カシミヤとは?
触れたときのフワッとした感じが気持ちいいカシミヤは、カシミヤ山羊の内側の毛から作られた素材です。
毎年、冬が近づくとユニクロなどにもマフラーやカラバリ豊富なカシミヤ素材のセーター類が並ぶのでおなじみですね。
軽くてツヤ感のあるカシミヤ製品のやさしい肌触りは天然のカシミヤがもつ油脂、繊維の細さ、表面の状態によって生まれます。
1頭から採れる量が少なく、価値が高いことから繊維の宝石とも呼ばれています。
カシミヤは洗濯機で洗える?
洗濯機で洗ってしまったらカシミヤ特有のフワフワ感が消えてしまうのではないかと心配になるかもしれませんが、正しい洗い方をすれば洗濯機洗いでも大丈夫です。
クリーニングに出さずに洗濯機で失敗なく洗うにはコツがあります。
カシミヤ製品は通常のウール素材に比べると少し値段も高いので、丁寧に扱ってできるだけ長く愛用しましょう。
カシミヤを洗濯する頻度
デリケートなカシミヤ製品を洗う頻度は、1週間に1~2度着用した場合シーズン中に1~2回を目安にしましょう。
見た目はきれいでも内側は汗や皮脂、外側はホコリや臭いで汚れています。
もしも目に見える汚れが付いてしまった場合はできるだけ早く対応してください。
汚れはそのまま放置するとシミや虫食い、カビの原因になるので、そっと部分洗いをして取り除いておきましょう。
カシミヤを洗濯する前に確認するポイント
カシミヤを洗濯するとき、前もってしておきたいのが使える洗剤と洗濯表示の確認です。
高級なカシミヤはいつも洗濯に使う洗剤を使って洗えるのか、特殊な洗剤が必要なのか、どんな製品でも洗えるのか気になりますよね。
洗濯後に後悔しないためにも、最初にチェックしなければならないポイントを押さえておきましょう。
洗濯洗剤の確認をする
カシミヤはウール素材が洗える洗剤を使えばふんわりと洗えます。
ウール洗い洗剤がなければいつも使っているシャンプーでもOKです。
髪の大部分はケラチンと呼ばれるたんぱく質でできています。
獣毛で作られるカシミヤもケラチンを主としたタンパク質ですので、シャンプーでやさしく洗い上げられます。
ニットは布地に比べ糸のよりが甘く、詰まっていないため、汚れは比較的かんたんに落とせますよ。
適した洗濯方法
衣類は洗濯前に洗濯表示の確認が必要です。
カシミヤ製品も洗う前に必ずチェックしましょう。
最初に確認したいのが洗濯表示の家庭洗濯マークです。
×が付いていれば、自宅で洗うことはできないので気をつけてください。
家での洗濯が可能ならば、自然乾燥の記号を確認します。
平干しやつり干し表示がついていたらシワがよらないよう1分ほど脱水、□の中の線が二重になっていたら脱水なしで干しましょう。
カシミヤを洗濯機で洗うときの注意点10選
独特の風合いが魅力のカシミヤを洗濯機で洗うのはちょっぴり勇気がいりますよね。
お値段が張るものだけに失敗は絶対に避けたいところです。
ここでは洗って干しあがった時点で買った当初のような手触りを再現できるよう覚えておきたい注意点をご紹介します。
カシミヤを洗濯するコツとも言える注意点は全部で10個です。しっかりチェックして役立て、上手に洗い上げましょう。
洗濯機で洗う時の注意点1:洗い桶に洗剤を投入する場合
素材の繊細さを考えるとカシミヤ製品はどちらかと言えば手洗いがおすすめです。
洗濯機を利用する場合も、洗い桶で手洗いし脱水を洗濯機に任せる方法があります。
洗い桶を使う場合は洗剤が溶ける程度の温度の水を用意します。
水の温度が高めだと縮むことがあるため30℃以下の水を使いましょう。
水を入れたらアクロンやエマールなどデリケートな素材を洗える洗剤やウール洗い専用洗剤を入れてよく泡立てるのがコツです。
洗濯機で洗う時の注意点2:手洗いモードの場合
縦型の洗濯機で洗う場合は手洗いやおしゃれ着コースなどやさしく洗えるモードを選びます。
メーカーやモデルにより名前が違うので、説明書で適したコースを調べてみましょう。
洗濯機で洗う場合は必ず1枚ずつ洗濯ネットに入れます。
適当に丸めて入れるのはカシミヤを傷めてしまうのでNGです。
汚れがちな袖口や襟が外側に出るよう丁寧にたたみます。
集中的に汚れを落としたい部分は原液を塗ってからネットに入れましょう。
洗濯機で洗うときの注意点3:衣類の摩擦を避ける
短い時間で1枚ずつ押し洗い、または洗濯機の手洗いコースで洗うことで摩擦によるトラブルを避けられます。
汚れを出そうとぎゅうぎゅう押し付けるような洗い方をすれば、毛羽立ちや縮みで元の状態とはかけ離れた姿になってしまいます。
洗濯機でも手洗いでも力を加減してソフトに洗い上げることを第1に考えましょう。
時短できるからと何枚も1度に洗うのはやめてくださいね。
洗濯機で洗うときの注意点4:ドラム式洗濯機の場合
ドラム式洗濯機でカシミヤを洗うポイントは水の量です。
たっぷりの量でカシミヤ製品を入れたネットが泳ぐようにやさしく振り洗いしましょう。
水を多めにすることで摩擦を防ぎカシミヤの風合いを守れます。
水の温度は縦型洗濯機や手洗いと同じように常温か少しひんやり感じる程度の水を使います。
1度に洗う枚数はできるだけ1枚にし、大型のドラム式であっても1度にたくさん洗うのは避けましょう。
洗濯機で洗うときの注意点5:柔軟剤を使う場合
カシミヤを洗うときは1度すすぎ、2回目のすすぎの段階で柔軟剤を投入しましょう。
柔軟剤を入れれば全体に油分が行きわたり乾かした後、ふっくらと柔らかく仕上がります。
柔軟剤の代わりとしてアリンスを使うのもOKです。
リンスも柔軟剤と同じ働きしてくれるので毛を保護でき、いい香りも楽しめますよ。
洗濯機で洗うときの注意点6:脱水する場合
脱水できない製品以外は脱水機を使い、ある程度水分を絞りましょう。
ぐるぐる回して水気を取っても大丈夫なのかと疑問に思うかもしれませんが、洗濯機への入れ方を間違えなければ心配いりません。
洗濯機は遠心力を使って衣類の水分を取り除きます。
脱水中の衣類はドラムに張り付いた状態なので擦れることもありません。
形を整えてきれいにたたんでから脱水にかければ、タオルなどで水気を絞るよりも安心です。
洗濯機で洗うときの注意点7:乾燥機はNG
すぐに乾かしたくてもカシミヤを乾燥機に入れるのはNGです。
熱風乾燥機の熱風でカシミヤは縮み、サイズが変わってしまいます。
カシミヤ繊維は表皮のような部分があることで、熱により繊維同士が絡み合うフェルト化現象が起きます。
羊毛を使った手芸用のプレスフェルトは作る過程で熱い鉄板を使いフェルト化するのです。
大事なカシミヤがフェルトのようにならないよう最後まで完璧に仕上げましょう。
洗濯機で洗うときの注意点8:洗濯後の場合
脱水が終わったら干す前にもうひと手間かけましょう。
洗濯後のカシミヤは元の大きさよりもほんの少し縮んだ状態に見えます。
セーター類ばかりでなくストールなどもすべて元のサイズに戻るよう平置きして形を整えましょう。
整えるときは力を入れすぎないようやさしく扱ってくださいね。
洗濯機で洗うときの注意点9:干すときの方法
カシミヤは風通しのいい日陰で干します。
風がない日は扇風機を利用すると乾燥時間が短くなり便利です。
平干し用のハンガーや網の上だと上手に干せますが、無い場合はピンチハンガーの上やタオルを利用しましょう。
タオルの上で干すときは約半日で裏返し、タオルも乾いた部分が当たるようにずらします。
ハンガーでの吊るし干しは簡単ですが、伸びる原因になります。
平干しスペースがないときは物干し竿にかけて乾かしてくださいね。
洗濯機で洗うときの注意点10:保管する方法
カシミヤは乾燥させてから密閉できる容器に防虫剤をのせて入れ、日光や蛍光灯光が届かない場所で保管しましょう。
防虫剤は下に向かって効果が発揮されるので必ず上に置くのがポイントです。
防虫剤を入れ忘れると虫に食べられ、大切なカシミヤに穴が開いてしまう可能性があります。
ただし、防虫剤の使い方を間違えるとカシミヤにダメージを与えます。
効き目を強くしようとして違うタイプの防虫剤を一緒に使うのはやめましょう。
カシミヤの風合いを保つコツ3選
着心地のいいカシミヤをいい状態で長く使用するためにはお手入れが欠かせません。
ここでは風合いを保つ3つのコツをご紹介します。
ちょっとしたお手入れや工夫でいつまでもカシミヤらしい質感を楽しめます。
コツを押さえておけば、気負わずに高級素材のカシミヤ製品をコーディネートに取り入れられますよ。
カシミヤの風合いを保つコツ1:インナーの上から着用する
カシミヤのセーターはインナーの上から着用することで汗や皮脂汚れの付着を抑えられます。
カシミヤは1枚でもとても暖かく、着ていると汗ばんできますが、素材自体が呼吸しているため蒸れないのでインナーを着用しても快適です。
肌当たりがよく素肌にふれてもチクチクしないカシミヤですが、汚れ防止用としてインナーを使っていきましょう。
カシミヤの風合いを保つコツ2:毛玉の原因を回避する
見た目が悪くなり風合いも感じられなくなる毛玉は着方によってできにくくなります。
カシミヤ素材の衣類にアウターを羽織ればそれだけで摩擦が起こり毛玉ができやすい状態が作られてしまいます。
アウターの通気性が良くない場合の蒸れやシートベルトなどによる摩擦にも要注意です。
1日着たら2日くらい間を開けてから着用すると、摩擦の回数を減らせます。
休ませている間にカシミヤ繊維自体が湿気を調節するので、型崩れも一緒に防げますよ。
カシミヤの風合いを保つコツ3:着用後はブラッシングする
カシミヤの衣類を着た後は、必ずブラッシングして表面を清潔に保ちましょう。
温かさ抜群のカシミヤ素材は冬場に着用することが多いため、空気の乾燥により静電気が発生し汚れやホコリなどが付きやすくなります。
表面がどことなく薄汚れて見えてくるのはそうした目に見えない汚れのためです。
毛玉の発生原因にもなるので、ブラッシングを習慣づけて独特な風合いを長持ちさせましょう。
カシミヤの衣類の正しい洗濯方法を学ぼう
カシミヤの正しい洗濯方法を知らなければ、お気に入りのカシミヤ衣類を縮ませたり、毛玉だらけにしてしまうかもしれません。
家庭洗濯マーク付きのカシミヤ衣類は注意点をしっかり守れば上品な質感を失わないよう洗いあげることが可能です。
カシミヤのような繊細な素材を家で洗うのは無理だとあきらめていた方も、覚えた正しい洗濯方法を使ってチャレンジしてみてくださいね。