絵本作りは意外と簡単にできる
“絵本の作り方“というとなにやら難しい工程があったり絵心がないと出来ないのでは、と思ってしまうと思いますが、意外と簡単にできるのをご存知でしょうか。
一番簡単な作り方としては「絵本キット」を購入することで、説明書つきで材料もついているので手順にそった作り方が可能です。
また「白無地絵本」を買うと製本作業の手間がなく、イラストと文章を順番に書いていくだけの作り方で絵本が完成するものもあります。
さらに、クリアフォトアルバムとシールなど、既成品を活用する作り方もあり、少しのアイデアと工夫で子供も大人も楽しめる絵本を完成させることが出来ます。
絵本作りにおすすめの素材
実際に絵本作りをする上で便利ななおすすめ素材をご紹介します。
- 付箋
- シールや色紙
- マスキングテープか背固め用の布
付箋
付箋?と思われるかもしれませんが、これがとっても便利。
絵本の作り方としてまず最初にやるべきことはストーリーの組み立て。
頭の中で考えたストーリーを整理しながらどのページにどんな文章を書くのか、どんな絵を描くのかを付箋に書いて、まっさらなページに貼っていくと完成イメージが湧いてきます。
また、ストーリー自体が思い浮かばない場合などは、お気に入りの場所や動物、行動、気持ちなどをランダムに付箋に書いて貼りながら「いつ」「どこで」「だれが」「だれと」「なにをした、なにがおきた」という基本構成を考える素材として重宝します。
シールや色紙
絵本作りの中で一番楽しい作業であるイラストを描く作業にはなるべく色々な種類のカラフルな素材を準備すると、イマジネーションが刺激されユニークで楽しいイラストが描けます。
最低限必要なものはカラフルなペンや色鉛筆、クレヨン、絵の具などですが、その他におすすめなのはシールや色紙。
色紙を切って形をつくったり、シールを貼って背景を盛り上げたりなどイラストにメリハリをつけてくれます。
シールは多種多様なのでストーリーに合うものを選ぶと良いですね。
色々な素材を集めておくと作り方にもアイデアが生まれてきますよ。
マスキングテープか背固め用の布
マスキングテープは背表紙を作るのに便利で、簡単な絵本づくりには便利な素材です。
種類も豊富にあるので店頭で迷いながら選ぶのも楽しみのひとつ。
マスキングテープについては本文のイラストの中で使用しても良いでしょう。
きちんとした表紙や裏表紙を別に作る場合は背固め用の布が最適です。
絵本を簡単に作る手順
それではいよいよ簡単に出来る絵本の作り方手順をご紹介しましょう。
- 絵本のストーリーを考える
- 絵本構成を考える
- ラフ絵を描いてキーワードを書いていく
- 絵本原稿を作る
- 製本する
絵本のストーリーを考える
絵本のお話の作り方は難しそう、と思うかもしれませんが簡単に考えられる作り方があります。
A4用紙を4つに折り4つの枠が出来たら縦に配置し、左上に「起」左下に「承」右上に「転」右下に「結」と書きましょう。
いわゆるお話の「起承転結」で、「起」は話の始まりでお話の舞台や登場人物の紹介などの基本的な情報を盛り込み話をスタートさせます。
「承」でそのお話を進めていき、「転」でお話の中でハプニングや事件が起き主人公の気持ちが変わっていきます。
「結」でお話がまとまって終わります。
この起承転結を利用してとりあえず思いつきでも書いていくことで、具体的にお話の作り方がわかってくるはずです。
絵本構成を考える
次は各ページのシーンの作り方です。
起承転結の4つのお話をそれぞれ3等割し、12ページ構成で考えていきます。
「起」の最初のページは本文表紙、「結」の最後のページは奥付になりますので、この2つを除いた10シーンでシーン割り表が出来上がります。
ラフ絵を描いてキーワードを書いていく
出来たシーン割表にラフなイラストやキーワードを描き込んで具体性を出していく作り方です。
一枚の紙の中で話の全体像が見えることが大事。
消しゴムで消しながら描き直すのではなく、シーン割り表を数枚用意して何枚も描きながらまとめていくとお話の変化がわかりより良い構成になっていきます。
絵本原稿を作る
原稿の作り方は様々で、どんな種類の絵本の作り方が良いかを決めて作っていきましょう。
作り方としては、手書きのみの絵本、文字だけ印刷された絵本、文字も絵も印刷された絵本があります。
手書きのみの絵本は文字も絵も手書きですので、作者の直筆により印刷されたものにはない魅力的な作り方で、文字だけ印刷された絵本は文字を先に印刷しておき、空いた余白部分にイラストを描いていく作り方、文字も絵も印刷された絵本は出版社から出版されたような本格的な仕上がりの作り方になります。
製本する
まず絵を描いたほうの面を内側にして半分に折り、最初と最後にも半分に折った見返し用の紙を合わせ、折り山側をクリップで固定しながらのりづけする箇所を確認しながら貼っていきます。
折り山側も同じように貼り、絵本の背の部分は背固め用の布かマスキングテープをのりでしっかりくっつけます。
表紙はボール紙などの固い厚手の紙にし、本文のサイズと厚みに合わせたサイズにカット。
裏面に背の両側と裏表紙側の背から5mmの場所の3本に筋をつけましょう。
表表紙と裏表紙を本文に糊付けしますが、背と折り目の間の5mmにはのりはつけません。
最後は重しをし、のりが定着するとしっかりした絵本が完成します!
紙1枚で作る簡単な絵本の作り方
もう少し簡単に絵本が作れないかしら?と思っている方に。
紙一枚で作れるミニ絵本の作り方をご紹介します。
- コピー用紙に8等分の折り目をつける
- 真ん中の2つの折り目に切り込みを入れる
- 横長にし切込み部分が開くようにし折り直す
- 8ページのミニ絵本の形状を確認
- 絵本のストーリーを描く
コピー用紙に8等分の折り目をつける
コピー用紙か同様サイズの紙を半分に折り、さらに2回半分に折って8等分の折り目をつけましょう。
真ん中の2つの折り目に切り込みを入れる
8等分まで折った用紙を2工程戻して、用紙を半分に折った状態にします。
半分に折った状態で、折ってある側の真ん中から1辺の折り目に切り込みを入れます。
そうするとコピー用紙の真ん中の2つの折り目が切れている状態になります。
横長にし切り込み部分が開くようにし折り直す
用紙を横長に半分に折り曲げ、切った部分を上にして本の形状になるようにたたみ直しましょう。
8ページのミニ絵本の形状を確認
8ページの小さな絵本の完成です!
のりも使用せず紙とはさみのみを使用した作り方で出来上がります。
絵本のストーリーを描く
表紙、本文、背表紙と自由に絵を描いていきましょう。
赤ちゃんにおすすめの布絵本の作り方
まだお座りやあんよの時期の赤ちゃんには安心安全で感触を楽しめる布絵本が最適。
赤ちゃんや作る側にもおすすめの縫わない布絵本の作り方をご紹介します。
- 100円ショップでフォトアルバムやフェルト等の材料を入手
- 絵本の表紙を作る
- 中のページの台紙を作る
- 絵本のメインキャラクター(主人公)を作る
- ページをデコレーションして仕上げる
100円ショップでフォトアルバムやフェルト等の材料を入手
材料は手軽に100円ショップで入手する作り方がコスパ的にも一番おすすめ。
土台となるリング付フォトアルバム(リフィル付き)と絵の材料になるフェルト数種類、カバンテープ、レースのリボン、ぬいぐるみやカバンのキット、バイヤステープ、ファスナー等々をランダムでもいいので入手しましょう。
手芸用のボンドなどもあると便利です。
針や糸は不要なので作成する側も手間がなく安全な作り方になります。
絵本の表紙を作る
フォトアルバムの表紙に直接フェルトなどの厚手の布を両面テープなどでしっかり貼っていきます。
表紙はお好みでレースのリボンやボタンなどをボンドでくっつけながら作っていきます。
表紙は赤ちゃんが興味を抱くようにカラフルに、手触りを工夫する作り方が良いですね。
最後は背表紙と表表紙をつないでいる部分にバイヤステープを、背表紙にはカバンテープを接着して折り込みます。
接着剤がきちんと機能するようにクリップなどで止めながらしっかり補強してください。
中のページの台紙を作る
台紙の前面にボンドをヘラなどで塗り伸ばし、シワにならないようにフェルトを貼ります。
フェルトは貼る前にアイロンをかけてシワを出来るだけ無くすと貼りやすいです。
両面貼ったら重しをしてよく乾燥させ、余った部分はカットしてリングを通す穴を先の尖ったもので開けてください。
絵本のメインキャラクター(主人公)を作る
メインキャラクターの作り方は、細かいパーツを毛糸を通しながら組み立てるぬいぐるみセットが便利!
綿もセットになっていたりしますがボリュームが出すぎてしまうので綿なしでOKで、既成品の小さなマスコットなどを活用する作り方でも良いでしょう。
メインキャラクターが絵本の中を冒険するような物語にすると楽しい布絵本になりますよ。
その場合メインキャラクターが無くならないように、リボンなどで絵本に固定する作り方をすると後々安心です。
ページをデコレーションして仕上げる
ストーリーやしかけなど、お手持ちの材料でおおまかに配置していくとアイデアが浮かんでくるので作りながら考えるのも良いでしょう。
メインキャラクターの制作キットのようなものを複数入手しておくとストーリーが考えやすいです。
ストーリーは赤ちゃんがわかりやすいシンプルなものがいいですね。
動く&飛び出す仕掛け絵本の作り方
子どもたちが大好きなポップアップのしかけ絵本が作れたら素敵ですよね。
動いて飛び出すしかけ絵本の作り方の一例をご紹介します。
- 材料を集める
- 絵のパーツを作り貼る
- 飛び出すしかけを作る
- 迫力のある大きいしかけを作る
- 表紙や裏表紙を作る
材料を集める
お話とシーン割りが出来上がったら制作してく材料を集めましょう。
材料は白無地の絵本、和紙や画用紙、のり、カッター、はさみ、色鉛筆、油性ペンなどで100円ショップでも十分に揃えることが出来ます。
白い無地の絵本を使用すれば製本の手間が省けてしかけ作りに集中できるのでおすすめです。
絵のパーツを作り貼る
絵を描くことに自信のある方は直接描いてしまってもOKですが、別の紙にキャラクターなどのパーツを制作しておいて貼っていくほうが立体感が増すのでおすすめ。
絵を直接描くより失敗が減りますし、絵に自信が無い方にもベターな作り方です。
パーツの作り方はまずページのサイズに合うように寸法を測りながら、色紙などに鉛筆で下書きをしてカットしていきます。
カットしたパーツは絵本に貼っていきましょう。
飛び出すしかけを作る
いよいよ飛び出すしかけの作り方です。
一番簡単なしかけは紙の弾性を利用したもので、カットしたパーツ(草など)の下側にのりを付ける部分を作り、のりをつけて折り曲げればページを開いたときに自然と立ち上がるようになります。
強く前に飛び出させたい場合は、キャラクターなどのパーツの後ろに「Z型」のバネ状にした紙を貼ってページにのり付けすれば、開いた瞬間にピョン!と飛び出します。
より飛び出し方を強調したい場合はバネ状の紙の長さを長くし更に長いバネにすると良いでしょう。
また、見開きの中心部分に同じ形のパーツを幾重にも重ねることで立体的なイラストにすることも可能です。
迫力のある大きいしかけを作る
ストーリーにはメリハリが大事。
ページをめくっているときに大事件が起きるシーンや一番大切なシーンには、大きなしかけがあると盛り上がります。
大きいしかけの作り方ですが、まず絵本は横開きが多いですが大事なシーンのときはあえて縦開きにしてしかけを作っていくと読んでいる側も変化があって面白くなります。
しかけを作りたい見開きのページに合わせて用紙を大胆にカットし本と同様に半分に折り込みます。
2箇所ほどカットして、切り込みの長さに差をつけると遠近感が出ます。
切り込んだ部分にはキャラクターのパーツなどを貼っていきます。
以下が参考の仕上がりとなりますのでご確認ください。
表紙や裏表紙を作る
最後に表紙や裏表紙を完成させます。
中身とテイストを同じにするために、表紙のイラストも別の色紙などでパーツを作って貼りながら描いていく方法が良いでしょう。
じゃばら絵本の作り方
絵本といっても種類は様々。
じゃばらの形状のじゃばら絵本は、リバーシブルで裏からでも楽しめますしテーブルの上に立てて飾ることも出来るユニークな絵本です。
作り方はとても簡単で、まず紙にじゃばらにする本文を描いていきます。
10ページにしたいのであれば同じ面積のページを10ページつなげる感じにし、1ページずつイラストや文章を描いていきます。
次はページごとにジャバラ折にしていきましょう。
表紙と裏表紙は固いボール紙などを台紙にし色紙などをボンドで貼り付けて作成し、本文の最初と最後にくっつければ完成です。
絵本の作り方がより分かりやすい本
こちらの「絵本をつくりたい人へ」は、絵本の奥深さや難しさを理解しながらも“よし!作ってみよう!”と思わせる説得力のある本です。
具体的な製本の仕方などはすぐに習得出来ますが、まずは絵本のなんたるかをよく理解することが一番大事であり、一番おもしろいところ。
本当に子どもが喜ぶ絵本作りをしたいと思う方は是非ご一読してもらいたい一冊です。
内容もシンプルでわかりやすく、有名絵本作家のインタビューなども盛り込まれています。
手作りの絵本で情緒あふれる世界に触れよう
絵本を作ることは読んでもらいたい人がいるのはもちろんですが、自分自身を潤す素敵な作業でもあります。
ストーリーを考えて作り方を工夫して一冊の本にするということは自分自身を映し出したアート。
自ら溢れ出す感性とユーモアを思いっきり表現して、絵本作りを思い切り楽しみましょう。