押入れを使いやすいようにDIYする人が急増
決められたサイズやスペースで収納場所として使われている押入れ。部屋のインテリアに合わなかったり、デッドスペースになっていたりすることも。
押入れを居心地の良い、使い勝手がいい空間にするためにおすすめのDIY。専門的な知識がなくても簡単にリフォームできるので、近年押入れDIYをする人が急増しています。
使いやすい収納にリメイクしたり、自分好みの空間に作り変えることができる押入れDIYは賃貸でも手軽にできますよ。
押入れの基本構造
押入れをDIYする前に、まずは基本的な構造を見て撤去してもいい部分を把握します。
押入れの構造はそれほど難しいものではなく、上下を仕切っている中段を中心にさまざまな木材が組み込まれています。
手前にある前框(まえかまち)と呼ばれる横木や、前框の対面にある奥の後框(うしろかまち)、前框と後框の間にある縦方向の板である根太(ねだ)になります。
そして中板を抑える役目をしている留め木や押さえ板などがあります。持ち家の押入れの場合は取り外してDIYすることも可能ですが、賃貸の場合は事前に管理者に確認を取りましょう。
押入れ内は基本的に小さな釘を打ち付けて固定しているだけなので、釘抜きなどがあれば簡単に撤去できます。クローゼットや収納以外にリフォームする場合は、丁寧に取り除く作業から入ります。
押入れDIY実例
どこか野暮ったい雰囲気の押入れをおしゃれに、使いやすい押入れにするためのDIY。実際に押入れDIYした実例やアイデアをまとめてみました。
- 中段を解体
- 壁や床の張替え
- ふすまの張替え
- ふすまを変更
- 収納スペースを増やす
- テレビを置く
- 子ども用スペース
- 上段にベッド
- 個室部屋にする
- 見せる収納
押入れDIY実例①:中段を解体
押入れDIYでもっとも多いのが、中段を解体してフリースペースにする方法です。どんなリフォームにするか、アイデアが固まり次第前框や後框、根太などを撤去します。
そうすることで、上下に分かれた押入れを一つのスペースにして収納スペースなどを増やしていくといいでしょう。
フリースペースとなった押入れは、好みのデザインにしたり使いやすいように変えることが簡単になります。
押入れDIY実例②:壁や床の張替え
難しい作業が苦手な人は壁や床を張り替えるだけでもおしゃれな雰囲気になります。押入れDIYといっても、張替えだけなら押入れの内部を解体することなくリフォームできます。
もちろん中段などを撤去してから壁や床を張り替えてもOK。ホームセンターや100均などにある好みの壁紙に変えるだけで、自分好みのインテリアデザインにできます。
古臭い和風の押入れをおしゃれな洋風にすることも可能。好きなスタイルやインテリアに合わせたデザインの壁紙を貼るだけでできる、簡単押入れDIYです。
押入れDIY実例③:ふすまの張替え
解体が難しい、壁や床の張替えと同時に行いたい押入れDIYがふすまの張替えです。押し入れを閉めた状態で使う場合は、ふすまを張替えすることでイメージ変更ができます。
洋風なインテリアが多い部屋に、和風なふすまは似合いません。部屋のデザインに合ったものを選ぶことで、おしゃれな印象に。
ふすま紙はアイロンで貼るタイプやシールタイプのものもあるので、張替え初心者でも手軽に張替えができます。
押入れDIY実例④:ふすまを変更
ふすまの張替えをせずに、思い切ってふすま自体を変えてしまう方法もあります。押入れ内部の撤去や変更をしなくても、ふすまを別の素材に変更するだけでも押入れDIYが簡単にできます。
部屋のデザインにふすまが合わない、張り替えても違和感があるときは、ふすまの上からベニヤ板を貼り付けて取っ手を変更することも。
ふすまを外して木枠やカーテンレールを取り付けて、収納スペースにすればこれまでとは一風変わった雰囲気になります。
押入れDIY実例⑤:収納スペースを増やす
押入れがデッドスペースになっている、きれいに収納できないときは、収納スペースを増やすDIYもおすすめです。
押入れに衣装ケースを詰め込むだけの収納は、取り出しにくく非効率。そこで収納しやすいように仕切りを作ってしまうDIY方法もあります。
押入れ内部の不必要な部分を撤去、木材を打ち付けて棚を増やすことで細かいものや高さのある収納も可能になります。インテリア用の棚にしてもおしゃれです。
押入れDIY実例⑥:テレビを置く
押入れをテレビスペースにするDIYも人気があります。単純にテレビを置くだけでイマイチなので、テレビを置きつつ、おしゃれなリフォームがおすすめです。
中段をそのままテレビ台として使う方法もありますが、解体すればちょうどいい高さにしたり、空きスペースを収納に使うこともできて一石二鳥。
壁や床を張替えたり、ライトアップする、テレビを見ないとき用に目隠しを付けるなどアイデア次第で色々なリフォームが可能です。
押入れDIY実例⑦:子ども用スペース
押入れを収納スペースではなく、子ども用スペースにする押入れDIYもあります。内部の木材を撤去して、好みのサイズに仕切ったり、中段を利用した2階建てにしてもOK。
子どものおもちゃを手の届くところに置いてそのまま遊べるようにしたり、隠れ家のように目隠し用カーテンを付けると喜びます。
中段を利用する場合は上段から落ちないように柵を付けると安心です。上段にすべり台を設置して遊び場にするDIYもあります。
押入れDIY実例⑧:上段にベッド
押入れをベッドにしてしまうDIYも人気があります。広い押入れは子どもが寝そべるには十分なスペース。
押入れの中段はしっかり固定されているので、子どもが乗っても大丈夫です。しかし湿気がこもらないようにする必要もあるので、下にすのこを引くようにします。
押入れの中段を利用して2段ベッドも作れます。リメイクシートや壁紙を使って壁を張り替えたり、木材で柵やはしごを付けるだけなので手軽で簡単。
上段をロフトベッドに、下段は収納や遊びのスペースにしてもいいですね。その場合はふすまを外してカーテンにするといいでしょう。
押入れDIY実例⑨:個室部屋にする
押入れは子ども用スペースだけでなく、大人向けの個室にDIYすることも可能です。中段などを撤去することで、大人でも十分利用可能なスペースになります。
正面と左右が閉鎖されている押し入れは、集中して作業するにはもってこいの環境。テーブルやソファなどを置けば、ゆったりした個室に。
本棚を作れば小さな書斎も作れます。あまり背の高くない人であれば寝室にしてもいいですね。部屋のサイズ感もちょうど良く、趣味や仕事に没頭できます。
押入れDIY実例⑩:見せる収納
押し入れを収納として使う場合におすすめのDIYが見せる収納です。いつもはふすまで見えない中身も、見せるインテリア収納にすればおしゃれな空間に。
中段やふすまを取り外すことで開放感を出します。壁の張替えや床材を変更して、インテリアを収納しやすい棚や仕切りを作ります。リメイクしたいものによっては中段を外さなくてもOK。
余分なものを取り除いた押し入れは広々とした空間になるので、好みのインテリアにしやすくなります。半分だけをカーテンで目隠しする方法もあります。
賃貸でもOKな押入れDIY実例
持ち家の押入れなら解体も自由ですが、賃貸となるとそうはいきません。でも、押入れDIYは解体しなくてもアイデア次第で色々なリフォームが可能です。
- カラーボックスを使う
- 突っ張り棒を使う
- 子ども用の机
- ふすまを外す
- 飾り付け
- 作業デスク
- 子ども部屋
- カーテンを使う
- はがせる壁紙を使う
- ペットスペース
賃貸でもOKな押入れDIY実例①:カラーボックスを使う
賃貸の押入れに収納を増やすにはカラーボックスを使ったDIYがおすすめです。押入れサイズのカラーボックスを使い、整理整頓しやすいようにリメイクします。
押入れの内部を解体撤去しなくても、カラーボックスを使うことで仕切りが増やせます。
カラーボックスを好みの色やデザインにすればそれだけでもおしゃれに。カラーボックスのなかにカゴを使えば引き出し風になって便利です。
賃貸でもOKな押入れDIY実例②:突っ張り棒を使う
押入れにハンガーラックが欲しいときは突っ張り棒が便利。押入れの横幅に合ったサイズの突っ張り棒を使うと釘要らずなので、賃貸でもDIYが可能です。
突っ張り棒とワイヤーネットを組み合わせれば、仕切りも簡単です。突っ張り棒を縦にして、ワイヤーネットを結束バンドで固定すればサイドスペースも有効活用できるように。
さらにすのこや有孔ボードとの相性も良く、賃貸の押入れDIYのアイデアも無限に広がります。
賃貸でもOKな押入れDIY実例③:子ども用の机
中段をそのまま机として活用すれば、子どもの勉強スペースに。椅子の高さを調節してジャストサイズにすれば集中できます。
押入れは奥行きがあるので、上段の空きスペースに教科書やノートなどをしまう場所を作れます。取り出しやすいようにキャスター付きのカゴに入れてもOKです。
下段は椅子を置く場所以外はカラーボックスなどを使って子ども用の収納スペースに。兄弟姉妹がいるなら突っ張り棒で仕切っても。
そのままの状態では味気ないので、布やリメイクシートで変化を付ける方法もあります。前框の正面部分を覆うように布を付ければ、ささくれてしまったトゲが刺さる心配もありません。
賃貸でもOKな押入れDIY実例④:ふすまを外す
簡単押入れDIYとして便利なのが、ふすまを外す方法です。和風な印象が強い押入れのふすまを取り外して洋風が似合う部屋にすることも。
オープンスペースで見せる収納や、上部に突っ張り棒とカーテンを付けて閉鎖空間をなくします。収納の出し入れもしやすく、賃貸でも簡単に押入れリフォームに。
上段下段に分けてカーテンをすれば、好きなようにリメイクできます。木材を使ったり、モノクロで統一しておしゃれなライトをディスプレイすればシックな部屋に模様替えも。
賃貸でもOKな押入れDIY実例⑤:飾り付け
解体やリメイクが苦手な人は押入れをおしゃれに飾り付けてDIY。これなら賃貸でも解体や除去なしでイメージを変えることができます。
飾り付けを使ったDIYはふすまをなくしたほうがきれいにできます。押入れの奥の壁にイルミネーションライトを付けたり、中段に飾り付けたり。
押入れの外周に飾ったり、カーテンのようにぶら下げてもおしゃれです。イルミネーションライトと一緒に木製クリップなどでフォトカードを飾っても。
部屋のインテリアに人気のフラッグガーランドもおすすめです。フラッグガーランドは手作りや100均でも購入可能。
賃貸でもOKな押入れDIY実例⑥:作業デスク
押し入れは子どもの勉強机だけでなく、大人の作業スペースにもおすすめです。広さがあり、それなりの耐荷重もあるのでパソコンも置けます。
デスクトップのパソコンはモニターを手前に、本体を奥に置くことでスッキリ収納できます。
ふすまを外してスタンドライトや必要書類も上段に置ける、十分なスペースがある押入れは作業デスクにもピッタリです。
ハンドメイド好きならミシンや工具を置いて作業してもいいでしょう。
賃貸でもOKな押入れDIY実例⑦:子ども部屋
押入れの中段を解体しなくても子ども部屋として使うことができます。上段には落下防止の柵を、床にはマットをひくことで快適な遊び空間に。
小さなサイズのテーブルなら上段に置いてお絵かきや勉強もできます。賃貸で部屋数が少なく、子ども部屋がないときにおすすめのDIYです。
おもちゃやぬいぐるみを飾ったりする場合はカラーボックスが便利です。上段に上がるときは踏み台があれば上り下りもできます。
フラッグガーランドやイルミネーションライトを使うときは、引っかからないようにしてください。
賃貸でもOKな押入れDIY実例⑧:カーテンを使う
ふすまを外してカーテンを使った方法もおすすめです。カーテンに変えるだけなら、短時間であっという間に出来上がります。
普通のカーテンもいいですが、ロールカーテンもおすすめ。横幅の狭いタイプの押入れにはピッタリです。
カーテンは開け閉めがスムーズで、押入れからの取り出しも楽になります。使い勝手の良いDIYにするなら、まずはふすまをカーテンにしてみましょう。
賃貸の場合は外したふすまもキチンとしまっておきます。退去するときにふすまがなければふすま代を精算で原状回復の場合も。
賃貸でもOKな押入れDIY実例⑨:はがせる壁紙を使う
賃貸の押入れは退去のときに原状回復が原則です。そのためはがせる壁紙がおすすめです。はがせる壁紙なら、のりを使わずはがすときもアトにならずにきれいに処理できます。
賃貸におすすめの壁紙はシールタイプやマスキングテープを使った方法です。シールタイプの壁紙は、はがしたあとが残らないものがおすすめ。
賃貸だからのりやシールを貼るのに抵抗がある、という人は押入れ内部の周りにマスキングテープを貼ってから、壁紙を貼るといいでしょう。
小さな穴ならOKという賃貸なら四隅をホッチキスで留めてしまう方法も。ホッチキスは芯を外したあとに空いた穴はコーキング剤などで埋めると痕が気になりません。
賃貸でもOKな押入れDIY実例⑩:ペットスペース
ペット可の賃貸なら押入れをペットスペースにDIYする人も少なくありません。ペットスペースにする場合は防水性のあるシートや柵を置くことをおすすします。
鳴き声が気になるなら防音材が便利です。厚みのある防音材なら、釘やネジ、接着剤なしでも立てかけて使うことができます。
ペットスペースにDIYするなら下段を使うだけでも十分な広さになります。上段は収納スペースにして、カーテンで目隠しすれば一石二鳥です。
ペット用のゲージは意外と場所を取るので、押入れを使ってスッキリさせましょう。
押入れをクローゼットにDIYする方法
和風な印象が強い押入れもDIYによって、使いやすいクローゼットにすることもできます。収納するものによって、中段を解体するかどうかを決めましょう。
- 折れ戸をつける
- 扉なしのクローゼット
- 中段を解体
- ハンガーパイプの取り付け
- 上段だけをクローゼット仕様
押入れをクローゼットにDIYする方法①:折れ戸を付ける
押入れをDIYしてクローゼットにする場合扉部分に注目です。ふすまを外して折れ戸にすれば、本格的なクローゼットの完成です。
折れ戸は中央から左右に開くので、使い勝手が良く収納もしやすくなります。最近では押入れクローゼット用の折れ戸もあり、専門業者に依頼することなく取り付けできます。
ふすまのミゾを利用するので大掛かりな工事も必要ありません。採寸をしっかりすれば簡単にリフォーム完了です。
押入れをクローゼットにDIYする方法②:扉なしのクローゼット
ふすまを外してあえて扉なしのクローゼットもおすすめ。来客がこない部屋なら中が見えていても気になりません。
扉なしにするメリットは、なんといっても出し入れしやすいことです。ハンガーにかけた衣類をパッと出せます。
扉なしでは心許ない、というときはカーテンやロールカーテンを設置しておけばいざというとき安心です。
普段は開けっ放しで、目隠ししたいときだけ閉めるようにできます。扉なしなので、好きなようにインテリアを飾って楽しめます。
押入れをクローゼットにDIYする方法③:中段を解体
ロングコートやワンピースなど、長めの衣類を収納するなら中段を解体するほうがいいでしょう。中段があると、裾部分がシワになってしまうことも。
中段を解体して広いスペースにしたら、下部がデッドスペースに、というときは収納ボックスなどを使って靴を入れる方法も。
服と靴がセットで収納できれば、コーディネートしやすくなります。中段を撤去したあとは、ハンガーラックをセットすればOKです。
服をかけるハンガーを揃えるとスッキリした印象に。オンシーズンの服をハンガーに、オフシーンズンのものをケースにいれて仕舞っておけば収納が楽になります。
押入れをクローゼットにDIYする方法④:ハンガーパイプの取り付け
押入れDIYでクローゼットにするなら、ハンガーパイプがおすすめです。中段を解体して、ハンガーパイプを取り付ければOK。賃貸なら壁に設置しなくても良い置型タイプがおすすめです。
突っ張り棒でもいいですが、やはり重さのある厚手のコートなどを複数枚かけると落ちてしまうことも。金具やネジを使って固定すれば多少の重量にも絶えられます。
取り付けの際には歪まないように気をつけましょう。置型タイプを使ってデッドスペースを有効活用する方法も。
押入れをクローゼットにDIYする方法⑤:上段だけをクローゼット仕様
賃貸の押入れや中段が解体できない場合は、上段だけをクローゼット仕様にすることもできます。
下段は押入れ収納にして、上段に突っ張り棒やハンガーパイプなどを設置します。丈が短い衣類をかけるだけなら、上段スペースでも十分です。
上下の収納方法を変えることで、それぞれの衣類に合った収納ができます。サイドがデッドスペースになる場合はワイヤーネットやフックを使って、カバンや帽子などをかけるといいでしょう。
押し入れに関してはこちらの記事もぜひご覧ください。
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おすすめのDIY本
近年人気のDIY、難しそうと挑戦を断念する人も少なくありません。DIYは自分でできる範囲で行うもの。
最近では100均で材料が揃ったり、工具が要らないDIYもたくさんあります。そこで初心者にもおすすめのDIY本をご紹介します。
こちらはDIY初心者向けの本。DIYに関するさまざまな基本情報が詰め込まれています。工具の名称や使い方、専門用語などが掲載されているだけでなく、収納棚やテーブルなどの基本も紹介しています。
こちらの本は押入れDIYしたあとでも使える収納家具になっています。実用的なものばかりで説明も丁寧、図面付きも嬉しいところ。見ているだけでも創作意欲が駆られます。
押入れDIYと一緒に収納に便利な棚やラックなどが紹介されているDIY本。ジャストサイズの既成品がない場合やデッドスペースを有効活用したいときにもおすすめです。
初心者にも挑戦できる押入れDIYまとめ
押入れDIYは難しく考える必要はありません。アイデアがまとまれば、あとは実践あるのみです。
初心者や賃貸でも挑戦できる押入れDIYは、簡単なものから本格的なものまで色々あります。
収納しにくいと感じた押入れをDIYでチェンジするのもおすすめです。