背徳感の意味とは
背徳感とは人が道徳的に良くないとする行為をすることで感じる感覚。
道徳はこうあるべきという、模範的なルールのようなもの。
道徳に背くことで後ろめたさを感じる気持ちを背徳感と言います。
モラルと言った方がなじみがあるかもしれませんね。
思い切り道徳に背くことは外道と言われる行為とも言えます。
しかし、外道と言われる行為のすべてが悪いわけではありません。
凝り固まった固定観念に縛られているよりは良いかもしれませんね。
新しい発見をすることができるという良い所もあります。
背徳感はやってしまったことへの後悔の気持ちを表す言葉です。
良くない事と分かっているからこそ、感じることができるもの。
自分を戒めるための感情とも言えます。
後悔や罪悪感、申し訳ないといった言葉が同じような意味。
官能的な意味で使われることもあります。
きちんと意味を理解すると、細かい意図は違います。
しかし、大きな意味では背徳感と言い換えてしまっても問題はないでしょう。
背徳感の例文3選
例文を参考に背徳感の使い方を見ていきましょう。
感情を表現する言葉の幅が広がりますよ。
- 家事も育児も半端で、背徳感を覚える
- 背徳感でいっぱいになり嫌気がさす
- 自分のやったことに背徳感を感じている
背徳感の例文①:家事も育児も半端で、背徳感を覚える
現代は専業主婦で子育てに集中できる人は少なくなっています。
仕事を抱えているママさんが増えたことも関係しているでしょう。
きちんとしてあげたいのに、余裕をもってしてあげることができない。
忙しくてつい、八つ当たりしてしまうこともあるかもしれません。
そんな時、後ろめたい気持ちになることがあるでしょう。
仕事しながら家事も育児もするのは大変なこと。
全部完璧にこなそうと考えるのはやめましょう。
背徳感の例文②:背徳感でいっぱいになり嫌気がさす
後ろめたい気持ちに支配されていると時に使える表現の仕方です。
やましいことがあるのかもしれません。
その時は良いことと思っていても、受け取り方は変わります。
後から考えると良くない行動だったなんてこともあるかもしれませんね。
あんまりクヨクヨしないようにしてくださいね。
背徳感の例文③: 自分のやったことに背徳感を感じている
嘘をついたり、裏切り行為をしてしまった後の後悔の気持ちを表現しています。
約束をドタキャンしてしまったり、誰かに申し訳ないと思うようなことをしたのかもしれません。
何かモラルに反すると思うことをしてしまった時に使えます。
背徳感と罪悪感の違い
背徳感が道徳的なものを破ることに対しての感情。
対して罪悪感とは、何か悪いことをした後の後ろめたい気持ちを表す言葉。
罪悪感は一般的に考えられている悪いことをしたときに芽生える感情。
罪と思うような行動に対して使用する言葉です。
どちらも後ろめたい気持ちを表現する言葉であることには変わりがありません。
微妙な言い回しの違いをマスターしておきましょう。
背徳感を感じる理由3選
どんな理由があって、背徳感となるのでしょうか。
- カリギュラ効果
- 分別がある
- 快感
背徳感を感じる理由①:カリギュラ効果
カリギュラ効果とは、ダメなことをやりたくなる心理のこと。
やってはいけませんと言われると、人はなぜかやりたくなるもの。
禁止事項を破った後の後悔する気持ちを表します。
禁止されると何があるのかかえって気になてしまうものです。
浦島太郎を例にするとわかりやすいでしょう。
開けてはいけませんと言われていた玉手箱を開けてしまいました。
一気に年をとってしまい、周りも知らない人達になってしまいました。
開けていなければ、元いた世界に戻れていたかもしれません。
この時の行動に、きっと背徳感を覚えたことでしょう。
背徳感を感じる理由②:分別がある
背徳感は良いこと・悪いことの分別があるからこそ生まれるもの。
道徳的・倫理的に悪いことだとわかっていない人には芽生えることがない感情です。
背徳感を感じるのは、真面目なタイプの人に多いかもしれませんね。
わざと悪いことをしようとしたわけではないですが、してしまったことへの後悔があるのでしょう。
背徳感を感じる理由③:快感
中にはわざわざ自分から道徳に背く行為をすることに興奮を覚えるタイプの人もいます。
脳がスリルや緊張感を味わう感覚がたまらないのでしょう。
脳はそれが快感であると錯覚してしまいます。
頭では悪いことであると理解していても、なかなか行動を変えることができません。
自分一人の世界でやっている行動なら良いのですが、周りに迷惑がかかる可能性もあります。
ほどほどにしてほしいものですね。
背徳感を感じる場面6選
どんな時に感じるものなのでしょうか。
背徳感が起こる行動を詳しく見ていきましょう。
- 約束を破る
- 禁断の恋
- 浮気
- 裏切り行為
- 嘘
- 仮病
背徳感を感じる場面①:約束を破る
約束は守るものという道徳的な考え方が身についているもの。
程度の差はありますが、約束を破ることで背徳感を感じます。
わかりやすいのがダイエット中の甘い物。
自分で決めた禁止事項を破ってしまった時は色んな感情が起こるでしょう。
決めたことを破ってしまい、意思の弱さに情けなさを感じます。
また、現実から背を向けたくもなるでしょう。
その情けない気持ちが背徳感となります。
背徳感を感じる場面②:禁断の恋
見つかってはいけない禁断の恋は燃え上がるもの。
そのスリルを楽しんでいる人もいるでしょう。
これも背徳感があるからこそ。
いけないことをしている感覚がたまらなくなってしまうんですね。
悪いことをしているドキドキは相手へのものだと錯覚してしまうのも原因の1つ。
ますますのめり込んでしまいます。
その代表格と言えるのが不倫。
不倫相手が好きなのではなく、危険なスリルを感じたいだけかもしれません。
背徳感を感じる理由は、家庭を崩壊させてしまう可能性があるから。
また、良くないと思いながらも、こっそり関係を続けている状態であることも。
日本は一夫一妻制。
一生の愛を誓った相手を裏切っている行為が申し訳ないと感じるものです。
背徳感を感じる場面③:浮気
恋人関係にあると、その人しか愛してはいけない。
片思いなら自由があります。
しかし、1度に好きになるのは1人という考え方が道徳的。
それに背いている行為は、背徳感を感じさせるもの。
人を好きになる行為は、自分でコントロールできるものではありません。
線引きも人によって違うのも難しいところ。
全てが言葉で表すことができるほど、人の感情は簡単ではありません。
人間が作り出した理屈で窮屈になっているのかもしれませんね。
背徳感を感じる場面④:裏切り行為をした
友人を裏切るような行為にも背徳感を感じることがあります。
友人が好意を寄せている人と二人で出かけるなどした場合。
そんな気はなくても自分の方が好かれていることを感じ取ります。
そのことに背徳感を覚えることがあるでしょう。
申し訳ない気持ちが背徳感となり、優越感と入り交ざっています。
友人との関係を壊さないよう気をつけましょう。
背徳感を感じる場面⑤:嘘
うそをつくことは、良くない事。
内容によっては、相手を傷つけることにもなります。
やさしさからつく必要がある嘘の場合、特に背徳感があるでしょう。
背徳感を感じる場面⑥:仮病
仮病も嘘をついているのと同じですね。
さぼりたくなる時は誰にでもあります。
他の人が一生懸命やっている時に、心配してもらうと申し訳なく感じます。
背徳感があるのは、この後ろめたさのせい。
中には心配して欲しくて、わざと仮病を使う人もいますね。
これは背徳感とは別の話。
背徳感を題材にしたおすすめの小説
外道を自覚した少女の物語。
短編集なので時間をかけずに読みやすいです。
感覚と感触が手にてにとるようにわかる表現がお見事。
幻想的で耽美な世界観を堪能できます。
大小あれど、誰にでもある外道性に気づかされます。
あなたにも意外な一面が見つかるかもしれませんよ。
背徳感は人間の特権
感情を言葉で表現できるのは人間だけです。
背徳感を感じることができるのは特権であると考えましょう。
しかし味わおうと思って、味わうものではありません。
わざと背徳感を感じるような行為をすることは良くありません。
そのことで傷つく人がいることを頭に入れておきましょう。