組紐とは
「組紐」とは、日本古来の伝統工芸品である飾り紐のことを言います。奈良時代に大陸から伝わり、時代と共に独自の発展を遂げて行きました。
何本もの糸を合わせ、斜めに交差させながら組んでいく為、色・本数・組み合わせなど、作り方によって仕上がりも大きく変わってきます。
組紐で最も馴染み深いのは着物の帯締めや巾着袋の紐ではないでしょうか。また、丈夫で解け難い性質を活かし、甲冑や刀などの武具の他、茶道に用いられる茶入れやお茶碗などを包む袋を結ぶための紐としても発達してきました。
組紐は仕上がりの形状によって断面が四角い“角打ち紐”、リボン状に平たい“平打ち紐”、断面が丸い“丸打ち紐”の3つに大きく種類が分けられます。
組紐に使える素材
組紐に使える素材について、基本の素材から手に入れ易い素材までの4種類をご紹介いたします。本格的に作ってみたい方も気軽に楽しく作ってみたい方も、是非参考にしてみてください。
- 絹糸
- 刺繍糸
- リリアンコード
- 毛糸
組紐に使える素材①:絹糸
組紐は、絹糸で作られているものが多いです。帯締めなどの和装小物など、高級感があるものは絹糸がほとんどでしょう。
編み方によって模様を生み出すので、柔らかな光沢を持つ絹糸は組紐に適した素材です。以降にご紹介する素材より価格が高い素材ですが、本格的な組紐を作りたい方は絹糸を使ってみましょう。
主に、手芸屋さんやネットショップで購入することが出来ます。
組紐に使える素材②:刺繍糸
組紐の素材は絹糸の他に、綿糸も使われることがあります。手頃な綿の糸だと刺繍糸がオススメです。
100円ショップでも手に入り、カラーバリエーションも豊富なので気軽に始めてみたいという人は刺繍糸を使うのが良いでしょう。
又、綿糸は刺繍糸の他にレース糸を使うのも良いでしょう。レース糸も刺繍糸と同様にダイソーなどの100円ショップで購入することが出来ます。
どちらも最近ではグラデーションカラーのものの取り扱いがあるので、一種類の糸で鮮やかな組紐が作れます。
組紐に使える素材③:リリアンコード
絹糸の様な光沢感が欲しいけれど個性的で手頃な素材を使って始めたいという方には、リリアンコードがおススメです。
人工絹糸(レーヨン)で出来ているので、絹糸に近い光沢感を出すことが出来きます。又、蛍光色などのビビットな色も多く、発色が綺麗なのでハッキリとした配色で個性を出したい方にも良いでしょう。
こちらもダイソーなどの100円ショップで購入することが出来ます。
組紐に使える素材④:毛糸
可愛いらしい組紐を作りたい方には毛糸がオススメです。柔らかでふわふわ感のある仕上がりになるのが特徴です。
又、ボリューム感も出し易いです。前述したリリアンコードとは違ったタイプの個性的な組紐を作ることが出来るでしょう。
アクセサリーにする際など、同じ毛糸でポンポンやタッセルを作って付けると更に可愛く仕上がります。
組紐メーカーを使って編んでみよう
組紐作りには“組台”というものを用いますが、最近では手芸屋さんの他にダイソーなどで“組紐メーカー”という物が手に入ります。
“組台”と違い手頃でコンパクトなので、気軽に始めることができます。又、メーカーによっては“組紐ディスク”という名前で販売されています。
スリットに糸を通し説明に書かれている番号に従って編み込んでいくものなので、誰でも簡単に作れるように設計されています。
“組台”を用いなくても、シンプルなものから複雑な模様まで幅広く作ることが出来るので、初心者の方にもオススメです。
又、“組紐メーカー”には基本の作り方の説明書も入っているので、初心者の方はまず基本的な組紐作りから始めてみましょう。
4本糸の組紐の作り方
前述では“組紐メーカー”について、ご紹介させていただきました。次は、組紐メーカーを用いて4本の糸で作る組紐の作り方について、動画紹介を通して解説していきます。
初めての方は、まず4本からスタートしてみましょう。
組紐の作り方【4本糸】①:4本で作る組紐の基本
こちらの動画では、ホイッスルのストラップ作りを通して4本糸で作る組紐の作り方が紹介されています。
又、冒頭で組紐メーカー自体の簡単な作り方も紹介しているので、お手元に組紐メーカーがなくても身近な材料を使って組紐を作ることが出来ます。
糸の運び方も詳しく説明されているので初めての方は是非こちらを参考にしてみてください。
組紐の作り方【4本糸】②:綺麗に作るコツ
こちらの動画では、ブレスレットの作り方を通して組紐を綺麗に作るコツを見て取れることが出来ます。
組み始めの部分にクリップなどを用いて重りを引っ掛けておくことで、組んでいる途中に出来易い紐の弛みを防ぎます。
又、一段組む毎に糸を編み始めの位置に戻すことで綺麗に仕上げることが出来ます。3:00から糸張り、3:30から糸の運び方が見れます。
組紐の作り方【4本糸】③:端処理のポイント
こちら組紐では先ほどの動画同様、ブレスレットの作り方を紹介しています。0:45から使用するもの、組み始めにボタンなどを付ける際のポイント、組み終わりの末端の処理のコツを見ることが出来ます。
又、4:00からは留め具に使用するパーツをオリジナルで作る方法も紹介されているので、結ぶだけの端処理よりも少しグレードアップした個性的な組紐が作れるようになります。
組紐の作り方【4本糸】④:4本組みの応用
最後に、糸張りの位置を変えて仕上がりに変化をもたらす作り方です。先ほどまでご紹介した組紐は全て十字に糸を張って組んでいました。
こちらの動画ではその糸の張る位置を変え、仕上がった時に色が交互に来るような作り方が紹介されているので、基本の組み方では物足りない方や、色をハッキリと見せたい方は是非参考にしてみてください。
8本糸の組紐の作り方
4本の糸で組む組紐の作り方をご紹介しました。次は、4本組みより倍の8本の糸で作る組紐の作り方を動画を通してご紹介していきます。
最初は少しだけ複雑に見えてしまうかもしれませんが、仕組みさえ理解出来ればあとは簡単に作ることが出来ます。
組紐の作り方【8本糸】①:8本で作る組紐の基本
こちらの動画では、8本の糸を使った組紐の基本の作り方が紹介されています。ダイソーで購入できる組紐メーカーに入っている説明書の内容を実際に行っている写真を使い丁寧に解説しているのでとても分かりやすい作り方の内容となっています。
又、最後は2色で組んだ場合の柄の出方と3色で組んだ場合の仕上がりの違いも紹介してくれているので是非参考にしてみてください。
組紐の作り方【8本糸】②:糸の運び方
8本で組紐を作り始めると、4本の時と違い、途端に複雑に見えてしまいます。こちらの動画では専用の組紐キットを用いて両手を使っているので、糸の運び方、組まれる仕組みを詳細に見ることが出来ます。
8本糸を使った際、難しく感じられたらこちらの動画を見てみると更に、理解しやすくなるでしょう。又、動画で使用されているキットは動画のリンク先で購入できます。
組紐の作り方【8本糸】③:8本組みの応用
"4本組みの応用"でご紹介させていただいた動画の投稿者さんと同じ方の動画で、こちらでは8本で組む組紐の作り方を紹介しています。
開始時に2色の糸の張る位置と組み方を変えて最終的に縁取りのような仕上がりになる組紐が出来ます。
組紐の作り方【8本糸】④:8本で作る平打ち組紐
こちらの動画では、8本糸で平打ちの組紐の作り方を紹介しています。
前述までにご紹介していた組紐は、主に丸打ち組紐を作るための円形の組紐メーカーを用いたものでした。一方、平打ちの組紐を作る際は、四角い形の組紐メーカーを用いることがあります。
張る糸を分かりやすく色分けしているので、とても分かりやすい説明となっています。
16本糸の組紐の作り方
4本、8本と糸の数を増やしてご紹介してきました。最後は16本の糸で作る組紐の作り方を動画を通してご紹介いたします。
本数が増えると難易度も上がっていきますが、その分本数の少ないものより美しい組紐を作ることが出来ます。
又、オリジナリティの幅も広くなっていくので4本糸、8本糸の組紐作りに慣れてきたら是非こちらにもチャレンジしてみてください。
組紐の作り方【16本糸】①:16本で作る組紐の基本
"8本組みの基本"でご紹介させていただいた動画の投稿者さんと同じ方が紹介しいてる16本の糸で作る組紐の動画です。
先と同様に、ダイソーの組紐メーカーを使って16本の糸で組む組紐の作り方を解説しています。
動画の最後では、2色で作った場合、3色で作った場合、色の配分を変えた場合の仕上がり方も紹介されています。
組紐の作り方【16本糸】②:16本組みの応用
"4本組みの応用"、"8本組みの応用"の方が紹介する16本組みの動画です。こちらの動画では3色の糸を用いて2色のハートが連なる様な模様の仕上がりとなります。
丸打ち用の組紐メーカーを使って平打ちの組紐のような仕上がりの組紐が出来ます。本数が増えるということは色数も増やせるので、その分の仕上がりの幅も広がってきます。
組紐の作り方【16本糸】③:16本で作る平打ち組紐1
こちらの動画では、平打ちの組紐メーカーを使った組紐の作り方を紹介しています。動画の途中、張った糸の端を専用の道具に巻き付けていますが、これらはクリップや洗濯ばさみで代用することが出来ます。
この動画では使用している組紐メーカーは勿論ですが、色数も共に違うので仕上がりの変化の仕方を見ることが出来ます。
組紐の作り方【16本糸】④:16本で作る平打ち組紐2
こちらの動画では、先程の動画と同様に平打ちの組紐メーカーで作る組紐を紹介しています。
柄の出方が同じ組み方ですが糸を張る際、使う色の位置で選んだ色がどの様に出るか見ることが出来ます。
組紐のアレンジ方法
「折角綺麗な組紐を作ったのに使い道が思いつかない…」という方に、組紐を使ったアクセサリーのアレンジ方法をご紹介します。
- ネックレス
- ヘアアクセサリー
- ブレスレット
- イヤリング(ピアス)
組紐を使ったアクセサリー①:ネックレス
組紐にお好きなチャームを通してネックレスの紐として使ってみるのも良いでしょう。
留める部分は金具を付けても良いのですが、留め具を使わない留め結びという結び方をしても良いでしょう。紐の太さに合わせて使い分けてみてください。
組紐を使ったアクセサリー②:ヘアアクセサリー
和装でお出かけする時など、組紐を飾り結びにしヘアアクセサリーとしてアレンジするのもおススメです。
簡単なものだと、ヘアピンやヘアゴムに付けても可愛くアレンジ出来ます。飾り結びの形次第で洋装にも合わせられるので色々な飾り結びを試してみるのも良いでしょう。
組紐を使ったアクセサリー③:ブレスレット
ブレスレットのアレンジはミサンガのような感覚で着けられます。又、本数を増やした平打ち組紐で作ると太幅になって存在感のあるブレスレットが作れます。
又、組む糸の本数を増やせば色んな柄で作ることが出来るので、コーディネイトに合わせて作ってみるも良いかもしれません。
組紐を使ったアクセサリー④:イヤリング(ピアス)
飾り結びを使ったイヤリング(ピアス)は個性的且つ汎用性が高いのでさり気なくおしゃれに決めたい人には打って付けのアレンジ方法です。
簡単なものだと、あわじ結びや吉兆結びがおススメです。又、結び始めと終わりに金具を付けるのも良いのですが、結び始めと終わりにビーズを通したり房にしたりしても可愛く仕上がります。
組紐アクセサリーに必要な材料
組紐をアクセサリーにする場合、に必要な材料は(例えばイヤリングにしたい場合、イヤリング金具など)作りたい物の土台になる金具を用意しましょう。
ネックレスやブレスレットは留め結びで金具などを使わなくてもアクセサリーにアレンジすることが出来ます。
もし、留め金具を使用したい場合やイヤリング(ピアス)などは組紐をアクセサリーにしやすくする為に、カシメやカツラと呼ばれる金具を末端に付けます。
留め金具を付ける場合、ペンチ、接着剤を使用するので予め用意しておきましょう。
紙コップを使った組紐の作り方
組紐の作り方など、全て組紐メーカーを使ってご紹介しましたが、実は紙コップでも組紐を作ることが出来ます。
必要なものは、紙コップとマスキングテープとハサミの3つだけです。
紙コップのふちに8ヵ所マスキングテープを貼ります。この時テープは対角線上に貼る様に気を付けましょう。
そして、貼ったマスキングテープの中心に軽く切り込みを入れれば紙コップ製の組紐メーカーの完成です。
あとは、糸をセットして組紐メーカーの作り方と同様に組紐を組んでいきましょう。紙コップで行う際の詳しい作り方と組紐の組み方は以下の動画をご覧ください。
おすすめの組紐の作り方を紹介している本
道具の説明・基礎に始まり、簡単な組み方から応用まで全部で50通りの作り方が3人の作家さんによって紹介されています。又、わかりやすい図案が付いているので初心者の方にもおすすめです。
コンセプトに合わせた組紐の組み方が紹介されています。図案の見方の説明もあり、分かりやすい内容となっています。又、組紐の美しさを最大限に引き出された作品の写真は目にも楽しく、観賞用の作品集としても良いでしょう。
オリジナルの組紐を作ってみよう!
簡単に出来る組紐の作り方とアレンジ方法をご紹介させていただきました。
組紐メーカーがお店に売っていなかったり、手元に無くても身近な材料で代用出来ます。
本数が増えると難しくなっていきますがその分綺麗な組紐が出来上がるので、是非これ参考に自分だけのオリジナルの組紐を作ってみましょう。