カルボナーラとは
パスタソースの中でも、人気の高いカルボナーラですが、そもそも、カルボナーラとはどんな料理なのでしょうか。カルボナーラについて、少し解説いたします。
カルボナーラとは、スパゲティ料理の一種です。パンチェッタ、卵、チーズ、生クリーム、黒コショウで作る濃厚なソースにゆで上げたスパゲティを絡めた料理スパゲティ・アッラ・カルボナーラの略称がカルボナーラ。
『アッラ・カルボナーラ』は『炭火焼のパスタ』という意味があり、由来は仕上げの黒コショウが炭の粉に見えるから。なお、この由来には諸説あると言われています。
カルボナーラに入っているパンチェッタは、ベーコンを代用することも多いですよね。そして、カルボナーラの本場ローマではなんと生クリームを入れないことが多いのです。
このように、カルボナーラという料理、実は奥が深い一品なのです。
カルボナーラを作るときの注意点
さて、カルボナーラとはどんな料理か分かったところで、さっそく作ってみましょう。ところで、カルボナーラてどうやって作るのか正解なのでしょうか。
カルボナーラを家で作った時、ボソボソのソースになってしまったという経験がある方、結構いますよね。調理にとりかかる前に、まずカルボナーラを作るときの注意点をご紹介します。
カルボナーラは卵を使うソースです。そして、その卵の扱いこそ、カルボナーラを成功させるか失敗してしまうかのカギといっても過言ではありません。
ソースがボソボソになってしまう原因は何を隠そうこの卵。卵は高温で調理するとすぐに固まってしまいます。
なので、パスタとソースを和える時は手早く和えることが重要です。もしくは、高温のフライパンでは和えず、ボウルに移し替えて和えるのが良いでしょう。
また、卵の卵白と卵黄では固まる温度が異なります。卵白の方が凝固温度が低い為、全卵を使ってソースを作る際、卵白と卵黄をよく混ぜ合わせないと、まばらになった卵白が固まってしまいボソボソの原因に。
全卵を使ってソースを作る際は卵白と卵黄をしっかり混ぜ合わせることが重要。または、全卵では作らず、卵黄のみ使用すれば固まりにくいソースになります。
ソースに使う卵の扱いについて、高温で熱さない、全卵を使用する際は卵白卵黄をしっかり混ぜ合わせるという2点を注意して覚えておきましょう。
人気シェフのおすすめカルボナーラレシピ
ここでは、人気シェフのカルボナーラの作り方をご紹介。自宅でプロの味を再現しましょう!
- 片岡 護シェフ(リストランテ アルポルト)
- 落合 務シェフ(ラ・ベット)
- 神保 佳永シェフ(HATAKE AOYAMA)
- 門脇 稔シェフ(オステリア クロチェッタ)
- 嶋倉 秀一シェフ(ビストロ&バル ロビンソン)
片岡 護シェフ
『リストランテ アルポルト』のオーナーシェフ片岡 護シェフの本格カルボナーラ。卵が固まらないように、手早く混ぜるのがポイント。
《作り方》
①ベーコンは1センチ角の棒状に切りニンニクは包丁の腹で潰しておく。ボウルにソースの材料を全て入れて、泡だて器などでよく混ぜる。
②フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れて炒める。香が出てきたらベーコンを入れて弱火でカリッとなるまで炒め、白ワインを加え香りをつける。
③鍋にお湯を沸かして塩を加え、スパゲッティを少し固めにゆでる。②が煮詰まったらゆでたパスタを入れる。
④フライパンの火を止め、ソースを入れて、手早く混ぜ合わせる。パルミジャーノチーズを加え、さらによく混ぜ合わせる。
落合 務シェフ
『ラ・ベットラ』オーナーシェフ落合 務シェフのカルボナーラ。美味しさのポイントはなめらかな卵液とじっくり炒めたベーコン。
《作り方》
①ベーコンは5mm角の棒状に。オリーブオイルを熱したフライパンにベーコンを入れ、脂が出てカリカリになるまで中火でじっくり炒める。
②火を止めてベーコンを取り出す。水大さじ2を入れてフライパンについたうまみをこそげ、そのまま冷ましておく。
③鍋にたっぷりの湯を沸かして1.5%の塩(湯3リットルに対して塩大さじ2+1/2)を入れ、スパゲッティを表示時間より1分間短めにゆでる。ボウルに卵、卵黄、粉チーズ、黒こしょう を入れて混ぜておく。
④ゆで上がったスパゲッティの湯をよくきって①のフライパンに入れ、よく混ぜ合わせる。ボウルに混ぜ合わせた液も加えて全体にからめ、中火にかける。
⑤耐熱のゴムべらで周りをこそげながら、トロッとした状態になる一歩手前で火を止める。器に盛って①のベーコンをのせ、好みで黒こしょうをかける。
参考:みんなのきょうの料理
神保 佳永シェフ
『HATAKE AOYAMA』オーナーシェフ神保佳永シェフのカルボナーラ。カリカリに炒めたパンチェッタが風味よく仕上げるポイントです。
《作り方》
①深鍋にたっぷりの湯をわかし、粗塩を加えてスパゲッティをゆで始める。ゆでる時間は表示時間マイナス1分。
②フライパンを中弱火にかけ、油を熱し、パンツェッタをカリカリに炒める。白ワインを加えてアルコールを飛ばして軽く煮詰めたら、パスタのゆで上がりを火を止めて待つ。
③ボウルに卵を割りいれて溶きほぐす。生クリーム、チーズ、塩を加えて混ぜ合わせておく。
④フライパンにスパゲッティを投入し、フライパンを振って混ぜあわす。そこへ③を加えて余熱でとろみが出るまで絡めるように混ぜ合わせる。
⑤もったりとしたクリーム状にならない場合は、弱火にかけてとろみをつける。決して温めすぎない。
⑥皿に盛り、パルメザンチーズ、粗挽き黒胡椒を振りかける。
門脇 稔シェフ
『オステリア クロチェッタ』オーナーヘッドシェフ門脇 稔シェフのカルボナーラ。ポイントは、茹でたパスタの余熱でソースに火を通しなめらかに仕上げること。
《作り方》
①パスタ用のお湯を沸かし塩を入れる。(1リットルの水に10gの塩)パスタを入れて茹でる。
②フライパンにオリーブオイルを入れ、ベーコンを弱火で外側を焼く程度に炒める。パスタ用のお湯を20cc入れる。
③ソースの材料を混ぜ合わせておく。パスタが茹で上がったら②のフライパンに入れ、混ぜておいたソースを入れ、火を止めて軽く混ぜる。
④全てが絡まったらお皿に盛り、黒コショウを振りかけて出来上がり。
嶋倉 秀一シェフ
『ビストロ&バル ロビンソン』のシェフ嶋倉 秀一 シェフのカルボナーラ。出来たソースとパスタを和えるだけの簡単レシピです。
《作り方》
①まずはカルボナーラソースを準備。牛乳とベーコンを弱火にかけて香りと味を移し、火を止めます。
②生クリームと卵黄を混ぜ合わせ、フライパンに加え、パルミジャーノチーズ、白だしも加えてよく混ぜておきます。
③パスタを茹で上げてソースに加え、中火にかけて耐熱性ゴムベラで底から絡ませるようにトロミを付け、丁寧に盛りつけ完成です。
おすすめの人気料理研究家のカルボナーラレシピ
続いては、人気料理研究家のカルボナーラレシピをご紹介します。テレビなどで活躍されている人気料理研究家自慢のレシピです。
- 栗原はるみ
- 浜内千波
- ベリッシモ・フランチェスコ
- 松本有美
- 森崎友紀
栗原はるみ
有名な人気料理研究家の栗原はるみさんのカルボナーラ。1人分ずつボウルで作るのがコツ。
《作り方》
①チーズはすりおろす。鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩を加えてスパゲッティを袋の表示時間どおりにゆではじめる。
②スパゲッティをゆでている間に、パンチェッタを棒状に切る。フライパンにオリーブ油を中火で熱し、パンチェッタを入れてカリッとするまで炒め、火を止める。
③パスタをゆでている間に、2つのボウルに卵黄とチーズを半量ずつ分けて入れ、混ぜる。スパゲッティがゆで上がったらすぐに混ぜられるように。
④ゆで上がったスパゲッティの湯をよくきって半量ずつ③のボウルに加える。②のパンチェッタを脂ごと半量ずつ加えて手早くからめ、塩・黒こしょうで味を調える。
参考:みんなのきょうの料理
浜内千波
テレビでも大活躍の料理研究家、浜内千波さんのカルボナーラ。絶対!失敗のない一品!
《作り方》
①はじめにパスタをゆではじめる。ベーコンの細切りをフライパンで炒め、ボールに移す。
②①のベーコンが入ったボウルに、パスタのゆで汁を入れてトロリとさせる。卵、豆乳(または生クリーム)、チーズ、黒胡椒を混ぜて、ソースを作る。
③パスタをゆでている鍋の上に、②のソースを入れたボールを乗せる。パスタがゆで上がったら、水気を切り、ソースの入ったボールに入れて和える。
参考:浜内千波の楽しいキッチン
ベリッシモ・フランチェスコ
本場ローマの味を知るイケメン料理研究家のベリッシモ・フランチェスコさん。本場のカルボナーラレシピです。
《作り方》
①パスタを茹でる。その間に、刻んだパンチェッタとニンニクをオリーブオイルで炒める。
②おろしたパルミジャーノチーズとパンチェッタと卵(塩を少し入れる)を混ぜる。茹でたパスタを加え、ブラック・ペッパーを散らす。
参考:フードソムリエ
松本有美
メディアで活躍中のママさん料理研究家、ゆーママさんこと、松本有美さんのカルボナーラ。失敗しにくい本格カルボナーラです。
《作り方》
①ボウルに卵黄、パルメザンチーズ、生クリームを合わせておく。フライパンにサラダ油、カットしたベーコンを加え、弱火~中火くらいでしっかり炒める。
②炒めている間にパスタをアルデンテに茹でる。茹で上がり直前に茹で汁を取り①のソースに加えておく。
③茹で上がったパスタを②のフライパンに加えサッと絡ませる。①のパスタソースの入ったボウルの方に、フライパンのパスタを加えて余熱でソースを温める感じで絡ませる。
森崎友紀
美人料理研究家として一躍有名になった森崎友紀さんのカルボナーラ。本場イタリアのカルボナーラレシピです。
①ボウルにソースの材料を混ぜておく。お湯に対して1%の塩で パスタを茹ではじめる。
②フライパンにオリーブ油をひき、ニンニク、ベーコンをしっかりと炒める。パスタのゆで汁を入れて乳化させ、茹で上がったパスタとを絡める。
③火を止め、①のソースを入れて好みの濃度になるまで混ぜ合わせ皿に盛る。
参考:森崎友紀オフィシャルブログ「Unity Magenta Blog」
プロのカルボナーラレシピは失敗しにくい
家で作ると失敗しがちなカルボナーラ。でも、プロのレシピを忠実に守って作れば、失敗はあまりしません。
なぜならば、彼らはプロだから。食材の性質や特性を知り尽くし、その素材を生かす腕をもっているのです。
そんなプロたちが、より失敗しないように、より簡単に作れるようにと考えたレシピ。だからプロのレシピで作ったカルボナーラは失敗しにくいのです!
おすすめのパスタ料理のレシピ本
『簡単ソースのスパゲティ』をはじめとするスパゲティのレシピ集。毎日食べたくなるような簡単で美味しいスパゲティが盛りだくさんです。
スパゲティに合うおかずも掲載されています。ぜひ一度ご覧になってみてくだい。
お気に入りのプロレシピでカルボナーラに挑戦してみましょう
失敗しがちなカルボナーラですが、ポイントを押さえれば失敗も少なくなります。また、プロのレシピを参考にすればもっと失敗しにくくなりますよ。
プロレシピはお店の味を再現できるのも嬉しいですよね。ぜひ美味しいカルボナーラを家で作ってみてください。