燻製に向いている食材の特徴
燻製に向いている食材はどんな特徴があるのか、紹介しますね。
タンパク質を含む食品が多い
燻製は、肉類からナッツまで、本当に幅広い食材で作れます。
チーズ、卵、牛肉、豚肉、魚、ナッツ、これらの食品群の共通項は、タンパク質を含むってところですね。
ちょっとびっくりだと思いますが、醤油も燻製出来るんですよ。
醤油はアミノ酸、アミノ酸が集まればタンパク質ですから、納得できますね。
香ばしくなりますから、機会があれば挑戦するのがおすすめな食材ですよ。
変わり種も可能
燻製はタンパク質が多い食品でないとできない、という事はありませんよ。
煙でいぶして風味づけする、と言うのを主な目的にしたら、お菓子みたいなものでも作れるんです。
ポテトチップスやマシュマロの燻製は、一度作ってみるのがおすすめですよ。
特にポテトチップスの燻製は、本当においしいおすすめ品です。
生ものでも加工品でもOK
燻製に使う食品は、生のまま、加工食品をそのまま、あるいは、それらを下処理をしてから燻製する、とわかれています。
かまぼこなど練り製品も、そのまま燻製にできるんですよ。
考えれば、卵は生のままで燻製とはいきません、茹でてから燻製する方が適していますよね。
魚などは、生のを丸ごと燻製にするのも良いですが、やはり、下処理した方が、食べる事、保存する事を考えると良いでしょう。
肉類は、塩や胡椒で味付けしてから燻製することが多いですね。
お好みで、色々やってみるのがおすすめですよ。
燻製の種類
燻製の種類を紹介しますね。
冷燻
冷燻とは、その名の通り、低い温度で燻製する方法です。
25℃以下の煙でじっくり時間をかけていぶすんですよ、スモークサーモンなどがこれですね。
食材から水分が抜けていき、煙の成分が食材にしみこんで、雑菌の繁殖が抑えられるのです。
しかし、燻製器具が結構外気温の影響を受けてしまうので、外気温も25℃以下でないとできません。
となると、日本の普通の家庭では、冬場でなければほとんど不可能なんです。
温度調整も難しいですから、上級者向けと言う意味でも、おすすめできないんですね。
温燻
ベーコン、ハム、ソーセージ、燻製と言われる食品のほとんどは、これなんですよ。
こちらは、煙の温度を30~80℃に保って食品をいぶすんです。
1~2時間かけていぶす間に、食品の水分が半分にまで減るんですよ。
しかし、温燻は余り長持ちしないのが特徴ですから、作ったら早めに食べきるのをおすすめします。
熱燻
これは、やりやすいので一番おすすめできる燻製法です。
80℃以上の煙で、1時間ぐらいいぶせば出来上がりなんですよ。
キャンプなんかで楽しむのに、本当に向いていますね。
皆で楽しく作って、その場で食べてしまうのがおすすめです。
熱燻の特徴は、食材の水分があまり減らない所なんですね。
だから、保存食向けとは言えないんです。
燻製に使うチップの種類
燻製の必需品、チップの種類を紹介しますね。
サクラ
燻製のチップとは、木材の欠片みたいな感じのものです。
お店に行くと、色んな木材のものがありますよ。
まず、サクラのチップは、日本で一番良く使われている燻製用のチップです。
香りが強いのが特徴ですね。
ですから、牛肉、豚肉、羊肉、魚の燻製におすすめなんですよ。
サクラの独特の香りが、肉の臭みを消してくれるんですね。
ヒノキ
ヒノキのチップは、サクラのチップ以上に香りが強いのが特徴です。
普通に木材としても、ヒノキは良い香りで、人気がありますよね。
香りがきついので、プロ向けのチップと言えますね。
ですから、飲食店やアウトドアを好む人が選ぶ事が多いです。
合わせる食材は、チーズが一番おすすめですね。
物凄くおいしいスモークチーズになりますよ。
ナラ
ナラは、英語でいう所のオークです。
燻製用のチップとしては、あまり癖がないんですよ。
また、綺麗に色が付くのが特徴で、初心者さんにも扱いやすく、おすすめのチップなんです。
これで魚の燻製を作ったら最高ですから、魚にはナラのチップ、と覚えておくのもおすすめですね。
リンゴ
イメージからしてもう、甘い香りが付きそうですが、その通り、リンゴのチップは食材に、甘くて優しい香りを付けてくれます。
日本ではとても人気があるんですよ。
何と言っても優しい風味になりますから、鶏肉や白身魚を燻製にするのにおすすめですね。
豚肉にも合いますから、機会があったら試してみるのがおすすめですよ。
クルミ
クルミのチップは、どんな食材とも相性の当たりはずれがない、とてもおすすめなチップです。
燻製独特の匂いもあまりないんですね。
こちらは、ナラのチップと同じく、食材に色が付くのも特徴です。
色が付くと、燻製にした、という達成感がものすごくアップしますよね。
しかし、クルミのチップは、ナラのチップ程色づきが早くありませんし、濃くもありません。
そういう意味でも、初心者におすすめのチップと言えますね。
燻製の食材の選び方
燻製に使う、食材のおすすめ選び方を紹介しますね。
料理研究家おすすめの選び方
まずはジョーさん。さんにおすすめの燻製の食材の選び方を教えていただきました。
燻製する前には食材を塩漬けにする、というステップを踏む必要があります。慣れないうちは塩漬けにしないでも食べられ、塩味のついた食材がおすすめです。
例えば、チーズや、乾燥のイカやホタテは事前準備にコツが必要ありません。
続いてはこちらです。
燻製をする際には食材を塩漬けにして、さらに乾燥させるというステップが必要になります。
食材の水分が多いと表面に水滴が浮いてきて、その水分が煙を吸うと食材が酸っぱくなってしまいます。
慣れないうちは初めから乾燥しているおつまみや、ミックスナッツなどを燻製するのがおすすめです。
燻製で食べたい食材を選ぶ
燻製で切る食品は、本当にたくさんあります。
こだわらず、これを燻製で食べてみたい、というぐらいの気持ちで選ぶのがおすすめですね。
また、特段これ、という物が見つけられないなら、燻製にするのに人気の食材を選ぶのがおすすめですよ。
具体的には、卵やチーズですね。
たくさんの人から支持されているという事は、やはり、それだけ良いものだという事だからです。
燻製の方法で選ぶ
先ほど紹介しましたが、燻製には冷燻、温燻、熱燻と、3つの方法があります。
燻製の方法に合った食材を選ぶのがおすすめですよ。
冷燻なら生ハム、温燻なら牛肉など、動物性たんぱく質の食材、熱燻なら魚介類がおすすめですね。
食材の値段で選ぶ
お財布と相談する、と言うのもおすすめですね。
燻製は基本的に、安い食材で出来ますが、お金を掛けようと思ったらそれも出来る、面白い調理方法でもあるんです。
プチプラで行くなら、卵、チーズ、市販のお菓子、野菜類、イモ類がおすすめですよ。
逆に、お金をかけてゴージャスにするなら、高級な牛肉などを選ぶのも良いですね。
食材を下ごしらえする、しないで選ぶ
燻製は、食材を塩漬けして、煙でいぶす、と言うのが本来の作り方です。
要するに、下ごしらえが必要なんですね。
しかし、あらかじめ加工されている、かまぼこや市販のお菓子のような加工済みの食品だったら、この下ごしらえが要りません。
下ごしらえが面倒、と言う人は、加工食品を買ってくるのがおすすめです。
卵を使うのなら、ゆで卵をコンビニやスーパーで買ってきて、燻製だけ自分たちでする、と言うのもおすすめですね。
どこで燻製するかによって選ぶ
燻製は、家の中でも屋外でも出来ますね。
どんなところで、どんな風に燻製するかを考えて食材を選ぶのがおすすめです。
家の中なら、ナッツぐらいの小さい食材の方がやりやすくて楽ですが、屋外なら焚き火を起して豪快に、大きい燻製も作りやすいですよね。
屋外で作るのなら、大きい肉の塊、魚を丸ごと1匹と言う選び方もおすすめです。
また、家の中で作る場合は、色んな熱源に対応した屋内用の燻製器がありますから、それを買うのがおすすめですよ。
料理研究家がおすすめする食材
ジョーさん。さんより塩味のついたものや乾き物を初心者は特に使用するというアドバイスをいただきました。
では実際にどのような食材がジョーさん。さんのおすすめなのかを見ていきましょう。
ミックスナッツ
スモーク時間 | 熱燻で10分 |
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おすすめのチップ | サクラ |
ミックスナッツは初めから乾燥しているので失敗が少ないという利点も。
サクラのチップは比較的求めやすい上に、わかりやすく燻製らしい風味がつきます。
注意点として、ミックスナッツはそもそもカロリーが高いものです。
手の平のくぼみに1杯でもう、80kcal(卵1個分)に達しますから、美味しいからと言って食べ過ぎないようにして下さいね。
ドライフルーツ
ドライフルーツのような甘いものも、燻製することでおつまみとしてよりおいしくなります。
使用するドライフルーツはお好みのもので大丈夫ですが、リンゴやパイナップル、ドライいちじくなどは、リンゴのチップと相性がいいです。
燻製におすすめの食材【定番食材編】
定番の食材から、燻製におすすめの食材を紹介しますね。
【お子さんにも人気】チーズ
子どもにも大人にもおすすめなのは、チーズです。
もちろん、とろけるタイプのチーズはダメですよ。
スモーク時間 | 15~30分 |
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おすすめのチップ | ヒノキ、クルミ、松 |
スライスチーズではなく、ブロックタイプのものを用意しましょう。
好きな大きさに切るのがおすすめです。
あらかじめ、カットしてあるものは楽で便利ですね。
【苦手な人も食べやすい】茹で卵
卵はお値段でも、食材選びに失敗しないという点でも燻製におすすめな食材です。
燻製にする前に、ゆで卵にして、麺つゆなどに付けて味付けしておきましょうね。
スモーク時間 | 10~30分(熱燻)、1~2時間(温燻) |
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おすすめのチップ | 特になし |
良い卵を使いたいですね。
しかし、食べる人数、食べる量で買う卵の数を決めて下さいね。
【うまみアップ】ちくわ
練り物は、燻製におすすめですよ。
ちくわは子どもにお大人にも大人気ですね。
スモーク時間 | 熱燻で10分 |
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おすすめのチップ | サクラ、リンゴ |
加工食品は、下ごしらえが要りませんから、その辺がまたおすすめと言えるんですよね。
【さらに香り立つ】ウインナー
既に燻製品であるウインナーを、更に燻製しましょう。
もっとおいしくなりますから、皆、喜びますよ。
スモーク時間 | 熱燻で10分 |
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おすすめのチップ | サクラ |
ウインナーは、子どもも好みますから、おすすめですね。
【じっくり燻製】ササミ
タンパク質たっぷりで、脂肪分がものすごく少ない、ヘルシーなささみも、燻製なら、もっとヘルシーな食品になりますよ。
スモーク時間 | 温燻で30~60分 |
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おすすめのチップ | サクラ 、ブナ |
燻製は、油を使いませんからね。
また、味はハムのようになりますよ。
ささみは、白身魚と風味が似ていますから、ブナのチップを使うのもおすすめです。
【濃厚なうまみ】ベーコン
ウインナーと同じ発想で、ベーコンも更に燻製してみましょう。
スモーク時間 | 10分 |
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おすすめのチップ | サクラ、ブナ |
たった10分で劇的においしくなるなら、燻製しない手はないですね。
【短時間でもOK】サーモン
スモークサーモンは燻製食品の定番ですが、これもお家で、熱燻で作れるんですよ。
スモーク時間 | 熱燻で10分 |
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おすすめのチップ | サクラ、ブナ |
まるで、鰹のたたきみたいな感じになります。
一度、味わってみるのがおすすめですよ。
【間違いないおいしさ】ホタテ
ホタテの燻製も定番ですね。
おつまみ用のホタテを使えば、とても簡単にできるので、おすすめですよ。
スモーク時間 | 熱燻で10分 |
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おすすめのチップ | サクラ、クルミ |
おつまみ用なら、すでに塩が付いていますからね。
下ごしらえが要らないと言う点でも、ものすごくおすすめなんです。
【本格的に作りたい】豚肉
豚肉を使うと、本格的な燻製作りが出来ますよ。
部位は、肩ロースがおすすめですね。
スモーク時間 | 熱燻で2時間 |
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おすすめのチップ | リンゴ、クルミ、 ヒッコリー、ブナ、ピート |
時間がかかる所が、難点ですね。
何回か燻製を作ったことがある人、時間がかかってもイライラしない人におすすめな食材です。
【おつまみにぴったり】ししゃも
ししゃもの燻製は、本当におすすめですよ。
おつまみだけでなく、夕食にもぴったりです。
スモーク時間 | 熱燻で10分 |
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おすすめのチップ | ナラ、ブナ |
チップは、是非ともナラを選びましょう。
綺麗に色づけされて、黄金色に輝くししゃもになりますよ。
【じっくり燻製】アジの開き
グリルで焼くことが多いのがアジの開きだと思いますが、燻製にしてみましょう。
また違った味わいですよ。
スモーク時間 | 熱燻で10分 |
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おすすめのチップ | サクラ、リンゴ |
下ごしらえが要りませんから、アジは干物を選ぶのがおすすめですね。
ちなみにアジは、味が良いからアジと言うのですよ。
【うまみ凝縮】たこ
たこの燻製は、おつまみでよく見かけますね。
蒸しだこを買ってきて、家で更に燻製する、と言う方法が一番お薦めですよ。
スモーク時間 | 熱燻で5~8分 |
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おすすめのチップ | サクラ |
魚介類ですから、チップはブナやクルミを使うのも良いですね。
とにかくおいしくて、お酒と相性抜群ですから、食べ過ぎ、飲み過ぎにならないよう、気を付けましょうね。
【独特の弾力】イカ
イカもタコと同じく、良く食卓に登場しますね。
お酒のおつまみとしても定番で、イカ燻と呼ばれるぐらいポピュラーです。
スモーク時間 | 15分 |
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おすすめのチップ | サクラ、ピート |
イカ燻は、フライパンでも作れるんですよ、是非ともやってみましょう。
イカは胴の部分を使ってくださいね。
おつまみにするなら、チップは絶対にピートにしましょう。
ピートほど、おつまみ作りに向いたチップはないのですよ。
【甘みアップ】トマト
水分の多い野菜だって、燻製にできるんですよ。
中でも、トマトの燻製は本当におすすめです。
普通サイズのトマトはちょっと大変ですから、ミニトマト、プチトマトを使いましょう。
スモーク時間 | 10分 |
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おすすめのチップ | サクラ |
いぶされる事で、とても甘いトマトになるんです。
トマトが苦手な人でも無理なく食べられますね。
おすすめは、少し冷めてから食べる事です。
味が落ち着いて、本当においしいですよ。
燻製におすすめの食材【変わり種食材編】
変わり種の食材で、燻製におすすめなものを紹介しますね。
【時短調理】ポテトチップ
みんな大好きポテトチップス、是非とも燻製にしてみましょう。
ポテトチップスの味は、お好みの味でするのがおすすめですよ。
スモーク時間 | 熱燻で10分 |
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おすすめのチップ | サクラ、ピート |
他にも、プリッツとか、チーズおかきなど、燻製に合うお菓子って結構あるものなんです。
【風味がアップ】梅干し
意外な気がしますが、梅干しを燻製にしてもおいしいんです。
実は、たくあんを燻製にしてもおいしくて、お漬物は燻製に向いた食品なんですよ。
スモーク時間 | 熱燻で20~30分 |
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おすすめのチップ | サクラ、ピート |
梅干を燻製にしたものを、1年寝かせてみましょう。
更ににおいしくなるんですよ。
一度にたくさん作っておくのがおすすめです。
【程よい過熱感】明太子
明太子は魚介類、既に味が付いていますから、燻製するにも楽ですね。
ご飯がさらに進みますよ。
スモーク時間 | 温燻で30分 |
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おすすめのチップ | クルミ |
お酒のおつまみとしても最高の逸品になります。
ほぐして、マヨネーズ和えにしてもおいしいですよ。
【おやつに】マシュマロ
マシュマロはキャンプ料理の定番ですね。
焼くのと燻製とでは、全然違う味わいです。
スモーク時間 | 2分 (なるべく短時間で) |
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おすすめのチップ | クルミ |
しかし、失敗が多いのもマシュマロの燻製。
何回か燻製を経験した人向けですね。
【意外とおいしい】チーズケーキ
スイーツを燻製にって意外ですが、チーズケーキはチーズが原料、美味しくないわけがないのです。
スモーク時間 | 10分 |
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おすすめのチップ | リンゴ |
チーズケーキの燻製は、コーヒー紅茶、お酒、どんな飲み物とでも会うんですよ。
燻製したクリームチーズを使って、チーズケーキを作るのもおすすめです。
燻製に必要な道具
燻製に必要な道具を紹介しますね。
食材
燻製するには、まず、燻製する食品がない事には始まりませんね。
基本的に、動物性たんぱく質の食品を中心に決めていくのがおすすめです。
ここまで紹介してきた変わり種も良いですが、初めてする人なら、やっぱり定番の食品からがおすすめですね。
下ごしらえが面倒なら、あらかじめ味が付いたもの、既に加工されている食品を選ぶようにしましょう。
あとは、作る量、食べる量を考えて、材料を調達しましょう。
フードロスを出さないようにしましょうね。
燻製釜
燻製する為なら、その為の道具も必要です。
市販の燻製器もたくさんありますから、良いもの、使い勝手の良いものを選びましょう。
頻繁に燻製を作らないから、わざわざ買いたくない、と言う人なら、家にあるフライパンや中華鍋を使って、代用品を作る事も出来ますよ。
この場合のフライパンや中華鍋は、廃棄予定のものを使うのがおすすめです。
100均グッズと合わせると、かなり納得のいくものが作れますよ。
屋外用であれば、ドラム缶や一斗缶も代用品になります。
本来の燻製釜は、石やレンガを組んで作るものなのですよ。
しかし、家庭用ならそこまで必要ありませんよね。
燻煙材
食材をいぶすための、燻煙材も必要ですね。
ここまでにも紹介して来た、チップと言われるものがそれです。
チップだけでなく、木材みたいな形状のもの(スモークウッド)もありますね。
他にも葉っぱ、かんな屑も、燻煙材として使えます。
要するに、良い香りの煙が出るものなら、燻煙材になる、という事ですね。
マニア向けには、コーヒー豆、木の実、スパイスの実(コショウなど)、サボテンなんかも、使えるんですよ。
また、その辺で拾ってきた小枝でも、充分燻煙材になるんです。
しかしこの場合は、燻製した食品の仕上がりがどうなるか、予想がつかないですね。
熱源
熱源も、必要ですね。
屋外なら炭火、焚き火ですることが多いですね。
家のキッチンなら、ガス火、電気、燻製器に応じた熱源*を使用しましょう。
この頃、IH対応の燻製器**も売っているんですよ。
誤解のないように記しますが、燻製は、先ほど紹介した燻煙材に直接火をつけるのではありませんよ。
燻煙材の下から熱源を燃やして、燻煙材の発火を促して、燻煙材の煙を発生させるのです。
燻製の手順
燻製のやり方を、順を追って説明しますね。
下ごしらえ
まずは、燻製する食材の下ごしらえから始まりますよ。
食材を切ったり、味を付けたり、ってことですね。
チーズや練り製品など、加工品以外の燻製の食材は塩漬けをします。
塩味の付け方は色々あって、振り塩とソミュール法と言うのがあるのですが、振り塩のやり方は非常にシンプル、塩と香辛料を食材に良く揉みこむだけ、ソミュール法は濃度30%程度の塩水に漬け込む方法ですね。
塩漬けした状態で数日寝かしたものは、燻製する前に、塩を洗い流すようにしましょう。
風乾
風乾とは、風に当てて乾燥させる、という事です。
何も難しくないですね。
食材の表面が乾くまで、しっかり風に当てて下さいね。
そうしないと、仕上がりの味や色が悪くなるんですよ。
風乾の時間は、食材によって違ってきます。
何時間かで済むもの、しかし、ものによっては何日もしなければならない物もありますね。
加工品で、特に下ごしらえしていないものも、燻製する前に食材をよく見ましょう。
もし、表面に水気が付いていたら、清潔な布巾やキッチンペーパーなどで拭いておきましょうね。
燻製する
ここまで出来たら、いよいよ、燻製器に入れて燻製します。
食材、燻煙材、熱源をセットしたら、熱源に火を入れましょう。
燻煙材から煙が出てきたら、フタをして本格的にいぶし始めます。
冷燻、温燻、熱燻、それぞれ、煙の温度が違いますから、煙の温度の管理はきちんとしてくださいね。
時間を見ながら、時々フタを開け、中の食材の様子を見ましょう。
良い感じ、になったら、おいしい燻製の完成です。
燻製の注意点
燻製の注意点を紹介しますね。
食材を置く位置に気を付ける
燻製する時は、燻製器の中のどこにどの食材を置くか、気を付けましょう。
牛肉、豚肉、トマトなど、溶けた脂や水気が滴りやすいものは、燻煙材の真上に置かない方が安心です。
液状化した油や水分が燻煙材に落ちると、それが煤となって煙と一緒に上がってきてしまって、せっかくの食材がまずくなってしまいますよ。
肉類、魚類は燻製器の端の方にすると安心ですね。
煙の向きに注意
これは、屋外で作る時に気を付けてほしい事です。
噴出した煙がどちらを向いているか、常に気を払いましょう。
単に、風向きと言う意味もありますが、もっと大事なのは香害になってしまう、という事です。
キャンプ場ならだれも気にしないと思いますが、家の庭や住宅街の空き地などで作る場合は、特に気を付けてくださいね。
煙自体が体に合わず、体調に影響が出る人もいるんですよ。
火傷、火事に注意
火を使うのですから当然のことですが、燻製をする時は、火傷や火事に最大限気を付けてください。
燻製している間は、必ず誰か1人そこについて、横には水をいっぱい入れたバケツを置いておきましょう。
燻製が終わった後の、火の始末ももちろん大切ですよ。
また、燻製は燻製した食材を食べる時にも、火傷に気を付けるようにしましょう。
燻製は、案外熱が長持ちして、食材に長時間とどまるんですね。
いざ食べようと口に放り込んだら、熱くて口の中を火傷、と言う事態になりやすいんです。
燻製した後の食材の保存方法
燻製した食材は、水分が減っている上に殺菌された状態になって、生の状態よりは保存がききます。
しかし、それでもそんなに長持ちするものではありませんから、早く食べきってしまいましょう。
特に、一般の人が家庭やキャンプで作った燻製は、香りと味を楽しむのが目的のものです。
ですから、保存食と考えるのは危険です。
逆に、本格的に保存食として作った燻製は、おいしくない物なんですよ。
既に燻製品である市販のウインナーやベーコンもそれほど日持ちはしませんから、表示をよく確認して、ある程度保存したいのなら冷凍庫に入れましょう。
料理研究家のジョーさん。さんは以下のようにおっしゃっています。
燻製する食材や、温度と時間によっても変わりますが、湿気の多い日本の場合は空気に触れないよう密閉袋に入れて冷蔵庫で保管するのが最も確実です。
その際、熱燻したものは取り出したては熱く、そのまま密閉すると汗をかいて腐りやすくなってしまうので、粗熱をとってから袋に入れましょう。
燻製は色んな食材で楽しむのがおすすめ
燻製はそもそも保存食、しかし、現在は冷蔵、冷凍技術の発達もあって、燻煙材によってつけたスモーキーフレーバー楽しむものに変わってきているんですね。
難しいのではないか、屋外でないとできないのではないかと思って敬遠されがちですが、この記事で紹介した通り、全くそんなことはありません。
燻製は好きな食材で独特の風味を楽しむのがなによりのおすすめです。
新しい発見があったら、誰かに教えてあげたり、SNSで発信するのも良いですね、あなただけの逸品が、多くの人に好まれる逸品になるかもしれませんよ。
料理研究家。世界に一つでも多くの幸せな食卓を作り出す仕事をしています。
食の企画会社にて3年の勤務を経て独立。
Webで”バズる”企画を得意とし、Twitterで投稿した”春巻きの皮クレープ”、”アスパラのバターごはん”が20万いいね!を獲得、テレビなど各メディアで注目を集める。
企業様向けレシピ開発、レシピ動画、記事の企画開発、執筆、撮影、編集、フードコディネートを一貫して行います。