カビキラーは危険だから使用しないほうがいい、という情報を耳にしたことはあるでしょうか。
カビを除去するのに便利なカビキラーの成分を知ると体への影響がわかります。
カビキラーの成分とともに、正しい使い方や注意点を解説します。
もし危険な状態になったらどうすればいいのかもご紹介しますので、カビキラーを使用する前にチェックしておきましょう。
カビキラーの成分について
カビキラーはカビを除去するために便利なアイテムです。
カビキラーを使うとあっという間に綺麗になる、という口コミも多数あります。
そんな便利で評価の高いカビキラーの成分を公式サイトからチェックしてみましょう。
- 水
- 次亜塩素酸塩
- 安定化剤
- 水酸化ナトリウム
- アルキルアミンオキシド
- アルキルスルホン酸ナトリウム
- アルキル硫酸エステルナトリウム
- 香料
カビキラーの主な成分は次亜塩素酸塩です。
この成分がカビを除去するのに有効であり、危険と言われている原因でもあります。
しかし、次亜塩素酸塩はカビを除去することができるだけであり、カビの繁殖を防止し殺菌する効果はありません。
カビには色素があり、黒カビは特に目立つものです。
カビキラーの主な成分である次亜塩素酸塩はこの色素を除去することにより、お風呂やフローリングのカビによる汚れを落とすことができるのです。
次亜塩素酸塩は漂白剤と同じような働きをするため、色素を分解し、カビをだ食させることができます。
つまり、カビキラーの成分からわかることは、カビキラーだけではカビ菌を根こそぎ取り除くことはできない、ということです。
市販のカビ取り剤であるカビキラーには限界があります。
カビキラーの成分からわかることとして、アルカリ性であるという点も挙げられます。
強いアルカリ性をもち、次亜塩素酸塩を主成分とするカビキラーは、漂白剤としての役割+殺菌力もある程度持ち合わせています。
そのため、トイレやお風呂場などの衛生面できになる場所では特に有効なものであると言えるでしょう。
カビキラーの濃度について
カビキラーの次亜塩素酸塩濃度は0.5%です。
キッチンハイターなどの他の漂白剤の次亜塩素酸ナトリウムの濃度は6%〜11%と言われています。
この数字だけを見ると、明らかにカビキラーの濃度は低く、効果が薄いように感じられるのではないでしょうか。
しかし、成分表機の違いに注目してみましょう。
カビキラーは次亜塩素酸塩そのものですが、他の漂白剤はナトリウムがプラスされています。
この違いは濃度の違いに大きな影響を与えていると言えるでしょう。
カビキラーの主成分である次亜塩素酸塩は原液であり強い刺激臭を放ちます。
しかもカビキラーは薄めずにそのままカビ取りに使用するのです。
次亜塩素酸塩は殺菌力が高く安全に使用することのできる漂白剤としてカビキラーに含まれています。
しかし、次亜塩素酸に水酸化ナトリウムが加えられることで、洗浄力と漂白作用は変わりありませんが殺菌力が劣るのです。
つまり、カビキラーの次亜塩素酸塩濃度は一見低く見えますが、殺菌力と洗浄力において申し分なく、安全に使用できる濃度であるということになります。
次亜塩素酸ナトリウムが主成分となっている漂白剤は安定性はカビキラーよりも高く安価で手に入ります。
カビキラーを使用するときにこうした成分の特徴と濃度について知っておくと、危険も理解した上で安全に使用することができるでしょう。
カビキラーの使い方
カビキラーは塩素系漂白剤であり、カビの色素を分解しお風呂やトイレなどのカビによる汚れを取り除いてくれます。
カビキラーを安全に使うために、公式サイトが推奨している使い方をご紹介しましょう。
- ノズルの「出」を黄色い部品にしっかり合わせる。
- 気になるカビの汚れから約15cmの距離を開けて、スプレーする。
- 数分放置し、水で洗い流す。
- ノズルの「止」を黄色い部品にしっかり合わせる。
- 手を洗い、その後目を洗う。
この5つの順序に従うことで安全にカビキラーを操作することができるでしょう。
絶対に顔に向けて操作しないようにしましょう。
顔よりも上の部分にスプレーが必要な場合は、直接スプレーするのではなく、スポンジにカビキラーの液をつけて塗るようにします。
③の部分で、カビの汚れがひどい際には数分ではなく10分から30分ほどおくと、よりきれいにカビを除去できるでしょう。
カビキラーをさらに効果的に使用するためにラップを活用できます。
頑固なカビは、表面上が漂白されてもなかなか落ちないということもありますので、しっかりカビキラーの成分が浸透するようにラップをかけてみましょう。
特にカビキラーの液が流れてしまいやすい場所でのカビ取りはラップをかけることで、成分をしっかり密着させてカビを取ることができるようになります。
小さくて細か部分にはティッシュがオススメです。
カビは取れたけど、黒っぽいシミが残ってしまったということにならないように、パックを使ってカビキラーの成分を効率よく浸透させましょう。
カビキラーの使い方において知ってほしい別の点は使えない場所もあるということです。
カビキラーが使えない場所は以下の通りです。
- 木製製品
- アルミ・金属製品
木製製品にカビキラーを浸透させてしまうと、洗い流すことができなくなり人体に悪影響を及ぼしますので使わないようにしましょう。
また、アルミや金属製品は錆が発生しやすく、せっかく汚れを取りたくてカビキラーを使用したのに、変色してしまったり素材が傷んでしまったりということになり兼ねません。
カビキラーを使う際の注意点
カビキラーを使用する際は、自分と家族の健康のために注意しなければならないことがあります。
特に注意するべき4つの点をご紹介します。
- 換気をする
- 子供に注意する
- 素手で扱わない
- 目に入らないように注意する
カビキラーを使用する際の注意点を4つご紹介します。
カビキラーを使う際の注意点①:換気をする
1つ目の注意点は、必ず換気をしながら作業を行う、ということです。
カビキラーを使用するときには閉め切った状態で行うと、成分を思いっきり吸い込んでしまう可能性があります。
戸や窓がある場所であれば必ず開けてから作業を行います。
また、換気扇があれば必ず使用してください。
換気扇を使用するとともに、窓をあけて外の空気を通すことで換気が十分に行われている環境でカビキラーを使用することができるでしょう。
それと合わせてマスクをして、自分の体を守りましょう。
カビキラーの匂いで気分が悪くなる場合には、マスクの表面を水で濡らすと匂いを軽減することができます。
カビキラーを使う際の注意点②:子供に注意する
2つ目の注意点は、子供に注意するということです。
お子さんがおられる家庭であれば特に注意が必要です。
できれば子供さんが保育所や幼稚園、学校に行っている間にカビキラーを使用するようにしましょう。
子供はカビキラーの危険性を十分に理解できませんし、少し目を離した好きにカビキラーに触れたり、吸い込んだりしてしまう可能性は否めません。
使用する際はもちろんのこと、カビキラーを保管する際にも子供の手が届かないところに置くようにして、注意をする必要があります。
カビキラーを使う際の注意点③:素手で扱わない
カビキラーを使う際には素手で扱わないようにしてください。
うっかり触ってしまったときにはしっかり洗い流すようにしましょう。
皮膚にかかると腫れ上がったりかゆみや痛みを生じる可能性もあります。
カビキラーを使用する際は必ずゴム手袋を着用するようにオススメします。
もしカビキラーを触ったことに気づかず、そのまま手を使って食事をしたり、目を触ったりするとどんな健康リスクがあるか計り知れません。
カビキラーのスプレーボトルを持つときから、ゴム手袋を使用して置くようにしましょう。
カビキラーを使う際の注意点④:目には入らないように注意する
4つ目の注意点は目に入らないように注意して使用するということです。
できれば、カビキラーを使用する際にはメガネがゴーグルを使用することをオススメします。
何らかの拍子にカビキラーを顔に浴びてしまうという可能性も否めません。
最悪のことを予測して、しっかり目を守った状態でカビキラーを使用してください。
また、目線よりも高い位置にスプレーすることは絶対にやめましょう。
スプレーした先から目に向かって落ちてきます。
目線よりも高い位置にカビキラーを使用したいのであれば、スポンジにカビキラーの液をつけて、塗り落とすという方法を使いましょう。
カビキラー使用中の緊急対処法
- 皮膚についたとき
- 目に入ったとき
- 喉痛・頭痛
- 息苦しいとき
カビキラー使用中の緊急対処法①:皮膚についたとき
カビキラーを使用するときにはゴム手袋を使用しておいてほしいものですが、うっかり素手でカビキラーを使用してしまったということもあるかもしれません。
または、カビキラーをスプレーして放置しているのを忘れて、ものを触るということもあるでしょう。
そのようなときにはすぐに水で洗い流しましょう。
カビキラーは触るとぬめりが生じます。
そのぬめりがなくなるまでは、カビキラーの成分が手に付着していることになりますので、他のものを触ったり、特に目を触ったりしないようにしましょう。
カビキラー使用中の緊急対処法②:目に入ったとき
カビキラーを使用する際には、絶対に顔に向けないこと、目線よりも上にはスプレーしないことを意識してほしいものです。
しかし、もし目に入ってしまったときにはすぐに水で洗い流しましょう。
水で洗い流してもどれほど除去できたか判断するのは難しいことです。
まずは15分以上水で洗い流します。
自宅で洗い流したら、すぐに眼科へ受診しましょう。
目に入ったということがはっきりしているのであれば、カビキラーによる失明の可能性もあります。
最悪の事態にならないうちに眼科を受診し、洗浄してもらってください。
カビキラー使用中の緊急対処法③:喉痛・頭痛
カビキラーを使っていると喉が痛くなったり、頭が痛くなったりするかもしれません。
これは十分に換気を行えていなかったり、思いっきりカビキラーの成分を吸い込んでしまったりした可能性があります。
また、カビキラー特有の匂いに体が耐えきれず痛みを引き起こしているかもしれません。
カビキラーを使用した場所からいったん離れて、新鮮な空気が通る場所で休みましょう。
それでも体調がすぐれない時や、悪化してしまったときには病院に行くことをオススメします。
カビキラー使用中の緊急対処法④:息苦しいとき
息苦しくなったり、呼吸困難を生じたりしてしまったときにはすぐに病院に行きましょう。
もし自力で行くことが困難であったり、痙攣を引き起こしてしまっているときには救急車を呼んでください。
子供さんが不注意でカビキラーを飲んでしまった、顔に向かって噴射してしまったというときも同じです。
まずは、カビキラーの影響がない空気の綺麗な場所に移動します。
飲み込んだカビキラーは吐き出すのではなく胃の中に入れて中和させます。
水か牛乳で中和することができます。
カビキラーを使用して体調が悪くなったときには医師の診断を受けると安心できるでしょう。
カビキラーとハイターの成分などの違い
カビキラーのように漂白剤としての役割を持つものにはハイターもあります。
キッチンハイターの方が安価なので使っているという方も多いことでしょう。
たしかに同じ成分で同じ効果なのであれば安いハイターの方が良いはずです。
しかし、カビキラーとハイターでは成分濃度が異なっているため同じとは言えません。
カビキラーは次亜塩素酸塩の濃度が0.5%であり、ハイターは次亜塩素酸ナトリウム濃度が約6%〜11%といわれています。
ハイターは薄めて使いますが、カビキラーはそのまま原液を使用します。
カビキラーの成分濃度は、ハイターよりも安定性は劣りますが、殺菌性において優秀であるため、トイレやお風呂場などのカビ取りにもってこいの漂白剤と言えるでしょう。
カビキラーを安全に使おう
カビキラーの成分と濃度を知ると、塩素系漂白剤の正しい使い方と注意点を理解することができます。
カビ取りや汚れ落としにとても効果的なカビキラーは、目に入らないように、そして直接触れないように注意しながら使うようにしましょう。
カビキラーは安全に使えば、非常に便利な漂白剤です。
子供さんがおられる家庭は特に周りに注意してカビキラーを使用してくださいね。