黒カビが生えやすい「風呂・壁・洋服」を要チェック
カビにはいろいろな種類がありますが、黒カビは高い湿度を好む種類のカビです。
カビが発生する条件には、「温度」「湿度」「酸素」「栄養分」「時間」が深く関わってきますが、残念ながら、人間が住む環境でこれらの発生条件をすべて完全になくすことはできません。
黒カビは高い湿度で活発に活動しはじめるので、水回りをはじめ、湿気を含みやすい場所でよく見かけます。
最も注意したいのが、風呂・壁・洋服、の3か所。
また、すき間を埋めるためのパッキンなども、黒カビがとても生えやすい場所です。
窓のさん、お弁当箱のふた、水道の蛇口付近などのパッキンなども、こまめにチェックしましょう。
黒カビはどこでも生えやすい可能性
とはいえ、高温多湿の日本では、どこでも黒カビが生えやすいのが現実。
特に、梅雨のジメジメした季節には、黒カビはあっという間に生えてきます。
部屋のすみ、ちょっとしたすき間、押入れの中、ベランダ、洗面所、トイレ、床下収納……。
キッチンもとても黒カビが生えやすい場所ですが、クリーニングのプロによると、食品を扱う場所ということで、特に念入りにお掃除する人が多く、お仕事の現場で悩まされるランキングでは、トップではないそうです。
エアコンの内部、畳なども、黒カビの生えやすい場所の一つです。
黒カビの健康への影響
ニオイや見た目による気分の悪さだけではなく、黒カビは深刻な健康被害の原因にもなってしまいます。
カビの胞子を吸い込んでしまうと、さまざまなアレルギー症状を引き起こします。
発熱や咳、くしゃみなどのアレルギー性鼻炎、胸がゼーゼーして息苦しくなる喘息も、カビが引き起こす症状の一つです。
夏型過敏性肺炎は、特に初夏から夏にかけて、多く発症することからその名前が付けられています。
エアコンの内部や、風呂、トイレ、屋根裏などによく生えている黒カビが原因の肺炎です。
カビが引き起こす呼吸器疾患の中でも、殺人カビとも呼ばれる、アスペルギルス・フミガータスは、非常に危険性が高い黒カビです。
肺や気管支に付着して、肺アスペルギルス症と呼ばれる呼吸器の病気を引き起こします。
このカビの胞子を吸い込んでしまうと、くしゃみや咳、鼻水が止まらなかったり、鼻がひどく詰まってしまったり、という、副鼻腔炎や肺炎の症状から始まります。
そのまま進んでしまうと肝臓・腎臓・脳などを侵して、最悪の場合、死に至ることもあるので、充分な警戒が必要な、危険な黒カビです。
咳だけがずっと残っている、その場所を離れると症状がおさまる、などが見られた場合は、カビが原因の一つになっているかもしれません。
間違って黒カビを食べてしまっても、少量なら胃酸で殺菌されるので、すぐに深刻な症状が現れることはあまりありませんが、下痢や腹痛が出ることもあります。
下痢止めなどは飲まず、毒素を体内から追い出すと、治りが早いそうです。
激しい症状が出た場合には、食中毒の可能性もありますので、病院を受診することをおすすめします。
下痢になってしまうと、脱水症状が起きやすいので、常温か温かい飲み物を積極的に飲みましょう。
ニンニクやショウガ、ネギ、トウガラシ、わさび、梅干し、シソ、お酢など、抗菌・殺菌作用のあるものを食べるのもおすすめです。
黒カビを予防する方法
カビが実際に肉眼で見えるようになるのは、相当に成長してしまっている証拠。
胞子を大量に飛ばしはじめているので、そうなる前に予防しましょう。
- 水分の多い状態をできるだけ作らない
- 換気をする
- こまめに掃除をする
- 空気の流れを作る
- 定期的に大掃除をする
黒カビの予防方法①:水分の多い状態をできるだけ作らない
水分の多い状態が続くのを、できるだけ避けましょう。
こぼれた水をこまめに拭き取る、濡れたものを長い時間部屋の中に放置しない、など、小さなことから始めてみましょう。
黒カビの予防方法②:換気をする
部屋の換気をするのも、効果的です。
雨でなければ、曇っていても毎日窓を開けるなどして、湿度50パーセント前後をキープすると、黒カビの発生はある程度抑えることができます。
黒カビの予防方法③:こまめに掃除をする
こまめに掃除をするのは、カビを生えにくくする、とても効果的な方法です。
黒カビはホコリの中にもたくさん潜んでいますので、ホコリなどを舞い上げないようにして、使ったあとの掃除道具の手入れも忘れずに。
黒カビの予防方法④:空気の流れを作る
空気の流れを作るのも、とても有効です。
空気がよどんでしまうと、湿気がこもりやすくもなります。
扇風機を使って、部屋の角から角まで、斜めの対角線の向きにセットすると、部屋全体に風を送ることができます。
クローゼットは空気がよどみやすい場所なので、気にならないなら常に扉を開けておいたり、部屋にいない時に開けておいたり、扇風機などで風を送るのがおすすめです。
黒カビの予防方法⑤:定期的に大掃除をする
定期的に大掃除をするのも重要です。
こまめに掃除していても、どうしても見逃してしまったりするもの。
梅雨の前後、秋口、年末など、時期を決めて定期的に大掃除しましょう。
生えてしまった黒カビは自分で落とせる?
注意していたのに、黒カビが生えてしまった……。
そんな時には、専用のカビ取り剤を使うのも、おすすめです。
黒カビくんシリーズ、カビキラー、また、カビ専用ではありませんが、クレベリンなども黒カビに効果があるようです。
カビ対策の洗剤のニオイが気になるかたには、低臭タイプがおすすめ。
また、重曹やクエン酸などの、自然派洗剤を使う方法もあります。
ただ、カビ取り剤の効果も、一回使ったら永久に続くわけではないので、定期的にチェックしましょう。
素材によっては、カビ取り剤が使えないものもありますので、使う前に必ずチェックを。
洋服にできた黒カビの落とし方
お気に入りの洋服をタンスから出してみたら、カビが生えていてショック!
そんな経験をされたかたは少なくないのではないでしょうか。
黒カビは、とても頑固で、洗濯しても落ちにくいもの。
でも、ひと工夫すれば、自宅でも落とせる場合があります。
まずは、50度以上のお湯と、漂白剤が使えるものかどうか確認します。
使えないものは、クリーニング店に持っていきましょう。
用意するものは、次の4点です。
- 粉末酸素系漂白剤
- 50度のお湯
- 洗面器
- ゴム手袋
手順は、4ステップ。
ゴム手袋をして作業しましょう。
- 50度のお湯を洗面器いっぱいに張る
- 洗面器のお湯に粉末酸素系漂白剤を、軽量カップ半分~1杯入れてよく溶かす
- 様子を見ながら、1~6時間ほど、黒カビが生えてしまった部分をつけ込む
- 黒いシミが落ちたら、軽く絞って、いつも通りに洗濯
濡れた状態を長く作らない、置いておく場所の湿気を低くすることが、再発防止につながります。
お風呂場にできた黒カビの落とし方
お風呂場も、黒カビがとても生えてきやすい場所の一つです。
お風呂は「湿気」「温度」「高い栄養分」の3つの条件が、一年を通してとても揃いやすい場所。
黒カビにとっても、パラダイスのような場所なんですね。
体をきれいに洗う場所でもあるので、家の中で、特に注意したい場所です。
おすすめなのは、塩素系漂白剤。
強力な効果を発揮し、いろいろな場所の使い分けができる商品も出ています。
自然派なら、重曹とクエン酸の組み合わせがおすすめです。
カビを取りたい場所に重曹をまき、水200ミリリットルに対して小さじ1のクエン酸を溶かしたものをスプレーし、泡が出てくるので、そのまましばらく放置してから洗い流して完了です。
くん煙タイプのカビ落としも、予防を含めておすすめです。
水が使えない場所にできた黒カビの落とし方
リビングの壁など、水を使ったカビ取りができない場所には、消毒用エタノールが効果的です。
エタノールを黒カビに吹きかけ、よく絞った雑巾で拭き取り、またエタノールを吹きかけていきます。
エタノールは引火しやすいので、換気するなど充分注意してくださいね。
どうしても取れない時には、水を含ませてから硬く絞ったメラミンスポンジでこすってみると、落ちることもあります。
また、きれいに拭き取ったのに、すぐに何度も繰り返し黒カビが生えてくる場合は、壁紙の下に黒カビが大量に生えてしまっているかもしれないので、内装のプロに相談してみてください。
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黒カビは放っておくと危険!洗剤なども使って、こまめに掃除を
黒カビは、いつの間にか生えて、健康に影響を与えます。
見た目もニオイも、気持ちのよいものではありませんよね。
カビ対策の洗剤は効果抜群ですが、永久にその効果が続くものではありません。
目に見えるくらい成長する前に、こまめに掃除して、快適で健康な毎日を送りましょう!