癇癪持ちの意味とは
癇癪持ちの本来の意味を説明しましょうね。
簡単に言うと、癇癪持ちとは、ちょっとした事で怒り出してしまう性質の持ち主の事です。
一時流行ったキレると言葉がぴったり当てはまりますね。
癇癪持ちな性質になる原因は、本当に人それぞれで、一概にこれと決めることは出来ないのですが、研究や分析によって、以下のような原因があるのではないか、と言わています。
- 発達障害
- うつ病
- トラウマ(特に大人の場合)
- 何だかの欲求不満がある
- コミュニケーションがうまく取れない
- ストレスが積もり積もっている
病気や障害、ネガティブな経験が原因になる事が多そうですね。
また、原因が単独でなく、複数ある人もいるんですよ。
大人が癇癪持ちになってしまう原因4選
大人が癇癪持ちになってしまう原因を紹介しましょうね。
- 過去のトラウマ
- 発達障害
- うつ病
- 間欠性爆発性障害
聞き慣れない言葉もありますね。
癇癪持ちになってしまう原因①:過去のトラウマ
大人となるともう、それなりの時間、人生を生きていますね。
良い事もあれば、嫌な事もあったでしょう。
嫌な事の中でも、特に心の傷(トラウマ)になる事を抱えていると、癇癪持ちになるリスクが高まります。
誰にでもある、その程度の事と、たしなめる人もいますが、本人にとってはそうでないのです。
何かをきっかけに、その時の気持ちが噴出してしまうんですね。
癇癪持ちになってしまう原因②:発達障害
発達障害は先天性の障害、一生抱えていくものです。
大人になっても治りません。
発達障害を抱える人は、以下のような特性を持つ人が多いです。
- 感情のコントロールが苦手
- コミュニケーション能力が低い
- 嫌な事を忘れられない
発達障害の人が必ず、癇癪持ちになるわけではありませんが、癇癪持ちになってしまう要素が、障害特性の中に結構含まれているんですね。
また、障害を自覚していない人は、癇癪を起しやすいです。
癇癪持ちになってしまう原因③:うつ病
うつ病と言うと、大人しく何もしないイメージがあるかも知れませんが、実は、癇癪を起す原因になる病なのですよ。
躁とうつの波がある躁うつ病も同様です。
うつ病の人は、もう、これ以上抱えられないと言いうぐらいにしんどい事を抱えています。
ここに刺激が加わると、簡単に感情が爆発する、という事になるんですね。
また、躁うつ病の場合は、躁の時に癇癪を起す人が多いですね。
癇癪持ちになってしまう原因④:間欠性爆発性障害
聞き慣れない病名ですが、怒りの衝動を抑えられない障害の事です。
この障害の人達は、まるで瞬間湯沸かし器のよう、すぐにカッとなって、30分もしたら冷める、と言う特徴があります。
間欠性爆発性障害は心身のトラウマをきっかけに発症する人が多いと言われていて、本人もなぜ爆発するか、わからず苦しんでいるんですよ。
癇癪持ちの大人の特徴4選
癇癪持ちの大人は、どんな特徴があるのか見てみましょうね。
- 感情のコントロールが苦手
- 完璧主義
- 性格が内向的
- 我慢強い
何となく、理解できますね。
癇癪持ちの大人の特徴①:感情のコントロールが苦手
感情のコントロールが苦手な人は、大人になってもいます。
こういう人たちは、嫌な事があった、腹が立った、という事があると、素直に反応してしまうんですね。
しかし、彼らはわがままや甘やかして育てらたからそうなったのではありません。
もし、彼らが癇癪を起した時、こんな指摘をしたら、かえって彼らを傷つけ、次の癇癪を煽る事になりますよ。
癇癪持ちの大人の特徴②:完璧主義
何でも完璧にしよう、と言う心掛けは良い事ですが、何でもかんでも完璧に、と、実際に行動していると、疲れてしまいますよね。
完璧主義の人は、常に追い詰められ、余裕がない人とも言えるかもしれません。
完璧主義の人は、周りの人にも完璧を求めます。
ですから、周りがだらしなくしていると、すごく腹が立つんですよね。
癇癪持ちの大人の特徴③:性格が内向的
大人しい人って、案外、突然キレる事がありますよね。
彼らは、普段から自分の意見を言わず、不満があってもじっと耐え忍んでいます。
不満も積もり積もれば、もう、抱えていられなくなりますよね。
そんな時に癇癪を起してしまうのです。
普段大人しいだけに、突然の出来事、周りの人がびっくりしてしまうのが、内向的な性格の人の癇癪の特徴と言えますね。
癇癪持ちの大人の特徴④:我慢強い
我慢強い人の癇癪は、内向的な人と似ているかもしれません。
我慢強い人は、あらゆる物事について我慢しています。
「堪忍袋の緒が切れた!」となってしまうわけですね。
大人の癇癪持ちを治す方法5選
大人の癇癪持ちを治す方法を紹介しますね。
- 生活習慣を見直す
- ストレスを解消する
- アンガーマネジメントを身に付ける
- 医療機関で治療する
- なぜ、癇癪を起したか反省する
案外、何でもない方法で改善できるんですよ。
大人の癇癪持ちを治す方法①:生活習慣を見直す
生活のリズムが不安定だと、当然、感情も不安定になります。
不安定な感情は癇癪の始まりです。
- 食事は1日3回、決まった時間、適切な量で
- 睡眠は規則正しく充分に
- ストレスを溜めない
タバコを吸っている人は、禁煙しましょう。
お酒も飲み過ぎている人は控えた方が良いですね。
また、疲れている時は早く休むなどして疲れを取りましょう。
大人の癇癪持ちを治す方法②:ストレスを解消する
ストレス解消は、とても大切ですね。
癇癪は、ストレスが積もり積もった果てに起きる悲劇ですからね。
- 趣味の活動をする
- スポーツなど、体を動かす
- 好きな飲み物を楽しむ
- 旅行に行く
自分に合った、やりやすい方法でしましょう。
ストレスは、脳では前頭葉いう部分が一番影響を受けます。
ここがうまく働かないと、感情をコントロールするのが困難になってしまうのです。
大人の癇癪持ちを治す方法③:アンガーマネジメントを身に付ける
アンガーマネジメントとは、怒りの感情をコントロールする心理療法の事です。
近年、職場や医療現場、学校現場で取り入れている所も増えているんです。
- 怒りを数値化する
- 一旦、その場から離れる
- 深呼吸する
- 怒りの意味を見出す
- 今、目の前の事に意識を集中させる
自分の中の怒りをうまくやり過ごすための訓練をする方法なのです。
くわしい事は、日本アンガーマネジメント協会に問い合わせをしましょう。
講習などを行っていますよ。
大人の癇癪持ちを治す方法④:医療機関で治療する
癇癪を起す原因が障害や疾患による場合は、医療機関での治療が必要です。
その場合、発達障害やうつ病が殆どですから、精神科になりますね。
敷居が高ければ、保健所や精神保健福祉センターで相談しましょう。
大人の癇癪持ちを治す方法⑤: なぜ、癇癪を起したか反省する
事後処理みたいになりますが、癇癪を起したら、何故、そうなったのか、よく反省しましょう。
ただ、分析して納得するだけではダメですよ。
そこから、今後、どうしたら癇癪を起さないか、自分で考え、答えを導き出すのです。
次第に、癇癪を起さなくなっていくはずですよ。
癇癪持ちの大人への上手な対応方法5選
大人の癇癪持ち、また癇癪を起された時の対応を紹介しましょうね。
- 無理矢理止めようとしない
- その場から引き離す
- その人から離れる
- 静かに話を聞く
- 本人に自覚させる
癇癪持ちの大人への対応方法①:無理矢理止めようとしない
癇癪を、言葉でも腕っぷしでも、無理矢理止めようとするのは絶対にいけません。
火に油を注ぐのと同じになり、癇癪は益々ひどくなってしまうからです。
癇癪を起している当人は、何も受け入れられない状態になっていますからね。
何とか止めよう、と言う気持ちはわかりますが、癇癪は必ず収まるもの、本人が落ち着くまで静かに見守るのが一番なのです。
癇癪持ちの大人への対応方法②:その場から引き離す
もし、癇癪を起した人がまだ、話を聞ける状態なら、その場から離れるように誘導してあげましょう。
癇癪を押させるには、1人で静かな所に過ごさせるのが一番なのです。
少し落ち着いて来たら、温かくても冷たくても良いので、何か飲み物を飲ませてあげると良いですよ。
これは、高ぶる感情を早く落ち着かせる、良い方法なんです。
癇癪持ちの大人への対応方法③:その人から離れる
癇癪がひどすぎて、どうしようもない場合は、一層の事、周りの人が本人から離れましょう。
部屋なら、その部屋から出て、よその部屋に行くのが一番良いですね。
家なら、近所のコンビニでも良いので少し出掛けてしまうのがおススメです。
癇癪は、1人で静かにさせておけば収まるのですから、こちらは周りの人が引き下がって1人になれる環境にしてあげよう、っていう対応ですね。
癇癪持ちの大人への対応方法④:静かに話を聞く
それほど癇癪がひどくない時、あるいは、癇癪が落ち着いてきた時を見計らって、静かに話を聞いてあげましょう。
癇癪を起した事を説教してはいけませんよ。
気持ちに寄り添って、肯定的に、静かに話に耳を傾けるのです。
癇癪の原因が、周りの人も、本人も理解できるので、今後の為にもなりますよ。
癇癪持ちの大人への対応方法⑤:本人に自覚させる
癇癪持ちは、本人が自覚しない事には、どうにもなりません。
癇癪持ちであることを、本人に自覚させるよう、働きかけましょう。
ストレートに「あなたは癇癪持ちですよ。」と言っても、受け入れられませんから、証拠を取っておくのが良いですよ。
癇癪を起している時の様子を、動画や音声で残しておいて、本人が落ち着いている時に見せるのは良い方法です。
子供が癇癪持ちになってしまう原因4選
子どもが癇癪持ちになってしまう原因を紹介しましょうね。
- 発達が未熟だから
- 言いたいことがうまく伝わらない
- やりたいことが上手に出来ない
- 発達障害
大人の癇癪持ちと、共通の所もありますね。
癇癪持ちになってしまう原因①:発達が未熟だから
子どもは心も身体も発達が未完成なものです。
基本的に、癇癪持ちと思って良いでしょう。
特に、赤ちゃんの場合は生理的な反応として癇癪を起すことがあるんです。
赤ちゃんは1人で何もできませんね、だから、「お世話をして欲しい。」と保護者を呼ぶのです。
お腹が空いた、オムツが濡れた、そんな不快感を解消してあげると、収まりますよ。
癇癪持ちになってしまう原因②:言いたいことがうまく伝わらない
ある程度言葉が発達しても、まだまだうまく伝えるには足りません。
自分の気持ちを分かってもらえない、欲求が伝わらない、そういう時に癇癪が起きるのです。
1歳ぐらいになると、構って欲しい、欲求を通したい、嫌だと言う気持ちを伝えたい、と言うのが癇癪の理由に入ってきます。
仕方ない面もありますが、癇癪を起せば要求が通る、と本人が味をしめないよう、気を付けましょう。
癇癪持ちになってしまう原因③:やりたいことが上手に出来ない
2歳頃からの癇癪に、よくある原因ですね。
いわゆる「イヤイヤ期」、あれもこれも自分でしたいけど、まだまだ自分1人で上手にすることは出来ないからです。
これは、成長と共になくなっていく原因と言えますね。
癇癪持ちになってしまう原因④:発達障害
あまり癇癪がひどく、親御さんも参ってしまう場合は、発達障害の可能性
もあり得ます。
癇癪にいたる障害特性は、大人と同じですが、自己判断は厳禁ですよ。
発達障害を疑ったら、医療機関や保健センターで相談しましょう。
癇癪持ちの子供の特徴4選
子どもの癇癪持ちの特徴を紹介しましょうね。
- 1~2歳頃の子ども
- 突然、癇癪を起したように感じる
- 大人と現れ方が違う
- 神経質な性格である
癇癪持ちの子供の特徴①:1~2歳頃の子ども
癇癪を起しやすい年齢は1~2歳です。
早い子だと、1歳頃から癇癪が始まると言われていますね。
自我が芽生え、自分の意志を伝えたい、何でも自分でやってみたい、だけど、うまく行かない「イヤイヤ期」。
そのもどかしさの表れなんですね。
しかし、3歳頃には癇癪も殆ど起こさなくなるのが一般的です。
癇癪持ちの子供の特徴②:突然、癇癪を起したように感じる
大人から見ると、子どもの癇癪は突然始まった感じがするものです。
しかし、大人の癇癪持ちと同様、子どもにも、癇癪を起こしたのには、それに至ってしまう理由があるのです。
癇癪を起す前の状況を整理してみる、お話しできる年齢なら、癇癪が収まってから静かに理由を聞いてみるようにしましょう。
癇癪持ちの子供の特徴③:大人と現れ方が違う
同じ癇癪でも、大人と子どもでは現れ方が違います。
- 泣き叫ぶ
- 床に寝転がって暴れる
- ものを投げる
- 手足をばたつかせる
確かに、大人にこんな癇癪を起す人はいませんね。
癇癪の行動は、一見それとわからない事もありますから、癇癪にはどんな行動が現れるか、知っておくと良いですよ。
癇癪持ちの子供の特徴④:神経質な性格である
そもそも神経質な性格の持ち主なら、癇癪を起す可能性は高いです。
神経質な人は、受け入れられることが限られ、ちょっとした変化にも敏感ですからね。
しかし、神経質か単なるわがままか、良く見極めましょう。
わがままを許し続けると、子どものために絶対に良くありませんからね。
癇癪持ちの子供への上手な対応方法5選
子どもの癇癪への対処法を紹介しましょう。
- 怒鳴りつけない
- お菓子などで釣らない
- 子どもの気持ちに寄り添って聞く
- 一緒になって癇癪を起さない
- 医療機関に相談する
これも、大人の場合と似ていますね。
癇癪持ちの子供への対応方法①:怒鳴りつけない
大人と同様、子どもの癇癪も無理矢理抑えてはいけません。
怒鳴りつけるのもダメです。
何度も書いていますが、癇癪は必ず収まります。
子どもの癇癪には、取りあえず親御さんがその場を離れて、離れたところから子どもの様子を見守ると良いですよ。
癇癪持ちの子供への対応方法②:お菓子などで釣らない
癇癪を起した時、「お菓子をあげるから、いい子にして。」などと言う対応は絶対にしてはいけません。
子どもは癇癪を起せば良い事がある、と、間違った学習をしてしまいますよ。
また、この対応を続けると、癇癪がエスカレートします。
癇癪持ちの子供への対応方法③:子どもの気持ちに寄り添って聞く
普段から、子どもの気持ちに寄り添って、良く話を聞きましょう。
癇癪持ちの子なら、尚更です。
- 子どもの気持ち、欲求を肯定する
- 「また今度ね。」など代替策を提案する
- 伝えたいことを代弁する
もっと小さい子なら、スキンシップも有効ですよ。
思いはちゃんと伝わっているよ、心配しなくていいよ、と、伝えてあげましょう。
癇癪持ちの子供への対応方法④:一緒になって癇癪を起さない
子どもが癇癪を起して、親も一緒に癇癪を起したら、どうしようもありません。
子どもに腹が立つ気持ちは分かりますが、ここはぐっとこらえましょう。
癇癪を静めるには、1人、静かにさせる事でしたね。
やはり、親御さんから少し物理的に距離を取って、親御さんも気持ちを落ち着かせるのが一番です。
癇癪持ちの子供への対応方法⑤:医療機関に相談する
あまりにも癇癪がひどい場合は、医療機関に相談しましょう。
大人の場合と一緒ですね。
子どもの場合は、医療機関以外にも以下の相談先が利用できます。
- 子育て支援センター
- 放課後デイサービス
- 保健所
- 児童相談所
保育園や幼稚園の先生に相談してみるのも方法ですよ。
癇癪を起させない、ノウハウを知識と実践で知っておられますからね。
発達障害が原因の場合は、療育、支援を受けることでかなり改善しますよ。
ストレスと向き合うのにおすすめの本
この世はストレスだらけ、うまく付き合うすべを身に付けないと、癇癪持ちでなくても癇癪を起してしまいますよね。
しかしストレスが全くない状態も、かえって不健全なものです。
この本は、心療内科のお医者さんが書かれています。
生活習慣、ストレスというものへの理解、対処法が理論的に解説されていますよ。
新書版ですので、通勤や通学のバッグに入れて持ち歩けるのが良いですね。
癇癪持ちも、適切な対応対処で
突然感情を爆発させることは、大人なら格好悪いですし、大人も子どもも関係なく、周囲の人をびっくりさせ、ショックを受けさせてしまいます。
本人には言い分があるのですが、殆どの場合、理由も聞いてもらえず信用を失って、おしまい、となってしまいますよね。
この記事に、遺伝と言う言葉が出て来なかったのに気づかれているでしょう。
確かに、遺伝で癇癪を起しやすい性質を持っているケースもありますが、実際、遺伝が絡むケースは皆無で、特に子どもの癇癪は遺伝と全く関係ないのです。
もし、癇癪持ちであっても、火が付く原因がなければ癇癪は起こしません。
自覚する事、適切な対応、対処をする事で、穏やかな毎日を送れますよ。