点と手芸の基本となる用具の紹介や布選び糸選び、ミシンの使い方などの基礎知識について詳しい解説がある点です。
本で紹介されている作り方には刺繍やアップリケなどが施されたものが多いのですが、初心者の方は飾りをつけず基本的なデザインで作られるとそんなに難しくありません。
スモックは各園での規定に沿った作り方で!
小さいお子さんの活動着として重宝するスモックは、ポケットの形やボタンやリボン、刺繍やチロリアンテープなどでデコレーションしてできれば可愛く仕上げたいですよね。
ご自宅での使用であれば、お子さんの希望を存分に取り入れた作り方で全く問題ありませんが、幼稚園等で制服の1つとして作る場合は、しっかりと各園の作り方の規定内に収めるように気をつけましょう。