カビにアルコールは効果がある?
アルコールはカビのたんぱく質を分解してくれます。そのため、ふき取るだけでは取れないカビもしっかり除菌することが可能です。
またアルコールは薬局などでも買えるためとても手に取りやすいものなのも大きなメリットでしょう。
またあとから紹介する80%エタノールはカビの根の分解だけでなく、予防の効果もあります。スプレーとして使ったり、雑巾にしみこませたり、その場所に合った方法で使うことができます。使う時は手が荒れないようにゴム手袋を着用しましょう。
しかし、アルコールには漂泊の効果はないため、その時は漂白剤を使います。
カビに効果のあるアルコールの選び方
- 80%エタノール カビに最も効果があると言われているのは80%のエタノールです。エタノールはアルコールの一種で、消毒や除菌シートなどにもよく使われています。
除菌シートなどのアルコールの濃度は20%から40%が多いです。
しかし、40%ほどの濃度ではカビを取ることはできません。
そのため80%のエタノールが最も効果があります。
ドラックストアでは無水エタノールとして販売してあります。無水エタノールは99%と80%がありますが、99%のものは濃度が高すぎて逆に効果が薄れるため、80%が最適です。
もしお店に80%のものがなくても、99%のものを水で薄めることで80%になりますので大丈夫です。
消毒用として、アルコールスプレーをよく見かけますが、これらはカビには効果があまりありません。これらのアルコール度数は40%ほどだからです。
また同様にお酒のアルコールもカビ取りに効果がありません。
アルコールスプレーとして使いたいときは、空のスプレーに80%エタノールを入れてつかいましょう。後で紹介するスプレータイプの掃除用アルコールもとても良いです。
アルコールでカビ取りする方法
①畳
畳は吸湿性があり、カビが発生しやすいです。しかし、漂白剤を使うと傷んでしまいます。
アルコールであれば畳を傷めずにカビを取ることができます。
- ティッシュペーパーにアルコールを含ませて拭く。
- 除菌をするためにアルコールスプレーをする。
- 湿気を防ぐために数時間ほど換気をする。
水分と異なりアルコールには揮発性(すぐに蒸発する性質)があります。また、アルコールスプレーをすることで、今後のカビ予防にもなります。
②壁
アルコールでは取りにくい黒カビの場合には、漂白剤を使うのがよいでしょう。しかし、壁紙が痛まないか不安な時にはアルコールを使いましょう。
- 壁の凹凸に当たるようにティッシュペーパーを厚めにとってアルコール含ませてふき取る。
- 黒カビを漂白剤で漂白する。
- アルコールスプレーを使い除菌する。
アルコールはニスなどを溶かしてしまうため、材質には注意が必要です。
③窓
冬に結露が付きやすい窓。パッキンに黒いカビが付きやすく、カーテンなどほかのものに移ってしまいやすいです。
見つけたらすぐにふき取るようにしましょう。
またスプレーで吹き付けてしまうとカビの胞子飛んでしまうことがあるので注意が必要です。
カビ取りをした後、カーテンなどにアルコールスプレーをすると、予防にもなります。
④冷蔵庫などの家電
冷蔵庫や電子レンジなど、食品を扱う家電には塩素系の漂白剤は使いにくいです。そんな時こそアルコールを使いましょう。
ティッシュペーパーに含ませて優しく吹けば大丈夫です。
また食品にカビが発生した時は胞子が飛び、増殖する可能性があるため、フタや袋を開けずに処分しましょう。
⑤クローゼットや本棚などの家具
クローゼットや本棚などは風通しが悪く、カビが好みやす場所の一つ。だから普段から注意が必要ですね。これらの家具にカビがついてしまった時、服や、本にもカビがついている可能性があるので、ひとまずすべての荷物を外に出します。
それから消毒用エタノールをスプレーに薄めて入れ、直接カビの部分に吹き付けましょう。たっぷり吹き付けて湿らせるのがポイントです。
そして濡れ雑巾でふき取り、再びエタノールを吹き付けて、乾かします。
これらの家具は材質が木材のものも多く、漂白剤を使うことで、変色してしまうことがあるので、その心配がないエタノールは有用です。
カビのついてしまった服や荷物は、エタノールでも取ることができます。
その後元の場所に戻しましょう。
エタノールを入れるスプレーは溶けないようにプラスチックではなく、ガラスや陶器などの素材を選ぶことが大切です。
アルコールでカビ取りする際の注意点
体に害がないアルコールはとても便利です。しかし、危険性も知っておかなければ思わぬ事故につながります。
使用するときの注意を知ることで、安全にカビ取りしましょう。
- 引火する危険
- 換気の必要
- 漂白はできない
- 変色
- 手荒れ
引火する危険
エタノールはお酒の主成分のため引火性があります。カビ取りをしているときは火を使わないようにしましょう。
また無水エタノールは、非常に高濃度のため、直射日光に当たるところや、ガスレンジのそばにも置かないようにしてください。
ガスレンジや電子レンジを拭いた後は、完全に乾燥してから使いましょう。
喫煙する方が家族にいるときは、近くでタバコを吸おうとしていないかなど、十分注意をしてください。
換気の必要
エタノールは揮発性の高い液体です。大量に使用すると、蒸発したエタノールを吸い込んで、アルコール酔いする可能性があります。小さいお子さんやペットのいるご家庭はお気を付けください。
乾燥するのが早いため、容器の閉め方が甘いと蒸発してしまいます。移し替えたときしっかりフタを閉めるようにしましょう。
余ったもものは冷蔵庫に保管すると長持ちします。時間がたつほど酸化して劣化してゆくので、使用期限内で使い切ることが大切です。
漂白はできない
アルコールを使った消毒ではカビの除去はできますが漂白はできません。だから、黒カビによる汚れなどを取ることはできないのです。
汚れを取るときは漂白剤などを利用しましょう。その際目立たないところで変色のチェックをするのは大切なポイントです。
変色
木材などは変色させませんが、ニスや発泡スチロール、皮革などは変形や変色をしてしまう可能性があります。表面が溶けてしまうからです。
用いるときはアルコール耐性があるものにしましょう。塗料が塗ってある床やニスが塗ってある家具には向きません。
手荒れ
手荒れをすることがあるので、厚手の手袋を着用してください。エタノールは皮膚の水分を奪ってしまいます。
また、他の薬品と混ぜるのは有毒な気体が発生して危険です。そして見た目は無色なので、飲んでしまわないように、「アルコール」「危険」のように書くことができます。そのときに使いきってしまうということが大切でしょう。
アルコールを使ったカビ予防法
エタノールには殺菌効果があるのでカビ予防にも適しています。80%エタノールをスプレーに入れて、窓のゴムパッキンや、お風呂場などに1週間に1回スプレーします。カビの菌が繁殖しにくくなり、掃除がぐんと楽になります。
汚れがある場合には浴室用洗剤で汚れを落として、殺菌処理を行うようにしましょう。
エアコンを掃除するときにアルコールを使うとその後の予防にもなり大変便利です。この時もスプレーに入れて使います。
まずエアコンの吹き出し口は直接スプレーしてふき上げましょう。
取り出したフィルターは浴室などで、水洗いし、陰干しでしっかり乾燥させてから消毒用エタノールを吹きかけます。
そして電源を入れて20分ほど送風運転にして乾燥させればオッケーです。
クローゼットや本棚の裏には特に注意が必要です。定期的にスプレーをして予防しましょう。アルコールをしみこませた雑巾で隅々まで吹き上げるとさらに効果的です。掃除の際はアルコールが蒸発するまで必ず換気をしましょう。
おすすめのカビ取りアルコール
始めにご紹介した健栄製薬の無水エタノールです。これは99%なので4:1で水で薄めてお使いください。
80%の消毒用エタノールです。カビ取りに最も有効な濃度となっています。フタを閉め忘れないようにして、スプレーに移し替えたものは使い切るようにしましょう。
77%アルコールの除菌スプレーです。スプレータイプとなっており、これで拭き掃除すればカビ予防になるためキッチンなど様々な用途に使えて便利です。
カビ除去にはアルコールが効く!予防にも効果的な使い方を紹介
アルコールはカビのたんぱく質を分解してくれるため、カビ取りにとても効果があります。カビが発生したら80%のエタノールをつかって除去しましょう。予防にはスプレーを週に1回すると効果的です。
アルコールを使う時は必ず換気をして、火気に気を付けましょう。