パプリカの栄養価4選
パプリカは、ピーマンと同じナス科トウガラシ属の仲間ですがその味や栄養は異なります。
以下赤黄パプリカとピーマン100gあたりの栄養成分です。
栄養素 | ビタミンE(mg) | ビタミンC(mg) | β-カロテン(ug) | カリウム(mg) |
---|---|---|---|---|
ピーマン | 0.8 | 76 | 400 | 190 |
黄パプリカ | 2.4 | 150 | 200 | 200 |
赤パプリカ | 4.3 | 170 | 1100 | 210 |
パプリカは見た目が華やかで美味しいだけじゃなく栄養価も高いのです。
特に多く含まれていて注目したい栄養価を解説していきます!
- β-カロテン
- ビタミンE
- ビタミンC
- カリウム
パプリカの栄養価① : β-カロテン
β-カロテンという栄養は、体の中でビタミンAに変わり作用します。
水には溶けず油で溶けやすくなる脂溶性ビタミンの一つです。
ビタミンAは目や皮膚の粘膜を健康にし細菌から身体を守る作用がある栄養素です。
β-カロテンには、ビタミンAの作用のほか有害な活性酸素から身体を守る抗酸化作用や免疫力を上げる作用があります。
脂溶性ビタミンのため、油と一緒に摂取すると吸収されやすくなります。
反対にビタミンAを過剰に摂取しても、頭痛や肌荒れ、食欲不振、筋肉痛などの不調が起こります。
一度にたくさんではなく毎日バランスよく摂ることが効果的です。
パプリカの栄養価② : ビタミンE
ビタミンEという栄養も脂溶性ビタミンの一つで抗酸化作用が強く、血管を健康に保ち、コレステロールの酸化を防ぐ作用のある栄養素です。
脂質と共に腸からリンパ管を通って吸収され、肝臓や血液中に移ります。
血管を拡げて血液が固まるのを防ぎ血流を促し、冷えの改善など美容にも良い栄養素です。
細菌やウイルスから体を守る為にもビタミンEの栄養は必要になります。
ナッツ類やオリーブオイルなどにも多く含まれている栄養素です。
パプリカの栄養価③ : ビタミンC
ビタミンCという栄養は、水に溶けやすい水溶性ビタミンの一つです。
身体の細胞と細胞を繋いでくれるタンパク質であるコラーゲンを作るのに欠かせない栄養素です。
ビタミンCが不足すると、コラーゲンが生成されず血管がもろくなり出血したり、貧血を起こすなど、抵抗力も下がり、風邪などの病気にもかかりやすくなってしまいます。
また、たばこを吸う人は、吸わない人よりも多くのビタミンCが消耗されます。
パプリカの栄養には、ピーマンの約3倍ものビタミンCが含まれているのです。
熱に弱いとされるビタミンCですが、パプリカに一緒に含まれるビタミンPがビタミンCを酸化や熱から守るため加熱しても栄養素が壊れにくいのです。
肌を健康に保つ作用も高いので美容や健康に注意したくても家事や育児に忙しい主婦やママにも特におすすめの栄養素です。
パプリカの栄養価④ : カリウム
カリウムという栄養は体内のナトリウムを調整する働きを持ち、高血圧の予防やむくみを解消してくれる作用がある栄養素です。
体内には必要不可欠な電解質です。
ナトリウムと共に作用しながら、神経細胞、心臓や腎機能の調整など身体にとって重要な働きがあります。
電解質は多くても少なくても細胞や臓器の機能が低下してしまい、命に関わることもあります。
カリウムが不足すると筋力低下、食欲不振、脱力感、麻痺など、この時期に特に心配な夏バテなども引き起こしやすくなります。
また、筋肉の働きを助ける作用があるため便秘の解消やダイエットにも効果がある栄養素です。
赤パプリカにしかない栄養素
真っ赤な赤パプリカの栄養にはβ-カロテンが黄パプリカやピーマンに比べ約4倍多く含まれています。
赤パプリカの鮮やかな赤色は、天然着色料としても使われていますが、唐辛子に含まれているカプサイシンと同じ色素です。
カプサイシンは血行促進や冷え性の改善や代謝が上がる為ダイエット効果があります。
また、カプサイシンにはβ-カロテンを超える高い抗酸化力があり、赤パプリカには美容と健康にいい栄養がたっぷり入っているのです。
黄パプリカにしかない栄養素
黄色パプリカに含まれる栄養には、ビタミンCがとても豊富に入っています。
美白効果や日焼け予防、シミそばかすを防ぎ、お肌のアンチエイジング効果が期待できます。
抗酸化作用が強く、目の疲労回復効果もあるので、スマホやパソコンで目を酷使する現代人にはぜひ摂り入れたいですね。
パプリカの効果6選
パプリカの栄養価の高さをみてきましたが、ここでは具体的な効果をみていきましょう。
- 疲労回復
- 免疫力アップ
- 代謝アップ
- 美肌
- アンチエイジング(老化予防)
- 血液サラサラ
パプリカの効果① : 疲労回復
パプリカに含まれる栄養にはビタミンCがとても豊富なので疲労回復効果が期待できます。
疲れた体を元気にしてくれるのでこの時期は夏バテの解消にもなりますね。
アルコールが好きな人も、たばこを吸う人も、パプリカの栄養には身体に害となるものを無毒化しようとしてくれる作用があるのでおすすめです。
パプリカの効果② : 免疫力アップ
パプリカの栄養に含まれるビタミンの効果により、病気を予防する免疫力向上が期待できます。
また、抗酸化作用により体内の活性酸素が無害化され、病気の予防に効果があるのです。
がんや動脈硬化の予防、口内炎の回復、風邪の予防、生活習慣病の予防、皮膚や喉、粘膜、毛髪の健康維持に効果があります。
鉄分の吸収や、病気や暑さ寒さ、睡眠不足、精神的など様々なストレスに対しての抵抗力もアップします。
パプリカの効果③ : 代謝アップ
パプリカの栄養に含まれるβ-カロテンやカプサイシンなどの効果により血行・代謝を促進し、むくみや肩こり、冷え性などの改善が期待できます。
新陳代謝のアップや整腸作用もあるため、便秘解消効果や脂肪を効率的に燃やしてくれるのでダイエットにも健康にも効果があります。
パプリカの効果④ : 美肌
パプリカの栄養には肌に良いビタミンA、C、Eがたくさん含まれています。
皮膚のメラニン色素の生成を抑え日焼けを防ぐ作用や、肌荒れやシワなどの肌の老化を防ぎ、肌細胞の再生を促してくれる効果があります。
そのため美肌効果が期待できるのです。
女性だけでなく、外でよく遊ぶ子供や、外でスポーツをする方にもとても嬉しい栄養効果ですね。
パプリカの効果⑤ : アンチエイジング(老化予防)
老化とは、細胞が酸化してサビついた状態になるということです。
体内の活性酸素により細胞がサビて老化した状態になってしまいますが、パプリカの栄養にはこのサビを防いだり取り除いてくれる抗酸化作用がたくさん含まれています。
この抗酸化作用により細胞を綺麗に整えてくれるので美肌効果など老化予防の効果があります。
つまり栄養豊富なパプリカを食べれば身体の酸化を防ぎ、若々しい身体を維持してくれるのです。
パプリカの効果⑥ : 血液サラサラ
パプリカに含まれる栄養のビタミンは、血管や血液も健康にしてくれます。
コレステロールの酸化を防止し悪玉コレステロールと善玉コレステロールのバランスを調整してくれるので動脈硬化の予防に繋がります。
不足してしまうことで、血液がドロドロになり、血管ももろくなり血栓や動脈硬化などを引き起こしてしまいます。
血圧が上がる誘因である体内の塩分を調整し血管の収縮を防止する働きもあるため高血圧の予防にも繋がります。
パプリカの栄養は血管を丈夫にし血液をサラサラにして病気を予防してくれる効果があるのです。
パプリカの色は熟成によって変化する
パプリカはおよそ1ヵ月かけて熟成していきます。
熟成させることで緑色から黄色や赤色と鮮やかな色へと完熟し変化していくのです。
パプリカは、赤や黄色、それぞれの色の苗から育ちます。
完熟することで甘くフルーティーになったパプリカは、栄養価も増すのです。
苦みが苦手でピーマン嫌いなお子様でもパプリカは食べられるかも知れませんね。
パプリカの選び方4選
パプリカの旬は7月から10月。
韓国、オランダ、ニュージーランドなどの輸入物も多いですが、国内では宮城県、茨城県、熊本県などで多く生産されています。
さて、美味しくて栄養がたっぷり詰まったパプリカとはどんなものでしょう?
その見分け方をみていきましょう。
- 色鮮やかで艶がある
- ヘタが変色していない
- ハリがある
- 重みがある
選び方① : 色鮮やかで艶がある
艶があり色が鮮やかなもの、色にムラがないものが良いです。
選び方② : ヘタが変色していない
ヘタの切り口がみずみずしく新鮮なものが良いです。
パプリカはヘタの部分から鮮度が落ちる為、変色や乾燥したものは腐り始めているので避けましょう。
選び方③ : ハリがある
皮がふかふかせず、ハリや弾力のあるものが良いです。
日が経ってくると水分や栄養が抜けて弾力がなくなり、硬くなります。
選び方④ : 重みがある
同じサイズならより重いものが良いです。
日が経ってくると水分や栄養が抜けてしおれ、軽くなっていきます。
栄養を逃がさないパプリカの食べ方3選
パプリカは栄養価が高くさらに加熱しても栄養素が壊れにくいというとても優秀な野菜です。
せっかく栄養価の高いパプリカですから栄養を逃がさずより美味しく食べれる方法をみていきましょう。
- 生のまま食べる
- 加熱調理
- オリーブオイル調理
食べ方① : 生のまま食べる
パプリカ本来の美味しさを味わうには、生のままスライスしてサラダにしたり、スティック状にしてバーニャカウダにしたり、切り方を工夫するのもいいですね。
パプリカのフルーティーな香りや肉厚で新鮮な食感、甘みをダイレクトに感じることができます。
しかし、ビタミンCは水にさらすと栄養が逃げてしまうので、マリネやピクルスにして漬け汁ごといただくのが栄養も摂れて日持ちもするのでおすすめです。
食べ方② : 加熱調理
パプリカは加熱しても栄養が壊れにくいので炒める、油で揚げる、蒸す、パプリカの表面を焼いて皮を剥いでグリルして食べるのもいいですね。
煮物も美味しいですが、パプリカの色が残る程度に煮ることがポイントです。
加熱することで食感が変わり、生とは違う香りと甘みを感じることができます。
食べ方③ : オリーブオイル調理
オリーブオイルに含まれる栄養にもビタミンEが含まれており、パプリカに含まれる栄養にも脂溶性のビタミンが豊富に含まれています。
オリーブオイルなどの油と調理することでβ-カロテンの吸収率もアップし、効率的にパプリカの栄養を摂ることができます。
オリーブオイルをかけたサラダにしたり、オリーブオイルで揚げたり炒めたり、マリネにしたりとパプリカレシピの幅も広がりますね。
パプリカの栄養をしっかり摂れるおすすめレシピ6選
栄養がたっぷりで生でも加熱しても美味しいパプリカですが、調理の仕方もいろいろと言っても自分で考えるのはワンパターンになりがちですよね。
ここでは、パプリカの栄養をしっかり摂れて美味しいおすすめレシピをご紹介していきます。
- そのまんまサラダ
- 常備菜マリネ
- 冷めてもおいしいきんぴら
- 彩り豊かな肉詰め
- 揚げびたし
- チンジャオロース
レシピ① : そのまんまサラダ
薄くスライスしたり、コロコロにカットしてコブサラダに仲間入りさせたり、スティックサラダにしたりといろいろな切り方でいろいろいろな食感のパプリカと栄養をまるごと味わえます。
効果的に栄養を吸収するため一緒にツナやアボカド、オリーブオイルなど、オイル系も合わせて摂るといいですね。
レシピ② : 常備菜マリネ
保存容器にパプリカやお好みの野菜をたっぷり入れて、白ワインや酢やはちみつ、砂糖、オリーブオイル、塩コショウなどと合わせるだけ。
パプリカは生のままでもいいですが、少し焼くだけで良くしみて更に美味しくいただけます。
パプリカを耐熱容器に入れて、ラップをふんわりかけてレンジで加熱してから調味料と合わせても簡単にできます。
白ワインの代わりに唐辛子やマスタードなどを入れてピクルスにしてもいいですね。
付け合わせやお弁当にちょっとプラスするだけで、栄養も彩りも添えてくれます。
日持ちもするので、時間のある時に作り置きしておくと重宝しますね。
レシピ③ : 冷めても美味しいきんぴら
きんぴらは冷めても美味しい常備菜の一つですが、パプリカをきんぴらにしても美味しいのです。
パプリカを細切りにして、オリーブオイルで炒めます。
しんなりしてきたら、酒、砂糖、みりん、醤油でお好みの味付けをします。
最後にお好みで胡麻油やゴマをかけます。
蓮根をプラスすると違った食感も加わりまた更に美味しくなりますよ。
レシピ④ : 彩り豊かな肉詰め
お好みで肉だねを作り、パプリカの内側に小麦粉をまぶし、肉だねを詰めて、蒸し焼きにします。
パプリカは縦に切っても、横に切っても良いですが、縦に切った場合は、ヘタの部分を切りすぎないようにすると肉ダネが剥がれにくくなります。
また、焼くときにはパプリカの面は焼かずに肉の面だけ焼くと剥がれにくいです。
ピーマンの肉詰めはポピュラーで、ピーマン嫌いなお子様にお肉と一緒に食べてもらうのに作る方もいると思います。
ピーマンの代わりにパプリカで肉詰めすると、苦みが少なく、カラフルで更に栄養価もピーマンより高いのでお子様も喜んで食べてくれたら一石二鳥ですね。
レシピ⑤ : 揚げびたし
パプリカや茄子、ズッキーニ、オクラなどの夏野菜を素揚げしめんつゆと生姜を入れたおつゆに浸して少し冷やします。
洋風なお野菜も和風のおつゆがしっかり滲みて美味しいです。
生姜の風味で食欲もわき、ビタミンの栄養たっぷりで夏にピッタリのメニューですね。
レシピ⑥ : チンジャオロース
栄養たっぷりの赤と黄色のパプリカと緑のピーマンで色とりどりのチンジャオロースは見た目にもキレイで楽しくとても美味しそうです。
お好みのお肉に下味をつけて片栗粉をまぶします。
オイスターソース、にんにく、生姜、酒、みりん、醤油、砂糖、ごま油などお好みで合わせた調味料でお肉と炒めます。
甘みのあるパプリカと少し苦みのあるピーマンがバランスよく、食欲をそそってくれます。
パプリカは炒めすぎずに少し食感が残る程度が美味しいですよ。
パプリカの保存方法
パプリカはサイズも大きいので、一度に使いきれないこともあると思います。
パプリカは湿気に弱いので、水はきちんと拭き取って保存することが栄養を逃がさないポイントです。
そのポイントを踏まえて、保存方法をみていきましょう。
- 丸ごと冷蔵保存
- カットして冷蔵保存
- カットして冷凍保存
- 常温保存
保存方法① : 丸ごと冷蔵保存
その名の通りパプリカを丸ごと冷蔵庫で保存します。
約2週間はもちますが、美味しくなくなって栄養価も下がっていくので、美味しくいただくには10日程度です。
水に弱いので野菜室で穴あきの通気性の良い袋や新聞紙などで保存するのが栄養を逃がさないポイントです。
保存方法② : カットして冷蔵保存
カットして冷蔵保存する場合の日持ちは、2.3日です。
栄養を逃がさないよう断面からの乾燥を防ぐため、濡らした布巾やキッチンペーパーを一緒に入れて保存するか、ラップにしっかりくるんで保存しましょう。
保存方法③ : カットして冷凍保存
冷蔵よりも冷凍保存の方が断然長持ちしますが、パプリカの食感はなくなってしまいます。
冷凍の場合は、1カ月以上保存ができます。
使うときはベチャベチャにならないように冷凍のまま調理すると良いです。
保存方法④ : 常温保存
パプリカは丸ごとであれば常温で置いておくこともできますが、夏場の暑い時期は適さない為、常温保存は冬場など涼しい時期の冷暗所がベストです。
うまく冷暗所で保管できる場合は、冷蔵庫でなくても1週間程度もちます。
おすすめのレシピ本
パプリカを使ったレシピを6つご紹介しましたが、栄養豊富で美味しいパプリカにはまだまだ魅力がたくさん。
そんなパプリカをたくさん使ったレシピは他にもいっぱいあります。
美味しくて栄養満点なパプリカメニューをぜひお試し下さい。
パプリカの栄養は女性の味方!
医食同源。
忙しい毎日で不足しがちな野菜や栄養素。
いつもの食事に栄養価の高いパプリカをプラスするだけで健康とキレイへの近道になります。
野菜が苦手なお子様もカラフルで甘みのあるパプリカで栄養をプラスできるかもしれませんね。
女性に嬉しい美容に効果的な栄養素がたっぷりのパプリカを美味しく上手に摂り入れて、体の内側からキレイを目指していきましょう。