生もつは下ごしらえしよう!
市販されているもつは下ごしらえ済みの物が多いですが、やっぱり美味しいもつ煮を作る為には生のもつを下ごしらえして調理するのが一番、ということでまずはもつの下ごしらえの方法をご紹介したいと思います。
- 塩を使った下ごしらえ
- 小麦粉を使った下ごしらえ
- 水を使った下ごしらえ
- 牛乳を使った下ごしらえ
それではどのようにして下ごしらえするのか詳しく見ていきましょう。
塩洗いでヌメり取り
調理用にカットしたもつをボールなどに入れ、たっぷりめの塩を入れてゴシゴシ洗います。この時に白いヌメリが出てきますが、水で洗い流し更に繰り返します。
白いヌメリが出なくなってきたら粗塩を揉みこむように洗い、最後にまた水で流しキッチンペーパーなどで水気を切ります。
塩はヌメリや臭みを取る効果があり、もつ以外にもさまざまな食材で活用できる方法です。
小麦粉で汚れを吸着
こちらもカットしたもつをボールなどにいれ、たっぷりめの小麦粉を入れて揉みこむように混ぜます。この時に小麦粉にもつの汚れや匂いが移ってきますので、これをまた水で洗い流し水気を切ります。
小麦粉の分量の目安としては、小麦粉1カップが大体1キロ分くらい洗うのに最適な分量でしょう。
水で徹底的に汚れを落とす
濃度3%程度の塩水を作り、こちらもボールなどに入れたたっぷりの水でひたすらゴシゴシ洗います。お米を研ぐ時のような優しい感じではなく、とにかくゴシゴシ洗いましょう。
もつは内側が特に汚れが落ちにくい為、包丁で開いてからある程度包丁で汚れをこそぎ落としてから洗うのがいいでしょう。
牛乳で臭みを取る
もつを牛乳に20~30分ほどつけましょう。そうすると牛乳がピンクがかった色に変わりますが、そのピンク色の元こそがもつの汚れや匂いになります。
もちろん牛乳がついたままで調理はせずに、水でしっかりゆすぎ牛乳と汚れを落としましょう。
もつ煮のレシピ『基本編』
もつの下ごしらえが完了したら、いよいよ調理開始。ですが一概にもつ煮といえど色々な味付けや調理方法がありますよね?どうしたらおいしいもつ煮が作れるのかわからない、そんな方の為にここではまず基本の人気もつ煮レシピをご紹介していきます。
材料 | 分量 | 材料 | 分量 | 材料 | 分量 |
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煮汁 | 合わせ調味料 | 具材 | |||
長ネギの青いところ | 1本分 | みそ | 大さじ1 | もつ | 300グラム |
にんにく | 1欠片 | 砂糖 | 大さじ1 | ごぼう | 2分の1本 |
ショウガ薄切り | 1欠分 | しょうゆ | 大さじ1 | にんじん | 2分の1本 |
料理酒 | 大さじ3 | こんにゃく | 2分の1枚 | ||
水 | 5カップ | 長ネギの小口切 | 3分の1本 |
まずは下ごしらえしたもつを、塩少々を入れた熱湯で5~6分程煮込みましょう。煮込んだ後はしっかりお湯をきって流水で洗うようにしてください。
次に煮汁を用意します。風味を出しやすくする為に、にんにくは叩いてつぶしておき、長ネギはぶつ切りにしておきましょう。そして煮汁の材料ともつを鍋に入れて煮込んでいきます。
沸騰したらアクが出てきますのですくい取り、大体1時間ほど弱火で煮込んでいきます。
その間に具材の用意をしましょう。ごぼうは輪切り、にんじんはいちょう切りにします。それぞれ1~1.5cmほどの厚みで、こんにゃくは1.5cm角に角切りにします。そしてこれらの具材を熱湯でさっと下茹でしておきましょう。
もつの入っている鍋に下茹でした具材を投入し、野菜が柔らかくなるまで30分ほど煮込んでいきます。野菜が柔らかくなったら、合わせ調味料の半分を入れて15分ほど煮込み、残りを入れてさらに15分ほど煮込みます。
合わせ調味料を2回に分けて入れることにより、味がしっかり染み込み、コクが一層増します。
出来上がったら器に盛り小口切りにしたネギを乗せて完成です!
もつ煮のレシピを成功させるコツ
もつの臭みをとる
何よりも最初の下ごしらえでしっかりと臭みと汚れを取っておくことが大切です。臭みや汚れが残ってしまうと、どうしても臭みに味が負けてしまい、生臭い味になってしまします。
どうしても面倒で飛ばしてしまい気味になってしまう作業ですが、ここの工程をしっかり行うことが美味しいもつ煮を作る為のキーポイントと言えるでしょう。
日本酒で旨味を引き出す
日本酒は煮物には欠かせない調味料ですが、入れることにより実際にどのような効果があるのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。
日本酒には、臭みを取る、具材を柔らかくする、風味が豊かになるなどの様々な効果があります。
特にもつ煮に関して言えば、臭み取りもできて柔らかくもしてくれる効果がある日本酒は必須と言えるでしょう。
日本酒を入れるタイミングとしては、最初に入れてひと煮立ちさせてアルコールだけを飛ばしておくといいでしょう。
いちど冷ますことで味を染み込ませる
一晩置いたカレーや煮物が作りたてより美味しくなったと思ったことはないですか?
これには理由がちゃんとあり、温めていた時には食材から水分が抜けていき、冷ますことにより水分が戻っていくのですが、その過程で味そのものも水分と一緒に食材に入っていくからです。
これは冷ます時間が長ければ長いほど効果があり、一晩置いた物が美味しいのはその為なのです。
絶品!人気のもつ煮レシピ5選
基本のもつ煮レシピをご紹介させてもらいましたが、家庭や地域の風土によって味付けが違ったり、少しアレンジを加えた物など色々レシピがあります。
こちらではそんなレシピの中から、人気のもつ煮レシピをご紹介していきます。
- 小料理屋風
- 居酒屋風
- 塩だし
- 色々トリモツ
- 赤味噌
本格小料理屋のもつ煮
小料理屋の上品でありながら素朴な味付けのもつ煮は人気があります。一見難しそうに見えますが、実は基本のもつ煮のレシピに少しアレンジを加えるだけでできちゃいます。
にんにく、しょうが、長ネギをみじん切りにし、サラダ油又はゴマ油で炒めましょう。
そこに食材を野菜、もつの順に投入し、さらに炒めます。この時サラダ油を使った方がさっぱりした味わいになります。
そして煮汁を入れて煮込むのですが、その際にかつおだしを加えることにより上品な味わいになります。
あとは基本のレシピと同じように作り、最後にごま油を回しかければ完成です。
お酒のすすむ居酒屋風もつ煮
こちらも小料理屋風もつ煮と作り方は同じですが、居酒屋ならではの濃いめで甘目な味付けもお酒好きには人気です。
こちらは味噌を多めに大さじ3程入れて、少しドロッとしたもつ煮に仕上げることがコツです。
より甘目にしたい時は、みりんや砂糖の分量を増やすとよいでしょう。
塩だしでさっぱりもつ煮
味噌や醤油で甘辛くこってりしたのがもつ煮のイメージですが、こちらは塩味でさっぱりさせた少し変わり種のもつ煮です。軽くあっさりしているので、お酒はもちろんおやつなんかにも人気があり喜ばれるのではないでしょうか。
こちらも作り方は基本のもつ煮レシピと同じですが、煮汁を生姜すりおろし、にんにくすりおろし、かつおだし、酒、粗塩、水で作ります。
分量はお好みでいいですが煮立つと塩気が濃くなってしまうので、粗塩は味見をしながら少しずつ足していくのが塩辛くならないようにするコツです。
トリモツ煮
こちらはもつの他に、レバー、ハツ、キンカン(卵巣)など色々なホルモンをあえて野菜は入れずに作ります。色々な食感を楽しめ、ホルモンそのもののうま味を味わうことができるでしょう。
種類が多い為、最初の下ごしらえの手間は増えますが、ホルモン好きな方にはたまらない一品ですね。
赤味噌のもつ煮
赤味噌を使うことにより、他の調味料は家にあるもので簡単に味付けができるもつ煮です。赤味噌、焼肉のたれを1対1、みりん、だしつゆは赤味噌の3分の1、砂糖は甘さを調整しながらお好みで調整します。
焼肉のたれは様々な調味料や果汁が使われており、赤味噌を使うことで合わせ味噌や白味噌に比べて味に深みやコクを出すことができます。細かい調整が必要ない分、細かい味付けが苦手な方や男性の方に人気のレシピでしょう。
おすすめの和食レシピ本
①:基本のきちんと和食
前述したように、もつ煮を作るには下ごしらえがとても重要になってきます。そしてもつ煮は煮込み料理なので、料理酒の役割やみりんの役割など、和食における基本のレシピを覚えていれば簡単に作れます。
この本では包丁の使い方から食材の下ごしらえまで、基本が詳しく丁寧に書かれているので、普段料理をしない方でもわかりやすく基本を学ぶことができるでしょう。
基本のレシピを覚えてしまえばアレンジの幅も広がるので、まずはこの本で基本を学んでみてはいかがでしょうか。
②:永久保存レシピ 一流料理長の 和食宝典 ―私たちへ300レシピの贈り物
基本のレシピ通りに作っているのに何か物足りない、お店で出てくるプロが作ったような味のもつ煮が食べたい、そんな方には一流料理人が作るレシピが載っているこちらの本をおススメします。
料理教室などで人気の先生方が監修していて、煮物以外にもお刺身から焼き物まで様々なレシピが載っています。普段食のレシピはもちろん、おもてなしに使える本格的なレシピまで掲載されているので、タイトル通り永久保存版として1冊持ってみてはいかがでしょうか。
もつ煮の人気レシピまとめ
これまで人気のもつ煮レシピを5選紹介させていただきました。お店で食べることが多いもつ煮ですが、ご紹介してきた通りポイントさえ抑えれば家でも簡単に作ることができます。
もちろんお店で食べるもつ煮はプロの作る味なので、そのまま簡単に真似をするのは難しいでしょう。それに下ごしらえに手間と時間はかかりますが、それさえ出来れば美味しいもつ煮が出来たも同然です。
色々なレシピがあり、家で作るからこそ好みの濃さに調整したりアレンジができたりできるのも手作りのいいところですよね。
人気のお店の味の真似をするもよし、人気のレシピを参考にするのもよし、基本のレシピを物にして自分でもオリジナルレシピのもつ煮を作ってみてはいかがでしょうか。