お風呂のカビ取りはコツをつかめばキレイに落とせる!
水を使う場所にはどうしても発生しがちなカビ。
日頃から気をつけている人も多い一方で、中には掃除をなまけがちという人もいるでしょう。
ちょっとサボっただけ、と思っても、容赦なく生えてくるのがカビの怖いところです。
しかも、サボればサボるだけどんどん生えてきて、あっという間にお風呂場は真っ黒に。
こうなるともう、掃除してもなかなか落ちないんじゃないかと思ってしまいますが、実はお風呂のカビ取りは、コツさえつかめばそんなに難しくないんです!
ちょっとした道具とやる気さえあれば、元のキレイなお風呂場が取り戻せますよ。
お風呂のカビは健康に悪影響がある?
「カビって気持ち悪いけど、別に害はないんでしょ?」と思う人もいるかもしれません。
でも、実はそうではないんです。
カビは放っておくと、健康に害を及ぼす恐れがあります。
特に、小さな子供やお年寄りは危険なんですね。
カビがもたらす健康被害はいろいろですが、例としてはアレルギーが挙げられます。
喘息や鼻水にかぎらず、胃腸炎や結膜炎といった症状が起こる場合も。
お子さんの場合、小児喘息を発症する可能性もあります。
それだけではなく、水虫や、肺炎のような症状をもたらすおそれもあるんです。
こうした症状は、カビの胞子や排泄物が空気中に飛び散ることが原因となります。
お風呂場から家中に広がってしまう危険もあるので、たかがカビとあなどらず、早めに対策するのが肝心です。
お風呂のカビはこすっても落ちない?
お風呂掃除と言えば、洗剤をつけてゴシゴシこすって…というのが普通のやり方でしょう。
カビに対しても、ついこの方法でやってしまいがちですが、実はこれはNGです。
カビはこすって落とそうとしても、逆効果なんですね。
カビは真菌という生物で、キノコの仲間にあたります。
キノコには菌糸という器官がありますが、カビも同様で、この菌糸を延ばして成長してきます。
この菌糸が、お風呂場のタイルの目地などにしっかり根を生やしているのです。
そして、たとえ表面の部分がこすり取られても、根の部分が残っていればまた生えてくるようになっているんですね。
ですから、カビをこすって落とそうとしても無駄なだけではなく、逆に根を奥へ押し込むことにもなってしまいます。
そうすると、さらにカビを除去しづらくなってしまうというわけです。
そこで、お風呂のカビを取り去るのに一番有効なのが、「カビ取り剤」を使う方法です。
お風呂のカビ取り剤を使う前にするべき準備
上で見たように、お風呂のカビをしっかり取り除くには、カビ取り剤を使うのが一番の方法です。
それでは、カビ取り剤を使うにあたっての準備について見ておきましょう。
まずはカビ取り剤を用意します。
カビ取り剤には、後で見るようにいろいろな種類がありますが、主なものは塩素系が多くなっています。
体の安全を考えて、ゴム手袋やメガネ、マスクなどの保護具を着用した方が良いでしょう。
また換気にも充分注意して、お風呂場の窓や扉は開けておくのが基本です。
いきなりカビ取り剤を使うのではなく、最初にカビに付いているせっけんカスや皮脂汚れを落としておくのも大事です。
まずはお風呂洗剤で、これらの汚れを除いてください。
また、カビ取り剤を使うのは、お風呂場が乾いた状態なのがベストです。
ですから、雑巾などでしっかり水気を取ってからカビ取りを行いましょう。
お風呂のカビ取り剤の種類
上でも少し触れましたが、カビ取り剤にはいくつかの種類があります。
主な種類は、次の3つです。
- 塩素系カビ取り剤
- 酸素系漂白剤
- 重曹とクエン酸
お風呂のカビ取り剤①:塩素系カビ取り剤
塩素系のカビ取り剤は、前述のようにカビ取り剤としてよく使われるタイプです。
次亜塩素酸ナトリウムが主成分となっていることから、「塩素系」と呼ばれています。
塩素系カビ取り剤の特徴は、その強力な殺菌力にあります。
塩素によってカビの菌糸や胞子を殺菌し、その上漂白してカビを根こそぎ消してしまう効果を持っています。
塩素系カビ取り剤の具体的な例としては、ジョンソンの「カビキラー」や「カビキラースーパー」、「カビキラーマイルド」といったものがあります。
また、花王の「カビとりハイターストロング」、ライオンの「ルックカビ取りジェル」など、さまざまな商品が販売されています。
ちなみに、花王の「ハイター」や「キッチンハイター」といった塩素系漂白剤も、カビを除去する効果としては塩素系カビ取り剤とほとんど変わりません。
お風呂のカビ取り剤②:酸素系漂白剤
続いてご紹介するカビ取り剤は、酸素系漂白剤です。
こちらは「過炭酸ナトリウム」が主成分の漂白剤になります。
名前の通り漂白効果の高い薬剤ですが、殺菌効果も持っています。
細菌やカビに対しても、効果的に取り除くことができます。
塩素系漂白剤との違いは、効果の強さと取り扱いのしやすさにあります。
塩素系の方が殺菌・漂白どちらの効果も強くなっていますが、その分取り扱いには注意が必要になります。
それに比べて酸素系漂白剤は、塩素系より効果は弱まるものの、安全性は高くなっています。
主な成分は消毒用のオキシドールとほとんど変わりませんから、比較的安心して使えるんですね。
洗濯はもちろん、キッチンやお風呂場のカビ取りにも使えるようになっていますよ。
酸素系漂白剤の例としては、花王の「ワイドハイターEX 粉末タイプ」や、「シャボン玉せっけん 酸素系漂白剤」などがあります。
お風呂のカビ取り剤③:重曹とクエン酸
3つ目にご紹介するのは、重曹とクエン酸を使ったカビ取り剤です。
こちらは市販の商品ではなく、家庭でそれぞれ用意するものになります。
重曹はご存知の方も多いでしょうが、パンケーキなどの料理から、茶渋落としなどの掃除にも使えるオールマイティな粉末です。
正式な名前は「炭酸水素ナトリウム」というもので、水に溶かすと弱アルカリ性を示すようになっています。
この性質により、皮脂や油などの汚れを落とす働きがあるんですね。
一方クエン酸は、こちらもご存知のお方が多いでしょうが、レモンなどに多く含まれる酸味成分です。
クエン酸は水に溶けやすく、弱酸性を示す水溶液は、アルカリ性の汚れを落とすのに適しています。
アルカリ性の汚れには、シャンプーやせっけんの残り、水あかなどがあります。
つまりこのような性質から、どちらもお風呂場のカビ取りに役立つわけです。
もちろん、どちらもスーパーや100均ショップなどで簡単に手に入りますよ。
お風呂のカビ取り剤の使用方法【塩素系カビ取り剤編】
それでは、カビ取り剤の使い方について説明していきましょう。
まずは塩素系のものからです。
塩素系は効果が強い分、体などへの影響も強いことはすでに触れました。
ですから、扱いには十分な注意が必要です。
まずカビにスプレーする時は、顔に近づけすぎないようにしましょう。
顔の近くでスプレーすると、鼻や口から吸いこんでしまう危険があります。
ですからスプレーは、なるべく腰の下あたりで行ってくださいね。
第二に、スプレーはなるべく薄く広くかけましょう。
一点に多く噴きかけても、あまり効果はありません。
第三に、スプレーしてしばらく放置するのが大切です。
すぐにこすってしまうと、カビが充分取れずに残ってしまいます。
軽いカビなら数分、ひどい場合には10分くらいはそのまま置いてください。
最後にシャワー(お湯)でしっかり流し、終了です。
その際は換気扇も回しておきましょう。
仕上げに乾拭きすると、完璧です!
お風呂のカビ取り剤の使用方法【酸素系カビ取り剤編】
続いては、酸素系漂白剤を使ったお風呂のカビ取りの方法を紹介しましょう。
酸素系漂白剤は、カビ取りの効果としては塩素系より劣ります。
しかし、ある方法でしっかりお風呂のカビを落とすこともできます。
その方法は、重曹と混ぜてペースト状にするというもの。
作り方は簡単です。
洗面器に酸素系漂白剤と重曹を同分量入れ、水(ぬるま湯)を少し加えながら手で混ぜ合わせます。
分量は、風呂場のカビの量に応じて調整してくださいね。
柔らかすぎると液だれするので、適度な硬さを残しましょう。
続いて、作ったペーストをカビに塗りつけて、上からラップでパックします。
こうすることでペーストがカビに密着し、乾燥を防ぐこともできます。
この状態で4~5時間ほど放置し、最後にシャワーでしっかり洗い流せば、完了です!
お風呂のカビ取り剤の使用方法【重曹とクエン酸編】
続いては、重曹とクエン酸を使う方法について見ていきましょう。
やり方はとても簡単です。
まず、200mlの水にクエン酸を小さじ1混ぜ込みます。
分量は、こちらもカビの状態に合わせて調整してください。
作ったものをスプレーボトルに入れて、カビに対して噴きつけましょう。
さらにその上へ、重曹を振りかけます。
すると重曹が泡立ってくるので、30分ほどそのまま放置してください。
その後スポンジ等で拭き取れば、きれいにカビが落ちるはずです。
カビがお風呂場の壁面などにある場合は、重曹でもスプレーを作り、クエン酸と交互に噴きかけるのが効果的ですよ。
重曹スプレーは普段のカビ予防や消臭にも使えますから、ぜひ利用してみてください。
お風呂のカビを発生させない予防法
お風呂のカビが発生した後の対策だけでなく、予防法についても知っておきたいところです。
カビを発生させないためには、まずお風呂場の換気をしっかり行うことが大切。
カビは湿度の高い環境を好みますから、湿気をこもらせないことが大事なんです。
お風呂を使う際は、最低でも2時間は換気扇を回すようにしましょう。
もう1つの予防法が、熱湯をかけるという方法です。
カビは20~30℃ほどの環境で繁殖しやすくなりますが、高温すぎるのは苦手なんですね。
ですから、お風呂上りに50℃以上のお湯でシャワーすると、カビが生えにくくなります。
逆に、冷水でお風呂場内を冷やすのも効果的です。
湿気対策としては、お風呂の後に浴室の水分を拭いておくのも有効です。
お湯を抜いてシャワーで軽く汚れを流し、バスタオルやワイパーなどで、お風呂場全体の水気を拭き取りましょう。
天井部分も忘れずに拭いておくのがポイントですよ。
また、市販の防カビグッズを使うのもおすすめです。
くん煙剤や天井に取り付けるタイプなど、さまざまな商品がありますから、試しに使ってみるのもよいでしょう。
大掃除に関する おすすめの本
それではここで、お風呂掃除などのテクニックが学べる本についてご紹介しておきましょう。
こちらは、『プロが教える「15分掃除」がわが家を変える!』という本です。
掃除が苦手な人にとって、掃除の習慣をつけるのはなかなか大変ですよね。
どうしてもなまけてしまい、おかげでお風呂場にはカビも生えやすくなってしまいます。
そんな時この本を読むことで、簡単な掃除のコツをつかむことができるんです。
タイトル通り、掃除のプロがさまざまなテクニックを教えてくれるので、効率的な掃除習慣が身に付くんですね。
お風呂場だけでなく、キッチンやお部屋の片付け法についても紹介されていますから、掃除に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
お風呂のカビ対策はこまめに
以上、お風呂のカビ取り法などについていろいろとご紹介してきました。
このように、お風呂場に生えてしまったカビでも、カビ取り剤で落とすことができます。
でも、その際は正しい使い方で行うことが大切。
決してこすったり、素手で薬剤を扱うなどしないようにしましょう。
また、お風呂のカビは普段から予防しておくことが大事です。
しっかり換気をし、お風呂場の水気をふき取るなどのケアを怠らないようにしましょう。