室外機カバーとは
エアコンの室外機に取り付けるカバーはそもそもなぜ取り付けるのでしょうか。
カバーと言っても、室外機をすっぽり覆うためだけのものではありません。
室外機カバーとは室外機の上に庇などを付けて、まるで家の屋根のように日光を遮るものを指します。
そのカバーを取り付けることで、エアコン自体が熱くなり電力効率を低下させるのを防いでくれます。
そんな省エネにも役立つ室外機カバーをDIYで簡単に作ることが出来るので、挑戦してみはいかがでしょうか。
おしゃれな室外機カバーDIY実例
それではおしゃれで実用的な室外機カバーの、DIYアイデアを見ていきましょう。
室外機カバーDIY実例①:ルーバーで放熱を考えた室外機カバー
1×4材を枠組みに使用して、天板はすのこ状にしてあります。
室外機の空気吹き出し口には下向きのルーバーを設にして、見た目と放熱を考えた作りにしています。
ルーバーとは、羽板を等間隔の隙間をあけて平行に並べて固定したものを指します。
上部から見たときには中が見えないようになっており、目隠し効果を期待できる一方で、適度に隙間があるため風通しも考えられています。
柵や塀に使用したり、室内では照明器具につけることがあります。
室外機カバーDIY実例②:不要なキャビネットを再利用したDIY
部屋の中で不要になった木製キャビネットを、室外機カバーとしてリメイクしたアイデアです。
コの字型にばらした板を組み立てて、右側のメーカー名などが表示された部分を目隠ししていきます。
さらに室外機カバーの上には一回り小さい木製ボックスを作って、洗濯物干しに必要なピンチやハンガーを収納できるようにしています。
最後にボックスの表面にステンシルをすれば完成。
リメイクしたとは思えない、男前な室外機カバーのDIYです。
室外機カバーDIY実例③:花台にもなる室外機カバー
ナチュラルな木製の室外機カバーは、庭の一角にあっても違和感なく溶け込んでいます。
天板はしっかり日光を遮ってくれるように隙間なく木材を組み、ファンの前は風通しが良くなるようにある程度の隙間をあけています。
さらに天板の上には鉢植えを飾れるようにもなっており、花台としても活躍しそうなDIYアイデアです。
室外機カバーDIY実例④:すのこを使った室外機カバー
このような大きめの室外機でもDIYなら大丈夫。
しっかりサイズを測っていけば、ホームセンターなどで丁度良いサイズのすのこを探せます。
すのこはサイドに2枚、前面に2枚使用しています。
天板もすのこの板を全て外してから、くっつけた状態で横板を渡せば隙間なく設置可能です。
またすのこは組み上げる前に塗料を塗って乾かしておくと、きれいに仕上がります。
室外機カバーDIY実例⑤:すのこで花台付き室外機カバー
こちらもすのこを組んだだけの、簡単な室外機カバーDIYアイデアです。
すのこを使うDIYアイデアはよく目にしますが、100均などでも手に入るので初心者にぴったりの材料です。
また桐などの木材を使用していることが多く、比較的柔らかい材質のためカットしたりくぎを打ち付けたりの作業が女性でも簡単に出来ます。
さらにビスを外してばらばらにすれば木材として使用することも。
比較的安価で手に入り、加工もしやすいすのこDIYは初心者向けのアイテムです。
室外機カバーDIY実例⑥:足つきの室外機カバー
雨に当たって水にぬれても腐食しにくいように、足が付いています。
室外機前面のメーカー名などが表示された部分も、うまく目隠しがされていて見た目もすっきり。
ファンの前には筋交いのように補強材が入っていて強度も高そうです。
天板には植物などを並べておくのが似合いそうですね。
室外機カバーDIY実例⑦:竹垣とすだれを使ったDIY
竹製の柵を側面に使用して、前面にはすだれを配置。
日本らしい素材を使って、涼し気な室外機カバーが出来上がりました。
前面のすだれはクルクル巻いて上げてしまうことも可能。
暑い夏でも涼し気な素材を使うと、目からも涼を取れそうな室外機カバーになります。
室外機カバーDIY実例⑧:ラティスフェイスと波板を使ったアイデア
ベランダや庭の目隠しに使われるラティスフェンスも、DIYには便利な材料です。
ある程度の隙間も空いているので、室外機カバーにはピッタリ。
屋根部分にはポリカーボネート製の波板を使用しています。
どちらもホームセンターでよく見かける材料なので、簡単に手に入ります。
またホームセンターには、必要な木材などを希望の長さにカットしてくれるサービスなどもあるので、DIY初心者の方は利用すると便利です。
室外機カバーDIY実例⑨:棚と一体型の室外機カバー
棚の下部分は室外機カバーとなっており、室外機がかろうじて確認できる程度です。
そして棚の上部には、多肉植物を栽培するためのスペースにしています。
庭の他の棚と色合いを合わせれば統一感も出て、これが室外機カバーだとはだれも気が付かないほど。
思い切って隠してしまうアイデアは、棚も増えて一石二鳥です。
室外機カバーDIY実例⑩:室外機カバーを盆栽の作業台に
庭で盆栽いじりをする方向けのDIYアイデアです。
室外機カバーの枠部分に電動ドリルで穴を開け、そこにダイソーの超強力マグネットを接着剤で貼り付けます。
そうすることで盆栽の手入れに使うハサミやピンセット、ペンチなどがマグネットに接着。
あっという間に盆栽用具の収納が完成しました。
マグネットでくっつけるだけなので、手間もかからずワンアクションで収納できます。
室外機カバーの上を作業台にすれば、手の届く範囲に盆栽用具を置くことが出来るという仕掛け。
エアコンの室外機カバーDIYのメリット
ではエアコンの室外機カバーをDIYするメリットとは何でしょう。
- 買うよりも安くすむ
- サイズぴったりに作れる
- 棚などを付けてカスタマイズ出来る
メリット①:買うよりも安くすむ
木製の物などは最低でも、5~6000円ほどする室外機カバー。
しかしDIYで作ってしまえば、すのこ製なら2000円以内で収まります。
さらに安く抑えたい方は、100均のすのこを使えばさらに金額を下げられます。
100均には釘やねじなどの他に、金づちやノコギリなども置いてあるので、材料と一緒に道具までそろえられるので便利。
メリット②:サイズぴったりに作れる
大きいサイズの室外機や、2台が縦に重ねられている室外機でも、DIYならサイズぴったりに作ることも可能。
またペンキなどで塗装することで、自分なりのオリジナリティを出すことも出来ます。
メリット③:棚などを付けてカスタマイズ出来る
ただの室外機カバーを作るだけでなく、上部分を棚にすれば花や植物を飾るのに便利。
また同じ素材でボックスを重ねて、ベランダで使う洗濯物干し用品や園芸用品を収納してもいいでしょう。
いずれにしても自分でDIYすることで愛着が沸き、大切に使おうとする心も養われそうです。
エアコンの室外機カバーDIYに必要な材料・道具
エアコンの室外機カバーを作るのに必要な材料やあると便利な道具などをご紹介するので、参考にしてみてください。
- 1×4材 6枚セット
- 桐すのこ 4枚セット
- フラットヘッドビス
- 電動ドライバー
- ノコギリ
- サンドペーパーホルダー
- 差し金
- 刷毛
- ワトコオイル
- 工具用ウエストバッグ
室外機カバーDIYの材料・道具①:1×4材 6枚セット
DIYによく用いられるワンバイ材とは、1×4材のこと。
アメリカの住宅工法で用いられている建材で、2×4材などもよく知られています。
1×1材から2×8材までの規格で、サイズが決まっているので組み合わせやすいのが特徴。
とはいっても木材なので、ワレや反りなどが無いようにお店で選ぶ時はよく確認してから購入してください。
室外機カバーDIYの材料・道具②:桐すのこ 4枚セット
木材よりも扱いやすく、DIY初心者でも気軽に使えるのがすのこです。
あらかじめ組み上げられているので、あとはすのこ同士をビスなどで固定すれば簡単に形になります。
また桐材という比較的柔らかい木材を使用しているので、ノコギリなどでもカットしやすく、釘も打ちやすいのでおすすめです。
ただし雨などが直接当たる場所で使用するときは、腐食しないように塗料やニスを塗るようにしましょう。
室外機カバーDIYの材料・道具③:フラットヘッドビス
木材同士を止める時に必要なのが、このような頭部分が平らになったビスです。
きれいに止めるにはいくつかのコツがあるのでご紹介します。
まずいきなりビス止めするのではなく、あらかじめ木工用ボンドなどで仮止めしておくと、動かずに作業がしやすくなります。
またビスを打つ場所にキリなどの細い道具で穴をあけておくと、ズレたり曲がったりすることなく仕上がります。
室外機カバーDIYの材料・道具④:電動ドライバー
DIYをするときにあると便利なのが電動ドライバーです。
アタッチメントでビスの大きさに合わせて交換することが出来るタイプがほとんどなので、一台あれば十分です。
また手元にライトが付くタイプや、充電式でコードレスのドライバーなど、使い勝手に合わせて選ぶと良いでしょう。
室外機カバーDIYの材料・道具⑤:ノコギリ
片手で使えるノコギリは、折り畳み式で工具箱に入れても場所を取りません。
また女性でも持ちやすい大きさで、使い勝手も良いデザインです。
室外機カバーDIYの材料・道具⑥:サンドペーパーホルダー
木材が組みあがったら塗装の前にやすり掛けすると、塗料が乗りやすくなったり、木のケバ立ちで指をケガすることも防げます。
紙やすりを直接手で持って使うよりは、このようなサンドペーパーホルダーがあれば、やすり掛けもやりやすくなります。
室外機カバーDIYの材料・道具⑦:差し金
木材に寸法に合わせた印をつけたり、直角の線を引くのに必要なのが差し金です。
またカッターなどに合わせてカットするときにも、金属製なので切れたりすることがありません。
室外機カバーDIYの材料・道具⑧:刷毛
塗料を塗るのに必要な刷毛も忘れずに買っておいてください。
水性や油性など様々な塗料があるので、塗装によって刷毛を変える方が良いでしょう。
塗料を入れる容器は小さめのバケツでもいいのですが、使用済みの牛乳パックを途中からカットすると、塗料を入れて塗り終わったら軽く洗ってそのまま捨てられるので便利です。
室外機カバーDIYの材料・道具⑨:ワトコオイル
木目を生かした塗料として人気なのがこのワトコオイル。
艶消し効果があり、塗り重ねることで濃い色目にすることができます。
また木の割れや狂いを防ぐ調質効果があり、だれでも簡単にきれいに塗ることができるのでDIY初心者にぴったりの塗料と言えます。
室外機カバーDIYの材料・道具⑩:工具用ウエストバッグ
ペンチやドライバーなどを腰に付けたバッグに差せば、職人になったような気分でDIYもはかどるでしょう。
フタの付いたポケットには、釘やビスなどの細かい物を入れることができます。
作業を中断することなく道具やビスなどを取り出せるので、作業時間の短縮にもなりそうな便利アイテムです。
エアコンの室外機カバーDIYの方法
それでは実際に、室外機カバーをDIYする方法を動画で見ていきましょう。
- 図面を描く
- 材料を調達し、カットする
- 図面通り組み立てる
- 塗装して設置して完成
室外機カバーDIYの手順①:図面を描く
DIYを成功させるには、作りたい物の図面を描くことから始めてください。
なぜ図面が必要かというと、必要な材料の数がはっきりして無駄なく木材を使用することが出来るからです。
とはいうものの、いきなり図面を描くといってもどのようにしたらいいか困ってしまう方も多いと思います。
あまり難しく考えずに、作りたいものをイメージしてそれをイラストのように手書きするだけでも大丈夫。
その際には骨組みから描いていくと良いのではないでしょうか。
収めたい室外機の外寸を測り、ある程度の余裕を持たせたサイズで図面を描くことで、どのように木材をカットすればいいかもはっきりしてきます。
室外機カバーDIYの手順②:材料を調達し、カットする
図面が完成したら、ホームセンターや木材専門店で材料を調達しましょう。
電動のこぎりなどをお持ちの方以外は、お店の木材カットサービスを利用してカットしてもらうと良いのでは。
自分の描いた図面を持参すると、店員さんとのやり取りもスムーズに行えます。
こちらの動画では、主に1×4材を使っています。
図面通りに寸法を測り鉛筆で木材に印をつけていったら、一気にカットです。
また切り出した木材の面取りをすることで、角が丸くなり手触りも良くなります。
室外機カバーDIYの手順③:図面通り組み立てる
切り出した木材を図面に沿って組み立てていきます。
ここでも重要なのが、寸法に沿って木材をビス止めすること。
いざ組み上げたときに寸法がばらばらだとうまく形になりません。
ちょっと面倒でも、図面を確認しながら行ってください。
室外機カバーDIYの手順④:塗装して設置して完成
こちらの動画では側面を片側取り付けてから塗装していましたが、初心者は組み立てる前に塗装をしてしまった方が楽です。
内側と外側の両面をくまなく塗装しなければいけないので、乾いたらもう反面という風に仕上げてください。
また塗装の乾きが早くなるように、扇風機を回しながら作業することをおすすめします。
またラッカー塗料などは、何度か塗り重ねることによって撥水効果が高まったりするため、乾いたら塗るを繰り返す必要があります。
前面を塗って乾いたら完成。
あとは実際設置してみて不具合をチェックしてください。
100均のすのこでも室外機カバーはDIYできる
必要な材料の項目でも挙げましたが、木製すのこでも室外機カバーを作ることができます。
DIYアイデアでもご紹介しましたが、すのこ同士をビス止めしていくだけなので初心者でも簡単に作れるのではないでしょうか。
エアコンの室外機カバーをDIYするときの注意点
ここでは室外機カバーをDIYするときの注意点を見ていきます。
- 作業する場所を考える
- ケガしないように注意する
- 熱の逃げ道を確保する
室外機カバーDIY注意点①:作業する場所を考える
DIYを行う時に注意しなければいけないのが、作業する場所です。
電動のこぎりでカットしたり、ドライバーでビス止めするため、木くずが飛んだり大きい音が出る場合があります。
近所迷惑にならない場所、時間を考えて作業してください。
室外機カバーDIY注意点②:ケガしないように注意する
切りっぱなしの木材はささくれ立っており、うっかり指を傷付けてしまう場合があります。
そのためなるべく手袋をして作業するようにしてください。
また小さい子供のいるお家は作業しているそばで歩き回らないように、一層注意をする必要があります。
室外機カバーDIY注意点③:熱の逃げ道を確保する
直射日光を遮り、室外機の周りの温度を下げることで運転効率をアップさせる室外機カバー。
室外機自体の熱をうまく逃がしてあげないと、かえってエアコンの運動効率を下げてしまうことになります。
なので、ある程度余裕を持たせた作りで、熱の逃げ道を考えた設計にすると良いでしょう。
おすすめの市販室外機カバー
ラティス風のデザインで、無機質になりがちな室外機カバーをナチュラルに見せてくれます。
解放感があり、ある程度の目隠しにもなります。
天板は、鉢植えなどを置くためのスペースとしても利用できるのでおすすめ。
室外機カバーを楽しくDIYしよう
DIY初心者には難しそうな室外機カバーですが、設計図面をきちんと作れば大丈夫。
お気に入りのデザインを応用して、自分なりのアレンジをしてみても良さそうです。
暑い夏に少しでもエアコンの省エネに役立つ、室外機カバーのDIYにぜひ挑戦してみてください。