労い(ねぎらい)の言葉の意味
労いの言葉の意味は、一定の働きや努力をしている人に対して功績や姿勢を称えるために使う言葉のことです。
基本的には相手を褒めるフレーズとして使うことが多く、自分が何か仕事を与えたあとにこなしてくれたことをありがたいと感じる気持ちなどを表現するためにも使えます。
ありがたい、という気持ちだけでなく、申し訳ない、という気持ちが含まれていることが特徴的なフレーズでもあるでしょう。
負担をかけて申し訳ないけれど、よくやってくれた、ありがたい、といったイメージで使いやすいフレーズとなっています。
また、相手を尊重したり、素晴らしい、と褒める気持ちも加味されている場合が多いでしょう。
誰かから労うことを言われた場合は、相手からの気持ちを汲み取るようにすると、円滑にコミュニケーションを取ることができるのもポイントです。
「労いの言葉」の英語表現
「労いの言葉」の英語表現は、「Goodjob」や「Welldone」などのように、対象の相手の仕事ぶりを褒める表現が多いです。
また、「Youdidgoodtoday」といった類語のように、当日の動きに焦点を絞って賞賛する表現もあるでしょう。
「You」と相手を指名して褒めることで、より対象を限定して使うことができるのもポイントです。
「Itwasgreat」というように、仕事を対象にして表現すれば、事務的ではあるものの「great」の代わりに色々な形容詞を用いて独自の表現をすることもできるでしょう。
より語彙力を活かして相手を賞賛したい時に便利な表現となっています。
労う(ねぎらう)と労る(いたわる)の違い
労う(ねぎらう)と労る(いたわる)は、同じ漢字を使っている表現ですが、使う対象の相手に違いがあります。
労うは、何かを成し遂げた人や日頃何かに取り組んでいる人に対して使う言葉で、よりいろいろな人に対して使いやすい言い回しとなっているでしょう。
しかし、労るの場合は病気を抱えている人や、疲れている状態の人に限定して使うことができます。
労るという言い方を使うことで、より相手の立場に立って考えている印象をあたえることができるでしょう。
労いの言葉は上司には使わない
目上の人や上司に対しては、労いの言葉を投げかけてはいけません。
自分よりも立場が上な人に対して使ってしまうと、偉そうな態度になってしまったり、礼儀をわきまえていないような印象を与えてしまいます。
相手の頑張りを鑑みて褒めるつもりで言ったにもかかわらず、相手の機嫌を損ねてしまった、悪い印象を与えてしまった、という事態を招いてしまうでしょう。
より単純に感謝する気持ちを表明したり、恩を感じている旨を述べるようにした方が失礼にあたらずに相手を賞賛することができるのもポイントです。
労いの言葉を使う場面6選
実際に使うことができる場面は、どのようなものとなっているでしょうか。
こちらでは、6つの場面についてご紹介していきます。
- 仕事が終わったタイミング
- 張り切って取り組んでいる姿勢を見かけた時
- 指摘をする前にワンクッション置きたい時
- 飲み会の席
- 1日の終わりに家族に会った時
- 気持ちが下がっているのを見かけた時
労いの言葉を使う場面①:仕事が終わったタイミング
労いの言葉を使う場面の1つ目は、仕事が終わったタイミングです。
一定の区切りができた時や、成果が上げられたのを認めた時には、すぐに取り入れて使うようにすると良いでしょう。
相手の達成感をより高めやすくなり、次の仕事へのモチベーションも持たせやすくなります。
反対に、タイミングを逃してしまうと薄情に思われることもあるため、仕事を終えたのを確認したらしっかりと使うようにすると良いでしょう。
労いの言葉を使う場面②:張り切って取り組んでいる姿勢を見かけた時
労いの言葉を使う場面の2つ目は、張り切って取り組んでいる姿勢を見かけた時です。
頑張っている様子を見かけたら、姿勢を褒める表現を使うようにしたり、感謝する気持ちを伝えるようにすると、相手もより頑張りたい気持ちを強めやすくなるでしょう。
より張り切ってほしい時にも用いるようにすることで、相手に頑張ってみようかな、という気持ちを湧かせやすくなるのもポイントです。
労いの言葉を使う場面③:指摘をする前にワンクッション置きたい時
労いの言葉を使う場面の3つ目は、指摘をする前にワンクッション置きたい時です。
いきなり悪いところを指摘してしまうと、相手にショックを与えすぎてしまったり、理不尽に感じさせてしまうこともあります。
そのため、最初に相手の良い所を褒めたり、頑張っていることは評価していると伝えてから、直してほしい所を伝えるようにすると、相手に聞き入れてもらいやすくなるでしょう。
より相手に自分のアドバイスを聞いてほしい時や、相手の警戒心を解きたい時にも使えるテクニックとなっています。
労いの言葉を使う場面④:飲み会の席
労いの言葉を使う場面の4つ目は、飲み会の席です。
部下や同僚と親睦を深めるための場でも用いることで、お互いによく頑張っていることを認識して仲間意識を強めやすくなります。
また、一緒に美味しいものを食べたり飲んだりして楽しむ場で用いることで、これからもよろしく、という気持ちを同時に伝えやすくなるのもポイントでしょう。
仕事を切り盛りしている立場であれば、よりいろいろな人に対して使いやすい場面となっています。
労いの言葉を使う場面⑤:1日の終わりに家族に会った時
労いの言葉を使う場面の5つ目は、1日の終わりに家族に会った時です。
仕事から帰ってきたのを見た時や、家事に取り組んでいるのを見た時だけでなく、1日の終わりにおやすみなさい、という挨拶と共に用いると、疲れを上手にケアすることができます。
1日の終わりにも伝えることで、相手もその日1日取り組んだ行動が報われたように感じやすくなるでしょう。
挨拶と一緒に伝えることで、より気軽に言いやすくなるのもポイントです。
労いの言葉を使う場面⑥:気持ちが下がっているのを見かけた時
労いの言葉を使う場面の6つ目は、気持ちが下がっているのを見かけた時です。
気持ちが下がってしまった時には、誰かから認めてほしいという気持ちや自分はどうしてだめなんだろう、と自己嫌悪する気持ちが強まりやすくなります。
また、気持ちが下がっているといつもよりも作業を進めるペースが遅くなったり、ミスが多くなったりすることもあるでしょう。
こまめな労いの言葉は、心や疲れのケアとしても機能しやすいフレーズです。
これまでの頑張りを認めるような表現をすることで、相手の自己肯定感を増やし、前向きな気持ちに引き戻しやすくなるでしょう。
仕事で使える労いの言葉の例文3選
仕事で使える労いの言葉の例文①:よく頑張りましたね
仕事で使える労いの言葉の例文の1つ目は、よく頑張りましたねとった言い方です。
柔らかい口調を心かげて部下に対して使うことで、優しい印象を与えやすくなるでしょう。
相手が仕事で成果を出せずにいる場合でも、相手の気持ちを上げるための用途で使うことができるのもポイントです。
より親近感を与えたい場合には丁寧語ではない言い回しにしても良いですが、不躾な声にならないように注意すると良いでしょう。
仕事で使える労いの言葉の例文②:ご苦労様です
仕事で使える労いの言葉の例文の2つ目は、ご苦労様です、という言い方です。
苦労、という言い方をすることで、相手よりも目上であることを伝えつつ、頑張りを褒めることができるでしょう。
また、帰りの挨拶としても使うことができるのもポイントです。
事務的な印象になりすぎないように、心をこめて伝えることで、思いやる気持ちや気遣いを伝えやすくなるでしょう。
仕事で使える労いの言葉の例文③:助かりました
仕事で使える労いの言葉の例文の3つ目は、助かりました、という言い回しです。
あなたのおかげです、というニュアンスを伝えたい時には、助かりましたよ、と伝えることで、成果や頑張りを賞賛することができるでしょう。
ただ褒めるだけではなく、一定の成果を上げていることを認め、伝えたい時に使うとおすすめな表現となっています。
相手を肯定する言葉として使えるので、より達成感を与え、何かを成し遂げたあとの疲れを癒やしやすくなるでしょう。
メールで使える労いの言葉の例文3選【部下・同僚編】
メールで使える労いの言葉の例文①:お疲れ様です
メールで使える労いの言葉の例文の1つ目は、お疲れ様ですという言い方です。
ご苦労、という言い方よりも柔らかい言い回しになるため、事務的な印象を少なめにして丁寧な印象を与えられるでしょう。
日々の業務、という言い方と合わせて使うことで、最初の挨拶としても用いることができます。
文面を丁寧な印象で始める時や、伝えるべき事項がある時の前に使う表現として用いると良いでしょう。
メールで使える労いの言葉の例文②:一緒に頑張りましょう
メールで使える労いの言葉の例文の2つ目は、一緒に頑張りましょうという言い回しです。
ただ頑張ってください、と伝えてしまうと、1人で努力しなければいけないように感じさせてしまう場合もあるでしょう。
自分も頑張るので、一緒にやってみようという気持ちが伝わるように表現を選べば、より一体感を生み出しやすくなります。
協力して取り組むことができる、という安心感をあたえることで、よりのびのびと作業させやすくなるでしょう。
メールで使える労いの言葉の例文③:無理をしすぎないように
メールで使える労いの言葉の例文の3つ目は、無理をしすぎないように、という表現です。
体調に気をつけて、といった言い回しや、くれぐれも無理はしすぎないように、といった使い方をすることで、励みすぎて疲れないように注意を促すことができます。
また、気遣う言い回しにすることで、頑張りが報われている、と相手に感じさせやすくなるのもポイントです。
自分が無理な仕事を押し付けてしまっている時や、自分が無理をさせていると感じている時には使わないほうが良い、ということも押さえておくと良いでしょう。
メールで使える労いの言葉の例文3選【取引先編】
メールで使える労いの言葉の例文①:感謝いたします
メールで使える労いの言葉の例文の1つ目は、感謝いたします、という言い方です。
プロジェクトなどで取引をしている方は、自分よりも目上の立場であることが多いため、ご苦労、といった表現をしてしまうと失礼にあたってしまうことがあります。
素直にありがたい、という気持ちを伝えるようにすることで、心配りを見せて丁寧な印象を与えることができるでしょう。
メールで使える労いの言葉の例文②:お世話になっております
メールで使える労いの言葉の例文の2つ目は、お世話になっております、という言い回しです。
何かを負担してもらっていると感じている時や、分担している作業がある時などに使うと良いでしょう。
いつも、という言葉と一緒に使うことで、日頃してもらっていることに対してもありがたいと感じる気持ちを伝えやすくなるのもポイントです。
また、始めに使って結びの言葉によろしくお願いします、と持ってくることで、文章の流れを綺麗にすることもできるでしょう。
メールで使える労いの言葉の例文③:ご足労いただき
メールで使える労いの言葉の例文の3つ目は、ご足労いただき、という言い回しです。
会社に来てもらうことがあった場合や、指定の会場に来てもらった場合などに使うと、より具体的に相手の負担を考慮してありがたい気持ちと申し訳ない気持ちを伝えられるでしょう。
雨天時などは、お足元が悪い中、といった言い方を加えるとより相手の立場に立った表現ができるのもポイントです。
プライベートで使える労いの言葉の例文3選
プライベートで使える労いの言葉の例文①:おつかれ
プライベートで使える労いの言葉の例文の1つ目は、おつかれです。
何かを終わらせた人に対してや、頑張っていることがわかった時に気軽に使いやすい言い回しとなっているでしょう。
よりいろいろな場面で使いやすいため、より特別感を与えたい時にはおつかれさま、と言ってみたり、言葉と共にお菓子をプレゼントしたりするとより効果的に伝えやすくなります。
特に、女性相手にはこまめに伝えるようにすることで、頑張っていることに対して配慮しやすくなるのもポイントです。
プライベートで使える労いの言葉の例文②:頑張ったね
プライベートで使える労いの言葉の例文の2つ目は、頑張ったねです。
いつも以上に張り切って終わらせたことがある人や、何か嫌なことがあってもめげずに取り組んだ人などに対して使うと、より効果的に心のケアを行うことができるでしょう。
頑張りを認める気持ちや、大変だったのに終わらせることができてすごい、と褒める気持ちを伝えるために有効な言い回しとなっています。
お茶などを淹れて伝えるとより彼女やパートナーの心を癒やしやすくなるのもポイントです。
プライベートで使える労いの言葉の例文③:ありがとう
プライベートで使える労いの言葉の例文の3つ目は、ありがとうです。
とてもシンプルですが、感謝する表現は相手を認め、褒める言葉でもあります。
今日も、といった言い回しやいつも、といった言葉を使うと、これまで続けてくれたことを知っている、という気持ちを伝えやすくなるのもポイントです。
労いの言葉に対するお礼の例文3選【直接編】
労いの言葉に対するお礼の例文①:温かいお言葉をいただき
労いの言葉に対するお礼の例文の1つ目は、温かいお言葉をいただきという言い回しです。
温かい、という言い回しを使って伝えることで、自分の心が動かされたことや、心が温かくなったことを間接的に伝えやすくなります。
労いの言葉に対するお礼の例文②:お気遣いいただき
労いの言葉に対するお礼の例文の2つ目は、お気遣いいただきといった言い方です。
気遣ってもらった、ということを伝えることで、ありがたく感じていることを伝えやすくなるでしょう。
目上の方を尊敬する気持ちを伝えたい時やより固めな言い回しをしたい時におすすめな言い方となっています。
労いの言葉に対するお礼の例文③:恐縮です
労いの言葉に対するお礼の例文の3つ目は、恐縮です、という表現です。
本来であれば労いの言葉をもらうべきではないのにもらってしまった、という場合や、とても立場が上の人から労ってもらった場合に使うと良いでしょう。
直接言葉に出して言うことで、恐れ多い、という気持ちと相手を強く敬っている姿勢を表敬しやすくなります。
労いの言葉に対するお礼の例文3選【メール編】
労いの言葉に対するお礼の例文①:感謝申し上げます
労いの言葉に対するお礼の例文の1つ目は、感謝申し上げます、です。
申し上げる、という謙譲語を使うことで、より相手を敬う気持ちを表せます。
労いの言葉に対するお礼の例文②:大変嬉しく思います
労いの言葉に対するお礼の例文の2つ目は、大変嬉しく思います、です。
嬉しい、という言い回しだけでは子供っぽい印象になってしまうため、大変、という言葉で強調すると良いでしょう。
労いの言葉に対するお礼の例文③:精進いたします
労いの言葉に対するお礼の例文の3つ目は、精進いたします、です。
労ってもらったことに対して、どんな姿勢で返していくのかを伝えたい時におすすめでしょう。
正しい敬語の本
正しい敬語の本は、「大人なら知っておきたいモノの言い方サクッとノート」です。
より丁寧な印象の表現の使い方を、キーフレーズという形で具体的に紹介している内容となっています。
どんな場面でどんな風に表現すれば良いのかについて詳しく説明されているため、よりいろいろな場面で上手に丁寧な表現ができるようになりたい方におすすめな書籍でしょう。
実例と解説についても、1フレーズごとに紹介されているため、整理して覚えやすく、自分が使いたいフレーズについての情報を集中的に覚えやすくなっているのも魅力的なポイントです。
文字に書き起こした場合にも流麗な印象を与えやすくなるため、丁寧なメールの文面をすぐに作り出せるようになりたい方にもおすすめなアイテムとなっているでしょう。
間違った使い方をしていないか確認したい場合にも役立つアイテムとなっています。
労いの言葉に関連した表現を覚えて使ってみよう
労いの言葉だけでなく、関連した表現を覚えて、実際に使ってみましょう。
使っても良い相手や場面を把握してから用いるようにすることで、より正しく使いやすくなり、相手にも良い印象を与えやすくなるのもポイントです。
また、敬語や丁寧な表現を用いる時には、間違った使い方をしてしまうと相手に失礼な印象になってしまうのも把握しておいた方が良いポイントとなっているでしょう。
例文の中から使いやすいものをピックアップして、実際の会話やメール文などに取り入れて、より円滑にコミュニケーションを取れるようにしていきましょう。